蛸さんの映画レビュー・感想・評価

蛸

基本的にはジャンル映画をよく見ます。

映画(330)
ドラマ(2)

海獣の子供(2018年製作の映画)

3.7

アニメーション表現のクオリティが圧倒的。
キャラクターの何気ない日常的な動作からも、原始的な「絵が動いている」という快感をビシビシ感じることができる。
特に、水の中にいる時のような浮遊感…というか流れ
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ドリーム(2016年製作の映画)

4.1

アポロ計画以前のNASAにおいて、マーキュリー計画に携わっていた3人の黒人女性の奮闘を描いた作品。
映画の内容を一言で言って仕舞えば「人種差別は合理的ではない」あたりになると思う。公民権運動を背景に、
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ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019年製作の映画)

3.8

今作で登場する怪獣たちは、言わば「太古の神々」。
これは前作で描かれた怪獣観の延長線上にあるもので、今作はさらにその先へと飛躍する。
冒頭から何度か描かれる、人間と怪獣との交感の場面。前作では最後の最
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プロメア(2019年製作の映画)

4.1

とにかくケレン味のある線、色彩、構図、動き、カメラワークに終始圧倒される。

「炎」が主題のお話だけあって、画面の中で炎をはじめとして色んなエフェクトが展開される(それこそ、煙や、氷、光などなど)。そ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

4.3

『ブラック・クランズマン』は、映画版『風と共に去りぬ』の引用によって幕を開けます。
『風と共に去りぬ』と言えば、(奴隷制度に支えられた)在りし日のアメリカ南部をノスタルジックに描き出した往年の「名作」
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アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年製作の映画)

4.2

11年に渡って、展開してきたシリーズのとりあえずの最終作。ということで、これまでの蓄積を利用したファンサービスが非常に多い作品(特に前半はその印象が強い)。そのため一本の映画と言うよりかは「MCUその>>続きを読む

キングダム(2019年製作の映画)

4.0

「少年漫画の実写映画化」ということで、全編にわたって漫画的な演出がなされている。いわゆる「実写映画」的なリアリティーはあんまりない。言ってしまえば漫画と実写映画の中間(漫画寄りの)のリアリティラインの>>続きを読む

ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.4

軍事政権から民主化へと進む韓国の現代史の中で生きた1人の男の人生を、列車に乗って(なにしろ車窓からの景色は前映画的体験なのだから)遡る映画。
映画全体は、それぞれ時代の異なる7つのエピソードからなる。
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ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生(2018年製作の映画)

3.7

冒頭はわくわくされられたけれど後半は退屈。グリンデルバルドが終始出ずっぱりなためかどうか知らないけれど全体的にダーク。
繋ぎのための一作にしても一本の映画としてクライマックスをちゃんと用意してほしい。
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ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.5

映画全編に渡って劇伴はなく、長回しや、ゆったりとしたカメラワークが多用される。お話自体もなんていうことはないもので、劇的な展開があるわけでもない。
こう書くととても退屈な映画のように思えるけれど実際は
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オアシス(2002年製作の映画)

4.5

一言で言うと「知的障害を持つ男性=ジョンドゥと、脳性麻痺の女性=コンジュの恋愛を描いた映画」なんだけれど、描写に手ぬるいところが一切感じられない、凄まじい作品だった。
何も意図せずに観客の目の前に放り
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シャザム!(2019年製作の映画)

4.3

とにかく楽しく痛快な娯楽作。映画全体がキュートでチャーミング。間違いなく多幸感に満ちた映画体験が味わえる一作。

「ひょんなことからスーパーパワーを得た少年が…」というプロットは、ともすれば(現実逃避
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ハロウィン(2018年製作の映画)

4.0

(作中時間でも)40年の時を経たカーペンター版の直接の続編…ということでかなりオリジナルを意識した作り。ほとんど一作目のなぞり直しとも思える場面も散見される(そしてその転倒も)。
しかし、オリジナル版
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

とにかく極端に俗っぽさを強調した18世紀イギリス宮廷ブラック絵巻。

余韻を感じさせる前に画面が切り替わるような編集のテンポが独特で、それが一つ一つのエピソードに切れ味を与えている。
魚眼レンズの多様
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キャプテン・マーベル(2019年製作の映画)

4.0

よくできた作品だけれど、突出したところがないという印象。
主人公=キャロルの「その辺のネエちゃん」感はすごく良い。周りに変に愛想を振り向かないのもクール。でもシリアスなストーリー展開のせいであんまりそ
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We Love Television?(2017年製作の映画)

3.8

『進め!電波少年』の演出などで知られる土屋敏男が、萩本欽一に「視聴率30%番組」を作ることを持ちかけ、その顛末を追ったドキュメンタリー。

前半で、萩本欽一が独自のテレビ哲学を述べるくだりなんかは正直
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バンド・ワゴン(1953年製作の映画)

4.1

劇中で描かれる舞台の美術がとても素晴らしい。厳密には、「舞台の映像」じゃなくて「舞台を映画的に表現した映像」だけど、まあ細かいことはもうどうでも良くなるくらいには多幸感あります。

ゲット・アウト(2017年製作の映画)

4.1

黒人である主人公が白人のガールフレンドの実家に挨拶に行くことになるのだけれど、彼女の実家の人々はどこか妙で…というお話。

序盤から中盤にかけて徐々に違和感のある演出積み重ねて終盤でドーン!な作品。
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22ジャンプストリート(2014年製作の映画)

4.0

序盤から、「予算が増えただけの二番煎じ」なんていう風なメタ発言が飛び出すあたり『ダイハード』と同じタイプの知性を感じる(「学校への潜入捜査」という骨組みは踏襲されているにしても、中身は割と違ってたりす>>続きを読む

21ジャンプストリート(2012年製作の映画)

4.3

バディもので(立場の)入れ替わりコメディでもあって、ジェネレーションギャップからくる笑いもあるわ潜入捜査官としてのサスペンス=緊張と緩和の笑いもあるわでかなりてんこ盛りな内容。
アイスキューブが、出番
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.7

冒頭(コロンビアのロゴがヒップホップ的に=サンプリング、コラージュアート的にイジられる)から、エンドロール直後の映像に至るまで、徹頭徹尾とにかく「正解」し続ける大傑作(ヒーロー映画において最も本質的な>>続きを読む

ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

4.3

登場人物や、劇伴、台詞、舞台などなど…映画を構成する要素が非常に少なくて話の筋自体もシンプル。
舞台となるヨークシャーの荒涼たる風景が片田舎で荒んでいる主人公=ジョンの心情を表現しているようで良かった
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ファースト・マン(2018年製作の映画)

4.0

人類史に残る偉業(=月面着陸)を背景にしながらも、全編を通してニール・アームストロング個人の感情に焦点が当てられるとてもパーソナルな映画。
それは、とにかく(物理的に)被写体との距離が「近い」この映画
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アクアマン(2018年製作の映画)

4.2

一言で言うと「勢い」と「物量」に特化した非常に景気の良い映画。
豪放快楽な主人公アクアマンのキャラクターもさることながら、流麗なカメラワークによる長回しや、擬似シームレスな場面転換(それこそ時間も場所
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ブロブ/宇宙からの不明物体(1988年製作の映画)

4.2

片田舎の群像劇に殺人アメーバを放り込んだような映画。
冒頭十分で紹介された市井の人々による「ドラマの予感」が、殺人アメーバによってぶち壊されまくるという凶悪極まりない脚本。主要登場人物に対しての容赦の
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

4.4

存在するのかわからない猫や、消えた女、はっきりしない記憶、「納屋を焼く」のが趣味という告白、繰り返される無言電話、牛、フィッツジェラルドにフォークナーなど印象的なモチーフがとてもたくさん散りばめられて>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

3.6

「権力」とそれに対する「反抗」そして「自由」と言う言葉にストレートな意味があった時代の作品。
なので、いかんせん古くさいのは確か。
随所からヒッピー的価値観が感じられる割に、ほとんどミソジニーの裏返し
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恐怖分子(1986年製作の映画)

4.5

映画を通して劇伴は存在せず、セリフはとても少ない。映像や編集のタイミングによって生じる独特のリズムが心地よく、説明的ではない演出によって淡々と物語が進行していく。「静謐」という言葉が、これほど似合う映>>続きを読む

サスペリア(2018年製作の映画)

4.1

アルジェント版の(鮮やかだがどぎつくすらある)色彩とは異なり、彩度を抑えた暗みのある落ち着いたトーンの色遣いによる映像が端正で美しい。
映像を一目見ればわかる通り、本作とオリジナルは別物と言っても差し
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.1

ベタな(クサイ)お話と異質な演出の組み合わせが、化学反応を起こしているタイプの作品。
主人公の暴力警官ぶりを新人の目線を通して描いていたりと観客に親切な側面もあるが、冒頭のホームレス襲撃シーン(被害者
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ルパン三世 カリオストロの城(1979年製作の映画)

4.1

とにかくアニメーションの気持ちよさと、テンポ、キャラクターの魅力が炸裂してる作品。

盗んだ札束が鞄から溢れ出るのを気にしなかったり、食事の後片付けをしなかったり、やりっぱなしの過剰さや生活感が宮崎駿
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Tメン(1947年製作の映画)

4.4

財務省の特別捜査官=「Tメン」の偽札事件潜入捜査を描いた作品。
40年代後半における「セミ・ドキュメンタリー」と言われる一連のノワール作品のうちの一本。
事実がベースとなっている実録犯罪捜査ものという
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死体が消えた夜(2018年製作の映画)

4.0

限られた舞台、時間、登場人物によって進行する、とてもミニマムな映画。
「消えた死体」という不在の中心を据えて擬似リアルタイムで進行する物語展開とラストのどんでん返しがエンタメとしての(一定水準の)面白
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イップ・マン 葉問(2010年製作の映画)

4.1

イップ師匠は人格面においても武術面においても完璧な聖人なので、トラブル=試練の原因は基本的には外在的(金銭問題、弟子の未熟さ、武会のしきたりなど)。
それにもかかわらず観客がストレスを覚えないのは、イ
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

4.1

現代コンピュータの祖として有名なアラン・チューリングを主人公に据えたドラマ。
チューリングのパーソナリティを、三つの時代を並行して提示することで浮かび上がらせて行く構成。
それでもメインはやはり大戦下
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レディ・バード(2017年製作の映画)

4.3

これは「Call me Lady Bird.」と言い放つ、ここではないどこかに憧れる少女が等身大の自分自身を受け入れるまでの物語だ。
片田舎に暮らすボンクラ感満載の拗らせ女子の青春模様が、パステルカラ
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