優しいアロエさんの映画レビュー・感想・評価

優しいアロエ

優しいアロエ

2020年3月くらいまで映画を観まくると思います。
#鏡は名シーンを生む
#映画史に残る監督カメオ

【今後の予定】
スタンリー・キューブリック
フランソワ・トリュフォー
アンドレイ・タルコフスキー

映画(254)
ドラマ(0)

突撃(1957年製作の映画)

4.3

 軍隊への批判が込められた反戦ブラックコメディ。軍人の愚かな姿と、そんな彼らにも良心が宿っていることを感じさせる涙。このフェデリコ・フェリーニの『道』を彷彿とさせる説教臭さに、鼻白むどころか心打たれて>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.9

 ぐらりと傾き、安定することのない画面。言わずと知れた天才画家ゴッホの狂気の内側へと、同じく画家であるJ・シュナーベルが迫る。
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 シュナーベル監督は、これまでにも各界の天才たちを主人公
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ターミネーター ニュー・フェイト(2019年製作の映画)

3.1

このレビューはネタバレを含みます

 「商業性」というターミネーターに追われ続け、このシリーズも早6作目。

 「T2の正当な続編」となる本作は、シリーズの黒歴史をなかったものとし、未来を変える以前に“過去を変える”ところから企画が始ま
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ターミネーター2(1991年製作の映画)

4.8

【過去鑑賞作品 41】

 この映画はなぜとてつもなく面白いのか。まず、難攻不落の殺人マシン・シュワちゃんが善玉となって登場するワクワク感。そして、旧型が新型をぶっ倒すカタルシス。前作よりも派手さが増
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ターミネーター(1984年製作の映画)

4.4

【過去鑑賞作品 40】

 低予算・低品質でも発想がよければ面白いものがつくれる。本作はそのことを証明した。そのシンボルとなるのが当時ボディビルダーであったアーノルド・シュワルツネッガーの起用である。
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現金に体を張れ(1956年製作の映画)

4.0

 スタンリー・キューブリックこ初期の作品をいくつか観てみると、彼も案外俗っぽい感覚の持ち主だとわかり、親近感が湧きはじめている。

 おっさんたちのケイパーモノ。時系列の並べ替え。そして、絵に描いたよ
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グレタ GRETA(2018年製作の映画)

4.2

 美しすぎる66歳、イザベル・ユペールの怪演。ヌルヌルと細胞レベルで動く面差しは芸術品の域。「表情の機微」という言葉は、彼女のためにある。そして華奢なイザベル・ユペールが、ガッチリむっちりなクロエを追>>続きを読む

非情の罠(1955年製作の映画)

3.9

 ギャングに自由を奪われた女性をボクサーが解放してやるお話。スタンリー・キューブリックの後の名作たちは、人物への共感をさせないほどの達観性と神話的語り口を感じさせるが、本作はロマンス、サスペンス、アク>>続きを読む

恐怖と欲望(1953年製作の映画)

3.8

 キューブリック本人の意向で長らくお蔵入りされた、幻の長編デビュー作。
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 タイトルの通り、恐怖と欲望。戦争が生み出す2つの狂気。鬱屈とした雰囲気が漂いつつもときにコミカルさが入るのは、
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.9

 問題を内包した家族は、それを孕んだまま維持し続けるべきなのか。それとも断ち切ってしまうべきなのか。

 本作はそれを、複数の家族の群像として浮かび上がらせる。“断ち切る”という選択に進み、強制的に“
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潜水服は蝶の夢を見る(2007年製作の映画)

4.4

〈徹底的な一人称視点による全身付随体験〉

 冒頭40分のほとんどを主観映像が占めるという斬新さ。ここに共感が生まれていくわけだが、その一方で主人公はエッチだし、毒っ気のあることばかり独白している。「
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夜になるまえに(2000年製作の映画)

3.5

 キューバから亡命しながら活動を続けた作家レイナルド・アレナスの生涯を綴った伝記映画。
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 「作家であること」「ゲイであること」アレナスを表すこの大きな2つの特徴は、ともに当時のキューバ
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バスキア(1996年製作の映画)

3.7

 27歳で早逝した画家ジャン=ミシェル・バスキア。同時代に画家として活躍し、バスキアとの交友も深かったジュリアン・シュナーベルが監督を務める。
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 「黒人として成功した画家」という切り口
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カリートの道(1993年製作の映画)

4.4

 カリートはその道から退こうとした。しかし、そこから逃れることはできない。ギャングの世界で0から成り上がる話であった『スカーフェイス』に対し、本作『カリートの道』は、ギャングの世界から足を洗えるかどう>>続きを読む

ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

4.3

【過去鑑賞作品 39】

 転承転結。この映画は “転” からはじまる。

 シリーズのなかで一番好き。改めて観るとアクションは抑えめで、ぶっ飛んだアクション多めな続編たちよりもいい。とはいえ、本作も
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裏窓(1954年製作の映画)

4.2

【過去鑑賞作品 38】

 最近追っているデ・パルマ作品のどこかしらに必ず『裏窓』的覗き演出が見られる。ということで、復習すべく再鑑賞。そのほか、次世代カルト映画『アンダー・ザ・シルバーレイク』や深田
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カジュアリティーズ(1989年製作の映画)

3.8

 戦争犯罪は見えないところで起こる。各部隊が散り散りになって任務に臨むから、各々勝手が許されてしまう。そして多くの罪がベトナムの密林の奥に、兵士の頭の奥に隠され、出てくることはない。

 本作は戦時下
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.3

〈黒歴史をどう描くか〉

 20世紀初頭のアメリカ、悪名高き禁酒法時代。時を同じくしてシカゴでは、世紀のギャング:アル・カポネが台頭した。アメリカのギャングは国の体制への反発・逸脱の形態である。禁酒法
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.2

 本作はギャング映画の醍醐味とも云える「群像的な語り口」を排除し、一匹狼トニー・モンタナの栄光と没落に終始している。あの大豪邸には見合わず、ギャング映画にしてはミニマムな作品だ。だからリアリティには欠>>続きを読む

CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

4.1

〈これはダンスか、それとも映画か〉

 序盤から、エネルギッシュで奇怪なダンスに圧倒される。主役と脇役の両方に回りながら踊る22人は、全体でひとつの作品をつくっているようにも、トップの座をめぐって争っ
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ミッドナイトクロス(1981年製作の映画)

3.7

 音響技術者の主人公が、政治的陰謀が糸を引く事件に遭遇。『カンバセーション...盗聴...』のような録音サスペンスが幕を開ける。
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ただ、最後まで社会の裏側へとフォーカスを当てた社
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殺しのドレス(1980年製作の映画)

3.5

 『サイコ』の骨格を大胆に借りた本作。目新しさはなく、二番煎じの感は否めなかったが、エロティシズムを追求したところは賞賛できる。

 本作はシャワーにはじまり、シャワーに終わる。シャワールームは、云う
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キャリー(1976年製作の映画)

4.2

〈「恵まれし子らの学園」などありはしない〉

 学校ではいじめられ、家では純白を強いられるキャリー・“ホワイト”。外にも内にも居場所がなく、『ローズマリーの赤ちゃん』のミア・ファロー顔負けの神経症っぷ
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ファントム・オブ・パラダイス(1974年製作の映画)

4.1

 デ・パルマの斬新な撮影手法が全編に横溢し、映画の雰囲気を完全に決めている。よい意味で安く、体当たりな感じ。『オペラ座の怪人』や『ファウスト』『サイコ』など、さまざまなクラシックを引っ張っているが、そ>>続きを読む

ガリーボーイ(2018年製作の映画)

4.3

「お前の言葉はお前が歌え」

 インドのスラムで暮らす青年。彼はラップに憧れている。貧しい生活、厳しい家庭。夢なんて目指している場合じゃない。だが皮肉にも、逆境が重なるほど彼のラップは磨かれていく。反
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悪魔のシスター(1973年製作の映画)

3.8

 初デ・パルマ。「ヒッチコックがB級ホラーを撮ってみました」というフレーズで売り込みたい、異色ながらも案外きちんとミステリーをやっていく作品。
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 ホラーかと思いきや次第に精神分析じみて
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天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.3

 2作目にして迸るウェス・アンダーソン節。こだわった映像表現はもちろん、ストーリーやキャラクター造形も後続の作品と一貫している。
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 たとえば、主人公と中年男性との疑似的な父子の関係、フ
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アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

3.9

 スコセッシが太鼓判を押したウェス・アンダーソンの処女作。まだ、彼の代名詞と云える「徹底的な箱庭的世界観」は構築されていないが、お揃いのコスチュームや女の子と不格好に話す感じなど、その片鱗は感じとれる>>続きを読む

MIFUNE:THE LAST SAMURAI(2015年製作の映画)

3.9

 三船敏郎入門。黒澤明のキャリアに乗せて、三船の変遷が描かれる。そこまで深く掘り下げることはなくWikiを繰っているような内容なので、どちらかというとこれから黒澤明の作品を追っていこうと思っている方に>>続きを読む

赤ひげ(1965年製作の映画)

4.3

 赤ひげから保本、おとよ、長坊へと「人を思うこと」の伝播が示されていく。改めて人間の正しいあり方を説いた本作は、黒澤明最後のモノクロフィルムにして、彼の特徴となる力強いヒューマニズムの極致となっている>>続きを読む

スペシャルアクターズ(2019年製作の映画)

3.8

 日本を席巻し、現在ロッテントマトで72人の批評家から100%の推しをもらっている衝撃作『カメラを止めるな!』から1年。次への期待もガンガンに上がり、『シックスセンス』後のシャマランのような状態にある>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.4

〈売れない童貞シンガーの夢物語〉

 ビートルズのいない世界で売れていく主人公ジャック。トントン拍子な出世はいいが、肝心のセンスがついていかない。どこか不格好なままで、慌ただしい。この感じは自分にも思
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コッポラの胡蝶の夢(2007年製作の映画)

3.6

「胡蝶の夢」とは、「夢の中で蝶となって舞っている私が実は現実で、現実にいる人間の私が夢なのではないか」という儒教家・荘子にまつわる逸話らしい。
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 邦題が示す通り、夢か現実かわからないシ
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ワン・フロム・ザ・ハート(1982年製作の映画)

3.3

〈低質なラスベガス版『ラ・ラ・ランド』〉

 倦怠期のカップルがそれぞれ不倫をして、またよりを戻すかというお話。ロマンチックな楽曲が多用され、あたかもミュージカルのような雰囲気。艶やかなセットでの撮影
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パットン大戦車軍団(1970年製作の映画)

3.1

 戦争の天才だが、頑固で短気な陸軍軍人ジョージ・パットンの第二次世界大戦での生き様を描く。コッポラが初めてオスカーを手にしたのは『ゴッドファーザー』ではなくこの作品(脚本賞)ということで鑑賞に至ったが>>続きを読む

レインメーカー(1997年製作の映画)

3.8

 ドラマあり、ロマンスありの正統派な法廷モノ。日本のTVドラマでよくやっているようなのをもう少し骨太にした印象で、驚きこそ少ないが楽しく観られる作品だった。若い頃のマット・デイモンは弁護士役がよく似合>>続きを読む

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