くまやぼのみまふささんの映画レビュー・感想・評価

くまやぼのみまふさ

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サッドティー(2013年製作の映画)

4.0

自主制作映画上がりの監督さんのなかで山下敦弘と今泉力哉は映画における押し引きのさじ加減が似ていると思う。「これやりてぇから映画撮りてぇ!」という初期衝動の強度も似ている。

知らない、ふたり(2016年製作の映画)

3.8

今泉の才能は彼の頭の中でぐるぐる回っている渦みたいなものに彼がじっと目を凝らしているだけで即映画になるというたぐいまれな作家性にあり、それはこの初期作品からしてそう。さらにローカリズム以上のチカバリズ>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.6

vsになっていない。そもそも三島と東大全共闘とでは格が違いすぎる。三島はきゃつらに胸を貸しているだけ。若かりし芥の身の程知らずさが良い。芥のアナーキズム観念論のひけらかしや赤子連れの非礼な態度にムカつ>>続きを読む

退屈な日々にさようならを(2016年製作の映画)

4.0

前振りは古谷実的な展開で意外に思ったが、本題からは呼吸するように映画を撮る以前の作家性をこじらせたようなシークエンスの厚みに圧倒されていく。でもね、あの婦人警官は公務中なのか、非番時に制服を着ているの>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.6

小野莉奈の垢抜けなさがリアルJK。視聴者には見えないゲームを登場人物には見えているゲームとして彼らの言葉と表情を通じて想像させる手法はドゥルーズの言うとおり。野球のルールの訳のわからなさに「迷宮(球)>>続きを読む

グレイスランド(1998年製作の映画)

3.4

脚本は宮藤官九郎、でもアメリカ人が演じてアメリカ人が監督したから、こう仕上がったという映画だと思う。

まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

3.7

今泉ロスになったので成田凌や若葉竜也が出てる他の映画でしのいでいたら、この作品に出会って自分は今泉よりも実は成田凌のほうが好きなのかもしれない。こういう映画ばかり観ているせいか、韓国映画をまったく受け>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

4.0

脚本は今泉、はぼ今泉ワールド。三つの「愛なのに」の中で、女子高生の一途さと胆力は同義語で、未性交段階の「好きです=結婚してください」はやはり無敵だ。あと今泉の性交場面はどの作品でも騎乗位が頻出する。

キャラクター(2021年製作の映画)

3.5

ひたひたと迫り小栗旬刺殺がマックス、思わせぶりな見上愛の起用も良いがタワマン決闘から失速。法廷シーンももったいない。韓国映画なら想像の斜め上を行く結末を用意しただろう。

猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.6

猫が絶妙な演技をしてる。スタッフに岩合光昭がいたのかしらん。眉根が寄ってる毎熊克哉はオフビートすぎてダメ男ぶりをさらけ出している。これまた絶妙。

あの頃。(2021年製作の映画)

3.3

今泉映画鑑賞4作目。若葉竜也の使い方に違和感。人気のお笑い芸人でもないあのメンツでトークライブがいつも満席でウケてるのに違和感、うだつの上がらないオタクたちという設定がリアルでなくなる。

ちひろさん(2023年製作の映画)

2.0

今泉映画鑑賞3作目。これはダメだ。ちひろのような胆力のある主人公と今泉の作風は相性悪いだろう?

愛がなんだ(2018年製作の映画)

4.1

今泉映画鑑賞2作目。この息をするように映画を撮っている感じは、ホン・サンスと相通ずる無双感がある。

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.4

ジョーじいちゃんを演じたデイビッド・ケリーがファンタジー性の担保となっている。

失恋の33日(2011年製作の映画)

2.7

韓国映画のモテ男女のキャラは容易に納得できるものの、中国映画のそれはいま二つほどわからない。

この夏の先には(2021年製作の映画)

3.6

中国のまともな高校生が高考(一発勝負の大学受験)に輝かしい青春を捧げている。瑞々しい肌ツヤの彼らが机にかじりついて黙々と耐える姿にこそ不可逆的な生命力の濃縮を感じる。

街の上で(2019年製作の映画)

3.8

若葉竜也が発する「えっ!?」「はい!?」の声質が良い、涙で潤んだような右眼が良い、髪型が良い。6人の女の中で古川琴音と若葉竜也のやりとりが一番映画的。

こちらあみ子(2022年製作の映画)

4.5

中勘助の「銀の匙」を大絶賛した漱石がこの作品を観たら何と言うだろう。ドニ・ラヴァンそっくりな大沢一菜はもとより、登場する広島の子供たちもみんな愛おしい。重い話なのだが、森井監督のジャック・タチのような>>続きを読む

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

3.7

これが憲兵役を日本人がネイティブの日本語で演じていたら진짜見るにたえないし、日本語を強制される彼らの抵抗の朝鮮語を日本語字幕で読んで涙するねじれに忸怩たる思いです。

お嬢さん(2016年製作の映画)

4.0

日本の悪しき「製作委員会方式」では絶対に作れない映画。コロニアリズムの幻影をエンタメ要素に仕立てあげる貪欲な咀嚼力と資本力、パク監督の演出に応える役者の振り抜き方、いやまったく大したもんだよ韓国映画っ>>続きを読む

シルミド/SILMIDO(2003年製作の映画)

2.9

ソル・ギョングは大杉漣、アン・ソンギは内村光良、イム・ウォニは若い頃の勝新太郎に似てるなあ。制作は2003年だけど、事件は1970年頃なのでわざと古めかしい演出でやったのかしらん?

フィラデルフィア(1993年製作の映画)

3.8

トムが裁判で闘う前に家族親類にその旨を告げる。世間からの差別とバッシングに彼らも巻き込むからだ。だからこそ勝訴後の病室での「また明日ね」という別れの場面は、トムではなく彼らの表情を一人ひとり撮ったのだ>>続きを読む

義兄弟 SECRET REUNION(2010年製作の映画)

3.4

瀕死のカン・ドンウォンの「僕は、誰も、裏切ってません」というセリフに涙したが、エンディングの脳天気ぶりに私は裏切られた思いでいっぱいです。

藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

3.5

炎に包まれた家の前で認知症のオンマが駄目息子を慰める「朝鮮戦争の時は国中がこうだった。生きてさえいればなんとかなる」。そのとおりだと思う。棚ぼたで大金を手にした妻からこの後で必ずや離婚を切り出されたと>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.5

赤ちゃんを探していた釜山の暴力団員は二人。一人はソウルのモーテルで死体で発見された。ソン・ガンホは知り合いの息子のテホを殺した。ソン・ガンホが行方をくらましているのは、もう一人の暴力団員を殺すか、手を>>続きを読む

空と風と星の詩人 尹東柱(ユンドンジュ)の生涯(2015年製作の映画)

3.6

詩集の表題「空と風と星と詩」からしてそうだが、尹東柱の詩はもろ白樺派。これを抗日的と言われては詩なんて少しも書けないだろう。映画では秀才で革命家の宋夢奎の方が魅力的なキャラになっている。

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.6

大統領執務室の威容さに驚く。軍事独裁権力の象徴として、そして朴正熙の卑小さの対比として描かれている。

復讐者に憐れみを(2002年製作の映画)

3.6

韓国映画の殺害方法はおしなべてそうなのだが、とりわけパク監督のそれは屠殺感が強い。

万引き家族(2018年製作の映画)

3.3

なんか既視感があるエピソードは脚本の問題だろうし、ハッとするような踏込みがないのは演出の問題だろうし、劇中の現実を実際の現実の予定調和内で落とし前をつけるというのは監督の志向のあり方なのだろう。

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.5

ジヨンのどん詰まり感は、いまだに父権主義が根強い韓国における女性のデフォルトなんだろうが、これがソウルから遠く離れた地方の女性だとジヨンの暮らしぶりに「사치스럽다! 」とムカつくそうだ。

光州5・18(2007年製作の映画)

2.9

韓国人にとっては、たとえ劇中であれ登場人物が借りを作ったら必ず返したかどうかが肝どころであり、そこをきちんと描いていないと俳優や監督を説教したくなるのだそうだ。この映画もそこは抜かりなかったが、いかん>>続きを読む

息もできない(2008年製作の映画)

4.1

これほどまでに罵倒語の씨발と씨발새끼が頻出する映画も滅多になく、キレる韓国人を知る上で格好の作品。ラストの語り口でわかるようにヤン監督は映画手法に通暁している。

12か月の未来図(2017年製作の映画)

3.5

波平頭のフーコー先生が存外女好きなせいで瓢箪から駒みたいになるのが2回もあるから、やはりそこは腐ってもフランス人であり金八先生とはちがう。

サスペリア(1977年製作の映画)

3.2

最初の犠牲者が窓ガラスに顔を押しつけられてへちゃむくれになるカットに笑ってしまいました。ごめんなさい。

1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

4.5

韓国人朝鮮人は手より先に足が出る。蹴り倒し蹴り上げ踏み潰す。足は手より酸鼻を極める。かつて日本はこの苛烈な民族を三十五年間にもわたってよく蹂躙できたなとつくづく思う。韓国の社会派映画の大傑作!

金子文子と朴烈/朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト(2017年製作の映画)

3.6

取り調べを任された立松のような同情的共感者が体制側にも稀にいたそうだ。韓国では批判されたそうだが、映画はそこをシーンを重ねて丁寧に描いていたのが好感。

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