Luciandeadさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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アダム氏とマダム(1949年製作の映画)

4.5

物語も画作りも凄く考え抜かれて作られていると感じた。扉を使った画面構図からもそれが伺える。かと思えば舞台劇のように画面の外を意識させてそこにある空間を共有しているかのような緊迫感を持たせたり...など>>続きを読む

ウィークエンド(1976年製作の映画)

4.0

ゴダールに同題作品があるのだが、よく見るとアチラはウイークのイが大文字になっているというまるでヒット作に便乗した亜流作品のような胡散臭さなのだが、この"イ"に気付いている人は未だに少ないようだ。しかし>>続きを読む

アメリカの友人(1977年製作の映画)

5.0

ある時代から映画は作られるものから作るものに変わった。いつもそこにある誰かが作った風景をカメラとマイクを使って映画として掠め取れ。自分のそれまでの一切の素性を消せ。フィルムが回る時間だけを生きろ。彼等>>続きを読む

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

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キチガイな隣人を気味悪がっているその夫婦の行動心理が理解出来ず登場人物全員がどっかオカシイ。それが拳銃を扱ったサスペンスに活きてはいたけど。話す内容と同調するかのように暗くなったり明るくなったり、自然>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

5.0

「悪いのはこの国のせいだ」という台詞が心に刺さる。ここにある殺伐とした光景とそれに相反する空元気な陽気さは一見噛み合っていないようにも見えるが、それも全部この国のせいなんだろう。それにしてもフォード映>>続きを読む

ビッグ・ヒート/復讐は俺に任せろ(1953年製作の映画)

5.0

大好きな作品は何度も観たくなる。ラングについて自分なんかが偉そうに語る事など出来ないが、自己主張が弱い気弱な老人などが破滅していったりする話を連作していた頃に登場した怒りに燃える反骨精神の元刑事の攻撃>>続きを読む

オー!ゴッド(1977年製作の映画)

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この映画を鑑賞するにあたって「キリスト教に馴染みがないと」とかそういう事は一先ず置いといて、ここで神様が起こす奇跡を見てみよう。ここで起きた奇跡は映画での、映画だからこそ起きた奇跡であり、それを信じる>>続きを読む

デモンズ2(1986年製作の映画)

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『ハイ・ライズ』映画化&復刊で思い出した。と、言っても見直してないので細部についてはうろ覚えだが。サントラ効果もあっていま観るとオシャレなんじゃないだろうか。高層マンションにテレビスタジオが隠れて併設>>続きを読む

夏の嵐(1944年製作の映画)

5.0

極めて極めてサークらしい作品。形式の中に潜む暴力性、政治性というか。人を愛する正直な気持ちを臆病な防衛本能が邪魔をする。さらに階級や結婚制度など法律、社会通念が人の心を束縛し皆を孤立させていく。自分が>>続きを読む

溶解人間(1977年製作の映画)

4.0

Blu-ray盤で観直したら驚くほど端正な画面構成をしていた。ダラダラしたテンポは変わらないが、画面の美しさのせいか品格すらも感じてしまった。これがレストア効果によるものなのかは不明だが、画質による印>>続きを読む

ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

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レナード&チエコ・シュレーダー夫妻というと『アメリカン・バイオレンス』が真っ先に思い浮かんだのだが、ここでその映画について触れるのはたぶん場違いなのだろう。劇中少年少女たちが熱唱するマッチの「ふられて>>続きを読む

日曜日の人々(1930年製作の映画)

4.0

この作品の凄さは当時のドイツを記録した貴重な資料ではなく、巨匠たちの初々しい萌芽を知る為に観ておくものでもなく、映画を観る感動とは何か?を自分にもう一度教えてくれるものであるように思う。映画を観る感動>>続きを読む

JOKER ジョーカー(1996年製作の映画)

3.5

『ビーバップ・ハイスクール』のその後を思わせる物語がどうしようもなく切ない。映画は感傷的な要素を排しているが。勉強が出来て成績優秀なわけではなくただ腕力と度胸だけでのし上がれるのは学生時代までで社会に>>続きを読む

夜も昼も(1946年製作の映画)

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表題曲の"夜も昼も"を作曲中に部屋に聞こえる時計の針音や窓の外を打つ雨音にひらめきを得てピアノの音色を奏で始める場面が印象に残った。ピアノであってもその場で聞こえている音を取り込みエディットする事は可>>続きを読む

第三世代(1979年製作の映画)

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「第三世代は、我々がよく知る今日の世代であり、熟考することなく行動し、思想的でも政治的でもなく、また、それを知ることもなく、操り人形のように踊らされてしまう世代のことである。」ロベール・ブレッソン『た>>続きを読む

あやつり糸の世界(1973年製作の映画)

5.0

前・後編に別れた4時間を超える大作。元々はTV映画として制作された。ファスビンダーのフィルモグラフィーのなかでもこれまであまり取り上げられてこなかった知られざる"発掘"された傑作。撮影は主にパリで行わ>>続きを読む

ブレーメンの自由(1972年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』と対になるかのような舞台劇を元にした作品。主役は『ペトラ…』と同じくマーギット・カーステンセンが自分に都合の悪い男を次々と毒殺していく主婦を演じている。しかし悪女とい>>続きを読む

キュスタース小母さんの昇天(1975年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

政治映画、と言ってもダグラス・サークに出会った以降なのでメロドラマの形式に従っての政治映画。途中で制作が中断したとかで結末が2種類ある。海外盤DVDには2つとも収録されている。夫が上司とのいざこざで上>>続きを読む

哀れなボルヴィーザー(1976年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

撮影ミヒャエル・バルハウスと組んだ最後の作品。TV放映版と劇場版とでは結末が違うらしい。TV版はソフト化もされておらずフィルムが現存しているのかも不明。映画の内容はタイトル通り田舎のしがない駅長の哀れ>>続きを読む

少しの愛だけでも(1975年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

ドラッグに手を出す以前のファスビンダーの集大成的作品だと思う。過去に幾度となく描かれたテーマでありながら、だからこそこれまでになく簡潔に達成された形で完成している。鏡を通して裸で向き合う妻と夫からの子>>続きを読む

ニクラスハウゼンへの旅(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ファスビンダー最初(?)の政治の季節の映画。最後に銃撃戦があったりするが特にカタルシスを生むわけでもなく、あくまでも政治の季節映画。これも『何故R氏は...』と続いてミヒャエル・フェングラーとの共作で>>続きを読む

インゴルシュタットの工兵隊(1971年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

酒場・公園のベンチ・兵隊達の訓練風景、ほぼこの三つの場面のみで物語は進行する。そうした演出で受ける感触は過去作『出稼ぎ野郎』をどうしても思わせる。実際本作でも描かれるのは行き場のない若者たちが不満の捌>>続きを読む

何故R氏は発作的に人を殺したか?(1970年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ミヒャエル・フェングラーとの共作で全編ドキュメンタリータッチでしがない男の顛末が描かれるのだが、ファスビンダーは本作を嫌っていてなんでも"映画が彼等自身をさらけ出してしまうから"だそう。しかし劇中歌わ>>続きを読む

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