マーシーさんの映画レビュー・感想・評価

マーシー

マーシー

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.4

幼少期を互いに運命の人と捉えて過ごした2人が、12年後にオンラインで繋がり、24年後に再会を果たす。ラブストーリーなんていう野暮ったいものはそこにはない。
過ぎた時と過去の選択には是も否もなく、言葉に
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

4.0

文字通りの"昔ながらのゴーストバスターズ"が帰ってきた。日常生活レベルでは不要のレッテルを貼られ、世界危機レベルで必要とされてカムバック、といういつものプロット。演出もオリジナルの頃にかなり近く、これ>>続きを読む

アメリカン・ファクトリー(2019年製作の映画)

4.0

中国企業によるアメリカ進出の現実と一つの帰着。勤勉さと不自由の国の管理が、肯定と自由の国、しかもど田舎の取り残された人々に通用するのか、興味深い社会実験を観たように思う。米国的教育の残骸とも言えるオハ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

これまで監督の傍観するような作品作りがあまり好きではなかったのですが、本作でイメージが変わりました。怪物というタイトルは少し感情が入り過ぎているような気がしますが。

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.3

ジェフリー・ライト主演の社会派コメディ。差別の商品化みたいなものが、違和感と混在しながら浸透している世の中で、でも結局社会と繋がるには経済が必要で、そして経済を支える消費なんてのはだいたいどうしょうも>>続きを読む

サンクスギビング(2023年製作の映画)

4.0

グラインドハウスのなんちゃって予告からメチャクチャ精度の高い純正スプラッターが誕生。気を衒うこともなく、ホントに正しいスプラッターでした笑

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.8

悪名で知られるリチャード3世と自分を重ね合わせ、正当に評価されない不遇から抜け出そうと努力する女性の物語。ですが、史実の脚色版であり、その脚色の仕方が素敵だなと思いました。

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

3.6

悪魔憑きの子供が大暴れするエクソシスト、という素材はもはや既視感でどうにもならないジャンルです。フリードキンのテイストを完璧にカバーしたところで、もはや時代に合いません。パロディも散々された現代では、>>続きを読む

ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

オシャレ可愛い若き日のウィノナライダー、ロベルトベニーニの突破力、色々な魅力があるし、風刺も効いていてそれなりにビター。素敵な夜を過ごすのに良い映画です。是非お一人で。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

4.0

母親の誕生日にフライトで帰ろうとする壮年のボー。でも帰れない。何が彼をそうしているのかもわからないまま、不条理に続く様々な暴力と時間の中で、もみくちゃになり、ボロボロとなる。
障害を抱えており、社会不
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正欲(2023年製作の映画)

3.9

多様である事の自由と、多様に生きる事の自由は実行において異なる。その八方塞がりの苦しさを、できるだけライトに、しかし現実味を持って表現した作品であったと思います。
それぞれの在り方に対して、どちらがマ
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サムシング・イン・ザ・ダート(2022年製作の映画)

3.3

ヘンテコ物質の発見から始まる、型落ち人生のおっさん2人による夢追い映画作成、の、モキュメンタリー笑。
ロケーションの良さが際立ち期待高まるものの、全て肩空かせてくるなんとも言えない間延び感。そんなあれ
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

映画の出来はそんなに悪いものではないのに、退屈に感じてしまう。MCUは、もうずっと同じことを繰り返しているようにしか見えないからだ。とは言えMCUに限らずディズニーが手掛けるシリーズ映画というのはそう>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.5

ゲーマー少年の夢、というよりはレーサーに憧れてゲームしてる人の夢、のサクセスストーリー。
ストーリーも演出もゲーム的で、どんな人にでも楽しめそうなエンタメである一方、フォードvsフェラーリはじめとする
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.0

出来の悪いガンニバルを装ったアクション俳優さんたちのPVでした。

福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

昔の話ではない。朝鮮人差別はほんのつい最近、私の父親の世代までは当たり前のことだった。大人になって、父が口にしていたことが差別だと知り、恥じる気持ちになったのをよく覚えている。数年前、日本人は差別をし>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.9

双極性障害と心臓病である老年の黒人男性と警官による、部屋に入れろ入れないの緊迫した80分。
この瞬間だけを見たら爺さんも悪いところはあるとなりますが、原因は今この瞬間の問題ではなく、警官が積み上げてき
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.4

まるでドキュメンタリーかのように男の変わらない私生活をただ覗き見る。
ただ覗き見ているだけなのに、男への興味が湧き、理解が進み、やがて共感になる。
素晴らしい映画の手本のようでいて、全くでしゃばらない
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.0

モダン・フランケンシュタイン博士のエゴとロマンと、不本意のセンチによる大実験。エマストーン演じる実験体は赤子の貪欲さで急成長していきますが、その過程の美術・演出が巧みです。特に実験体の精神とシンクロし>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.1

グレタカーウィグのバービー!!?絶対観る!と思ってたのに劇場に行かないどころか今更観る愚行。
私は全て賛同できます。良い映画でした。

ミンナのウタ(2023年製作の映画)

3.3

最近の清水監督らしい、なんの捻りも納得感もない呪いホラーですが、ジェネレーションズが本人役で主役を演じているところで色々気が散るようにできており、結果それほど退屈感なく観れました。
もはや清水監督作品
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

3.8

交霊ツールを起点にした伝統的ティーンホラー、の体ではあるのですが、交霊ツールがハンドであること、そして若者たちがそれをドラッグと同様に快楽のための''体験消費''に貶めているところが新しい。
流れは特
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終わらない週末(2023年製作の映画)

1.5

シャマランかと思うくらい中身のないシチュエーションスリラー、なのは別に気にならないのですが、どことなく漂うドラマ監督感。理屈なく不思議なことが起こる無責任型の伏線未回収脚本…。
昔観て卑怯だなと思った
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(2023年製作の映画)

4.3

今私にとって、日本で唯一ワクワクしながら鑑賞できるエンタメ巨匠の最新ブラックコメディ。
コンセプトには風刺的一面も持ちながら、本作は特にコントの目立つ作品で、単純に好き嫌いが出そうなグロコメディ、の一
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ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

4.0

観終わってワンショットの価値を感じる凄みのある演技。兎に角これにつきます。
ある程度端折るために過激な表現をしている感じはありますが、完全に引き込まれました。

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.5

ヌンはアクション映画になりましたw
とは言えタイッサ・ファーミガがヴェラ・ファーミガの若き日を演じるエモ100点満点のキャスティングだけで満足です。シチュエーションホラーでもあった前作の方が纏まりがあ
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聖地X(2021年製作の映画)

3.0

設定上も効果としても韓国である意味は全然ないんですが、所々エッジが効いているのは共作の産物なのかなと思いました。面白いとも言えないしつまらないとも言い切れない、それを作ってる側もわかってそうな感じで観>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.2

壮年の夫と障害を持つ妻の慎ましい結婚生活。言葉少なに話は進みますが、大事なことは結構分かりやすく表現してくれています。
一時期は中国山村映画というものをよく観ていましたが、今は年に一本観るか観ないか。
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.5


離れて暮らす父親と娘の一時のバカンス。20年後、残されたビデオカメラの記録を通して、31歳になった娘が、同じ歳の父親を想う。人は子を産んで親になるにあらず。
素早らしい目線の脚本と、美しく感覚的な映
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

2.5

これは一体何の話で、登場人物の心情、行動の動機は何なのだろうかと、始終目の回る作品でした。テーマの社会性に対して主体が空気のように軽く、ちょっと脚本がお粗末に過ぎるなと。このテーマに対して世界系の作風>>続きを読む

ブラックサン(2023年製作の映画)

3.7

静かな演出から始まり、確信に迫るほどはっきりとした描写が増えてくる丁寧な作りのゴシック宗教ホラー。役者の演技含めて、品質が高く、世の評判ほど悪くないと思います。

犯罪都市 THE ROUNDUP(2022年製作の映画)

3.8

監督が変わった…けど変わらず面白かった犯罪都市。よりコメディよりに、よりマ・ドンソクが無敵になりました。

レプタイル -蜥蜴-(2023年製作の映画)

3.8

緩く渋く、人情味のあるクライムサスペンスで、派手な起伏のなさが役者によく合っている。クラシカルな脚本で、序盤の渋い展開と仲間内の会話の多さから、なんとなく筋が見えるところは、よも悪くもです。デルトロの>>続きを読む

(2023年製作の映画)

4.0

ウェス✖️ロアルドダール4日目。多分知ってる人が多い話。バッチの面白顔だけでも楽しめますがいちいち会話の間が良いのでウェスは本当に完璧な人だなと再認識。
豪華で幸せな日々でした。映画ファンならU-NE
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

4.0

ウェス✖️ロアルドダール3日目。毎日ウェスの新作。豪華すぎる日々。
鼠取りの不思議そうで不思議でもないミステリーな話。ロアルドダールらしい展開の崩れ方とオシャレな結末に脱帽する。

白鳥(2023年製作の映画)

3.8

ウェス✖️ロアルドダール2日目。このシリーズが語り部ありきであることがわかりました。そしてロアルドダールの短編でこのスタンス以上に正しい映像化があろうかと言うくらいに嵌っている。ゴールデンコンビです。

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