ーcoyolyーさんの映画レビュー・感想・評価

ーcoyolyー

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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

"Soy Ana”に尽きる!
アナ・トレントによる50年越しの渾身の“Soy Ana”!!!!!
このシーンまでの2時間全部前振り!!!!!長え!!!!!でも耐えた甲斐がある爆発力が凄まじかったからこ
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エル・スール(1982年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

あの男は特級呪物だからさ、あんなロミオメール送られて「クッソうぜえんだわブロックするわ」と返信送ってきた人だけじゃなくて出てくる女性陣は母親と乳母(ああこの人たちきっとものすごく訛ってるんだろうなと分>>続きを読む

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

これ、『ミツバチのささやき』って自分たちのことなんですね。この劇中に出てくる人間たちの取るに足らないような言葉のこと。取るに足らないというかこの人たち当時のスペイン政権から棄民されてる人たちで、そんな>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

昨日、トラン・アン・ユンの新作観たいけどなぁ……と思いつつ買い物してるとパン屋さんで女性が歌う『CREEP』が流れてきまして。マイオールタイムベスト映画は『ヴァージン・スーサイズ』ですがマイオールタイ>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

『パリ、テキサス』をベースの出発点としてソフィア・コッポラが映画を撮ると『SOMEWHERE』になり、マイク・ミルズが映画を撮ると『C'MON C'MON』になるという(舞台がアメリカの割に)静謐な二>>続きを読む

マルコヴィッチの穴(1999年製作の映画)

3.8

性倒錯者という字幕を見て目と耳を疑って何度か繰り返して聞き取りしてみたんだけど、私の耳にはどうやってもtranssexualと聞こえる単語を「性倒錯者」と訳出するのはどうかと…1999年か……1999>>続きを読む

王の願い ハングルの始まり(2019年製作の映画)

3.5

duolingoとNHKラジオとテレビのハングル講座(でテキストも買わずただシャドーイングしてる)だけの緩い韓国語学習者が理解したことは基本ハムニダ体で話しているということだけでした。王様にはハムニダ>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

思っていた以上に普通に父と娘の物語、フランシス・フォード・コッポラとソフィア・コッポラの、コッポラ家の父と娘2人のパーソナルな物語でした。ソフィア・コッポラ作品に出てくる男性って真面目で辛気臭い父の影>>続きを読む

ノーザン・ソウル(2014年製作の映画)

3.9

嗚呼、シネマライズで!私たちのシネマライズで観たかった!あの頃シネマライズで『トレインスポッティング』を観ていたみんなたちはこの映画観たのかな?あの頃あの界隈にいた元若者に届けばいいな。

1990年
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ボーイ(2010年製作の映画)

3.3

なんか「有害な男らしさ」の再生産というイヤーなもの見たなーって感じです。父親と対峙した時、暴力で訴えるの本当イヤーなものだったな。タイカ・ワイティティ下手に愛嬌あるから余計タチが悪い。最後マサラムービ>>続きを読む

キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜(2020年製作の映画)

3.7

キース・ヘリングの理解の仕方がよく分からなかったのですが、どうやらパンクとデュシャンにも通じるような思想の文脈らしいと咀嚼できたのでやっと評価の位置付けが朧げながらも見えてきました。

文化の盗用の観
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戦場のレクイエム(2007年製作の映画)

3.7

今私パール・バックの『大地』読んでいるところなので(王淵が上海租界と思しきあたりで学校行ったり色々あって革命やったり逮捕されたりした後に留学するために船に乗せられたところで三巻終わって四巻まだ図書館に>>続きを読む

The Workers Cup ーW杯の裏側ー(2017年製作の映画)

3.7

私最初、技能実習生のドキュメンタリー観てるのかと思った。こういう環境や状況ってどこに行っても一緒、まるでオリジナリティがない。人間が人間を搾取する時、普遍的にこうなるのだと痛感させられる。

ここに出
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TENET テネット(2020年製作の映画)

3.8

クリストファー・ノーラン版007といった趣で面白かったです。エリザベス・デビッキ完全にボンドガールの文法で撮られてたし。(追記:これ書いた後にノーランのWikipediaページ見て007シリーズのファ>>続きを読む

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

3.7

「選手の動きは美しいダンスだ」そう!それな!ほんそれ!

いつの間にか2022-2023シーズン独走だと思っていたアーセナルをぶっちぎって優勝してたマンチェスター・シティおめでとうというわけでもないん
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テスラ エジソンが恐れた天才(2020年製作の映画)

3.4

理系男子バッチバチ理系バトル映画大好きなので期待してたのにそんなんじゃなくて『ファウンダー』的な正直者が馬鹿を見るビジネス乗っ取り映画でちょっとしょげてる。

いきなり『ルール・ザ・ワールド』歌わせた
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チェ 28歳の革命(2008年製作の映画)

3.6

ソダーバーグは誠実だな。革命というものの大部分は持久戦と消耗戦で派手なドンパチなんてほとんどない。映画的な派手な演出ではなくて革命の神経が擦り切れるだけのつまらない日常に主眼を置いて描いている。いくら>>続きを読む

スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話(2019年製作の映画)

4.0

これ監査入るじゃない。それでずっとColaboのこと考えざるを得なくなって、ずっと苦しかった。

目の前に出てくる人は見た目でわかる記号と名前から判断するにユダヤ教徒、イスラム教徒、黒人が多くて、でも
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

フレディ・マーキュリー役を争ったラミ・マレック(セクシュアリティが違うと一部から批判を受ける)とベン・ウィショー(人種が違うと一部から批判を受ける)が夢の競演!共演シーンがあるかどうかは知らんけど(註>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

『ゴーン・ガール』の主人公、サイコパスだサイコパスだと世間では言われてるけど彼女はこの映画の主人公たちと似たような境遇で、サイコパスではなくて単なるサバイバーだと思うんですよね。(ロザムンド・パイクと>>続きを読む

君の膵臓をたべたい(2017年製作の映画)

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キモいキモいキモいキモいキモい!浜辺美波に押し付けられた男の理想の女子像がひたすらキモい!浜辺美波ってこの映画でブレイクしたという認識持ってるんですけど、これ?え?これ?こんなもん押し付けられた結果の>>続きを読む

スペインは呼んでいる(2017年製作の映画)

2.8

マイケル・ウィンターボトムってこんな感じだった?と前世紀に確か飯田橋ギンレイホールで『日蔭のふたり』を観て以来なので戸惑ったのですけど、ちょっと映画が進むと陰キャが陽キャっぽく振る舞いたくて必死に背伸>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.6

最初の方でアメリカW杯開幕まで6時間とかいう特番やってたからこれ1994年6月17日辺りから始まった。そして7月8日の金日成死去、10月21日の聖水大橋崩落から数日の4ヶ月余りの物語。金日成死去からす>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.6

センター試験を受けて(北海道の冬休みは長いので)三学期の始業式というかセンター試験の解説受けるために学校行く準備しようとしてたらテレビから一つの街が瓦礫に埋もれてる映像が延々と流れてきていて、それが日>>続きを読む

チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.9

身も蓋もなく言ってしまうと韓国版『ブリジット・ジョーンズの日記』なんですけど私はこっちの方が断然見易い。それはあっちの主人公がクリストファー・ノーランどころではなく普通に何のひねりもなくトム・クルーズ>>続きを読む

ぶあいそうな手紙(2019年製作の映画)

3.6

犬の世話の仕事してるのに散歩の途中で太極拳に参加しちゃう女の子、この子自由でいいなー、と思いかけたんだけど、いや、待てよと。私この子くらいの歳の頃気功太極拳習ってたぞ?と何かに気づき固唾を飲んで見守っ>>続きを読む

パリの恋人たち(2018年製作の映画)

3.6

自分で監督主演してこんな映画撮ったとしても何となく愛嬌で許されてるルイ・ガレルがズルい。この人めっちゃくちゃモテるんだろうな、そして火野正平的に別れた元恋人からも悪く言われなさそう。

マリアンヌが勤
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ロナウドVSメッシ フェイスオフ(2017年製作の映画)

3.2

いやさ、Gyao!で気になる映画観ようとしたの。そしたら、え?これ監督前田司郎!?アスガル・ファルハディ!?ベルナルド・ベルトルッチ!?と映画界でちょっとよろしくない話が出ている人を避けようとしてるの>>続きを読む

リトル・ガール(2020年製作の映画)

4.3

夢。ドビュッシーの『夢』。彼女のライトモチーフとしての。素晴らしいな。

私最初これ普通にフィクションの映画だと思っていて、だって『ザ・ノンフィクション』的な汚さがどこにも見当たらないんですよ。ドキュ
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わたしの叔父さん(2019年製作の映画)

4.0

体温と出力低めで日常をやり過ごすヤングケアラー。叔父さんのため、という建前が居心地良くて実のところ外へ一歩踏み出す勇気が出ない。叔父さんは彼女に自分の人生を生きてほしいのに。かつて家族を失った彼女は引>>続きを読む

少年と自転車(2011年製作の映画)

4.5

鑑賞後スッキリサッパリしました。母性や父性なんて本能ではなくそれを持ち得ない人間なんて腐るほどいるし父性を持ち得ていたとしてもそれは聖なる尊い美しいものというだけではなくみみっちい浅はかな言動の動機に>>続きを読む

孫文の義士団(2009年製作の映画)

3.7

ドニー・イェンが孫文を守ってる。昨今のドニー・イェンの言動知ってると何も言えねぇ……と思ってたんですが。この映画、ドニー・イェンだけじゃなくファン・ビンビンも出てくるぞ?何だこれ?偶然の一致じゃなくね>>続きを読む

ワザリング・ハイツ ~嵐が丘~/嵐が丘(2011年製作の映画)

3.6

やっぱ私『嵐が丘』より断然『ジェーン・エア』だわ……原作読んだ時のイヤーな感じが蘇ってきたので『嵐が丘』の映像化作品としては良く出来ているのだと思います。いやほんとエミリー・ブロンテと紫式部の非モテ陰>>続きを読む

汚れたミルク/あるセールスマンの告発(2014年製作の映画)

3.6

この世の中で生きるためには程度の差はあれ汚れることを強制されて、でも実はそれができない人が一定数いて、それができないために社会から弾き飛ばされ、弾き飛ばされてしまうと存在も声も社会的にはないものとされ>>続きを読む

疑惑の金メダリスト -オスカー・ピストリウス-(2017年製作の映画)

3.5

うわぁ…メンヘラボダ男だぁ….とは思うんだけどこの人が見捨てられ不安と承認欲求の塊であったことが殺人だけではなく史上初義足のオリンピアン誕生の動機にもなったわけでこの二つの出来事は同根であるからこそ消>>続きを読む