oさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ナポレオン(2023年製作の映画)

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『最後の決闘裁判』は意識的に性差別を描いていたけど、本作では告発的な見せ方は鳴りを潜め、皮肉な描き方になっているように感じた。
近代以前において、お世継ぎ(しかも男性)を期待するプレッシャーのハンパな
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

せっかくリバイバル上映してるなら見返してみようと映画館へ。
パッとしない田舎で、周りはバカばっかで、自分は特別できっと何者にでもなれると思っていそうなイーニドの思春期特有の無根拠な自己肯定感の強さとあ
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

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久しぶりに再見。バスター・キートンの面白さを約1時間でコンパクトに見られるのはありがたい。
結婚しなきゃ相続できない、からの落としどころはド定番。観客を飽きさせない画面作りに工夫が見られていい。

カッスル夫妻(1939年製作の映画)

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アステア×ロジャースのゴールデンコンビはどれもいいなと思う。
彼の才能が発揮されていないことに憤りを感じて、それを言葉にして伝える彼女の姿がすごくよかった。
後半は戦争の影響を感じさせる構成ながら、一
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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

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人種差別、排外主義は万国共通で存在するし、それは経済、歴史的背景とも切っては切れない問題であることを浮き彫りにしてる。
後半の集会シーンはこの映画と世の中、ムラ社会を象徴するハイライトだと思う。あまり
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(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

現代のたけし軍団による戦国ゆるふわギャグBL。加瀬亮がひたすらかわいい。が、中盤から飽きがきて少しうとうとしてしまった。
難しいなと思ったのは性愛、情愛に関するシーンで、これまでの北野武作品では男性同
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

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被写体を真正面から捉え、横スクロールとズームイン・アウトを徹底、ナレーション的台詞により物語を進めるスタイルが絵本的ナラティブに合う。けれども、自分にとってウェス・アンダーソンが合わなくなってきたこと>>続きを読む

毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)

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リメイク1作目から好きじゃないけど、2作目を作る意味がわからないくらいステレオタイプなキャラクターが鼻につくし、ストーリーもこんなんでいいのかと思う。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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なんとなく面白い気がするのは、作戦が科学的で物理的だからなのと、ゴジラの見せ方によるところが多いかも。
こういう時代設定にすればこういう展開にならざるを得ない感じがあって、第二次世界大戦を生き残ってし
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サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

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今回のチン・ハオ枠はオダギリジョーではなくて中島歩くんと理解しました。後半の銃撃戦がなかなか見応えあった。
が、前半の舞台練習シーンはちょっとしつこくて中盤になるまでけっこうキツい。
強姦シーンがイヤ
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恋人たちは濡れた(1973年製作の映画)

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久しぶりに鑑賞。
若者より中年になったからか、絵沢萠子のねっとりしただらしない色気にぐっときてしまった。神代さんはいくつもの作品で追いかける人のシーンを入れていて、この作品で見せる絵沢萠子の走りがまた
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インファナル・アフェア 4K(2002年製作の映画)

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まさか映画館で見られる日が来るとは思わず映画館へ。
マフィアに潜入した者と警察に潜入した者の似た者同士のようで異なる立ち位置、選ぶ道と選べる道の違い。
今となっては通信記録であっさりバレそうだけど、そ
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私がやりました(2023年製作の映画)

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こういう作品を笑える日がくることを願うばかりだけど、ともすると実際に起きる被害を矮小化してしまう可能性がある点でどうもノリ切れなかった。
フランソワ・オゾンの中では珍しい珍品の類。

ドミノ(2023年製作の映画)

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ノーラン的設定丸出しにヒッチコックオマージュもまんまで笑ってしまった。

愛にイナズマ(2023年製作の映画)

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監督にとっては描きたいことが詰まってるんだと思うけど、意図的に描いてることがあざとくて苦痛すぎて受け入れがたかった……

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

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カティ・オウティネンの可憐さを再認識。
男運のなさと望まない妊娠は普遍的なテーマながら、カウリスマキの持ち味である淡々とした語り口からにじむ感情にグッとくる。

真夜中の虹(1988年製作の映画)

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カウリスマキ流ウエスタン。
不運に不運が重なる展開は見ててつらくなるけど、主人公はそこまで悲観してないのがすごくいい。
使えない銃、途中で見る映画はその後の展開を予告する要素でうまい。
マティ・ペロン
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ノー・ホーム・ムーヴィー(2015年製作の映画)

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あまりにも乾いた見せ方をしていて、漂う死の予感とは裏腹に、何度も寝落ちしてしまった……

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

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もちろん見応えはある。
丁寧に描くことに意味がある的なスコセッシのインタビュー記事で見かけたけど、あのラストにするなら終盤30分はバッサリカットして、前半ももう少し引き締めればランタイム短くできる余地
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

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久しぶりに再見。
ゴミ収集車のガチャコン!という音がブルーワーカーの単調なリズムを印象づける。
マティ・ペロンパーとカティ・オウティネンのゴールデンコンビはいつ見ても安心感がある。カティが時たま見せる
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

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久しぶりに再見。昔、DVDで見た時より配信版が綺麗でビックリ。リマスターされてる?
それはさておき、男二人があまりにも奥手でおかしいを通り越して呆れてくる笑 でも徹底してるからそれも許せるというか。た
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

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ステイサムの安定感をベースに、ケイリー・エルウィズが軽妙なエージェント、ややレアキャラ化しているジョシュ・ハートネットがチャーミングな役柄、そして最近はお茶目な悪役が板についてきたヒュー・グラントがさ>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

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オーソドックスな勧善懲悪ものでひねりはないけど、そのぶん見せ方は洗練されていて、フークア監督のデンゼル愛が静かに爆発しててよかった。
これみよがしに殺人テクを見せつけられるより、悪いやつらの死体があっ
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ハント(2022年製作の映画)

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イ・ジョンジェの満を持しての監督デビュー作は、長年の盟友であるチョン・ウソンを迎えて自身も主演して、二重スパイを探す対立する2人を描く。
序盤から主演クラスの役者が惜しみなく出てくるのは、ジョンジェの
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熊は、いない/ノー・ベアーズ(2022年製作の映画)

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ダブル・フェイク・ドキュメンタリーだからこそ、フィクションが現実を白日の元に晒してしまう可能性があることをジャファル・パナヒ監督は証明してる。
その証拠としてイラン本国では上映禁止となり、監督は逮捕さ
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