1年で1番日が長い夏至の日に、若く有名な歌手のクレオが、医師の検査結果を待ってる。彼女がタロット占い師に運命をみてもらうタイトルシークエンスからのオープニングの流れが、この後の展開のペースを決める。最>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
最後の最後までもがき苦しみながらその生きざまをアニメーションに刻む芸術家の、生な魂をみせつけられた感じ。ありったけの雑念、妄想、記憶、知識、夢とか無意識とかからもたらされる何と呼ぶのかわからない未濾過>>続きを読む
Filmarks試写会にて鑑賞
覚悟あるいは態度を示すための映画だな…、というのが第一印象。監督のサラ・ポーリーをはじめ製作陣や演じる役者だけでなく、みる人も含めて。甘さがなくてとても厳しい。想像以>>続きを読む
致命的な病気になった人気劇作家のケイディは、人生の究極の意味をニューヨークの街に重ねた野心的な新作演劇の上演を決意。なのに、頭のなかの脚本がずっと完成しない。長い年月が経って創作と実生活の境がなくなっ>>続きを読む
イザベル・ユペール演じるリセの哲学教師のナタリーは、人生の再スタート地点にいて痛みを引き受けようとしている。
母親の介護、夫婦の危機、子どもたちの自立で、家族は勝手に壊れた。リセの生徒は社会改革を求め>>続きを読む
バルセロナ大学哲学科で教鞭をとるラファエル・ピント教授の講義「ミューズ論」は、ダンテ「神曲」の女神の役割についての問いかけを入り口に、白熱。教授の私生活や受講生同士のおしゃべりや旅先の会話のなかでも、>>続きを読む
Filmarks試写会にて鑑賞。カズオ・イシグロの脚本というポイントにひかれて。
1950年代のロンドン。書類の山に埋もれ毎日を無為に過ごしてきた役所の市民課勤めのウィリアムズは、余命宣告を受けては>>続きを読む
暴徒化した若者たちとフランス警察との衝突。現実に取り壊される予定のパリ郊外の団地が舞台。カメラを高度にコントロ―ルして、動きと速さと光と、団地群や人びとの集合体のボリュームで、緊張感や抵抗感の強いスペ>>続きを読む
おっとりした男の子パスカルには従順だけど大人たちにはちょっとからかう素振りをみせる、風船の動きがチャーミング。赤い風船を目で追ってて石造りの建物のあいだにみえてくる薄曇りの空の抜け感が目に心地よくて、>>続きを読む
モダニズム建築の宝庫の街が舞台で、建物内外の対称性・非対称性を意識して注意深く構成されたどのシーンにも佇まいと安定があって、いちいち絵として美しかった。
親と子で、たがいに歩み寄れることもあれば、理解>>続きを読む
話の筋だけを取り出すと、小さな出版社での不倫騒動とその顛末。だけどこの作品と出会って、自分の恋愛映画の見方が変わった。
作家を目指すアルムは有名な評論家ボンワンが営む出版社に初出社する。自分がボンワ>>続きを読む
雪景色にぽつんとたたずむ小さなホテルは、ホン・サンスの空間構築の潜在力を試す格好のモチーフだったんだろうか。これまでのフィルモグラフィで芸術性では随一の作品じゃないかなとも感じた。老詩人のわびしさ、諦>>続きを読む
冒頭ビターな流れ。小さなカフェにやって来た人たちが、なくした愛について別れについて後悔と罪悪感について語りあう。カフェの片隅ではキム・ミニが静かにMacBookをタイプしてる。彼女が自分で書いたテキス>>続きを読む
当時の評価は高かった作品のようだけど、会話中心の作風が新しかったんだろうか。のちのホン・サンス調の上品なカメラのふるまいはまだみえなくて、モラトリアム期の手探りの表現がつづく。
“人として生きるこ>>続きを読む
家族の秘密をめぐるストーリー。通俗ミステリーとメロドラマがくみあわさったような、2時間TVドラマのテイストに似た良き軽み。
すべてのシーンが極上のフランス絵画みたいなレナート・ベルタの撮影だけで、もう>>続きを読む