おーやさんの映画レビュー・感想・評価

おーや

おーや

映画(215)
ドラマ(0)
アニメ(0)

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.5

あぁそうそうアニメ映画の良さってこういうのだよな。本家本元のサマータイムマシーンブルースも独特の中毒性があるが、森見登美彦、湯浅政明と中村佑介が組み合わさると不思議な魅力的な世界観が広がる。四畳半神話>>続きを読む

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)

4.3

Generation X(MTV generation)なんて呼ばれる世代の若者たちの話、どこか社会を斜に構えて冷めた態度をとっている。実はこの世代はドナルドトランプの主要支持層だったなんて話もある。>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.6

大きな効果音も無駄に壮大なCGもいらない。映画は究極的には無音だって良い。コロナで疲れた世界中の映画好きが求めてたものかもしれない。

街の上で(2019年製作の映画)

4.3

約10年ほど前、古着に傾倒し始めた大学生の頃。下北沢にhickoryという名店があることを知った。店の前にあるダークグレーのハーマンミラーのイームズチェアに座りながら紫煙を燻らす若葉竜也の姿にノスタル>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

2.5

正直なかなか退屈な映画だった。村上春樹作品の原作の良さを失わずに映像化しようとすればするほど、ドツボにハマって小難しくなり、余計によくわからなくなる典型例。時々秀逸なカメラカットや演技の良さはあったが>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.5

20台後半になっても酒飲んでワンチャンとかコリドー街で言ってるクソみたいなサラリーマンや、渋谷のセンター街で飲んでる無駄にゴツいスニーカー履いた女殴りそうな男を椅子に縛り付けて100時間ぐらい見せれば>>続きを読む

きみの鳥はうたえる(2018年製作の映画)

4.2

函館三部作の一つ、石橋静河の魅力が爆発している作品である。クラブシーンでのダンス、カラオケで歌うオリビアを聴きながら、夏の函館の少し寂れた街並みに昇る朝焼けの美しさに安堵しながら、果てしなく広がる北の>>続きを読む

風の歌を聴け(1981年製作の映画)

4.7

日本の映画史に残るATG (日本アートシアターギルド)の傑作。予告からまず面白い、”力道山、ジョン・エフ・ケネディ、風の歌を聴け!” 正直意味がわからない。The Beach BoysのCalifor>>続きを読む

アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

4.5

古着界隈においてMade in USAの60-70sの古着は特有の洒落たデザインがあるものの、状態が良いものの現存は少ない。登場人物が着ているパステルカラーのシャツはとてもファッショナブルだし、スクー>>続きを読む

コントロール(2007年製作の映画)

4.5

著名なNew Orderというバンドが生まれた背景には、皮肉なことにも、とあるボーカルの死が関わっている。死後すぐに発表されたBlue Mondayなんて曲は大ヒットをとばしたらしい。Kurt Cob>>続きを読む

ウォールフラワー(2012年製作の映画)

4.7

聴き心地の良いギターリフと共に”I, I will be king. And you, you will be queen”なんて言葉が映画を見ると流れ出すのである、誰もこの映画が駄作だなんて言うはず>>続きを読む

ソラニン(2010年製作の映画)

4.5

サブカル殺しの傑作。浅野いにおを中高生で読んだ若者たちは、大学生になって安酒をかっくらいながらタバコ臭いカラオケルームで、ASIAN KUNG-FU GENERATION を歌ったことが一度はあるだろ>>続きを読む

マレーナ(2000年製作の映画)

4.3

この世で最もセクシーな女優は誰だと聞かれたら、迷わず若き日のモニカベルッチであると容易く結論づけよう。未亡人のモニカベルッチの妖艶さの前では、男どもはただひれ伏すのみである。

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

3.0

ストーリーは特段響かない。響くのは向井秀徳のしゃがれた声とベースの6本の鋼の振動だけである。四国の松山が舞台のようだが、体験談としてはリアルにこんな感じである。

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)

4.6

冒頭からエンディングロールの話をして申し訳ないが、Lana Del RayのYoung and Beautifulなくしてこの映画は語れない。稀代のSadness Singerとしての地位を確立した彼>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

4.0

グザヴィエ・ドランの名作。本人は同性愛者であることを告白しているが、どうにもこの監督の映画は男の目線では撮れない色の機微や、人の表情を描く。個人的に愛というものは良くも悪くも心の暴力に近いと感じる時も>>続きを読む

人狼 JIN-ROH(1999年製作の映画)

4.2

“母さん、なんて大きな耳をしているの
母さん、なんて大きな目をしているの
母さん、なんて大きな爪なの
母さん、なんて大きな歯をしているの
そして狼は、赤頭巾を食べた”

“赤”と”狼”をメタファーに赤
>>続きを読む

SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.6

The StrokesのYou only live onceを聴くとこの映画を思い出す。幼少期のエル・ファニングが銀幕に最も映える女優になるまでの、決して欠かしてはいけなかった過程の一つにこの映画は確>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.2

ヒロインの名前はDebora、Deboraという名前は車と良く合う。劇中ではT.REXのDeboraで二人は盛り上がる。なぜだろうと調べてみると過去にDebora・Kerrなんていうイギリスの薔薇と言>>続きを読む

愛がなんだ(2018年製作の映画)

3.6

クズな男を演じたら天才的な成田凌と、幸薄い女を演じさせたら、これまた天才的な岸井ゆきの。ストーリー自体はうーん...という感じだが、90年代アニメの画像をアイコンにしながら、シティポップを聴いてタバコ>>続きを読む

パプリカ(2006年製作の映画)

4.3

2010年に逝った今敏の名作。妄想代理人や千年女優、PERFECT BLUE、東京ゴッドファーザーとあらゆる名作アニメを描いてきた巨匠は、押井守、宮崎駿に当時最も近い存在だったのではないだろうか。夢破>>続きを読む

僕の好きな女の子(2019年製作の映画)

3.6

わりとありきたりの恋愛ストーリーだがキャストが良い、奈緒に太賀に荻原みのり。人はどうしてこうも井の頭線沿いの地域に惹かれてしまうのかね...

風立ちぬ(2013年製作の映画)

4.9

理系院卒は就活市場で引くて数多だが、博士卒になると途端に状況は悪くなるらしい。研究者というのは狂おしいほどに何かに対して情熱を持ち、時間を犠牲にして新しいものを生み出すことが求められる。アインシュタイ>>続きを読む

17歳(2013年製作の映画)

4.3

フランソワ・オゾンの名作。危険なプロットといい、なぜこうもフランス映画は観ていて心地が良いのだろうか。17歳というのは様々な作品で出てくる年齢であるが、絶妙に子供で、それでいて大人である。これが16で>>続きを読む

劇場(2020年製作の映画)

3.8

確か公開された頃はコロナ禍だった。映画館上映と配信で同時公開なんて攻めたPRをするものたがらつい見入ってしまった。松岡茉優の演技は人によって好き嫌いがあるかもしれないが、劇場の松岡茉優はとてつもなく共>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

4.3

子供の頃から年末というのは何故だかワクワクする。一年の終わりだとか、次の年への始まりの準備だとか、人それぞれに大晦日を過ごす目的があって、師走の喧騒の中で人間が交差していくからだろう。きっと誰もが、あ>>続きを読む

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)

3.6

多少近年の邦画特有のお涙頂戴の演出もあるが、赤い煙が立ち上りながら流れる、きのこ帝国の”愛のゆくえ”を聞くために見る価値はあるのではないだろうか。

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

4.2

地方都市のリアルとは何だろうか、きっと東京に生きてるだけじゃ感じられない、折坂悠太の春に乗って淀んだ空気が伝わってくる。なまはげ文化の伝承、地元の祭り、パチンコに行って場末のスナックで働くバツイチ子持>>続きを読む

ゲンスブールと女たち(2010年製作の映画)

4.4

この映画を初めて見た時、自分は渋谷のBunkamuraシアターにいた。一緒に見たのは大学の時に付き合っていた彼女でフランス語学科だった。Gainsbourgの作る曲は美しく儚い、微かに色気があって見た>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

4.0

Taylor Swift、Dua Lipa、Ariana Grandeには共感できない、だからといってLady GagaかRihannaは王道すぎる、青春時代はいつだって暗く恥ずかしく、振り返ってみる>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.6

悪いやつらが格好良い、不良が格好良い、誰もがそんな感情を人生のどこかで抱いたことがあるんじゃないだろうか。A24の映画はWavesといい音と映像を通して感じる必要がある、少し耳障りな時もあるが、まるで>>続きを読む

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)

4.6

実は一昔前は臼田あさ美は演技が弱いと言われがちだった。だが如何だろう、蓋を開けてみればこの役は臼田あさ美にしかできない。売れないミュージシャンの太賀を献身的に支えながらも、女としての心はオダギリジョー>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.4

Jojoは無垢だ、どんな男性にだってJojoみたいな時がある。強いもの、格好良いものに憧れて、例えそれが世界的に負の遺産になろうものでも、その時その瞬間は誰もその憧れを妨げるとこができない。でも純粋さ>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

5.0

TomとSummerがエレベーターの中で並ぶシーンでご飯三杯はいける、洋画サブカルクソ野郎達の心に響く映画。あんな可憐な人に” I love Smith”なんて言われた日には誰だって頭がおかしくなる。>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

5.0

人生で一番好きな映画。日本の美、国外からの目線で憧れる日本を色鮮やかに描いている。はっぴいえんどの風をあつめて、PhoenixのToo young、でも一番好きなのは首都高をタクシーで走らせながらレイ>>続きを読む

>|