くまやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.0

「俺は熟練者だ」とか仕事の流儀や人生哲学をブツブツ呟きながらしっかり準備したのにいざという時にやらかすファスベンダー、その後どんなにやり手アピールをしてもただの笑い物でしかなくてよかった。GAFAと俗>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

4.0

「アントマン」1、2作目くらいの気楽さがあってよかった。ドラマ発のカマラ・カーンさんがついに映画で活躍してるのを観るのも「おぉ、最初はどうなることかと思ったミズ・マーベルがついに大画面に…」と感慨深か>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

観る前から「すごい低予算でがんばりました」という話を散々見聞きしてたのでさすがにいろいろ気になるんだろうなと思ったら全然そんなことなかった。こういう"普通のSF映画"を映画館で観るのが貴重になってしま>>続きを読む

クイズ・レディー(2023年製作の映画)

4.0

静のオークワフィナ、動のサンドラ・オーの組み合わせが素晴らしい。だんだんエンジンがかかって最後は大盛り上がりなペース配分もいい。ばっちり笑えたうえで今一番熱いアジア系俳優二人が揃う意義もちゃんとある、>>続きを読む

ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.0

自称シャマラニアンなのに配信で観てすいません。あらすじはいつもどおり「おっ」と思わせるものがあるんだけど、今回はそれ以上のことがなにも起こらなくてすごかった。でももしバウティスタ側の立場だったら確かに>>続きを読む

栗の森のものがたり(2019年製作の映画)

4.0

「画面暗すぎませんか…?」という場面もあったけど、過去の名匠や名画から継承したものを存分に醸し出しつつ、82分間しっかりと独自の世界を貫徹してて好感が持てる。世界からポツンと取り残された現実に宿る霊性>>続きを読む

アフター・ヤン(2021年製作の映画)

4.0

すごくよかった。ヤンくんのメモリーを通して彼が見ていた世界を追体験する中でふと花や空が映るだけで泣けてくる。タイトル的にも内容的にももちろん「アフターサン」を思い出すけど、自分がずっと観たいとイメージ>>続きを読む

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

人間の愚かな行動とその答え合わせを延々やってるだけなのに、話の内容とは関係ない謎の幸福感でなぜかずっと頷きながら観てた。デ・ニーロの流れるような悪さ、ディカプリオの手際の悪さ、リリー・グラッドストーン>>続きを読む

ノーウェア:漂流(2023年製作の映画)

4.0

妊婦さんがいろいろあってコンテナに閉じ込められて海を漂流、中は水浸し、積荷は役に立たないものばかり…。本当に悲惨&ハードな目に遭いながらも徐々に驚異的なサバイバル能力を発揮する主人公、応援せざるをえな>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

4.0

笑ってる人が突然目の前で自殺する、というだけでとにかくずっと怖い。素晴らしいアイデアだ。2時間あるのでお話が進むにつれてさすがにだんだん恐怖がブレてくるんだけど(最後のほうはあまり怖くない)、映画自体>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

4.0

市民はひたすら善良でマフィアはどうしようもないくらい悪い…「イタリアをなんだと思ってるんだ」という感じで最初から最後までしっかりおもしろいんだけど、レストランでチンピラ弟がイキリ散らかしてるのをじっ…>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

-

ウェス・アンダーソンのロアルド・ダール4部作。映像付きオーディオブックみたいな感じ。今思えば「フレンチ・ディスパッチ」も第一章だけが異様によかった、というか個人的に好きだったので、いい具合に分割されて>>続きを読む

非常宣言(2020年製作の映画)

3.0

最強キャストを集めたうえでエンタメに全振りしてて強かった。140分超え+これでもかと特盛りの展開で普通なら途中でもうお腹いっぱいになるはずなんだけど(実際なるんだけど)、最後まで飽きずに観れて良し。漢>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.0

飲みまくってベルリンを彷徨ってるだけなのに永遠に観ていられるタベア・ブルーメンシャインとニナ・ハーゲンが邂逅する時間、わずかながらあまりにも尊い。「酒飲みは自分で自分を始末する」。こんなにクールな映画>>続きを読む

人質 韓国トップスター誘拐事件(2021年製作の映画)

2.0

ファン・ジョンミンが本人役といういくらでもおもしろくなりそうな設定がイマイチ活きてなくて残念。そしてなんとも魅力に欠ける誘拐犯、人数合わせのような警察たち、無駄にごちゃつく展開と爽快感のない終わり方…>>続きを読む

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

4.0

完璧だった。餌食となる人間がたくさん出てくるけど、絶妙なキャラクターばかりで「いいから早く熊出せ!」というストレスが一切ないのがすごい。そしていざ出てくればかわいい・強い・ヤバいの三拍子揃った圧倒的な>>続きを読む

誰も助けてくれない(2023年製作の映画)

3.0

名作「スポンティニアス」の監督とケイトリン・デヴァーの組み合わせだったので期待してたやつ。相変わらずの一風変わったストーリーに対して、ド直球のエイリアンとUFOを惜しげもなく投入してくるところに漢気を>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.0

「そんな169分もやることないだろ…」と思ってたけど、キアヌが思う存分車に轢かれ、ガラスに突っ込み、階段を転げ落ち…で無理やり見せ場を提供してくれるので大丈夫だった。特に階段のところにはトムとは違うベ>>続きを読む

伯爵(2023年製作の映画)

4.0

しょうもなストーリーにばっちりキマッたモノクロの映像が映える(空飛ぶシーンの異様な中毒性!) 。同じくチリの「オオカミの家」もそうだけど、どちらも自国の暗い歴史や出来事の描き方があまりに独特すぎて、同>>続きを読む

バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.0

疲労困憊のため"心温まるけど人体はむちゃくちゃになる映画"しか観たくなかったのでちょうどよかった。「Ho Ho Ho…Holy shit」の台詞に映画の魅力が詰まってる。といってもそこまでおもしろいか>>続きを読む

悲しみよさようなら(1990年製作の映画)

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この時期のウィノナ様主演の映画にはおもしろいとかおもしろくないとかそういう低俗な基準を超越した歴史的な価値がある。そしてサムネイルにパッとしない日本版ビジュアルでなく完璧なスチールを採用したWOWOW>>続きを読む

フリーク・オルランド(1981年製作の映画)

3.0

大勢で混沌とするシーンになるとすごいキョロキョロしてる人もいたりして、「これやってるほうもよく分かってないだろうな…」という現場の雰囲気が伝わってきておもしろい。この世界にハマれたかという点ではちょっ>>続きを読む

355(2022年製作の映画)

3.0

映画の公開当時、キャンペーンでムビチケ、紹興酒、シュタイフぬいぐるみ…といろんなものをいただいたのに観るのがこんなに遅くなってしまって申し訳ない。しかしそういう感謝の気持ちというのは自分の人生にとって>>続きを読む

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

4.0

マチュー・アマルリック、こんな映画も撮れるのかよ(これまでの監督作を観てなくてすいません)。お話的にはそう珍しいものでもないと思うけど、匠の技とヴィッキー・クリープスの演技でしっかり格調が保たれている>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.0

出産時の取り違えから始まるメインのストーリーとスペイン内戦時代に起きたご先祖の悲劇がうまく絡むような絡まないような…でも個人的にはやっぱりアルモドバル先生ならではの塩梅に仕上がってて好きだった。前作も>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.0

「フレンチ・ディスパッチ」はホントに絶妙なところを突いて去年の年間ベストになったけど、ウェスは一歩間違えるとこうなるんだなというのが分かっておもしろかった。すごい大事そうなところで寝ちゃったんだけど、>>続きを読む

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー(2022年製作の映画)

4.0

初クローネンバーグが「イグジステンズ」だったので、「これこれ!この質感よ!」と懐かしさを覚えるビジュアルに盛り上がった。常に挙動不審気味なクリステン・スチュワートも新鮮。普通におもしろいんだから途中退>>続きを読む

Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

4.0

社会的なメッセージとかそういうものは特に掲げてないし、実際ないと思うけど、主人公コンビに振り回された店長が「お前らはめちゃくちゃだしもちろんクビだけど、その底抜けに明るいところに救われてたんよ…」と語>>続きを読む

ロスバンド(2018年製作の映画)

3.0

この手作り感、確かに応援したくなる気持ちは分かる。「ベースにチェロが弾ける女の子を入れる」というアイデアが完全に傑作「目指せメタルロード」と被ってて惜しかった。どっちが先かわからないけど。子供たちがバ>>続きを読む

ソウルに帰る(2022年製作の映画)

4.0

「ソウルに帰る」終わり。思ったより時間のスケールが大きい話で、年代が変わるごとにテイストも変わっていくのがクールだった。最初はかなり無軌道気味だったけど、自分のルーツに触れたり、やさぐれたり、突然の武>>続きを読む

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.0

観たことあるかないかで言ったら確かにないアニメーションの表現、(前から2列目の席しかとれなかったので)首を痛める角度と満席の圧、そしてもちろん延々続く悪夢的な内容の合わせ技でしっかり酔った。肉体的、精>>続きを読む