nt708さんの映画レビュー・感想・評価

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The Son/息子(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ロンドン時代に観た演劇が映画化され、日本でも公開することを知り、真っ先に映画館へ。話の筋は知っていたから、特に目新しいものはなかったのだが、映画になったことでそれぞれのキャラクターの葛藤を丁寧に描けて>>続きを読む

オットーという男(2022年製作の映画)

4.3

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物語の設定が実にミニマルで、ある場所のある日常を描いているにすぎないのだが、そこには確かにドラマがあって、そのドラマをずっと切り取っているようで観ていて飽きない。しかも、小さなドラマひとつひとつが最後>>続きを読む

なまず(2018年製作の映画)

4.0

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よくわからんけどなんかいい。
土曜日の朝にぴったりな雰囲気。
さて、仕事に行くか。

あにいもうと(1953年製作の映画)

4.1

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いかにも「映画」といった感じのしないさりげない脚本(もちろん誉め言葉)、さすがは水木洋子と成瀬巳喜男の名コンビといったところである。演出においても田舎の平屋の広々とした空間をたっぷりと使って引いてみれ>>続きを読む

マネー・ショート 華麗なる大逆転(2016年製作の映画)

3.6

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大学院に行ってまで経済を勉強し、いずれは学者か、投資銀行員か、コンサルタントか、、そんな将来を思い描いていた私が、今なぜ映画を作っているのか。本作を観て、改めて自分がお金を第一とする仕事を生業とするこ>>続きを読む

クライング・ゲーム(1992年製作の映画)

3.9

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映画全盛期のアカデミー賞脚本賞というだけあり、映画としての完成度が高すぎて震える。台詞や構成はもちろん、音楽の使い方、衣装や小道具の使い方、、どこまで脚本に書き込まれていたのかは想像することしかできな>>続きを読む

乱れ雲(1967年製作の映画)

4.9

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成瀬映画が好きすぎて、これで最後なのかと、ずっと観られなかった成瀬の遺作『乱れ雲』。ようやく勇気を振り絞って観ることができた。

もう最高という言葉以外にどうやってこの気持ちを表現したら良いのだろう。
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

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自分も映画を仕事にしているから、映画は夢であるとともに呪いであり、誰かの心に火を灯すために自分の心をズタズタに引き裂くものだということはとても共感する。映画を美化するのではなく、あくまで作り手としての>>続きを読む

ラーゲリより愛を込めて(2022年製作の映画)

3.7

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これだけ高評価で、これだけロングランの作品を映画製作にに携わる者として見ないわけには行かない。そんな義務感から今更ながら鑑賞することにした。

はっきり言ってキャストは豪華だし、感動ポイントはたくさん
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

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語るべき要素が多すぎてどこから触れたら良いのかわからないのだが、ひとつ言えるとしたら本作を観る前後に食事をする予定や、座席に食べ物を持ち込むのはやめたほうが良いということだろうか。本当に自分も船酔いに>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.6

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正直そう来たかと…サイレントがトーキーになったように、フィルムがデジタルに切り替わったタイミングもあるわけで…その切なさを描いている点ではかなりユニークな映画な気もする。

ここ数年、映写はデジタルに
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.9

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昔はこういう静かな映画が苦手だったのだが、今ではすっかり好物だから不思議である。

何かわかりやすいドラマがあるわけではなく、淡々と時間と感情の移ろいが描かれる。その中で彼女が得たものは何だったのか。
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

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怒涛の締切ラッシュで映画館から随分足が遠のいていたのだが、少し余裕が出てきたので、同僚にずっとおすすめされていた本作を鑑賞。もう素晴らしいの一言。

人から勧められた作品は往々にして期待値を上回らず、
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1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.5

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これ、ワンテンポ遅い彼の視点から見たら『2秒先の彼女』なのでは?という野暮な感想を思いついてしまったが、それはいったん置いておいて、、

設定としては面白いと思いつつ、今ひとつというのが正直なところか
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今はちょっと、ついてないだけ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

意図があってそうしているのかわからないが、構成や台詞、演出それぞれをもう少し整理できたのではないかと思ってしまった。そうすれば、何がどうつながっているのか考えることに気をとられず、純粋に作品を楽しむこ>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.8

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BL漫画を題材にした、というより好きなものによってつながった人たち、何かを好きになり、共有することに境界などないということを描いた素晴らしい映画だったように思う。

自分自身、映画を作る仕事に就いてい
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そばかす(2022年製作の映画)

4.4

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2023年最初の映画。普段は公私ともに映画に入り浸っているから、年末年始ぐらい映画を観ずに過ごそうと決めていたのだが、今コンテストに向けて書いている脚本の題材が類似していたので、これは観ておかねばなら>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.8

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知り合いに勧められてずっと観たかった本作。こうして観てみると、女性や若者の悩みって表面的には変わっているように見えても、根本はあまり変わっていないということが良く分かる。

それほどに若者としてこの世
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妻として女として(1961年製作の映画)

4.2

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小気味良いカットワークに、軽快な台詞回し、カラー映画になって一層極まるライティングの効果。成瀬節満載の本作は、いつものしっとり&後味さらさらといった感覚だけでなく、成熟した感じも受けた。まあ要するに、>>続きを読む

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.9

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日本のミニシアターブームを牽引した本作。とんでもなく面白いと思える自分は、今やミニシアターでしかやっていないような渋い映画が大好きな生粋のシネフィルと化しているのかもしれない。映画を仕事にしてから、初>>続きを読む

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

Harry Potterは自分の青春そのものと言っても過言ではない。小学校6年生のときに初めてDVDで『賢者の石』を観て、実写映画にもこんなに面白い作品があるのかと驚いたことは鮮明に覚えている(それま>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.9

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どんな街にも、どんな家族にも、どんな人にも、それぞれの物語がある。そして、それを伝える力が映画にはある。そんなことを感じさせてくれる素晴らしい作品だった。

自分が舞台や映画の世界に飛び込んだのも、誰
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二つの光(2017年製作の映画)

4.7

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短編映画の面白さがぎゅっと詰まった良作。「見える」という私にとって当たり前になってしまっている感覚。それを持たないゆえに得られるもの・失われるものをリアルに、一方で優しく描いている作品であるように感じ>>続きを読む

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

昨日観た『母性』の中で「女性には2種類いる。母と娘」という台詞があった。確かにあの映画を観ればそのような気もするが、現実はそんなに単純ではない。そんな現実の厳しさを本作から強く感じた。

本作を家父長
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夜明けの詩(2021年製作の映画)

3.8

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こういう作品、
とっても好きなのだが、
数日すると忘れてしまうのが悲しい。
そういう記憶の刹那性も含めて
好きなのかもしれない。

どこからが現実で
どこからが虚構なのか。
主人公の実生活と
主人公の
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母性(2022年製作の映画)

2.6

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台詞や設定が記号的かつ抽象的。
それが湊かなえ的である気もするし、
そうでない気もする。

ただそれが本作では
ピントが合わない表現に
なってしまったのが残念。

典型的な羅生門アプローチだが、
もう
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

原作と出会ったのがちょうど去年の今頃。こんなに面白く、表現豊かな文章を書ける人が今の時代にいるのかと感銘を受けたのは今も忘れることができない。自然学者の著者にしか書けないあの表現は決して真似できないと>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

タイトルが出るまでの開始わずか30秒。この映画は面白いと直感した。原作、脚本、監督、キャスト。この作品を作り上げている方々の名前を見るだけでハズレのはずがないだろうと思っていたのだが、その期待を裏切ら>>続きを読む

ゆめのまにまに(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

大好きな場所の、大好きな人たちの物語。
ごく個人的な。

アムステルダム(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

純粋な時代物として観れば面白くもないのだろうが、終盤の政治的主張が強すぎて少しきつかったのが正直なところ。3人の友情物語として描くにしてももう少しやりようがあったような気もする、、というより友情物語と>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

すごーく馬鹿ばかしくてこういう映画は大好きなのだけど、やっぱりあの場所に残った、残された人たちの気持ちを考えると笑い飛ばせない。こういう作風なんだから、フィクションに振り切って、全員助かるハッピーエン>>続きを読む

君だけが知らない(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

このハラハラドキドキはいつまで続くのかと、最後まで手に汗握る展開でサスペンスとしてとても面白い仕上がりになっていた。

しかもそれだけでない物語の着地が素晴らしい。不覚にも最後の数シーンで泣いてしまっ
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恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見てよかった。いい!

ツユクサ(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

人は皆なんらかの悲しみを抱えて生きている。幸せに生きていくことはそんなに簡単なことではないけど、工夫ひとつでいくらでも幸せだと感じることができる。そんなことを思わせてくれる素敵な映画だった。

第一、
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