髙橋佑弥さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

髙橋佑弥

髙橋佑弥

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青春の殺人者(1976年製作の映画)

2.5

再見。才気走ってるのは確か…と思いつつも、前はあれほど衝撃的でのめり込んだのに、久々に見たら驚くほどノレずショック。しつこい。『太陽を盗んだ男』を見返すのが怖くなった。

2020/07/27

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.5

スタンダード撮影には期待ほどノレなかったが、しっかりと"見えない"贅沢な暗さが素晴らしい。話自体は"西部劇"しているが、カメラは女性の周囲を離れない。幕切れも、紛れもなく正しい。とはいえ、個人的な好み>>続きを読む

幽霊伝説/フランケンシュタイン誕生秘話(1988年製作の映画)

3.5

再見(前に見たのは無字幕で、すっかり忘却の彼方だったので、実質初見)。原題が"haunted summer"=呪われた夏…であるのに対して、ずいぶん大仰な邦題が付いているが、あながちどちらも嘘ではない>>続きを読む

俺たちの明日(1984年製作の映画)

4.0

画面を覆うほどの白煙漂う工場町の閉塞は『ディア・ハンター』序盤のよう…と思ったら撮影地が同じらしい。"家庭不和"度も地に足がついていて絶妙。身体の躍動を割らずに収めるロングテイク(撮監バルハウス!)と>>続きを読む

ビルとテッドの大冒険(1989年製作の映画)

2.0

"時間SF"の文脈でも必見作なのは間違いないので、恥ずかしながら今更見たが、これは…大しておもしろくない…

2020/09/28

ダイアモンドは傷つかない(1982年製作の映画)

3.5

割とみんな最初からずっと駄目駄目で、終始やっていることは大して変わらないのに、こちらの「駄目だなあ」=呆れ感情が徐々に上がっていくようになっているのが絶妙。面白い。

2020/10/01

ハッスル&フロウ(2005年製作の映画)

4.0

元々"実力"自体はある…という地点からのスタートで、故に"向上"に頼らない話運びが良い。あくまで必要なのは機材やスタッフであり、それらが揃った後、最後に"機会"を得るためにアウェイな場所に赴いてひと芝>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

一見、自由人風なオールダムの、友人を一方的に見やる静かな視線に泣く。最後の彷徨も。「宇宙は滴の形をしていて落下してる…」大傑作『river of grass』には及ばないが、それでも傑作。

2020
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鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

2.5

"弛緩"が面白さに直結していないと、この作劇で2時間はキツい。舟上と光靴踊りと麺は良いが、暴力表現は"奇抜"志向が過剰で前作から大きく後退。生真面目/小手先感も否めない『薄氷の殺人』(私は好き)の方が>>続きを読む

犬神の悪霊(たたり)(1977年製作の映画)

2.0

ボルテージ振り切ってることは確かだが…無茶苦茶。面白くはない。各場面がとにかく長すぎる。トリック撮影の茶目っ気はあるけれど。役者ならぬ役犬は皆すごい演技力で、人間に圧勝。

2020/10/01

TENET テネット(2020年製作の映画)

2.5

難解"なのは勿体ぶり混乱誘発台詞回しであって、筋は単純(アクション場面さえちゃんと見ていれば作中の"ルール"は判る)。だがどのみち話は面白くない。劣化007+ワイスピ…な長い前半を耐えた後に待つ"逆行>>続きを読む

死神の谷/死滅の谷(1921年製作の映画)

2.5

再見。ラングの中では相当イマイチな方と思う。昔に"お勉強"で見たDVDより遥かに綺麗な画質の上映(@シネマヴェーラ)で、死神の出現ショットには痺れたが…そもそも"三つの話"が全然面白くない。

202
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幸せへのまわり道(2019年製作の映画)

3.5

名物TV番組ホスト"ミスター・ロジャース"の秘密に記者が迫る…という話なのかと思いきや、"秘密"なるものは全く明らかにならない。どんな人間なのかもわからないまま。そこがいい。パペット操作中のトム・ハン>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.0

本質がスケボー行為に無いことは理解しつつも、スケボー場面がとても良い。同時期公開の"スケボー映画"『mid90s』と比してもこちらに軍配。映画として特出して良い出来とは言えないが、自らの人格を歪めた最>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.0

周囲の熱狂ほどノレず。撮影/編集共にアッサリしているのは好感が持てるが、いちおう"スケボー映画"でもあるはずなのにスケボー場面がうまく撮れていない。スケボー仲間たちはあれだけ常時ツルんでるにも関わらず>>続きを読む

アフター・ダーク(1990年製作の映画)

2.5

ジム・トンプスン原作の誘拐ノワール。全編リリカル過ぎるきらいはあるものの、通底するパラノイア×ヒステリーの連鎖感は悪くない。頻出する赤、ロケーションも◎。限定的な人物/舞台…閉じた映画。それなりに面白>>続きを読む

人間狩り(1962年製作の映画)

4.5

前のアカウントでちゃんと感想を書いていたのに消えてしまい無念…ながら『ゆがんだ月』が傑作だったので、再度記録。

2019/10/08

都会の女(1930年製作の映画)

4.0

美しい麦畑での男女の戯れを捉えた見事な横移動に尽きる。『サンライズ』と共通項多し。ただし描写の比重が異なる…『サンライズ』が"都会"の映画ならば、こちらは"田舎"の映画。その差は、『サンライズ』時のム>>続きを読む

灰の車輪(1968年製作の映画)

2.5

序盤こそ前作と同じ方法論だが次第に別モノに。ガレルやユスターシュの初期作を想起…こそするも、筋があるぶん前作より類型的な感。圧迫感で疲労。劇伴以外の"音"解禁…したはずが内省的モノローグくらいで特に音>>続きを読む

エコーズ・オブ・サイレンス/沈黙のこだま(1964年製作の映画)

3.5

約ひと月ぶりの再見だが…眠れない深夜に真っ暗な部屋のPCで床にペタンと座りながら見た初見の方がアガった(そのときは死ぬほど感動した)。劇場で見れたのは良かったが、見るときの状況(劇場か否かではなく…)>>続きを読む

ゆがんだ月(1959年製作の映画)

4.5

昨年十月『人間狩り』の衝撃再び。姫田の撮影が神懸かり。冴え渡るパン。カット割は必要最低限。尽きぬ"場所"の魅力。長門演じるナイーヴチンピラの芯のなさを反映するかのように移りゆく筋立て。乗り物"到着"で>>続きを読む

仮面の報酬(1949年製作の映画)

4.0

追いつつ追われる追跡劇。爆走する車二台の執拗なカットバックで描かれるチェイスが出色。全編丁々発止のやりとりが楽しい即席バディものでもあるが、なにより男女ふたりのパワーバランスが絶妙。全身を収めるフレー>>続きを読む

鉄拳とジャンプキック -カンフー映画の舞台裏-(2019年製作の映画)

3.0

功夫映画史ドキュメンタリー。
たった107分で京劇ベースの古典から…ショウブラザーズやゴールデンハーベストの隆盛、ブルース・リーやらジャッキー・チェンなどのカンフースター、はたまたアメリカ他への影響、
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

2.0

『脳内ニューヨーク』が好きな私ですら無理。普通に不出来。

2020/09/05

トマホーク ガンマンvs食人族(2015年製作の映画)

3.0

レンタル開始時以来の再見。初見時から印象変わらず、長編初監督作としては風格があるが、まだ"遅さ"と"機能性"が分離してる。既にフルショットは頗る良いが、まだ寄り/引きの繋ぎは多すぎる上にぎこちない。あ>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

4.0

再見。劇場でかかってるというので、久々に。
破綻論理よりハッタリ&押し売りエモが勝ってるからか、相変わらずノーランでは唯一ノレる。これだけは"アリ"だと思う。説明的という意見もあるが、そもそもロジック
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ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.5

序盤にヴィンス・ヴォーンが上司の机に投げるバッジの放物線だけで傑作と確信させるに足る素晴らしさ…全編ひれ伏した。今年ベスト。
(いつか長めの感想を書きたい)

2020/08/31

ブレスレス(1983年製作の映画)

4.0

『勝手にしやがれ』のリメイク…という触れ込みだが、本家本元より面白い。傑作。色彩は後のゴダールに倣い、物語はありとあらゆる要素を置き換えて…。ゴダールの当時先鋭的だった特徴を潔く排し、応用可能性の高い>>続きを読む

港々に女あり(1928年製作の映画)

4.5

再見。昔にyoutubeで見ていらい(高校時代…まじで覚えてない)超絶久々に劇場で見たのだが、マジで幸福だった。"男女男"モノのひとつの頂点。物語はシンプルなホモソ/ブロマンスだが…"障壁"がルイーズ>>続きを読む

デニス・ホッパー/狂気の旅路(2017年製作の映画)

2.0

没後作品のため本人は出ない/周囲の人々の証言で辿るホッパーのドキュメンタリー。出来は悪い。ホッパーが良いので良しとするが。

2020/09/04

誘拐(1997年製作の映画)

2.0

三億円の入った重たいアタッシュケースを持って、指定された人間が公衆電話から公衆電話へと誘拐犯の指示を聞きつつ時間制限に怯えながらひた走る…という展開が前半の見せ場なのだが、その二地点の地理的距離がたえ>>続きを読む

ペイバック(1999年製作の映画)

2.5

叙情で湿気たハードボイルド…ヘルゲランドって基本的に駄目な人だと思う。皆が好きらしい『ミスティック・リバー』も何度見てもノレない。一番マシなのは『ブラッド・ワーク』ですかね…?

2020/08/31

P2(2007年製作の映画)

4.0

超絶残業ダメ絶対傑作。
目が潰されても割と理性的に「待て」「なぜだ」「ぼくは友達が欲しかっただけ」などとボヤいているの、驚異的な忍耐力。ラストショット…フィンチャーが雪CGとかに死ぬほどカネをかけてい
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ソウル・サバイバー(1984年製作の映画)

4.0

・『別冊映画秘宝 絶対必見!SF映画200』(洋泉社) で書いた『ナイト・オブ・ザ・コメット』の長めのレビューの中で言及しました。
https://www.amazon.co.jp/dp/480031
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ナイト・オブ・ザ・コメット(1984年製作の映画)

3.5

・『別冊映画秘宝 絶対必見!SF映画200』(洋泉社) で長めのレビューを書きました(同監督の『ソウル・サバイバー』と共に)。
https://www.amazon.co.jp/dp/48003168
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デンジャラス・プリズン ー牢獄の処刑人ー(2017年製作の映画)

4.0

"刑務所モノ"ながら実は収監前の方が面白い…?という感──収監までに一時間を要する──は否めぬも...傑作。ただひたすらに、何度も、歩を進めた先には不条理が待ち構える。解雇、不倫発覚、逮捕、収監…et>>続きを読む