Pegasusさんの映画レビュー・感想・評価

Pegasus

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親密さ(2012年製作の映画)

5.0

言葉のダイアグラム。この映画自体が巨大な、でもありふれた群青劇のようだった。濱口監督作品ではドライブ・マイ・カーに並ぶ傑作だと思います。

ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.7

317分か。言葉が洪水していて頭がいっぱいになるけど心地よい疲労感だった。この世界にもっと浸かっていたい。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

映画館で3回観た。不思議な3時間の映画体験だった。
これを観た後に自主映画の脚本を一気に書き上げた。そうさせるだけの力を秘めた作品。

おんなのこきらい(2014年製作の映画)

2.8

いい感じの映画だがまだ未熟さがある。ただこれは未熟さを味わう映画とも言える

空気人形(2009年製作の映画)

3.8

心に深く残る映画だった。
ペ・デゥナの儚げな存在感はもちろん、井浦新の奥深い愛を感じる佇まい、そして安定のオダギリジョー。
是枝裕和の優しくも鋭い作家性が反映された、街を映し出した映画です。心を打たれ
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Summer of 85(2020年製作の映画)

3.8

とりあえず言いたいのは「いい映画だ」ってこと。BLとか知らんけど、こんなにも胸の高鳴りが止まらない恋愛映画は初めてかもしれない。
どこまでも純粋で不器用な"恋心"を鮮やかにフィルムへ焼けつけたフランス
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SEASONS OF WOMAN(2020年製作の映画)

3.4

あいち国際女性映画祭 川崎僚監督、根矢涼香さんのトークイベント上映。

6年かけて作られたオムニバスということで季節と共に映画の完成度が高まっていき徐々にゆっくりと心に刺さる、全ての女性の訴え。
不安
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あなたみたいに、なりたくない。(2020年製作の映画)

3.6

ndjcの作品。
一貫して"女性のリアルな悩み"を描く川崎僚監督。
対比や動揺の演出が印象的で、登場人物の焦りや悩みが口に出さずとも伝わってくる様子が心にグッと刺さる。そして音楽の絶妙な使い方で優しさ
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魚座どうし(2020年製作の映画)

4.2

息を飲む驚異的な短編映画。
山中瑶子は化ける。

シュシュシュの娘(2021年製作の映画)

3.0

シネマスコーレの入江悠監督舞台挨拶にて。

前情報一切入れてなかったから「あっこういう映画なのね!」と驚いた。ミニシアターの味を引き出すことに特化したエンターテインメント作品としては楽しく面白いのだけ
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

3.2

これぞ夏映画!沖田修一のシュールな笑いが炸裂し、ずっとニヤニヤしっぱなし!長回しで滑稽さを演出するが故にテンポが悪く退屈さを感じてしまうけど、止まらないトキメキと爽やかすぎる余韻が "な!"
この映画
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.8

アメコミとジェームズ・ガンは苦手だから見逃しかな、って思ってたけど、R15+だし何よりもWETAデジタルらしいので観ない理由が無くなり、評判のいいIMAXレーザーで観ました。
ヒーロー、アクション、コ
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

4.0

アニメのテンションを実写で撮ったような作品。
ただ面白さを追求したクセの強い暴走が炸裂し、その疾走感溢れるテンポに魅了された。
ラストは若干逃げて終わらせた感あるけど、"無理矢理"だから表現できた胸熱
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砕け散るところを見せてあげる(2021年製作の映画)

2.6

原作はラノベ的なテンポのよさと、後半の容赦ないシリアス感がたまらない作品でした。
それでその実写化ですが、あの難しい原作をよくまとめたな、とは思いつつも馬鹿正直にそのまんま映像化しているので単調で退屈
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.5

心を吹き抜ける爽やかな疾走感。そして歌声

不満はたくさんある。
Belleになるまでの過程や、竜が暴動を起こす動機、クライマックスも含め過不足な描写が多く「なんでそうなった?」「ちょっと無理がある」
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ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償(2015年製作の映画)

3.6

学校の授業内で観ました。
大量消費の時代となったファッション業界の裏側に迫ったドキュメンタリー。資本主義経済の闇を抉りだし、先進国と発展途上国を皮肉に対比する内容は、日本に住む者として衝撃的だった。先
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.3

ファーストカット。窓から覗き込むような画角で引きつけは十分だった。人間を俯瞰するようかのような視点での映像表現、構造に酔い痺れる詩的な映画。ゴーストのシンプルなビジュアルは時が経つにつれて愛おしくなっ>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.2

ポップなのかシリアスなのか掴みにくい作風で最初は乗り込めなかったけど、最後にヤラれた…
バラバラでまとまりのない物語の一気に焦点がバッと合って映画の中に完全没入。
どこまでも自己中心的な男達への怒りで
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.0

若干物足りなさは感じるものの素敵な作品だった。
アメリカの学生がどんな風なのかはよく知らないけど、もし本当にこんな自己欲だらけの人間ばかりだったら絶対不登校になると思う。
平坦な作品だけれど、思春期の
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

2.3

転がるように軽快なリズムと環境音を取り入れ鬱蒼とした雰囲気を音楽で演出し、独特な"間"をもたらす牛尾憲輔が劇伴という理由で観た。音楽で客をよべる人ってそういないからすごい。
映画はというと、つまらなく
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宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

4.2

藤井道人って白と黒の冷たい世界を得意とするイメージだけど、こういった色彩豊かな暖かい世界の方が上手いんじゃないか?
闇で生きる人間臭さよりも、日常に生きる人間臭さの方が藤井監督の場合は心にグッとくる。
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.3

ナンカスゴカッター
表面的で娯楽的な恐怖では無く、内面的な真の恐怖。
難解だとかそんな次元で語るべき映画じゃなくて、最初から最後まで全てがアート。これは考察とかするのではなく、ただただ映像を、芸術を浴
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少年の君(2019年製作の映画)

4.4

隣の怪しいおじさんが嗚咽するほど泣ける映画でした。
急に説教臭くなったり時系列のばらし方など構成的な不満は割とあるが、そんな文句を言わせない怒涛に溢れ出す感情の波。
見事なノワール。見事な表現。
光と
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薄暮(2019年製作の映画)

2.3

色々と安っぽくてぼんやり観てたけど、何とも宗教じみた男子高校生やら、中途半端なスポ根やら、甘すぎる恋愛描写やらをぶっ込んで来るから飽きずに楽しめた。
とりあえずこうやっとけ、みたいな演出の連続でアニメ
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シャイニング 北米公開版(1980年製作の映画)

3.4

午前十時の映画祭にて。

冒頭のテーマ曲が流れた瞬間から「めっちゃキューブリックしてる!」と嬉しくなってなって謎のニヤニヤが止まらなかった。
鬼気迫る顔芸と空間を利用した圧倒的映像表現にずぶ濡れ。やは
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.7

平均評価☆4.2なだけあってとても楽しい映画体験。
音楽と美術が最高レベルでマッチし、どこを切り取っても面白い。ハイテンポな展開もスリリングで常に心が踊る!
美術とCGの入り乱れた画面の華やかは格別で
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Arc アーク(2021年製作の映画)

4.7

『愚行録』で度肝を抜かれ、『蜜蜂と遠雷』で心を奪われた石川慶の待ちに待った新作。
素晴らしい。ただその一言に尽きる。
もはや完璧な画面構成と、ストーリー設計。日本映画でもここまでの物を創れるのかと驚い
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ももいろそらを カラー版(2020年製作の映画)

4.5

舞台挨拶付き上映にて。
この映画を観てから感想を書くのをやめていた。
なんかもう感想書く必要ないな、と。
あまりにも面白すぎて「素晴らしい映画だった」以外言うことない。
そもそも自分が映画を観るのは、
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シドニアの騎士 あいつむぐほし(2021年製作の映画)

4.1

常にSF好きとしてはたまらない世界を見せてくれるポリゴンピクチュアズの最新作。TVシリーズは1、2期共に鑑賞済みです。
ラストへ向かってグイグイ追い込んでいく逼迫感と溢れ出る「決戦感」はやはり完結編ら
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.7

自分を認めて貰いたいが故についた小さな嘘が積み重なり、いつしか自分自身が分からなくなる。金子大地の純粋さと石川瑠華の危うい存在感が生み出す化学変化にゾクゾクした。
もう石川瑠華が「こういう奴マジでおる
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茜色に焼かれる(2021年製作の映画)

4.8

本当に素晴らしいものと出会ったときは言葉として消化されない。何を書いても陳腐な言葉に聞こえるし、何を書けばいいかも分からず記録として残していた作品。1ヶ月近く経った今になって衝動的に書ける気がした。>>続きを読む

クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.5

「音を立てたら、即死」なんてキャッチコピーとポスターからだとB級ホラー映画にしか思えないけど、これはいいホラー映画。
ツッコミどころは沢山あるけどそれ以上にスリルが半端ないので終始ビクビクしてました。
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.6

期間限定で無料配信されていたので気になり観てみました。
無料公開された背景には自民党のLGBT差別発言があるのですが、自分はただの映画好きだから政治的発言はしたくないし出来る立場じゃない。でも一応人間
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.5

さてさて、アカデミー賞番狂わせのアンソニー・ホプキンスですよ。あのレクター博士ですよ。今回改めて思ったのは、アンソニー・ホプキンスという役者はどこか危険なオーラをまとっているということ。
年齢も役柄も
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