otomさんの映画レビュー・感想・評価

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http://otom.jp 千葉在住の音楽家です。ドリームポップ、シューゲイザー的なものから実験音楽、サントラ等の作曲をしてます。
なるべく幅広くを意識しつつ、色んな映画を楽しんで鑑賞しています。
好きな映画が多過ぎてベストムービーは10作品じゃ足りない。

映画(1490)
ドラマ(0)

野獣死すべし(1959年製作の映画)

3.5

ラスコーリニコフ的発想から始まる奴は手抜かりがあるッ!!てのがお約束。別に優作版のも大して好きではないけれど、今作はそれにも増してスリリングさがない。この時期のサイコな役柄の仲代達也はそれだけでウザい>>続きを読む

ドアをノックするのは誰?(1968年製作の映画)

4.0

最近『リバティ・バランスを射った男』を聴きまくっていたら、劇中で映画の言及をされていてなかなかタイムリー。スコセッシの初期衝動ってな具合で荒いけども、奇抜なシーン多数。相手の過ちを許せど、どーにも上手>>続きを読む

ギャルソン!(1983年製作の映画)

4.6

Hが発音できないとか、「ドイツ警察だ!」等々、色々とフランスっぽい。個人主義よろしく他人に興味がない極厚防壁な男に誤解され、惚れた女たちとの付き合いは良い人止まりと、華麗なるステップで給仕する姿とはち>>続きを読む

日本の夜と霧(1960年製作の映画)

4.8

久々の鑑賞。追悼 津川雅彦って事で安保闘争に従事する役どころの作品を敢えてチョイスしてみる。表面的には晴れやかな披露宴会場を帰りの会化させる、デモ帰りの起爆男こと津川と若き日の大島組の面々。蓋を開けて>>続きを読む

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

4.0

断然トーキング・ヘッズが好きな自分はバリバリの軟弱者って事なんだろう。だいたい20世紀('70年代末)の女性たち。人間的には埋めたいと思う、けれども埋められな世代や文化のギャップ。一つ言えるのは無理し>>続きを読む

赤い影(1973年製作の映画)

4.7

予知と時間でSF(すこしふしぎ)なニコラス・ローグ。喪失の痛手は回復したかのように見えても翻弄する。そして弱いところをジワジワと突いてくる宿命と見ようとしない者が踊らされると云う皮肉。ゴボゴボと沈みそ>>続きを読む

存在の耐えられない軽さ(1988年製作の映画)

4.7

プラハと云うか人生の春的な。十代かそこらで観た時の印象は長いってのとエロいくらいしかなかったけれど、歳取ってから改めて観てこんなに良い作品だったとは。一体何を観てたんだろねって、多分ジュリエット・ビノ>>続きを読む

ゾンゲリア(1981年製作の映画)

4.0

マッドだねぇ。超が付くほどベタなんだけども、なかなかに忙しい展開で最後まで飽きずに観られる。マルチなフィルム映写シーンなんかはかなり良い画だと思われる。ヒプノシスみたいなデザインのジャケとちょっと違和>>続きを読む

デ・パルマ(2015年製作の映画)

3.9

イケてるデ・パルマ作品をイケてる本人の解説を交えて初期から淡々と追う。バーズみたいなイケてるテーマソングのGreetingsがデビューと初めて知る。久々に観たい。傑作と限りなく駄作と振り幅が大きいけど>>続きを読む

復讐のダラス/怒りの用心棒(1969年製作の映画)

3.3

この時代ににアメリカ本国じゃダラスで大統領暗殺ネタなんてできないだろうねぇ。不自然を通り越してアヴァンギャルドな感じさえする遠近法とクドいズームを多用のマカロニでスパゲティ。筋もなんだかズルズルな具合>>続きを読む

ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区(2012年製作の映画)

3.7

ポルトガル的に異色な感じのするカウリスマキのがいつも通りな雰囲気で映画としては一番良かった。ギマランイスのロケじゃないとの事でイタコホラーなペドロ・コスタ、ビクトル・エリセとマノエル・ド・オリヴェイラ>>続きを読む

シャトーブリアンからの手紙(2012年製作の映画)

4.1

大小はともかく悪の連鎖に加担したら言い訳無用。理不尽な事件の後にものうのうと生きているやつがいる世界の理不尽さ。ドイツ側がフランス人を指して曰く「連帯責任を理解させるにはあまりに個人主義過ぎる」は身の>>続きを読む

父 パードレ・パドローネ(1977年製作の映画)

5.0

父と息子それぞれの望ましいものと望ましくないもの。彼らの周囲に満ちているその時々の望ましい音と望ましくない音とで実に効果的かつ繊細に表現される心象風景。権力と反抗は反比例して動から静へ、静から動へと変>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

とりあえず、超プリティな双子ちゃん達よりお前らの方が不気味だからと声を大にして言いたい(それぞれの作品の印象のせいもあるけど)。不等号記号な関係の三人の女、それぞれの願望とイニシアチブのバランスは水中>>続きを読む

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

3.8

酒を断るのが何にも増して罪な感じのとんでもなく"ヤバ"い街。火の鳥の八百比丘尼か笑ゥせぇるすまん的な恐ろしげなブラックユーモアでヤバい。後のランボー1作目の監督でよそ者を理不尽に陥れる感じが同じ風でヤ>>続きを読む

さすらいの一匹狼(1966年製作の映画)

3.8

トニーノ・ヴァレリの監督デビュー作だそうな。先日観た『ミスター・ノーボディ』と比べるとクオリティの差はかなりある。ものの、発破のお洒落な仕掛けや、爺さまの辺りのコミカルな演出、主人公の小憎らしいまでの>>続きを読む

瓶詰め地獄(1984年製作の映画)

3.3

夢野久作原作をふわっと映像化している印象。ロマンポルノの為にカラミは勿論必須。無人島の小林ひとみ萌えから妹萌え等々、原作をリスペクトしているんだかいないんだか良く分からないけれども、流石にカラミに関し>>続きを読む

希望のかなた(2017年製作の映画)

4.7

ようやく鑑賞。変な間も構図も変わらず安定のカウリスマキ。優しさを示す事が出来る社会であって欲しい。難民の立場的に至る所で身を隠さなければならない状況の末のラストのあの人間らしさ。実に良い、傑作。

スローターハウス5(1972年製作の映画)

5.0

カート・ヴォネガット作品は『猫のゆりかご』しか読んでないけれども、今作も是非読みたい。トラルファマドール星人の云う集合体を超越してふんわりと4次元住人となるビリーはまるでボーマン船長の如く。良くもまぁ>>続きを読む

シルバー・グローブ/銀の惑星(1987年製作の映画)

3.7

殆どの台詞が頭に入ってこない160分。乗組員が不時着したほぼ地球な惑星で、人間が原因で展開される壮大で長〜いシビライゼーション。マンバギャルみたいなのが沢山出てくる。ほとんどのシーンにて謎台詞を異常な>>続きを読む

ミスター・ノーボディ(1974年製作の映画)

5.0

全てが最高。演出が上手いだけでなく、吉田兼好ばりの数多くの名言もほいほい飛び出す。墓石の下に眠るサム・ペキンパーかと思いきや、戦う相手はワイルドバンチ。で、数々の西部劇パロディ。ヘンリー・フォンダのハ>>続きを読む

アレクサンダー大王(1980年製作の映画)

4.8

アレクサンダー大王をメタファーとして用いた壮大な近代劇。解放者から暴君へと、共産主義の理想と実行の相違の歴史を浮き彫りにする。権力とは?所有とは?の問いを軸としての冷ややかな視点、そしてその視点を見事>>続きを読む

狩人(1977年製作の映画)

4.8

うーむ、アナーキー。お前らの罪深さはこうなんだと壮大な仕掛けで展開される。3時間の尺でたった47シーンの長回しで連なる、美しく流れるような映像と演出は感嘆に値する。寝落ちの危険度は高めなものの、終わっ>>続きを読む

テンペスト(1979年製作の映画)

4.1

我が家ライブラリより再鑑賞に先立って原作を読む。前に観た際には古典をニューウェービーかつアヴァンギャルドに演出した表面しか見ていなかった様に思える。戯曲の詩法は未だややこし過ぎて良く分からないけども、>>続きを読む

アリス・スウィート・アリス(1977年製作の映画)

3.8

ほとんど瞬殺のブルック・シールズ的には翌年のプリティ・ベイビーの方が良かった。内容としてはミスリードのテンプレみたいなので、上手い具合にまんまと乗せられる。まさに映画的な落下表現やアイテム使い等々なか>>続きを読む

LOVE【3D】(2015年製作の映画)

4.0

そこ3Dかって云う。劇場に観に行かなくて良かった良かった。愛とはそこから離れられないもの、を軸に凄まじく呪詛ギリギリな感じでデカダンスに展開する。男と女の愛のさじ加減と云うか、単純に合ってないだけじゃ>>続きを読む

ファントム・スレッド(2017年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

鬼女とマザコンでお互い納得してるんなら良いんじゃあないかと...。これまでのPTA作品の主従関係と明暗の関係性は割とくっきりハッキリしていた様に思えるものの、今作ではかなり丸く収まった印象。経過がどう>>続きを読む

袋小路(1965年製作の映画)

5.0

やー、病んでる。喜劇調なだけにほのぼのと進行して暴力的な怖さはないけども、狂気を感じざるを得ない笑い。倦怠感MAXの女はむしろこのハプニングを望んでいたかの様だし財力のある男は駄目さを露見する。遮断さ>>続きを読む

ノクターナル・アニマルズ(2016年製作の映画)

4.0

前作同様に当然と云うべきか、とってもラグジュアリー。俺の家族を奪った夜の獣にリベンジするぞと。あまりにストレートな展開過ぎて、最初はマイケル・シャノンを疑ってしまった。良いな、相変わらず。ダミアン・ハ>>続きを読む

浮雲(1955年製作の映画)

5.0

時にくっついたり離れたり、あさっての方を向いているかと思えば全体の流れる方向は一緒...退廃的な方へ。男もクズだけど女も駄目。心と裏腹に憎まれ口を叩き、虚勢を張りすれ違うダメダメな男と女の生々しいまで>>続きを読む

フェイシズ(1968年製作の映画)

5.0

楽しくて悲しいSon Of A Gunたち。ロングショットで構築された絶妙な緩急の喜怒哀楽と対称的に配置された老若男女。筋的にはなんて事ない不倫劇なのに、気の利いた台詞とのやり取りで、ジョン・マーリー>>続きを読む

ネオン・デーモン(2016年製作の映画)

3.8

とりあえず最低だなキアヌ・リーブス。下克上な世界でのし上がる為に食って、棚ぼたもアリで、鑑賞者も喰ってしてやったりなレフンってのは分かる。基本的なテイスト自体はプッシャーとかの頃からあんまり変わってい>>続きを読む

少女娼婦 けものみち(1980年製作の映画)

4.0

69の日なので、我が家のライブラリより内田裕也もの。根っからの真性ドSなのか、もしくは崇拝しているのか、他の神代辰巳作品に劣らず今作も大変女性にキビシイ。ポルノと云うよりは完全にATG的な雰囲気を醸し>>続きを読む

蜂の旅人(1986年製作の映画)

4.3

まだ財政破綻のずっと前のギリシャのお話。今まで観た映画の中でもトップクラスの情熱的なエクストリーム入店。そして朽ちた映画館の下半身ショットの秀逸さ。歴史とすれ違ってこのザマでお前が羨ましいなんて言われ>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.0

全体的に中途半端な感じは否めず。なんと云うか、ここまで主張を盛り込んでくるとちょっと説教臭い。ジョン・キャメロン・ミッチェルの作風自体は変わっていないし、好きだったんだけどな。自分が変わったのか。決し>>続きを読む

御冗談でショ(1932年製作の映画)

4.0

実家からボックスセットを持ってきたので再鑑賞。大学のダークサイドな部分をキ印スレスレな感じでアナーキーに展開するマルクス兄弟。他の作品同様にそれぞれの芸達者っぷりで感嘆せざるを得ない。ウディ・アレンが>>続きを読む

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