Smokyさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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007 スカイフォール(2012年製作の映画)

4.7

何度も観返しているダニエル・クレイグの『007』だけど、ちゃんとレビューしてなかったので改めて。

これまでセオリーをことごとく覆すことで成功してきたクレイグボンドの金字塔的作品であり、プロデューサー
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007/慰めの報酬(2008年製作の映画)

4.3

何度も観返しているダニエル・クレイグの『007』だけど、ちゃんとレビューしてなかったので改めて。

より現代的にアップデートされたクレイグのボンド映画。その原動力は、御父様の意志を継ぎつつも、新しい血
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007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.3

何度も観返しているダニエル・クレイグの『007』だけど、ちゃんとレビューしてなかったので改めて。

冷戦終結によって世界のパワーバランスが変わり、以前にも増してテロが頻発する時代へと変化した中で、20
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ハートブルー(1991年製作の映画)

3.8

キャサリン・ビグロー監督の『デトロイト』を観る前に再観賞。ありがちなストーリーのある種のバディ・ムービーなんだけど、これを①女性監督が撮った映画、②何度も四文字言葉を絶叫する若々しいキアヌ・リーヴズ、>>続きを読む

カラーパープル(1985年製作の映画)

4.5

『デトロイト』を観る前に、久々に観返した。『ドゥ・ザ・ライトシング』のように、ある種の怒りに乗せて真っ向から問題提起する映画も良いけど、本作のように物語の力を借りてサラリとやると、余計に重さが際立つ。>>続きを読む

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年製作の映画)

4.1

前作でガッツリとハートを掴まれた人の多くが満足するであろう続編。
前作も本作もそうなんだけど、このシリーズの悪役(一応そう表記するけど)の行う悪事(一応そう表記するけど)の目的って、冷静に考えたら結構
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二ツ星の料理人(2015年製作の映画)

3.6

ピッカピカに磨かれた厨房、燃え盛る炎と飛び交う罵声、肉の焼ける音に乳化したソースの瀞み、キャラ設定とストーリーは陳腐だけど、オサレなキッチンのPVを観てるようで楽しめた。ブラッドリー・クーパーは『アメ>>続きを読む

男たちの挽歌(1986年製作の映画)

3.5

『逃げ恥』の正式タイトル →「逃げるは恥だが役に立つ」
『男達の挽歌』のキャッチコピー →「恥じて生きるより、熱く死ね!」

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.0

トム・フォード様による二時間の壮大な復讐劇。復讐は相手が自分の行い(それが意図的であった場内は尚更)を忘れた頃に、後でそれが復讐であると分かるように悲劇をもたらすのが効果的。彼の生まれた時代とパーソナ>>続きを読む

女神の見えざる手(2016年製作の映画)

4.6

膨大な情報量と激しいテンション、美しいピンヒールと紅い口紅の奥に込められた『正義の味方』に関する深くて鋭い考察。全てが計算された映画。…それにしても、この監督、ジェシカ・チャステインのこと好き過ぎだろ>>続きを読む

スター・ウォーズ/最後のジェダイ(2017年製作の映画)

2.9

まずはじめに、自分の生まれて初めて見た映画が『EP.Ⅳ』で、その後の人生に大きな影響を与えた『SW』シリーズが大好きな人間の一人であることを前置きしたうえで…。

正直「残念」という言葉以外に見当たら
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26世紀青年(2006年製作の映画)

3.9

単なるおバカ映画じゃなく、冒頭の5分で芯を食ったロジカルな時代設定が説明され、妙にリアルな「デストピア映画」として立派に成立してる。作物にゲータレード撒いて「育たねー、砂漠化マジ半端ねー」というシーン>>続きを読む

インサイダーズ 内部者たち(2015年製作の映画)

3.3

プロットやストーリー展開は『スティング』+タランティーノ作品的。劇中、登場人物によって何度も語られる台詞や描写から、日本以上にガチなコネ社会である韓国の市井の人達の鬱屈した思いが伝わるし、ラストのカタ>>続きを読む

MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間(2015年製作の映画)

3.4

ドン・チードルが張り切って主演と監督をやってる。特に彼の「マイルスなりきり度合」(たまに肩に力が入り過ぎw)は凄まじいが、一方で真面目な性格(?)が災いしてかエンタメ作品としていろんな要素を盛り込んで>>続きを読む

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

4.0

予備知識に染まってない真っ新な人に「このドキュメンタリーの監督は『パターソン』を創った監督だよ」と言ったら信じる人は何人居るかな?

でも、本作でイギーやストゥージズの音楽や姿勢を理解すれば納得がいく
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ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.5

前作への(些か偏った)強い愛情が故に、期待と不安の入り混じった状態で鑑賞したけど……しっかり名作に仕上がっていた。見事に復活した『SW』新3部作同様に「物語の本質や世界観を本当に理解した製作者達による>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.7

『2049』鑑賞前の復習として再観……とはいえ、中学生の時に初鑑賞してから既に20回以上は観ているであろう「人生に大きな影響を与えた映画」の一つ。

独自の世界観を持つSF映画の金字塔として観ることも
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パターソン(2016年製作の映画)

4.7

説明するなら「朝起きて、妻の香りを嗅いでキスをして、朝食をとり、歩いて出勤し、始業前に詩を書き、仕事をして、同じ場所で昼食をとりながら詩を書き、ポストを覗いて(その歪みを直してから)帰宅し、夕食をとっ>>続きを読む

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

4.6

一言で表現するなら『完璧なまでに小気味良い映画』。イタリアンレストランを舞台にした(ほぼ)密室劇、ストーリーテリングの妙(ラストの大ドンデン返し!)、個性的でアクの強いキャラクターによる群像劇、センス>>続きを読む

ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

3.9

西部劇のフォーマットで、『レザボア・ドッグス』+『アガサ・クリスティもの』を演った感じ。このテの密室劇はストーリーテリングの妙と登場人物のキャラと役者の演技力が重要。そこは十分にクリアしているので長尺>>続きを読む

オールド・ボーイ(2003年製作の映画)

3.9

映画好きを自認するにも関わらず、恥ずかしながら今まで観ていなかった作品。とにかくヘヴィ…。描写とかそういうレベルではなく(いや、描写も十分ヘヴィですよ)「物語の骨格」そのものがヘヴィ。人間と人間社会の>>続きを読む

僕らのミライへ逆回転(2008年製作の映画)

4.2

いわゆる「おバカ映画」のカテゴリに入るんだろうけど、全編を通じて溢れ出る『映画(偏)愛』を感じる作品。アナログだろうと手段が稚拙であろうと「思いの純度」が人の心を動かすということ。スピルバーグも、ルー>>続きを読む

ドリーム ホーム 99%を操る男たち(2014年製作の映画)

4.0

リーマンショック版『ウォール街』。カネと世の中のカラクリを知っている者とそうでない者との違い。劇中でマイケル・シャノンに語らせる「アメリカという欺瞞に満ちた国は、勝者の勝者による勝者のための国なんだ」>>続きを読む

オクジャ okja(2017年製作の映画)

4.0

企業も動物愛護団体もそして消費者もみ〜んなそれなりにF••Kだよ…という風刺はやんわり伝わってくる。「いただきます」の意味を改めて考える為の映画。生態系から外れ、盛り上がっては直ぐに忘れる“感動の消費>>続きを読む

汚れたミルク/あるセールスマンの告発(2014年製作の映画)

3.9

冒頭からいきなり川淵三郎の「あっ、オシムって言っちゃったね…」攻撃から始まるこの映画w 単純に「暴利を貪る多国籍企業は許せん!」な正義感丸出しの薄っぺらな作品にしなかったのは好感が持てる。企業だけでな>>続きを読む

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

3.7

良い映画。アン・リーも名匠。ヒース・レジャーも文句無し(完璧過ぎ)。…なんだけど、いつもアン・リーの映画にはイマイチ入りきれない。レッドネックやホワイト・トラッシュって嫌な人種だよねぇ。現代版『イージ>>続きを読む

デッドプール(2016年製作の映画)

4.0

「異色のアメコミヒーロー」というのは当然として「精神年齢低めな大人の男向けのディズニー映画」(良い意味で)みたいなフレイバーも感じる良作(「この醜い顔を見たらきっと彼女は俺から去っていくに違いない…」>>続きを読む

牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件 デジタル・リマスター版(1991年製作の映画)

4.2

岡崎京子の『リバーズ・エッジ』を初めて読んだときのような感情。純粋で粗野で、どこか懐かしい。側からみれば支離滅裂でも本人は筋の通った理屈だと信じて疑わない自分の13〜15歳の頃を思い出しながら観てた。>>続きを読む

イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

3.3

ドニー・イェン、身体は相変わらずキレッキレなんだけど、演技はアレですね(特に泣くシーンが…)。その辺りは誰も求めてないと思うのでいーんですが。R40以上のヒーロー我らがサモハンが敗れてからハイライトま>>続きを読む

イップ・マン 序章(2008年製作の映画)

3.3

久々に鑑賞。初めて観たときからドニー・イェンは米国でブレイクすると思っていた。何というか「白人ウケ」する佇まいなんですね。『ローグ・ワン』出演の報を聞いたとき「遅すぎる」と思ったくらい。

ハリウッドがひれ伏した銀行マン(2014年製作の映画)

4.0

プリセールという資金調達のスキームを構築し、独立系映画会社への融資を通じて数々の名作(あの傑作やあの名画も!)を生み出したオランダ人銀行マンのドキュメント。虚栄心と欲とコンプレックス渦巻く(ある意味で>>続きを読む

MUD -マッド-(2012年製作の映画)

4.5

眼差しの優しい映画。「愛ってなんだろうね?」というありきたりな質問に「愛とは信じて支えること」というありきたりな答えを、かなりの確信をもって答えられる…そんな気分になる映画。「泥(MUD)の世界で爽や>>続きを読む

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5

ストーリーもクソもない。かっこいいキアヌ・リーヴスをひたすら堪能する為だけの映像。(ただ、彼のプライベートを知っていると少し切なくなるが)車を盗むときは相手を選びましょう。た〜くさん人が死ぬが犬を殺し>>続きを読む

ジゴロ・イン・ニューヨーク(2013年製作の映画)

3.3

ジョン・タトゥーロを堪能する作品。彼の持つ色気や佇まいを見抜き光を当て、ヴァネッサ・パラディの一瞬の美しさを描いたたウッディ・アレンのスケベ心に敬意を表したい映画。このトーン、好きだなぁ。

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(2014年製作の映画)

3.2

犬を飼っている人間として確信していることは『悪い犬は居ない、居るのは悪い飼主(人間)だけだ』ということ。ザラっとした映像と質感が欧州的(非ハリウッド的)で良い。