ほとんど顔芸と効果音で引っ張るものの、火力とグロのバランス、と云うか破壊力も申し分ない。初期クローネンバーグに共通する要素として、今作もいちいちお洒落なロケーションでストーリーが展開される。聴覚視覚と>>続きを読む
2024年1月13日
途中まで観たの忘れてて既視感を抱きながらだったけど、改めてなんか色々ほとばしってて最高の映画じゃないか。デビュー作にして冴えまくった脚本と演出で完成系なノア(Cow Fucker>>続きを読む
初めてかと思ったら観てた。邦題は『幻惑されて』で良かったんじゃないか。'76年設定でベタな選曲なものの、何故だかフロイドとツェッペリンは流れない軽めな青春群像劇。若かりしマシュー•マコノヒーのイケメン>>続きを読む
選択の余地がある時代とない時代、選択の余地がある奴とない奴となかなか複雑な人間模様。そして不器用さにも色々と種類とタイミングがある。フィリップ•ガレル作品に割とお馴染みジョン•ケイルのサントラと何やら>>続きを読む
なぜ息をする様にピアノが弾けないんだと感じてしまう事自体が途轍もない悲劇。自然、不自然は人と環境による。しかし凄い題材。キッチリこなすブルーノ•Sも凄い。良作。
このレビューはネタバレを含みます
義理の兄の父親がチャールズ•マンソンと云う超展開。認める認めないってのがテーマではあると思われる。名前を伏せて、あの出来過ぎな名曲たちを聴かせるのは反則だろう。なかなか。
ケイトおばさんの醸し出すただならぬオーラは流石としか言えん。世界最高クラスの造形。耐え難きを耐えの辺りの尺がもうちょっとあると重厚さが増したのかも。限りなくマイケル•ナイマンっぽい曲もなかなか雰囲気は>>続きを読む
ようやく観られた。派手だなぁ。やってる事はデスペラードなんかと大差ないのだけれども、見応えのある世にも見事な映像演出で骨太な事この上なし。男の哀愁のバランスも絶妙。傑作。
決して苦行じゃないのだけれども、ひたすら静かなので睡魔と格闘する。で、油断していると鐘の音で起こされる。厳格な修道院で繰り広げられる生活。"災いが起きた時、そこに主はいなかった"と何度も挿入されるも頑>>続きを読む
何年か経つと観たくなる。のっけのサラバンドで悲壮な全てを物語る。高感度レンズで撮影された蝋燭の灯りや全てのシーンの絵画的な美しさは言うまでもない。キューブリックのどの作品にも共通して技術レベルから底上>>続きを読む
2019年9月4日
劇中は手遅れまくりでも、鑑賞者は何が起きてるか分かる入れ子構造。不器用な中の人達、崩された時系列とは裏腹に流れるように滑らかに撮影された長回しが実にお見事。最後のリールの下りがシビ>>続きを読む
あまりにインドでカレーが食いたくなる。イギリスの古典文学をインド舞台に置き換えたとの事。マイケル•ウィンターボトムによくあるアンニュイエロスな雰囲気でなかなか。散々オモチャにされつつも無念の苦悩。ポー>>続きを読む
相変わらず振り切れているホドロフスキー爺。徹底した映像美は健在。あられもないアダン等々、余裕の映倫突破は流石。前作に続いて、ホドロフスキー爺の老いた上での視点ゆえに言葉の重みがあり、力強い。エル•トポ>>続きを読む
ハイハイは後ずさりだったって台詞はなかなか書けないと思う。今とは様子の違う80年代のブルックリンと気の利いたユーモアで結構好き。良作。
お色気ムンムンな若尾文子が近くにいてもなお、耐えるという一番の苦行。多彩なアングルとある意味、力技な完全犯罪と見応え十分。良作。
ダミアンみたいな恐ろしいガキに悩まされるティルダ•スウィントン。至る所の赤の見せ方となかなかな演出。斬鉄剣っぽいのやらエクスペリメンタルなジョニー•グリーンウッドのスコアも良かった。食育の大事さも考え>>続きを読む
久々の鑑賞。あんな親ならピンク•フロイドを盗作したくもなる。ex-ギャラクシー500のディーンを始め、選曲もなかなか。壮絶な記憶違いが微笑ましく、実に人間的。以前は気付かなかったけれども、ノア•バーム>>続きを読む
2018年の一本目。タルコフスキーお得意の流れる水。上から下へと流れる自然に抗うかの様なソラリスによって具現化された存在。ダッチワイフに入れ込む男=摂理に反する罪を狂おしいまでに問う。ソビエトの時代に>>続きを読む
バタイユを読んだ直後でタイムリーなテーマだった。ロード•オーシュとトイレの女王とな。実話だそうで、なかなかお耽美かつ壮絶な人生を送っていらっしゃる。幼女に負けじと現役で可愛いユペールおばさんに恐ろしさ>>続きを読む
そうやって人は死んで行くと。ラフ•トレードの鞄が時代を感じる。ありがちな挫折ではあるものの、チクチクと痛い一本。
ジェラシーのある生活とない生活。ジェラシーされる方とされる方とな。人の心の移ろいやすさってやつは厄介だねぇ。親父と兄妹でなかなか雰囲気のある作品だった。
舞台はシネマ県なものの、同時期の広島のやつとテイストは似たような感じ。監督が一緒だから当たり前だけど。松方の奇怪な一挙一動が観られるだけで満足。早々に撲殺で出番が終わりの金子信雄だけが残念。良作。
ヘルムート•バーガーの方が観たかったけれども、ないのでこちらを鑑賞。これでもかってくらいに原作を改悪し尽くしていて、大分話が変わっている。オスカー•ワイルドの美意識とピリっとしたところが皆無で残念。
心は死んじゃいないつもりだけれども、大人になってしまった事が哀しい。若い頃に観たかった。不思議ちゃん無双。なかなか良作。
隙がないと云うか濃縮されていると云うか。さりげなくペーパーなムーンも出ている。いささかウディ•アレンぽくもあるものの、やっぱり巨匠ボグダノヴィッチならびに製作陣もかなりの面子。隙がないのも納得の傑作。
トリュフォー観始めちゃったかと思う程。厳し目な現実の洗礼を浴びる微妙なお年頃。痛々しいまでの不器用さに妙に共感できるだけに、きっちりと締められるラストの少しの前進がホッとする。選曲も含めて良作。
他所の国の者としては最早マドンナの印象しかないエバ•ペロン。死後に至るまでの影響力をなんとも暗い感じで描く。実際のフィルムを混じえてとなかなか演出も良い。良作。
『絶景でもいずれ滅ぶ』やら『罪を犯さずとも人は死ぬ』等々、さらっとキツめなアイロニーを挿入しつつ、きっちりロマンスと絶妙かつ安定の匙加減。ウディ•アレンこそがマジシャンみたいな。良作。
このレビューはネタバレを含みます
世界の終わりの前に家族が崩壊してしまったでござる。最小単位の人でも複数いるとタダじゃすまない。人それぞれに多種多様の性格で成り立つ世界に気付いてしまったエル•ファニング少女。ズッ友だよとキャッキャウフ>>続きを読む
プロパガンダだから仕方ないにしてもリサーチ不足だろ。しかしながら当たっている箇所も少なくないのはなかなか悔しいところ。フランク•キャプラだけになかなか面白かったのもまた悔しい。
ちょっとズタボロが過ぎる。富田勲のスペーシーな音楽とで、なんだか別の次元の話のよう。NYのルンペンどもは『真夜中のカーボーイ』よろしく、願わぬフロリダを求めるのか。一瞬登場のアリエル•ピンクとサントラ>>続きを読む
一応、続いてはいるものの細かい説明がないので、観ている側には色々と不親切な感じではある。ものの、コトフの漢っぷりで極太な芯が通ってるので、細かいとこはどうでも良くなってくる。良作。
争いが終わっても自由にはなれないのだと、過去作共々に繰り返し訴える。冷血さってのはこうだと見せつけられる感じ。凄まじい。良作。