おぺちょぺさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

おぺちょぺ

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偶然と想像(2021年製作の映画)

4.6

3つの短編がすべて「偶然と想像」にまつわる話。何が「偶然」で、彼らは何を「想像」したのか......と鑑賞後にも余韻を楽しめる傑作。

濱口竜介監督の特徴的な演出法により、徹底的に”会話”が突き詰めら
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.8

SFの生命線は、「納得感」だと思っている。いかに世界観に引きこみ、この世界ではこうなんだと理解させてくれるか。
その点、本作は非常に丁寧な作品だったと感じる。

IMAXの轟音で、砂嵐と圧倒的無音を感
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アンテベラム(2020年製作の映画)

4.3

これから観る予定の人は、いますぐこのアプリを閉じてほしい。私は前情報入れずに鑑賞できて、本当によかった!

初期衝動こそが娯楽の醍醐味だ。時間は戻せない。初見で感じた感動、違和感、怒り。本作は素晴らし
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マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

4.0

いや〜、変な映画だったな。

劇伴がまったく作品に合ってないし、前半は必要性が全く感じられないシーンが延々と続いて退屈。久しぶりにつまらない映画に出会ったな〜ジェームズ・ワンってもう少しちゃんとした人
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死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

4.1

いい意味で予想を裏切られた。

恐怖シーンのクオリティは保証しつつ、脚本も練られており、ホラー映画特有の「ツッコミどころ」ストレスがほとんどなかったことにある種の衝撃を受けた。

エターナルズ(2021年製作の映画)

4.2

Pink Floydの『Time』が流れる冒頭でなぜか泣きそうになった。

クロエ・ジャオ×MARVEL、というよりも作劇がクロエ、アクションがMARVELの「ハイブリッドエンジン」という感じがした。
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

4.5

勝っても地獄、負けても地獄。
もう二度と観たくないし、万人にオススメすることはできないけれど、鑑賞すべき作品だった。

以下は、本作における描き方に限っての話です。申し訳ないが、私は原作となったノンフ
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ガイ・リッチー映画特有の、いい意味での「軽薄さ」が鳴りを潜め、終始重苦しさが漂う作品だった。

黒幕が「表側」の人間であることがサラリと描かれていたことで、怖さを際立たせていた。

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.0

The 5th Dimensionの”Aquarius / Let the Sunshine In”がとても大好きなんですけど、そのライブが収録されていて興奮してしまった。
まだ10代のスティーヴィー
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

鑑賞中に『はちどり』を思い出したんだけど、まさにキム・ボラが製作支援にクレジットされていた。
3時間という尺を感じない。序盤、中盤、終盤と無駄がない。素晴らしい。

演劇を描く映画としての完成度ね!稽
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オールド(2021年製作の映画)

4.3

シャマランの挨拶からすでに始まっていたのか......。

文字どおり、「人生の縮図」。
ホラー、スリラー、コメディ、ヒューマンドラマ......さまざまなジャンルを一つに融合することに成功している。
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サムジンカンパニー1995(2020年製作の映画)

3.9

男性の私が軽々しく「エンパワーメント映画」だなんて易々とラベル付けすることはできない。本作の舞台である1995年は、もっとひどいことがあったはずだから。

話運びの手際が見事。彼女たちの連帯に私も活力
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ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

4.7

DCがMARVEL、ひいてはディズニー資本に唯一勝つ方法。オトナのためのバイオレンスハチャメチャ活劇の完成に、快哉を叫ばざるを得なかった!!!ジェームズ・ガンに感謝しながら、当然、IMAXで鑑賞。>>続きを読む

ローズメイカー 奇跡のバラ(2020年製作の映画)

4.0

ジャンルで言ってしまえば、ベーシックな『負け犬たちのワンスアゲイン』モノではある。ただ、薔薇が題材ということも手伝って全編とおして”流麗”な手際だったと思う。

他の登場人物たちの背景はセリフで語られ
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とびだせ!ならせ! PUI PUI モルカー(2021年製作の映画)

3.5

ほんっとうに単なるノーカット総集篇だったのが唯一にして最大の欠点。

作品自体の素晴らしさは言わずもがな。

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.5

4DXで鑑賞。まさにそのための映画、という感じ。お客さんもけっこう入ってた。

思ったよりカーチェイスが少なかった。凝ったシナリオや重たい話は求めていないので、本作に限ってはシリアスシーンが他の作品よ
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.0

本当に不思議というか、奇妙な映画だった。わかりやすさが追求されがちな昨今において、こうした強烈な作家性のある”変”な作品を観ることができるのはうれしいことだ。
独特のアスペクト比のせいで、常に窮屈な印
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.0

時折、突然挟み込まれる謎生物たちの生態がたまらなく愛おしい。謎兵器のギミックもどうしてこんなことを思いつくのかと感嘆しっぱなし。
独特の間と余白のある素晴らしい作品なんだが、細部への異常なまでのこだわ
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サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

4.3

暴力、ゴア、理不尽、不謹慎......私がフィクションに求めているものが全て詰まっている。ギャグの切れ味も抜群。

前半が非の打ち所がなかっただけに、中盤以降の「家族の絆!愛!」的展開がいらなかった。
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返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

3.8

原作ゲームは未プレイ、オチも知らない状態で鑑賞。
品がある、上品だ。主人公と先生の繊細な会話、恐怖シーンも”空気感”を大切にしていることがわかる。
白色テロについて恥ずかしながら全く知らなかったんだが
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.5

現代版にアップデートされた『トゥルーマン・ショー』。ジム・キャリーとライアン・レイノルズ、どことなく似てるから混乱するんだよな。世界の外縁の”壁”が印象的に機能する展開も、まさにそれ。
”私”という存
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.1

予告編で泣きそうになってしまったので、とにかく楽しみにしてたんだけど......期待しすぎたな〜という印象。
冒頭のブチ上がりがクライマックスで、最後までその高揚感を超えてこなかった。尺が2時間半、そ
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

4.3

スカイラーは現実には存在していないのではないか。制作陣が意図しているかは不明だけど、こう解釈するといろいろと腑に落ちる。若年層女性が望まない妊娠をした場合、スカイラーのような存在が近くにいることは、残>>続きを読む

プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.6

観賞後、その男性が何を言うかでその人物の本質をあぶり出すことのできる、恐怖のリトマス試験紙。
言うまでもないことだが、脚本が本当によくできている。舞台美術や衣装といった、細部へのこだわりも素晴らしい。
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アフリカン・カンフー・ナチス(2020年製作の映画)

3.6

監督と東條役の秋元義人さんの舞台挨拶付きで鑑賞。
最近は精緻に作り込まれた作品ばかり観ていたので、本作はなんというかちょうどよかった。繰り広げられる光景はたしかにB級なんだけど、編集の手際が見事。

逃げた女(2019年製作の映画)

3.5

多種多様な”窓”でつながっていく物語、独特のズーム表現、女性同士の会話(男性の顔があえてほとんど映されない)。
やりたいことはわかるんだけど、それにしても少々刺激が足りない。話運びも単調で、退屈に感じ
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ストップ・メイキング・センス(1984年製作の映画)

4.2

映画館の大音量で楽しめてよかった。どんどん熱を帯びていき、最後はもう大爆発。これこそライブの醍醐味だよな。

クルエラ(2021年製作の映画)

4.4

エマ・ストーンがバルコニーで会話をしているシーンがある。個人的オールタイムベスト『バードマン』を思い出して、それだけで泣きそうになってしまった。
私の気のせいかもしれないが、エステラとクルエラを姿勢の
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不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

4.0

こいつらに会えなくなるのかあと思えれば傑作だから、もうこれは傑作で間違いないだろう(語彙貧弱)。
観る前はカルト映画というイメージだったけど、なかなか丁寧な作りで、非常に美しいラスト。

中だるみもあ
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

1.0

純粋に聞きたいんだけど、映画好きの皆さんは本当にこの作品を素晴らしいものとして享受しているんですか?
私は「映画大好き」って看板を金輪際掲げてほしくないほどに苦痛で、怒りが込み上げてきた。観客ナメてん
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.5

典型的な「ナメてた相手が実は殺人マシンでした」(©︎ギンティ小林さん)なんだけど、その枠組みに簡単には収まりそうもない傑作だった。

まず、映画の尺。92分。とにかく無駄がない。私のために作ってくれた
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アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン(2018年製作の映画)

3.3

思ったほどでは無かった、というのが率直な感想。

『アメリカン・ユートピア』の後だったから、ショーを切り取った映画としての完成度の差を強く感じてしまった。ワイプ的に「ミック・ジャガーも観に来てますよ!
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.6

舞台経験者としては、舞台上のバミりの少なさにびっくり。これでどうやって板付きや複雑な移動をしてるんだ???
触れられる機会は少ないかもしれないが、あの人数が無線マイクや楽器のワイヤレスシステムを使って
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ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

4.2

原題は『God Exists, Her Name Is Petrunija』(神は存在する、彼女の名はペトルーニャ)。紛れもない傑作。

「伝統」といえば聞こえはいいが、それを盾に行われる、ペトルーニ
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.4

自分すらわからなくなってしまう前に人生から退場したいと強く思った。

CGを使わず、舞台美術と人の入れ替わりだけで「認知症4DX」を表現する見事な演出。
そして、物語が後半に進む(進んでいたのかは不明
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ジェントルメン(2019年製作の映画)

4.0

ガイ・リッチーが手クセで作った作品とか言われてるけど、彼の作品好きとしては話運び、俳優のチョイス、キレッキレのバイオレンス......大満足

と言いたいところだけど、完全にスベってる人種差別ネタ、ア
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