くまやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

  • List view
  • Grid view

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.0

それぞれの特性を活かしたエレメントシティーのデザインすごくいい。「比喩と対象の距離が近すぎる(≒わかりやすすぎる)んじゃ…」というのはやっぱり思うけど、5歳児と一緒に観たということでそれはそれで悪いこ>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.0

「私の少女」と同じく、監督(チョン・ジュリ)は事件を解決して簡単に落とし所をつけたりしない。ペ・ドゥナ様にもなにか事情があるけど詳しくは描かれない。そういうスタイルなんだと分かってよかった。ひたすらつ>>続きを読む

マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.0

映像技術の進歩とかとは別に、実写でもアニメでもなくストップモーションでしかできないめちゃくちゃな表現の数々を堪能した。理解不能な生態系や完全に倫理が崩壊した世界を描けるのは確かにこの手法しかない。お盆>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

4.0

なんら難しいことはしてなくとも、誰にでも分かる形でバシッとキメて素晴らしい!でもアシュレー・ジャッドの登場とかはとてもエポックだと思う。証言した人や情報を提供した人はもちろん、そうできなかった人も含め>>続きを読む

魂のまなざし(2020年製作の映画)

3.0

偉そうに金銭をたかりにくる兄、そんな兄を溺愛して娘にはつらくあたる母、そして唐突に主人公の元を去っておきながら婚約者を連れてのこのこ戻ってくる年下野郎…ろくでもない世界でそれでも描き続けた画家を演じる>>続きを読む

クルージング(1980年製作の映画)

-

フリードキン追悼ということで(例のシーン以外)観たことなかったやつを。当時の評価はさておき濃密な夜の世界がしかと切り取られてる。ポストパンクな音楽もかっこいいんだけど、ビジュアル的についついLou R>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

2.0

「この監督×キャストのわりに盛り上がってないということは…」とうっすら感じてはいたけど、どこかで観たような内容からなにかツイストがあるのかと思ったらそのまま終わっちゃってつまらなかった。ハリー・スタイ>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

5.0

奥さんが公開日に観に行ったのでそれで満足していたけど、(当然ながら)映画館で観るべき映画だった。グァダニーノが撮るアメリカ、眼福としか言いようがない。その美しさで際立つあの恐怖シーン。人食い×恋愛とい>>続きを読む

ドライビング・バニー(2021年製作の映画)

3.0

"ドライビング"とはあるものの、車どころか家さえないという思ったよりハードで物悲しい映画だった。「To Leslie」「黄色い家」と国も時代も違えどどうしても人生にストラグルが発生してしまう女性の物語>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

誰もがずっとフワフワした内容の話をしてるもんだから気がついたら寝てたけどなにも問題なかった。ポム・クレメンティエフは最高。エンドクレジットで「Sky Dive Cordinate」の人がかなり前の方に>>続きを読む

ゼイ・クローン・タイローン/俺たちクローン(2023年製作の映画)

3.0

ブラックスプロイテーションをベースにジョーダン・ピール×「アトランタ」な現代のハイブリッドで、最高な瞬間もかなりあったんだけど(全員ハイな教会のシーンとか)、いやはや長くてダレる!でもそのうんざりする>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

2.0

昭和の特撮リスペクトの賜物なんだと思うけど、それにしてもこれがIMAXとかで2時間上映されてたのかと思うとすごい。ほとんどの時間が苦痛だったけど、ブツクサ言いながらもがんばって戦う柄本佑の仮面ライダー>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.0

なーんにも難しいことはなく「馬がレースで勝つとうれしい」の一点をちゃんと観客と共有できてればそれだけで勝利だし、実際に馬が勝つところはトニ・コレットたちと一緒にバンザイしちゃった。「A Design >>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

天から才能を与えられたおじいさんの精神世界を無理やり観せられる不思議体験(自分で観に行ったんだけど…)。変に話の整合性とかを考えてなくてしっかり支離滅裂なのがよかった。おもしろいかとは別に後世の人々が>>続きを読む

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

4.0

「おもしろいんだろうな」とは思ってたけど、それを上回るおもしろさ。「死人を生き返らせて5つ質問する」のくだりが好きすぎて2回観た。あそこは「どう転んでもおもしろい」ゾーンに入ってたと思う。"楽しい"が>>続きを読む

ミスタームーンライト~1966 ザ・ビートルズ武道館公演 みんなで見た夢~(2023年製作の映画)

3.0

ビートルズ来日の話って無条件でワクワクしちゃう。当時高校生の母が先生に「ライブに行くクラスメイトを止めてくれ」と言われたけど「そんなの止められるわけないじゃない」とスルーした話を思い出した。歴史だ。

ナイン・デイズ(2020年製作の映画)

4.0

「生まれる魂を選定する人」というどこかで見たような話だけど、この人が全然超越した感じじゃなくて「この仕事向いてないんじゃ…」と心配になるくらい苦悩しまくるし、キレまくるのがよかった。そして最後の「So>>続きを読む

炎のデス・ポリス(2021年製作の映画)

3.0

ジョン・カーナハンは前作「コンティニュー」がかなりおもしろかったので期待してたけど、今回はわりと普通だった。とにかくクールなアレクシス・ラウダーでなんとかもってたけど、肝心の"炎のデス・ポリス"状態に>>続きを読む

偽りのないhappy end(2020年製作の映画)

2.0

デビュー作?での完成度とかいいところもあると思うんだけど、それを補って余りある圧倒的な辛気臭さで力尽きそうになった。大学生の時にうんざりするくらい観た自主映画のすごくちゃんとしてる版というか…。でもも>>続きを読む

イントロダクション(2020年製作の映画)

3.0

おもしろいとかおもしろくないとかじゃなく、ホン・サンスがモノクロで描く韓国の冬(雪)からしか摂れない栄養素がある。先生の突然のブチギレ(笑っちゃった)も納得の"抱擁"という行為の素晴らしさ。「あなたの>>続きを読む

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

なんだよ!最高じゃないか!あの「クリスタル〜」を超えるとんでもない展開にマンゴールドの漢気を感じた。予告編ではかなり浮いてる感があったフィービーさんもインディが終始打ちのめされて疲れ果ててるので結果的>>続きを読む

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)

4.0

トッド・フィールドの前作(17年前だけど)を初めて観た。2006年の映画を改めて観ることがあまりないのでなかなか新鮮だった。「TAR ター」と同じくいろんな解釈ができるラスト、自分はやっぱりポジティブ>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

最初の予告の時点で「全然おもしろくなさそう…」と思い、次の予告では「「aqua」使えばいいと思ってんじゃあないよ」と思い…で後回しになってたけど、もちろん見ごたえはあった。でも全然しっくりこないところ>>続きを読む

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

5.0

起承転結どころか転に次ぐ転でどこまでも転げ落ちていくレスリーの姿はもう見てられないんだけど、それだけに最後に訪れるささやかな(でも十分奇跡的な)"起"で心の涙を流さずにはいられなかった。現代のおとぎ話>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.0

おもしろかった。初っ端から「(ジャスティスリーグは)心のケアが苦手だから…」とよりによってエズラ・ミラーに言わせるハイブロウなセンスが炸裂!諸々のサプライズに関しては「へぇ〜」って感じだったけど、この>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

まさに脳を直接刺激されてるような超絶映像体験でめちゃくちゃにおもしろかった。でも悩んだり仲間割れしたり(ボクが苦手な)実にスパイディっぽいウジウジにもたっぷり時間がとられてて(物語としてはいいんだけど>>続きを読む

タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

4.0

タイトルを見た時は「そこに"2"がつくんだ…」と思ったけど、めちゃくちゃおもしろかった。ワンカット(風)撮影にはこれといって思い入れはないんだけど、これくらいうんざりするほど長いとさすがに笑っちゃう。>>続きを読む

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.0

基本ハイかローかしかないのんさんの演技がメソッドなのかマジなのかは分からないけど、最後に目のどアップで終わるのも納得の瞳の輝き。新幹線の車内販売をやってた友達がさかなクンに「チータラありますか?」と聞>>続きを読む

マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

2.0

観る前から薄々感じてはいたけど、自分が求めてるものではないというか「こういうことじゃないんだよ」以外の感想はないやつだった。でもこれがド傑作だったら今年の前半は完全にペドロ・パスカルのものになっていた>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

5.0

正直軽い気持ちで観てみたら(すいません)、今年観た映画の中でも屈指の"万人に自信をもって勧められる"傑作だった。身長2.5センチのマルセルくんの眼差しを通して見ると誇張じゃなく世界の全てが新しく生まれ>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.0

こういう愛憎+ミステリーみたいな映画が基本的に苦手なので正直よく分からなかったんだけど(思えば「お嬢さん」もよくわからなかった)、「疑われたいです、被疑者として」とか「私はあなたの未解決事件になりたい>>続きを読む

ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

5.0

公開前に「娯楽性を投げ捨てている」というレビューを見かけて、まぁ確かにそういう向きもあるし、画面も暗いし、理解しづらいところもたくさんあると思うけど、それでも観てるうちにエモーショナルな高揚がしっかり>>続きを読む

ビースト(2022年製作の映画)

3.0

ポスターのイドリス・エルバとライオンが対マン張ってるやつ、てっきり「※写真はイメージです、実物とは異なる場合があります」かと思ったらマジでやっててよかった。あと最近のサメ映画のトレンド?"特に説明もな>>続きを読む

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)

4.0

ジョナサン・メジャーズの"地元のちょっと面倒な先輩"みたいなドロッとした雰囲気が敵役としてけっこう斬新だった。「今ある材料でやらなきゃな」という、そのままこのシリーズの在り方を示すようなクリードの台詞>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

こういう、どうしようもなく"くらってしまう"映画がたまにある。今の自分は子供たちの記憶にどういう形で残るのだろうか(もしくは残らないのだろうか)。それと同時に自分の中の記憶もよみがえる。徐々にテンポが>>続きを読む