こえさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

こえ

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インド・オブ・ザ・デッド(2013年製作の映画)

4.5

ゾンビ映画を初めて観たけど面白かった。
孤島でのロシアンマフィア主催のパーティーで危険なドラッグを使った人たちがゾンビになって、もちろん食べられた人はゾンビになる。ゾンビは脳の病気なので脳を撃てば死ぬ
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あなたがいてこそ(2010年製作の映画)

4.5

孤児の主人公が、遠くの生まれ故郷の土地を相続することになって、その故郷に帰る。でもその家は、親戚同士血で血を洗う争いがあったという過去があって、彼はそのいざこざに巻き込まれる。というのも、帰郷の汽車で>>続きを読む

インドの仕置人(1996年製作の映画)

2.7

かつて(インドを統治ていた)イギリスと闘った殺し屋は、今は賄賂の常習者の役人たちを暗殺する男になっていた。その背景には、医者に賄賂を渡さなかったために娘を死なせてしまったという過去がった。はあ、なるほ>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

4.0

第二次大戦中、ユダヤ人収容所にはゾンダーコマンドという人たちがいて、施設内での汚い仕事や死体処理なんかをこなしていたらしい。彼らは同じユダヤ人で、同じ囚人。処刑を免れる代わりにそういう仕事をしているよ>>続きを読む

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)

3.8

地下壕で拳銃自殺したはずのヒトラーは、気がついたら現代のドイツに蘇っていた。そこで解雇寸前のテレビ局の青年と出会い、ヒトラー本人としてテレビに出演することになり……という設定。
ヒトラー本人なので、そ
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.3

住宅街の川べりになんとなくある、広場というには狭い、特になんの意図もなく作ったであろう公共のスペース。暇なおじさんがずっと佇んでいたり、大道芸人が練習したりしている。そんな風景。そこの階段で瀬戸くんと>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

5.0

ショーン・ペンが監督ということで観たけど、思いがけず、ぼくの人生にとって最も重要といってもいい映画に出会った。素晴らしかった。
裕福な家に生まれ、ハーバードのロースクールにも入れるほどの成績で大学を卒
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(1990年製作の映画)

3.7

黒澤明のユートピアとディストピア。
オムニバスの形式で、おそらく自身の幼少期と思われる風景から始まり、徐々に現代・未来の悲惨な風景に変わっていき、最後には…。短い話が「夢」という形態を借りて連続的に描
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オール・ザ・キングスメン(2006年製作の映画)

2.8

ショーン・ペンが見たくて観たけど、この役の彼はそうでもなかった。
役というのは郡の元出納係で、汚職を摘発してけっきょく職を追われた男。しかし政治的野望を捨てきれない彼にある男がやってきて、州知事に立候
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キャタピラー(2010年製作の映画)

2.2

三つの勲章を得て帰還した「軍神さま」黒川少尉はご覧のとおりの姿。動けなくなりながらも、その勲章や自分を讃えた新聞記事を嬉しそうに眺め、悦に浸る。妻はその介抱をしたり、軍神さまをリヤカーに乗せ村を巡った>>続きを読む

人生フルーツ(2016年製作の映画)

4.6

二人の生活をただ映しただけの映画なのに、なんでこんなにもいいんだろう。
日本住宅公団のエースとして受賞経験もある建築家の修一さんと妻英子さんの二人は、今はその経済至上主義的な世界からは離れて、アントニ
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ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.4

女優を目指すミアと、ジャズの復活を目指すピアニスト・セバスチャン。好みは違っても同志のように切磋琢磨し合いながらお互いの夢を目指していく。夢を追う青年を描くという点では前作の『セッション』と同じだけど>>続きを読む

ツォツィ(2005年製作の映画)

3.7

南アフリカの今。
スラムに暮らす少年ツォツィ(「不良」という意味の通り名)は、金を奪うために男を殺しても、仲間を殴って顔を壊しても、金持ちの家の女を銃で撃っても、その女の車を奪っても、なんとも思わない
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LIFE!(2013年製作の映画)

4.2


妄想癖の絶えないサラリーマン、ウォルター・ミティは、あの「LIFE」誌の暗室技師。休刊になったLIFEの最終号の表紙を飾る写真の現像を任されるんだけど、写真家が指定しきてきた25番のネガだけが見当た
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沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

4.6

17世紀初頭のポルトガル人宣教師にとって、当時の日本(江戸初期)はさぞかし未開の、謎の地と映ったことだろう。「本当に彼らはキリスト教徒なのか?」という初っ端の疑問は実際思ったに違いない。しかしすぐにわ>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.9

ぼくはここに何本も映画のレビューを書いてきたけど、この作品に関しては、書くべき言葉が見つからない。見つからないし、書くべきではないような気もする。そして、まだ観ていない人には、何も知らずに観てほしいか>>続きを読む

世紀の光(2006年製作の映画)

3.9

アピチャッポン監督をはしご。
これはコメディというか、笑いの映画だと思った。他作品と同じように、前世というか生まれ変わりのような世界観が描かれるけど、これはひねくれたお笑いを作りたかったんじゃないか(
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光りの墓(2015年製作の映画)

4.5

『ブンミおじさんの森』で大好きになったタイの監督、アピチャッポン・ウィーラーセタクンの最新作。
重機が穴を掘るばかりの工事現場の隣に建つ病院。以前は学校だったようだが、もっと以前には……。ここに入院す
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たとえ明日が来なくても(2003年製作の映画)

3.0

ナイナはつまらなそうな顔をしている。父を亡くし、母は祖母といがみ合っているし、弟は足が悪いし、妹は養子で、祖母から疎まれている。妹の作るドールハウス(この家族を模する)は誰かが外されたり入れられたり、>>続きを読む

モンスーン・ウェディング(2001年製作の映画)

3.7

パンジャーブ地方の結婚式は、モンスーンの時期、親類縁者が自邸に大勢集まって派手にやるのが伝統みたい。だから、天幕は白じゃ葬式みたいだからというので、赤や黄色(防水加工)で大いに見栄を張ったりする。何日>>続きを読む

アルターフ -復讐の名のもとに-(2000年製作の映画)

4.1

原題は『Mission Kashmir』。カシミール作戦。
冒頭20分ほどの一連の流れを書きます。イスラム文化圏のカシミール地方(シュリナガル?)では過激派が暗躍していて、警察を治療した医者は殺すとい
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若さは向こう見ず(2013年製作の映画)

3.0

2017年、映画はじめ。
冒頭に意味深なシーンが続いて、すぐに8年前の回想が入り、それがインターバル前までなので、8年前に何かあったのかというミステリー仕立てなのかと思いながら観ていたけど、これは単純
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さようなら(2015年製作の映画)

3.7

原発事故。詳しくは語られないけれど、放射能に汚染されたこの国の国民は、海外に避難することになったようだ。でもそれには優先順位があって、外国人であるターニャは5ヶ月経ってもまだ出られないでいる。他にも前>>続きを読む

命ある限り(2012年製作の映画)

3.4

北インド・ラダック地方。パキスタンとの国境が近く、常に警備体制のとられているこの土地で、防護服をつけずに爆弾処理に臨むサマルの姿が冒頭で描かれる。そのサマルの日記を偶然に読んだ映像作家志望の女アキラは>>続きを読む

ナビィの恋(1999年製作の映画)

4.1

仕事を辞めて島に帰ってきた菜々子。島に暮らす祖父の恵達と祖母のナビィ。そして、幼馴染のケンジ、理由はわからないけど島にやってきた福之助、祖母との過去を匂わすサンラーを中心に、子供達や島民と過ごす時間。>>続きを読む

(2000年製作の映画)

3.3

阪本順治監督の映画はとらえどころがない。それは、映画でしかできないことをやっているからだと思う。具体的にどこと聞かれても困るけど、映画でしか伝わらない独特の時間感覚の雰囲気というか、質感というか、触れ>>続きを読む

神さまがくれた娘(2011年製作の映画)

2.8

いつも事前知識なしで観るので途中で気づいたけど、これってインド版『アイ・アム・サム』? と思ったらそうみたい。有名なあのシーンのオマージュもあった。
南インドと思われる村のチョコレート工場で働くクリシ
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家族の四季 愛すれど遠く離れて(2001年製作の映画)

2.6

壮大な文芸調の大作を予想していたのだけど、内容はアメリカかぶれの90年代コメディみたいなのがふんだんにあって、なかなか見るのがつらかった。なんとなくダンスでごまかされた感じがある。3時間半のうち、1時>>続きを読む

蜜のあわれ(2016年製作の映画)

2.7

金魚は、少女から大人へと変わろうとしていた。
ロリコンでもない、大人のエロスでもない、境目の中にある、性というよりは生。
そんな「あたい」=金魚は、恋に憧れて老作家(泉鏡花自身がモデルだろう)との恋人
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キ&カ 彼女と彼(2016年製作の映画)

4.6

IFFJ2016にて、7本目。
上映スケジュールの関係で、これを観るしかないかって感じで観たけど、かなり良かった。
バリバリのキャリアウーマンのキアと、社長の一人息子でMBAを持つものの主夫になりたい
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ボンベイ・ベルベット(2015年製作の映画)

4.7

IFFJ2016にて、6本目。
独立間もないインド。バルラージは路上でアウトローな日々を生きるうちに、ギャングの親方に見込まれて、その道に入る。そこでしか生きてゆけない男(映画ではチンピラと自嘲的に表
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ガッバル再び(2015年製作の映画)

4.6

IFFJ2016にて、5本目。
インドでは賄賂が当たり前になっていることは事実で、社会問題のようだ。むしろそれでないと成り立たないようになってるみたい。
世を偲ぶ仮の姿は物理学の大学教授。しかし、夜は
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私が恋した泥棒(2016年製作の映画)

3.8

IIFJ2016にて、4本目。
これはヒンディー語によるいわゆるボリウッドではなく、ベンガル語(東海岸カルカッタの方の言葉)によるもので、他作品とは明らかに空気感が違った。時間の流れがゆっくりだし、扱
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エアリフト 緊急空輸(2016年製作の映画)

4.7

IIFJ2016にて、3本目。
90年のイラクによるクウェート侵攻(のちの湾岸戦争のきっかけ)でクウェートに閉じ込められ、難民となったインド人が17万5千人。イラクの将校に特別に認められた主人公ランジ
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ムフティヤー(2016年製作の映画)

3.7

IIFJ2016にて、2本目。ショートムービーだけど。
「ムフティヤー」はヒンディー語で「ヒモ」のこと。女に食わせてもらって生活する男の「ヒモ」の方。
解説には、ボリウッドの業界事情が描かれている、と
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カプール家の家族写真(2016年製作の映画)

4.8

インディアン・フィルム・フェスティバル・ジャパン2016(以下、IFFJ2016)にて、1本目。
家族って、家族なだけに、わからない。
祖父の危篤の知らせを受け、外国から兄弟が集まる。兄ラーフルはイギ
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