okaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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運び屋(2018年製作の映画)

4.0

「俺はひどい父親で最低の夫だった。あなたは遅咲きなだけ」
人生に遅過ぎることはない。一番最後に気づいてもいい。早いに越したことはないにせよ…
監督イーストウッド自身の半生を描いた、贖罪的作品。

ROMA/ローマ(2018年製作の映画)

4.2

「どれだけ大変な目にあっていたのか、僕は何も知らなかった。どれだけ僕達が白人に生まれてきたことで得をしてきたのか、全然知らなかった。だから本当に申し訳ないという罪の意識で作っているんだ」(監督コメント>>続きを読む

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)

3.9

「今やるべき事はわかっている。明日も日は上る、だから呼吸を止めない事だ。波が何を運んでくるかなんて誰がわかる?」“one day at a time”とはアメリカの禁酒団体の標語である。1日ずつ着実に>>続きを読む

パリに見出されたピアニスト(2018年製作の映画)

3.7

「ピアニストの自由は譜面の指示に従った先に」剣道や茶道において「守破離」という言葉がある。師の教えや型を学び、自らの工夫で型を発展させ、やがて独創的なやり方を身につけていく…全ての音は考え抜かれ全身全>>続きを読む

僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.8

「年末には皆西ドイツの親戚の家に行くだろう。検問がゆるくなるから、その時に西へ逃げて卒業試験を受けよう」いくら東の方が生活水準が高くても、自由が無ければ意味がない。価値や慣習は自らが決めるべきもの。そ>>続きを読む

天使のくれた時間(2000年製作の映画)

3.9

「つまらない人生だな。それは見方によるんじゃない?君にはどう見える?最高のサクセスストーリーよ」結局のところ、知識が増えればその分憂いも増すし、幾ら財産があっても死ぬ時は皆、裸だ。ケイトはその事を良く>>続きを読む

仮面/ペルソナ(1967年製作の映画)

4.3

「今でもわからない。あの時の私は何だったのかしら。普段の自分の理性がどこかに消えてしまう。私の中に2つの人格があるのかしら」芸術家は論理的であるが故に、自らの不条理な行動に悩まされる。しかしその悩みを>>続きを読む

忘れられた人々(1950年製作の映画)

4.2

「ここが刑務所に見え、我々を悪魔と思っている。殺したいがムリだから、代わりに鶏を…そうだな?そうです。気をつけろ。鶏が仕返しするかも知れん」極悪人も全くの善人もいない。誰もが悪く、誰もが悪くない。至っ>>続きを読む

アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.2

「私は法という法を破り、ここまでやりました。後悔はありません。正しいことをしたんです」結局のところ、自らの行動は自らで決めるしかなく…法より、正しいこと。正しいことより、優しいこと。これこそが生きる上>>続きを読む

摩天楼はバラ色に(1986年製作の映画)

3.8

「何もありません。でも自信はある。チャンスさえくれれば、僕は必ずできる。あなただって初めての時はどうでした?(中略)経験は?と聞かれてショックを受けたでしょ。こう思ったはずた。チャンスさえくれれば」チ>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

3.9

「チコに言いたまえ。辞めて当然だと思う。君らには向かん。あなたはなぜ?さてね」ハリーにとって、それはcalling(天職)なのだろう。必要とされていたり、自分にしかできない仕事であれば、とかく理由なん>>続きを読む

遠い空の向こうに(1999年製作の映画)

3.8

「何年かに一度運のいい生徒がフットボールの奨学金を。それ以外の者は炭鉱で働く。運の悪い生徒にも将来を。それを考えるのが教師ですわ」人は解釈次第で、あらゆる選択肢を手にする事ができる。このJ・ギレンホー>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.0

「人の心と肉体はたった一度しか与えられないものなんだ。そしてその事に気づく前に心は擦り切れてしまう。お前が感じた喜びをその痛みと共に葬ってはいけない」地球がもう少し寒かったら海は凍り、もう少し熱ければ>>続きを読む

自転車泥棒(1948年製作の映画)

4.2

「もういい。放してやれ。」
これはまさしく本物の映画だ。観た人の心に傷を残し、本気で世界を変えようとした人の作品である。勿論映画を観ただけで、世の中が簡単に変わる訳ではない。しかし、額と額を合わせ、痛
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花様年華(2000年製作の映画)

4.3

「男は過ぎ去った年月を思いおこす。埃で汚れたガラス越しに見るかのように。過去は見るだけで、触れることはできない。見えるものすべて幻のようにぼんやりと…」表情やちょっとした仕草から、言葉以上のものを受け>>続きを読む

はじまりのうた(2013年製作の映画)

4.0

「音楽の魔法だ。平凡な風景が意味のあるものに変わる。陳腐でつまらない景色が、美しく光り輝く真珠になる。音楽でね」本当はあらゆるものに意味があり、価値があるのだろう。音楽は、当たり前の日常こそが、ひとつ>>続きを読む

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)

4.4

「意外に簡単かもよ」これほどシンプルで重要なメッセージもないだろう。チーフが楽しそうにバスケをするシーンが、何より印象的。
皆殺しの天使、いまを生きる、暴力脱獄等と同様に、自己表現の大切さを指し示して
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まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)

4.3

「こりゃ、お遊びにしてはちと度がすぎるぞ」何という表現力…2時間足らずで、人類が進むべき道を端的かつ的確に伝えてしまうとは…凡庸な監督が同じメッセージを伝えようとすれば、6時間半は必要とするだろう。全>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

3.7

「あなたのタクシーから今の韓国を見物したいです」
世界はサイコロの目と同じで、見る角度によって死角ができる。物事を慎重に観察し結論を急がないことが、多角的な視点を持つ為のコツとなる。人は楽をする為に生
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.1

「みんなが出てからでも…」勿論ブルジョワへの痛烈な批判なのだろうが、私には笑えない。会合時に何となく帰りづらかったり、やるべき事にすぐに手をつけられない事は誰にでもあるはずだ。実際温暖化で地球がこれだ>>続きを読む

12モンキーズ(1995年製作の映画)

4.1

「俺たちの過去も映画を見るのと同じ。映画は同じなのに、見る自分が変わって違う映画に思える。そして違うものに気づく」人の見方次第で、全ての価値は変わっていく。自分が何を好きかを知っている人にとって、ブラ>>続きを読む

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

4.0

「カタツムリは現世でどんな努力をすればいい?まっすぐ歩けばいいのか?」“現世の行いで来世が決まる”という仏教的な思想に対する痛切な反論(笑)。だからと言って、現世をないがしろいして良いという話ではない>>続きを読む

女は女である(1961年製作の映画)

3.9

「いいえ、私はただの女よ」何というエンディング!確かにそうだ。女は女なのだから、それ以上何を言えるか…
ある英国の劇作家は「男は愛するとモラルに気づく。女は愛するとモラルを忘れる」と言ったが、この映画
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.1

「店には保険が下りるさ」そういうことだったのか…学生の時以来の観賞だが、これまでずっとムーキーのことを誤解していた。誤解を墓場まで持って行かなくて良かった。良い映画は何度も見るに限る…
誰もが正しく誰
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6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

4.0

「何になりたい?何がしたいんだ?誰でも写真は撮れる、だが君にしか撮れないものは?」小説「月と6ペンス」の中にこんな言葉がある。「描かない訳にはいられないんだ。自分でもどうにもならないのだ。水に落ちた人>>続きを読む

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.1

「結局、知恵も知識も狂気であり愚かであるにすぎないという事だ。これも風を追うような事だと悟った。知恵が深まれば悩みも深まり、知識が増せば痛みも増す」大抵の物事には良い面と悪い面がある。デュードはそれを>>続きを読む

アマンダと僕(2018年製作の映画)

4.0

「Elvis has left the building」
消すことのできない悲しみと、どう付き合っていくべきか。実際のところ、本当の意味で乗り越えることは難しい。それでも、虚無と傷心なら、傷心を選び
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ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.2

「正しいこと、親切なこと。選ぶなら親切なことを」そうか…正しさと親切さは必ずしも合致する訳ではないのか…確かに、合理性や効率性を追求し過ぎると、大事な何かを見落としがちになる。
リアリティに欠けるほど
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

4.2

「俺も昔ドキュメンタリーを撮りたかったの。それがバラエティに回されて、一度辞めようかと思ったんだけど…今は毎日すげードキュメンタリーを撮れてる」本当に素晴らしい作品。どのシーンも心を込めて撮影されてい>>続きを読む

日日是好日(2018年製作の映画)

4.0

「それが嵐の日であろうと、それが大切な一日を失った日であろうと、それをありのままに受け止め、ひたすら生きれば、どんな日もかけがえのない絶好の一日」ヘレンケラーは「明日、耳が聞こえなくなってしまうかのよ>>続きを読む

素晴らしき哉、人生!(1946年製作の映画)

4.1

「17ドル50セント…」自分のことより他人を気遣う気持ち…
ある哲学者は、「他人の幸せを自分の幸せに変えることができれば、人は幸せになれる」と話していたが、まさにそんな映画。小説クリスマスキャロル的名
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ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男(2014年製作の映画)

3.7

「映画は砂の城と同じだ。大きな城を作るぞと言って、仲間とやっと完成させる。だが、やがて波が来て城をきれいに運び去る。それでも、砂の城は皆の胸に残るんだ」運び去る方は、思いついたことを口にするだけでいい>>続きを読む

幸せなひとりぼっち(2015年製作の映画)

3.9

「車は思ったより単純には動いていない」車を選ぶ時、誰もが外装ばかりを気にするが、もっと知らなければいけないことは多い。それぞれにそれぞれの役割があり、哲学があるのだから。煩わしいことがあっても(と言う>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.1

「悲劇も喜劇も善も悪も全ては主観さ」ある哲学者は「悲観主義は気分だが、楽観主義は意思である」と言った。しかしアーサーの様な境遇に陥った時、本当にそう言い切れるだろうか。いかなる時も温情忘るべからず。T>>続きを読む

ブライトン ミラクル(2019年製作の映画)

3.8

「勝つ事に真剣になれない。中途半端な努力で満足している人間にはウンザリだ」成否に関わらず、自らが燃焼したと思えなければ心の底から喜ぶ事はできない。逆に失敗しても、やり切ったと思えるなら、ある意味、それ>>続きを読む

甘い生活(1959年製作の映画)

4.1

「秩序ある社会に守ってもらう生活、予測通りに進む生活が一番恐ろしい」以下、月と六ペンスの一文。「安定した生活に社会的価値がある事も、秩序だった幸福がある事もわかっていた。それでも…(中略)変化を、未体>>続きを読む