nzcさんの映画レビュー・感想・評価

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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

なぜ恋に落ちたのかを詳細に描かないのに手に取るようにわかる仕草と眼差し。バーの美しい光。回想が多くないからこそラストのフラッシュバックには感情が溢れてしまう。

美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.8

「政治的な展示は純粋な芸術ではない」

育てる覚悟がないまま家族を作った母も被害者で全ての皺寄せは弱者へと向かう。

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.2

ペトログリフもサンドウィッチも似顔絵も大して追わないカメラ。スマホを持たずに知らない場所で知らない人に会いたくなった。原作小説はモンゴル行きだったって本当?

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

3.8

「病気にもランクがあるってこと?PMSもまだまだだね。」
一般的に踏み込んではいけないとされるラインを行ったり来たりする2人の会話。観ながら終始ハラハラして、普段いかに自分がマニュアル的に人と付き合っ
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バービー(2023年製作の映画)

3.0

私の醜いセルライトももっと愛さなくては。
へんてこバービーの開脚と髪型に思い当たる節があり過ぎる。女に色々教えたいおじさんを作戦に使うの良かったな。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.9

新しいものを手に入れるより、使いきれたことに喜びを感じるようになった私たちの物語。東京画から40年も経つのに高速道路やテレビに映る相撲を新鮮に収めていることがすごい。レコードじゃなくてカセット、ハンド>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

3.0

クリームソーダのアイスを頬張る東出、サスペンダーの東出、用意された文章を辿々しく読む東出。東出の魅力がすごい。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.2

息継ぎと余韻のないボカロのような映画。オリヴァーの作戦は大雑把でどうも頭が良く見えないし、寄生が成功した描写も薄くて混乱した気持ち悪さだけが残る。ジェイコブ・エロルディのキャラクターはeuphoria>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.8

「おまえの可愛い喋り方が失われていく」
尊重しているように見せかけてコントロールしてくる輩の常套句。共感を置き去りにする圧倒的に自由なダンスはピナバウシュの「カフェ・ミュラー」を参考にしたそう。最高。

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

銃をかまえたあの青年は報われたのだろうか。家に招かれたクッキーが適当な花を生けるシーンが好き。

(1957年製作の映画)

3.5

身を潜めた1ヶ月間を和田夏十の脚本で読んでみたい。

こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.0

いつ何時だって、みた時の緊張を思い出すことができる。誰の心も壊れる可能性がすぐ近くにあること。背景を描きすぎないことがより深くそれを印象付ける。超名作。

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.5

自らをデクの棒だと言ったフロントのおじさんは殺されたんだろうか。部屋でBillie HolidayのBody and Soulを聴く管理人が主人公の退去に目を潤ませたのも気になった。この2人の物語を観>>続きを読む

落穂拾い(2000年製作の映画)

3.8

落ち穂拾いは善悪の線引きが難しく、人々の倫理観に委ねられる(養殖の牡蠣のシーン。結局量の問題なの?など)最後にたどり着いた「嵐に見舞われる落ち穂拾い」に描かれているように、それはいつの時代も困難に見舞>>続きを読む

トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.5

市川準監督特集2023
やっぱりつまらない、と言われた彼はどんな思いだったのだろう。英子と久子が無理なく違う人に見えるのすごい。

ざわざわ下北沢(2000年製作の映画)

3.0

市川準監督特集2023にて
まさに人を見る歓びに溢れた映画。もしや…と思ったらやはりレコード屋MOODSVILLEが登場。嬉しかった。ただ店主は高橋克実。給料ちゃんと払ってよ!

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.8

劇場を間違えてしまい5分遅れで到着。予約していた席を探すのをやめて足早に最後方へ。ネトフリ映画を映画館で、さらに立ち見という余分なスリルまで味わってしまった。映画は言わずともがな最高。チリチリしたノイ>>続きを読む

マリア・ブラウンの結婚(1978年製作の映画)

3.5

メロドラマと言われる理由の一つはダダーンみたいな効果音とお手本のような挿入歌。オッティンガーと比べるとちょいダサくてそれが良い。

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.8

雨降る街と聴き馴染みのない音楽が重なるオープニングが美しい。レイシズムやエイジズムは純粋な二人の中にも潜んでいて徐々に魂を蝕む。(所有物のように扱うエミ、年齢を揶揄うギャグに笑うアリ)距離感のあるカメ>>続きを読む

風花(1959年製作の映画)

3.2

少しずつ人物の奥底が見えてくる手法。時が重なるシーンは伏線回収のようでほんの少しだけ胸がすく。

イ・チャンドン アイロニーの芸術(2022年製作の映画)

3.0

物語は既に音楽が内在しているから劇伴は必要ないという。だからこそペパーミント・キャンディの「ナ・オットケ」はいつまでも心に残っている。

ポエトリー アグネスの詩(うた)(2010年製作の映画)

4.5

冒頭「私はまだマシ」という主人公が目を凝らし犠牲者の苦痛を想像し自らを重ねることで詩を生む。メモに雨が降るシーンの美しさは大きく心を動かされた。

エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

3.2

逆光の美しさ。暗闇で動くストーリーは台北ストーリーやクーリンチェと同様。自分はどこまでも外省人であるという監督の強い思いを感じる。

君とボクの虹色の世界(2005年製作の映画)

3.0

孤独の描き方が90年代後半っぽくて少し古臭くて恥ずかしい。
ジョン・ホークスが林遣都に似ていることを発見。

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.5

私的2023年ナンバーワン映画。よくこのプロットが通ったなと思うくらい地味だし能力の設定とかかなりふわっとしてるんだけど演出のアイデアが溢れててずっと目が離せなかった。驚いたのが、影が自転車を漕いでる>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.3

こちらに向かってくるOPと去ってゆくED。幸せな光景に女性だけが入れ替わる。本当の夫婦と子供が演じてると知ってさらにゾッとした。

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.0

背景がぼやけるほど表情にフォーカスして、繊細な気持ちの移り変わりを丁寧に描く。あまりの自然な演技にドキュメンタリーを観ているようだった。(特にレオとレミ母のシーンの緊張感はすごい)周囲の言葉をきっかけ>>続きを読む

私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

2.8

モノクロだからか登場人物の見分けがつきにくい。事件当日、部屋で寝ていたのは恋人かルームメイトかで布団をかけ直すオルガの優しさの意味が変わってくる。最初の自宅シーンは完全にジャンヌ・ディエルマン。

巨人と玩具(1958年製作の映画)

3.7

増村初のキネ旬ランキング作品。なかなか火がつかないジッポに重ねた回想や音遊びのアイデアの詰め込みがすごい。そういう意味でも主役はジッポの持ち主である高松英郎のような気がしてくる。

百円の恋(2014年製作の映画)

3.4

弱いものがさらに弱いものを叩く。だからこそ一度は勝ちたかった、勝ってみたかったと主人公は泣く。ケイコ〜と同じくボクシング指導は松浦慎一郎。登場するとつい目で追ってしまう逸材。声もいいんだよな

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