oVERSONさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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現代っ子(1963年製作の映画)

4.3

貧困学生とマスコミブームという、一緒に語るにはまあまあ無理のある要素を詰め込んで成立させているのが凄い。常に新しい展開を用意して話を転がしているから成せる業。
2023-115

死神の骨をしゃぶれ(1973年製作の映画)

4.9

パクリ元であろう『フレンチ・コネクション』より好き。
人が動くからこれだけカメラを振り回せるし、印象的なブツを画面に配しているからこそズームインを多用できる。粗はあるが、演出、カメラワーク、編集が一体
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デッドエンド(1937年製作の映画)

3.6

ハンフリー・ボガートの立ち位置が中途半端。この俳優を映させるのは意外と難しいのかもしれない。
貧民街でのさばる少年たちの描写は概ね良かった。
2023-113

こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.8

寺尾聰に対する吉永小百合の張り切りっぷりが、吉永小百合自身が10代の頃に演じた役そのままなのが凄い。
ラストシーンは蛇足でしかなく、あそこを数回の会話のラリーでスマートにまとめていたらもっと評価できた
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愛と青春の旅だち(1982年製作の映画)

3.4

士官学校モノとしてはいささかマイルド過ぎるが、出来は悪くない。
恋愛要素が本当に中途半端なバランスで組み込まれていて、いっそラブストーリーに振り切るか、脇の話として処理するかした方が良かった。
202
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モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)

3.5

俳優陣の振り切った演技、設定とシチュエーションの妙に助けられている作品。
主人公が若返りの薬を飲むまでの導入部分が長過ぎる。
テーブルの下に大の大人が何人も潜り込むなど、見せ方の巧いシーンはいくつもあ
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ドリラー・キラー(1979年製作の映画)

4.0

芸術家としての自尊心を燻らせる画家を主人公に設定したのが良い。ノーウェーブバンドの若者たちとの対比になってる。
画の繋ぎが上手くなく、小気味良い編集で何とか見せている感じ。
2023-109

花を喰う蟲(1967年製作の映画)

4.8

自身の性的魅力を男に利用されていた女が、最後にはその男を魅了してしまうことで真に自立を手に入れるという、捻れた展開でありながら爽快感を感じさせる終盤が素晴らしい。
モダンな構図を動きの中で作り出す撮影
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BUG/バグ(2007年製作の映画)

4.2

終盤の突き抜け具合は素晴らしい。医師のプロフェッショナルな交渉人感がスリリングに盛り上げていたと思う。
2023-107

ニッポン無責任時代(1962年製作の映画)

5.0

つまらないサラリーマン稼業を面白くしてしまう人間の映画は無数に撮られているが、展開の早さとのらりくらりを貫く主人公の強烈なブレなさで本作に追随できる作品は少ないはず。
サラリーマンにもフーテンにも憧れ
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リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.5

力のある画ではないが、移動を絡めた繋ぎが素晴らしい。
話はお粗末で、悪役のキャラ立ちに頼ってテンションをやっと維持していた印象。
2023-105

白いドレスの女(1981年製作の映画)

3.9

展開にもキャラクターにも意外性が無く、あんまりエロくもない。
常に人物の動きを大きく見せる流麗な画づくりが素晴らしく、エロティック・ノワールの雰囲気をかなり良い線まで引き出している。
2023-104

流されて…(1974年製作の映画)

3.8

単調で間延びした展開になりはしないかと危惧したが、二人の描写がかなりエロいおかげで終盤は楽しめた。
せっかくのロケーションが、ブツ切りの編集で死んでいる。
2023-103

そして僕は途方に暮れる(2022年製作の映画)

2.1

センチメンタルで打たれ弱いクズの描き方に説得力が無い。周囲の登場人物のリアクションが、主人公の人物像の掘り下げに寄与していない。
2023-102

黒い太陽(1964年製作の映画)

4.4

シンプルでストレートなブロマンス。
ジャズ狂を演じる川地民夫の演技はほぼ『狂熱の季節』と同じ。
とにかく移動のカットが多く、躍動感ある画で知られる蔵原惟繕作品の中でも随一のダイナミックさ。
2023-
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バービー(2023年製作の映画)

4.0

男女それぞれの自己認識やポジショニングに関する問題を、主人公であるバービー人形に体当たりで考えさせるという試みは大成功だと思う。
コメディとしては失敗している。キャラクターにしても撮り方にしても、人間
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探偵物語(1951年製作の映画)

4.8

戯曲を映画化する名手は何人もいるが、ウィリアム・ワイラーは別格かもしれない。
とにかく周囲と反発する主人公が分署にいるだけで、何人分ものドラマがギュッとまとまる。
2023-99

砂の上の植物群(1964年製作の映画)

2.0

小手先のスタイルでどうこうなる話じゃない。
男同士で話してる内容の下衆さだけが面白かったけど、そこも特に物語を転がす推進力になってはいない。
2023-98

ザ・テロリスト(2009年製作の映画)

4.8

揺れの多い映像だが、繋ぎ方も撮り方も良いので見づらさはさほど感じさせずにライブ感を上手く煽っている。
主人公の卑小さとトントン拍子に上手くいってしまうテロの描写が、いい意味で後味の悪さを残す。
202
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ナイン・ソウルズ(2003年製作の映画)

4.4

早々に脱獄させ、一人ずつ登場人物を退場させ、これで中弛みや失速感を感じさせないのが凄いと思う。
切ない笑いを基調とした映画だけあって、板尾やジュニアといった関西のお笑い芸人がハマる。
2023-96

マリブ・エクスプレス(1984年製作の映画)

3.7

探偵にすら見えないヘタレプレイボーイのアクションも、ここまで徹底してようやっとギャグになっている感じ。
カット単位でもシーン単位でも惚れ惚れするような良い繋ぎをしているが、単調なのでシーンが流れている
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

3.4

周囲の人物がそれぞれ主人公に対して取っている距離を描き分けられていて良い。その上でやっと成り立っている主人公像だと思う。
どうせウェルメイドにやるなら盛大にいけなかったものか。
2023-94

気ままな情事(1964年製作の映画)

3.6

120分を超える長尺なのがネック。90分台ならこの内容に見合うテンポで中盤以降も楽しめた。
イタリア映画らしい雄弁なカメラワークは良い。
2023-92

虹を掴む男(1947年製作の映画)

4.3

舞台っぽさを強調した妄想シーンのセット、小道具、衣装の作り物感が絶妙。
幼さを感じさせるダニー・ケイの表情が良い。オンの演技もオフの演技も上手い。
2023-91

噂の二人(1961年製作の映画)

5.0

ワンシークエンスワンルームと言っていいほどじっくり見せていて、なおかつ出来事自体もそう多くはないのにこれだけ求心力のあるドラマを撮れることが凄い。
終盤にはシャーリー・マクレーンとオードリー・ヘプバー
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ヘドローバ(2017年製作の映画)

3.4

展開の捻り方も拡げ方も良い脚本だが、地に足のついてない演出が勿体ない。
画を決めきれていないのでカメラワークが安定していない。
2023-89

ポゼッション(1981年製作の映画)

4.5

気持ち悪さとドライブ感を同居させた素晴らしい不条理劇。展開が加速してゆく構成だったらもっと好きだった。少ない登場人物の割には尺が長い。
2023-88

やさしく愛して(1956年製作の映画)

3.8

寄りのサイズが中途半端で画にメリハリが無い。映画デビューのエルヴィスも、リチャード・イーガンも良い演技をしてるので、もっと二人をじっくり見せてほしかった。話は当時ありがちなものだが面白い。
2023-
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.9

原爆を大切なおもちゃのように抱きかかえる主人公の描写に幼児性を感じる。
執念深い刑事と好奇心旺盛なラジオDJを巻き込んだ壮大な遊びの時間ともとれる。
2023-86

AIR/エア(2023年製作の映画)

4.8

マイケル・ジョーダンが史上最高のアスリートと呼ばれるほどのスターだったことが前提として作られた映画。未来のスターに対する予言めいた営業セリフが効いている。
ワンテーマでゴールも決まっているシンプルで骨
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キューポラのある街(1962年製作の映画)

4.3

「他所」との接点を様々に描きながら、要所要所で「家」のシーンを挟むバランスは参考になる。
俯いても前を見据えていても視線が真っ直ぐで目に光がある吉永小百合にはピッタリの役。
2023-84

太陽の下の18才(1962年製作の映画)

3.5

イタリア映画らしい下世話さと軽いノリの地中海のバカンス群像劇としては良い。
画がのっぺりしてて見飽きてしまうが。
2023-83

野郎に国境はない(1965年製作の映画)

4.2

終盤の脱出シークエンスに冗長さを感じたが、そこ以外はテンポが良く、小林旭のキザでクールな立ち回りが活きていた。
シャンデリアを使ったガンアクションは見事。
2023-82

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.5

父親と老人、それぞれの間違った愛の形が悲惨な結末を呼ぶやるせないノワール。
テンポが単調なのは気になるが、重苦しいトーンの中で間接的に暴力の跡を見せる演出が光る。
2023-81

歌え!ロレッタ愛のために(1980年製作の映画)

5.0

出会いのシーンをはじめとして、夫婦の距離感の示し方が非常に豊か。想像を超えるような出来事は起こらない伝記モノだが見飽きない。
主人公はマネージャーの旦那の方ともいえる。
2023-80

ベルフラワー(2011年製作の映画)

3.0

設定は素晴らしいが、構成に溺れている。展開としてツーオプションを提示するなら、インパクトのある方を後に見せなきゃダメだろうし。
2023-79