okaさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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僕と頭の中の落書きたち(2020年製作の映画)

3.7

「ガン患者は大勢が助けようとしてくれるけど、統合失調症の患者には誰も関わってくれない」
本当の苦痛は、その事柄自体よりも、周囲の人々にわかってもらえない時である。更に、それが気づかれたくないことであれ
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キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2002年製作の映画)

3.8

「クリームいっぱいのバケツに2匹のネズミが落ちました。最初のネズミはすぐに諦めて溺れました。2匹目のネズミは諦めずもがきました。すると、クリームはバターになり、ネズミは助かりました。みなさん、今この瞬>>続きを読む

The Hand of God(2021年製作の映画)

4.0

「衝撃的でした。劇場で抗議していいなんて。私の勝手だ。私は自由だから」人はあらゆる経験の中で、自らを縛っていく。逆に、それらの経験を素養とし、圧倒的に前進していく者もいる。詩的に、叙情的に、ファビエッ>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.1

「起こる全てのことを味わえ。美も恐怖も。生き続けるのだ。絶望が最後ではない -R・M・リルケ」なるほど…絶望が最後ではないのであれば、あらゆる物事に真っ向から対峙することができるかもしれない。簡単に殺>>続きを読む

黒い牡牛(1956年製作の映画)

4.1

「今日の悲しみは大きい。もう何がきても驚かないよ」これだけの不条理が重なれば、誰にも期待せず全てを諦めることも、生き抜く為の一つの手段である。誰にそれを責めることができるか…一方で、全く違う生き方もあ>>続きを読む

ローマの休日(1953年製作の映画)

4.1

「ローマです。なんと申しましてもローマです。私が生きている限りここでの思い出を生涯大切にするでしょう」「しゃらくせえ!」とか言いながら長らく敬遠していたのですが、ようやく見ました。食わず嫌いでした。す>>続きを読む

ポルトガル、夏の終わり(2019年製作の映画)

3.8

「素晴らしく、複雑…それが人生ね」それぞれ、世界遺産など目には入らない程の問題を抱えている。そして、通念的には、誰しもハッピーエンドにはならない。しかし、彼らにとっては、どんな日常よりも濃厚で、欠かす>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

「効果てきめんイチコロ」
もはや笑うしかない。悲劇と喜劇は表裏一体。これだけの悲劇を、悲壮感なく、むしろユーモラスに描き出す辺りは、人生の本質を理解したカウリスマキならではの芸当だ。「下を向いていたら
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欲望の翼(1990年製作の映画)

4.1

「脚のない鳥がいるらしい。脚のない鳥は飛び続け、疲れたら風の中で眠り、そして生涯でただ一度地面に降りる。それが最期の時」それが運命だと思わないと生きられない人達がいる。いや誰しも、そう感じる時期がある>>続きを読む

RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

3.9

「女性を贔屓(ひいき)してくれと言っているわけではありません。ただ、首根っこを掴んで押さえつけようとするのをやめてほしいとお願いしているのです」科学的には急激な発展を遂げてきた人類だが、こんな簡単なこ>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.9

「撮らないのなら、喧嘩に割って入ってとめなさいよ!止めないのなら、撮って伝えなさいよ!お前みたいなのが一番何も救わないんだよ!」頭をトンカチで叩かれた様な強烈な正論…しかし他のシーンでは逃げることを推>>続きを読む

コロンバス(2017年製作の映画)

4.0

「アメリカ初のモダニズム建築の…そんなのが理由で好きになったのか?違う…感動したの。それだ。それを聞きたいね。なぜ感動を?」気づいた時には、本質から大きく逸脱している…誰にでも良くある事だ。迷子になっ>>続きを読む

コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.1

「胸から溢れ出る想い。こんな気持ちは初めてよ。(中略)心を捉えて離さない。この想いを伝えたい。不思議な気持ち。世界が違って見える」清々しい程の初期衝動…自分が犠牲になったところで、大切な人が喜ぶはずは>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

「意外や意外…彼らはメキシコでTOP10入りした」監督自身もわかっているのだろう。自分の映画が世間的には古過ぎるという事を。それでも100人のうち2,3人でも好きになってくれれば十分なのだ。ウディアレ>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.0

「もうダメだ。全て終わった。というのは冗談。準備して車の修理工場を開く。隣の奴にいい考えがある。希望を失ってないのね。当たり前さ」希望のかけらもない状態。それでも前に進もうとする。つまり希望とは、根拠>>続きを読む

気狂いピエロ(1965年製作の映画)

4.1

「君とは話にならない。思想がない。感情だけだ。違うわ。思想は感情の中にあるのよ」言葉は上手く操れるが、感情の機微を捉えることができないゴダール。彼は映画の中で、自分の全てをさらけ出す。個人的な映画こそ>>続きを読む

ファーザー(2020年製作の映画)

3.8

「自分の中の枝葉が一枚一枚無くなっていく」
歳月人を待たず…
しかし、それは生き物としての自然な部分。ゆっくりと受け入れ、静かに自分の道を歩んでいくほかないだろう。
年老いていく人の気持ちに鋭意に寄り
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.8

「気取ったジェスチャーと宣伝臭のするリベラル発言。地球温暖化に抗議して焼身自殺すりゃいい」セリフも舞台も音楽も、ウディ・アレンが好きなものが溢れている。あるクリエイターは、「一番大事なのは、知ってるこ>>続きを読む

恐怖の報酬 オリジナル完全版(1977年製作の映画)

3.9

「ここはまるで牢獄だ。来るのは簡単。だが居続けるとダメになる」人ごとではない。劣悪な環境であれ、快適な環境であれ、そこから抜け出さなければいけない時がある。しかし環境の変化には、リスクがあり、苦労があ>>続きを読む

アメリカン・スナイパー(2014年製作の映画)

3.9

「この世には3種類の人間がいる。羊、オオカミ、そして羊の番犬だ。(中略)そして戦う能力を持ち、羊の群れを守る能力に恵まれた者がいる。オオカミに立ち向かえる特別な存在。彼らが番犬だ」番犬はイラクに行った>>続きを読む

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.1

「どんなに格好いいこと言っても、ライブで決められない奴はニセモノなんだ!」対バンを重ね、成長していったフィッシュマンズ。英語にstreetwiseという言葉がある。「都会を生き抜く為の実際的な知恵を持>>続きを読む

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.0

「理由?日常生活で小さな問題があっても、大事件や面白いことが起きないからよ。違うの。小説みたいな冒険のこと。スリルが欲しいのよ」芸術家は誰しも、論理と不条理の間で苦しみ、彷徨っている。しかしそれが、創>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

4.3

「夜明けの太陽を見たいとは思わないかね?赤と黄に染まった夕焼けを空をもう一度見たくないか?月はどうだ?星空を見たくないか?あの世から見に来たいほど、美しい世界なのに…」どんな高価なワインでも、喉が渇い>>続きを読む

ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方(2018年製作の映画)

4.0

「意外だったのは直面する困難こそが夢に、より現実味を与えてくれるってこと」ああ、なるほど…確かに上手くいき過ぎると、人は生きる実感を得にくくなる。満ち足りた天国に行く事を拒むのは、そういうものを無意識>>続きを読む

はちどり(2018年製作の映画)

4.0

「辛い時は指を見て。そして指を1本1本動かすの。すると神秘を感じる。何も出来ないようでも、指は動かせる」いつも意気揚々と前進していく…それができるのが理想だろう。でも現実では、そんな日は数える程度だ。>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.1

「私は夢と幻想の物語だと思うわ。夢というのはハリウッド的なドリームと人々が眠りながら見る夢、両方の意味でね」(ローラ・エレナ・ハリングのコメント)人は年月を重ねていくにつれ、意識の介在なしに物事を考え>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

「僕は、正しく傷つくべきだった」
フィッシュマンズの佐藤伸治はかつて曲の中で、「この世の不幸は感情操作と嘘笑い」と歌っていた。自分に嘘をつき続ければ、自分を見失ってしまうもの。いずれ自分が何が好きで、
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

4.0

「書く時には騒音とかざわめきとか混乱が必要なの。活気がないとアイデアが浮かんでこないわ」昔ハリウッドに買われたチャンドラーやフィッツジェラルドは、満たされた生活の中、まともな作品を残すことができなかっ>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

3.9

場合によっては。何も言わない方が伝わることがあり、逆に言えば言うほど本質から離れてしまうこともある…
機械文明、物質文明に踊らされた人々を、ユーモラスに描いた、ウィットに富んだ作品。

幸せのレシピ(2007年製作の映画)

4.1

「ここは私の人生なの。私の全てなのよ!いや、それは違う。人生のほんの一部にすぎないよ」自分の没頭していることや気になることだけが、世界の全てに見えるが、実際は、あらゆるものを見落としている。ささやかな>>続きを読む

無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.1

「自閉症でなければジウじゃない。障害がなくなればいいと思ったことはない」本物の愛情とは、そういうものなのだろう。普通と違うことが、必ずしも劣るという事ではないのだから。結局のところ、他人を羨むより、今>>続きを読む

街の灯(1931年製作の映画)

4.1

「あなたでしたの?目が見えるようになったのかい?ええ、見えるようなりましたわ」
最後まで、相手のことを思い続けるチャーリー。「誰かを喜ばせることは、自分をも喜びでいっぱいにする」というニーチェの言葉は
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ライフ・イズ・ビューティフル(1997年製作の映画)

4.0

「これは素朴な物語。話すのは簡単ではないけれど。童話のように悲しみがあり、童話のように驚きと幸せにあふれている」

世の中はあまりに苦しいことばかりだが、楽観的にふるまえば苦しみをやわらげることができ
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ペイン・アンド・グローリー(2019年製作の映画)

4.0

「闘牛士の言葉を借りれば、マドリードは困難な戦いの場」

鳥みたいに自由に飛びたいというのは勝手だけど、鳥が飛ぶために何万回翼を動かしているかよく見てごらん
by北野武

浅草キッド(2021年製作の映画)

4.0

「大学辞めて芸人?もったいない。何もしない方がもったいないよ」

成功の味は甘いと思うのは
成功の見込みのない人たち
成功の果実の味を知るには
痛いほどの渇きが必要なの
byエミリー・ディキンソン

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

4.0

「この彗星は30兆ドルの資源だ。死んだら何の役にも立たない…」
温暖化でこれだけ地球がおかしくなっても、考えることはいつだって経済成長…我々庶民だって、問題に本気で取り組めずにいる。袋小路に入った人類
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