oVERSONさんの映画レビュー・感想・評価

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或る夜の出来事(1934年製作の映画)

4.6

男女の出会い、すれ違い、再会までを、各人物の思惑の交差と「追う/追われる」のスリリングな駆け引きの中で見せているから面白い。
粋なセリフで引っ張り続けておいて、ラストがセリフ無しの演出なのも良い。
2
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辰巳(2023年製作の映画)

3.8

話運びやドラマの展開は良い。リアル寄りにしようと欲張りすぎたのか、どのシーンもクドくて全体を通してメリハリが無い。
俳優の面構えはピカイチ。今の日本にもちゃんと強面な俳優っているんだと安心する。
20
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天国と地獄(1963年製作の映画)

3.8

せっかくリッチな画作りで絶妙な人物の配置、フォローをしてるのに、一対一の会話ばかりで第三者の会話へのカットインが少ないから、テンポが重くなってしまっている。
仲代達矢の固い台詞回しと、人混みの撮影は素
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死の十字路(1956年製作の映画)

3.9

オールスター感、大作感ある演出がサスペンスを盛り立てている。キャスティングと配役に遊び心があって良い。
探偵パートがもっと切り詰められてれば、後半の失速感は無かったはず。
2024-47

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)

4.3

米兵と現地人通訳の交流が非常に渋くて良い。脚本にあるセリフのキレの良さだと思う。
中盤の脱出シークエンスは緊張感、銃撃の迫力が本当に素晴らしい。終盤の切り抜け方が拍子抜けしてしまったのが惜しい。
20
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.4

プリシラの心象を見事に表したショットが満載なのは素晴らしい。客観的な視点を通して主観的な感情が理解できる。
ただ、エルヴィスとプリシラのエピソードを、ひたすら同じ場所に重ね塗りしていくだけの展開の無さ
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黄昏(1951年製作の映画)

4.4

不倫相手のために何もかも投げ出した結果、その相手すら失うという皮肉な展開は、超ベタではあるが間違いなく面白い。
乞食に成り果てたはずのローレンス・オリヴィエが全然汚く見えないのには違和感を覚える。
2
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貴公子(2023年製作の映画)

3.0

漫画っぽい役どころを違和感なく、かつパワフルに演じた俳優陣のおかげで何とか娯楽映画としてのテンションを保ってる。
あまりにもちぐはぐな切り返しのパターンや、セリフ頼みのどんでん返しなど、作りの稚拙さが
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バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985年製作の映画)

4.7

人物やガジェットの導線が素晴らしく、画に常に奥行きを感じられる。エスタブリッシュが非常に上手い。
タイムパラドックスが起きることを阻止する展開にもう一つ困難なハードルがあればなお良かった。
2024-
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狙撃者(1952年製作の映画)

4.8

狙撃犯役のアーサー・フランツの顔芸が良い。抑えられない暴力衝動との闘いを顔だけで表現する凄まじさ。
意外にも狙撃シーンは少ないが、演出が上手くショッキングなインパクトを残す。
2024-41

12日の殺人(2022年製作の映画)

2.0

実際の未解決事件を扱うなら、解決しない代わりに「どこまで真実に肉薄できたか」「どこまでホシを追い詰められたか」をスリルを持って描くべき。
深刻そうな主人公刑事の葛藤に裏付けが無いのも大きな欠陥。
20
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ラブリセット 30日後、離婚します(2023年製作の映画)

3.6

「所詮ジョークだな」と思わされてしまうブラックジョークの方が目立っており、そこまでハマれなかった。登場人物のの性格が記号的なのは良いが、キャラクター性が全く展開に寄与しないのは勿体無い。
過去パートに
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愛の狩人(1971年製作の映画)

3.4

男女間のすれ違いや衝突、恋の駆け引きを、男の愚かさを通して描いた作品だが、どうしても内容が古臭くてハマれない。
撮影は素晴らしいが、会話劇のテンポを良くすることには寄与していない。
2024-38

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

2.7

前半のドラマの積み上げが足りなさ過ぎる。そもそも赤狩りの聴聞会パートは全く不要ではないか。
エミリー・ブラントの役はキャラクターも立ち回りも素晴らしく、他の人物ももっと主人公に関わらせてドラマを進める
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ジョニー・ハンサム(1989年製作の映画)

3.8

コントラストのキマったライティングがカッコいい。撃ち合いや強盗シーンの切り詰め方も良いテンポ。
主人公の行動の軸を支える説得力が弱いのが難点。
2024-36

アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

叙事的に淡々と切り詰めて描くか、主人公の葛藤にフォーカスしたスポ根モノ・家族ドラマとして熱量を持たせるか、そのどちらかを選びかねて中途半端な出来になっている。
引き画の距離感やそこで見せる情報量は良い
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.3

話としては面白いが、医療事故への復讐という設定を活かしきれず、ホラーテイストにして投げてしまっている点が気になる。
展開に捻りも欲しい。
2024-34

RHEINGOLD ラインゴールド(2022年製作の映画)

4.4

犯罪映画としてのディテールが細かく、悪事に悪事を重ねていく様が本当に面白い。
伝記映画に多い「逆境をはねのける」展開からあえて外しているのが上手い。
2024-33

悪魔のような女(1955年製作の映画)

4.0

殺したあとの不安が後半のキモとなるが、大オチまでの牛歩に感じられてかなり停滞感があった。気弱な妻の描き方に一貫性があったのでドラマとしては面白い。90分台なら傑作だった。
2024-32

ジーンズブルース 明日なき無頼派(1974年製作の映画)

4.5

ハリボテ感の目立つシーンもあるが、話の軽さと転がりの早さを維持したままラストまで突入する作りは見事。
2024-31

ザルツブルグ・コネクション(1972年製作の映画)

3.9

「書類を狙う」話に終始し、それ以上規模がデカくならないので盛り上がらない。
ザルツブルグのロケーションを活かした撮影は素晴らしく、絶えず画の中で人物を動かし続けているので停滞を感じずに見られる。
20
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その怪物(2014年製作の映画)

4.1

話がどこに転がっても、ギリギリ笑えそうなギャグのトーンを終始変えないのがかえって良い。
アクションも見どころの一つではあるが、それぞれのアクションシーンが長過ぎないので見やすい。
2024-29

オアシス(2002年製作の映画)

5.0

醜い王子様とプリンセスの恋愛物語。知的障害の男と脳性麻痺の女とでしか起こり得ない出来事を盛り込みつつ、王道の恋愛描写を外さずやっているのが素晴らしい。
終盤の木を切るシーンは、「二人にしか理解できない
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.8

シリーズで描いてきたキャラクターありきの作品であることは分かるが、フェミニズムへの目配せが下手でノイズになる。
建物内を延々ループしながら走るシーンは見応えがある。テンポも非常に良い。
2024-27

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

2.9

後半の展開だけで一本の映画に仕上げるべき。
どんでん返し前の情報開示の仕方が下手。
2024-26

バックドラフト(1991年製作の映画)

3.8

特にグッとくるシーンは無かったが、消火シーンをちゃんとアクションシーンにしてるのが良い。
兄弟ドラマやサスペンス要素で、映画の軸が見えづらい点が少し気になる。
2024-25

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

1.8

一箇所も面白いシーンがない。人間関係はゆるやかに、病状は少しだけ改善していく話で、その過程に盛り上げも緊張も一切無し。これを題材に映画を撮った意図が分からない。
2024-24

戦慄の七日間(1950年製作の映画)

3.6

社会実験ドキュメンタリー的なアプローチは面白い。捜査や逃走にかかる描写にスリルが無いのが勿体無い。大規模疎開シーンは見応えがある。
2024-23

トラックス(1977年製作の映画)

2.5

デニス・ホッパーの狂気的な演技が面白いだけ。PTSDの妄想が現実を侵食するという展開自体は良いが、見せ方がとにかく雑。
2024-22

バンディッツ(1997年製作の映画)

2.3

ちゃんと作れば面白くなりそうなのに、詰めるべきところをMVチックなカッコ良さで濁している。
登場人物の前科やキャラクターが薄っぺらいのは致命的。
2024-21

病院へ行こう(1990年製作の映画)

4.8

主人公の退院を寂しく感じられるのが良い作品である証。脱走シーンや花火のシーンはさながら青春映画のよう。
2024-20

裸の銃を持つ男(1988年製作の映画)

4.8

停滞させないための細かい小ネタやメタネタの配し方が上手い。
停車シーンのアイデアの豊富さも可笑しい。
2024-19

世界にひとつのプレイブック(2012年製作の映画)

4.0

話が転がっていかない長丁場の会話シーンが重なる前半はタルい。主人公がダンスを始めてからはテンポも良く、分かりやすく盛り上がる山場の設定も上手かった。
2024-18

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

4.5

会話が観念的すぎるきらいはあるが、二人のやり取りだけで飽きずに見せているのは凄い。
切り返しのテンポと、ツーショットの画を視線の変化で保たせるのが特に良い。
2024-17

タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.6

勘違いコメディとして90分すれ違いを見せる映画かと思いきや、ギャグ的なアクシデント死亡シーンのオンパレードに、終盤は逆に正統派スラッシャー映画にシフトチェンジするという賑やかな映画だった。この構成力は>>続きを読む

ジョニー・マッド・ドッグ(2007年製作の映画)

4.2

若干単調ではあるが、ショッキングな虐殺シーンをある程度話の流れをもって繋いでいるので停滞感はあまり感じない。
ラストの希望の残し方が上手くない。
2024-15

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