oVERSONさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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殺人者(1946年製作の映画)

3.5

回想の尺が長く、調査の進むテンポが遅い前半が重たい。
バート・ランカスターは上手く演じているが、役柄に癖が無いので彼を軸に過去を掘っていく推進力が弱い。
2023-148

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(2016年製作の映画)

4.6

強欲さゆえに成功できた男が、本当に欲しいモノを何でも手に入れてゆく恐ろしい話。
異常なバイタリティが若い人妻にまで及んでゆくシーンはさながらスリラー映画のようでもあった。
2023-147

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.1

殺し屋のルーティンワークを軸に据えたリズムを一貫して崩さないのは凄い。実によくコントロールされて作られている。
主人公が請負仕事を成功させるシーンが冒頭に少しでもありさえすれば、作品を通して追いかけ続
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

3.6

豪華キャストに救われている部分も大きいが、家族ドラマとしては面白い。過去の人である母親の存在感が程良い。兄弟と父親のキャラクターには立体感がある。
ヒール役のセリフがことごとく稚拙なのと、前半の蛇足感
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.0

あれもこれも語りたいという思いが先行して、作品全体として全く締まりのない長尺のものになってしまっている。
130〜150分の尺なら相当面白い映画になっただろう。
2023-134

カナディアン・エクスプレス(1990年製作の映画)

3.6

列車内の通路の移動と部屋の出入りばかりで単調。敵がじりじりと迫ってくるスリルに欠ける。
脚本は結構良いのかもしれない。
2023-143

ストリート・オブ・ファイヤー(1984年製作の映画)

3.7

前のめりなテンポで驚くほどサクサク話が進んでいく。
荒唐無稽さを成立させるに足る顔を持った俳優が居ない。どの俳優の顔にも自信のなさが浮かんで見える。
2023-142

悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.3

真摯過ぎるほどに主人公のキャラクター性と行動を追いかける映画。
主人公のリアクションを端折らずに見せるためテンポはかなり悪いが、キャラクター造形で物語を終わりまで転がし切る胆力は見習いたい。
2023
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カンダハル 突破せよ(2023年製作の映画)

4.4

砂漠の攻防戦の見せ方が上手い。ポツンと無防備に晒された状態で留まらざるを得ない状況や、三つ巴、四つ巴の乱戦など、あらゆるシチュエーションで砂漠という空間を様々に見せていた。
背景の家族ドラマは邪魔だっ
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白鍵と黒鍵の間に(2023年製作の映画)

2.9

ミュージシャンにとってもそうでない人にとっても、「自分の音楽」がどれだけ大切なものか、ということへの説得力が無いといけない話。そのお膳立てをサボってる。
森田剛や川瀬陽太の演技は良いが、それすらも活か
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女相続人(1949年製作の映画)

5.0

善意の酷さと憎しみの交錯を描いた大傑作。
モンゴメリー・クリフトのどこか信用できない感じは凄い。ハマり役。
2023-138

コカイン・ベア(2023年製作の映画)

1.7

セリフ自体が面白いかどうかはともかく、会話の雰囲気で笑わせようとすること自体、モンスターパニック映画においては効率が悪い。
カット繋ぎのタイミング、ドリーやズームの粘りの無さ、切り返しの画の弱さ、どれ
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ペイバック(1999年製作の映画)

3.5

話は面白いし導入も良い。グレッグ・ヘンリーとルーシー・リューの役柄もキャラクターが立ってて良い。ただ、画に緊張感が無く、その二人以外のキャラクター造形が中途半端。
2023-136

ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

4.1

地味で汚いSFだけど、導入は端的だし、欲に忠実な主人公の行動が世界観を補強していて良い。
ただ、堕落刑事モノではないのに主人公の行動が軟派過ぎる点が気になる。
2023-135

追いつめられて(1987年製作の映画)

4.4

人物の移動や配置で常に画に奥行きを持たせている。歩く、走るだけのシーンが多いが全く飽きない。
殺人事件の発生で動き出す話なのに、そこまでが長過ぎるのは残念。
2023-134

ハント(2022年製作の映画)

4.9

あらゆるアングルのカットを観てて混乱しないギリギリのレベルまでふんだんに詰め込んでいて、なかなか贅沢な画に仕上がっていた。
今どきやらないようなズームインなんかもやってて面白かった。
2023-133

姉妹と水兵(1944年製作の映画)

4.3

出演者のパフォーマンス自体も凄いが、ステージと客席の切り返し方が上手く、舞台とドラマとの同時進行が描けている。
開く幕のデカさを強調するカットは素晴らしかった。
2023-132

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.8

もやが晴れたような後半の分かりやすい展開が良い。そこまでの語りが鈍重ではあるけど。
早いテンポの切り返しや目立たないくらいの長回し、ワンシーンの短さで映画のリズムを上手く作ってる。
2023-131

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

2.9

レース映画なのにレースシーンに迫力がないという致命的な欠陥を抱えている作品。順位を親切にお知らせしてくれるだけで、勝敗を争うスリリングな演出も皆無に等しい。
2023-130

フレイルティー/妄執(2001年製作の映画)

3.1

殺しのシーンの見せ方が淡白なのに、何発もあるからつまらない。視点の置き所も非常に中途半端なせいで、大オチの意外性も納得感も薄い。
話自体は面白いだけに、見せ方が残念。
2023-129

(1948年製作の映画)

1.9

オールロケを敢行したこと以外に何も評価できるものがない。
名優・水戸光子をクローズアップで撮ったからといって、そこに葛藤が浮かび上がってくるわけではない。
2023-128

未知への飛行(1964年製作の映画)

5.0

堅い画と要所のリズミカルな編集で、最悪のシナリオへの歩みをスリリングに見せている。
ポリティカルな会話劇だが、水爆による犠牲者を想像させる巧みさがある。
2023-127

監獄ロック(1957年製作の映画)

5.0

アイドル映画の最高傑作。
キザな粋がった若者を等身大で演じられるエルヴィスいてこその作品。
テンポ良く話を転がしつつ、歌のシーンはたっぷり見せるバランスも素晴らしい。
2023-126

勝利への旅立ち(1986年製作の映画)

3.0

熱血コーチ映画を王道から外れずに撮れば、最低限このくらいの出来になるという見本のような映画。デニス・ホッパー以外の脇役のドラマの処理もかなり甘い。
2023-125

恋極道(1997年製作の映画)

3.7

行動原理に主体性が無く、泣き虫なんだか肝が据わってるんだかよく分からない、中途半端なヒロイン像についていけなかった。
大阪ヤクザの人情モノとしては良い出来で、ケレン味の効いた冴えた演出も多々ある。
西
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マニアック(1980年製作の映画)

5.0

主人公の惨めさもひっくるめた「気持ち悪さ」で他に勝てる作品は無いのではないか。
一つ一つの殺人シーンの見せ方が丁寧。恐怖演出としてはかなり上手い方だと思う。
2023-123

みな殺しの拳銃(1967年製作の映画)

4.9

かなり極端な構図の画が続くが、アバンギャルドにはならず地に足のついた娯楽作品に仕上がっている。
悪の親玉の女との肉体関係、ヤクザとボクサーの兄弟関係など、手垢のつきまくった題材でここまでクールに仕上げ
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私は死にたくない(1958年製作の映画)

4.2

非情なタッチで描こうとしつつ徹しきれていないのが窺えるのが勿体無い。
寄りでも中間くらいの距離からでも、スーザン・ヘイワードの強烈な表情を逃さず捉えているのが良い。
2023-121

仮面の報酬(1949年製作の映画)

4.6

物語もアクションも必要最低限の描写で見事に見せていた。
車が上手から下手へ走ってゆく画だけで時間経過と場面転換を表現してたのは、さすがに切り詰め過ぎだが。
2023-120

処刑の部屋(1956年製作の映画)

3.4

ドライな青年でも卑屈な青年でもない、非常に中途半端な主人公像がつまらない。
人物のサイズと配置、背景への馴染ませ具合が素晴らしく、画づくり自体は勉強になる。
2023-119

ケープ・フィアー(1991年製作の映画)

3.8

スコセッシよりも、ジャンル映画をスリリングに撮れる監督の方が適任だったように思う。
キャラクターは良いし俳優陣の演技も素晴らしいが、スリルが足りない。
2023-118

バード・オン・ワイヤー(1990年製作の映画)

4.1

終盤のアクションがダレるのが勿体無いが、全体的にはアクションコメディらしい軽さと凝った撮影によって良いリズムをキープしている。話のシンプルさも良い。
カーチェイスシーンのカット繋ぎが非常に上手い。
2
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ヒューゴ・プール(1996年製作の映画)

3.2

意外性のないオフビートなドラマに面白味を感じられない。セリフ自体は良いのだが。
風景描写はとても上手いと思った。
2023-116

現代っ子(1963年製作の映画)

4.3

貧困学生とマスコミブームという、一緒に語るにはまあまあ無理のある要素を詰め込んで成立させているのが凄い。常に新しい展開を用意して話を転がしているから成せる業。
2023-115

死神の骨をしゃぶれ(1973年製作の映画)

4.9

パクリ元であろう『フレンチ・コネクション』より好き。
人が動くからこれだけカメラを振り回せるし、印象的なブツを画面に配しているからこそズームインを多用できる。粗はあるが、演出、カメラワーク、編集が一体
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デッドエンド(1937年製作の映画)

3.6

ハンフリー・ボガートの立ち位置が中途半端。この俳優を映させるのは意外と難しいのかもしれない。
貧民街でのさばる少年たちの描写は概ね良かった。
2023-113