otomさんの映画レビュー・感想・評価 - 40ページ目

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スキャナーズ(1981年製作の映画)

4.6

ほとんど顔芸と効果音で引っ張るものの、火力とグロのバランス、と云うか破壊力も申し分ない。初期クローネンバーグに共通する要素として、今作もいちいちお洒落なロケーションでストーリーが展開される。聴覚視覚と>>続きを読む

彼女と僕のいた場所(1995年製作の映画)

5.0

2024年1月13日
途中まで観たの忘れてて既視感を抱きながらだったけど、改めてなんか色々ほとばしってて最高の映画じゃないか。デビュー作にして冴えまくった脚本と演出で完成系なノア(Cow Fucker
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バッド・チューニング(1993年製作の映画)

3.3

初めてかと思ったら観てた。邦題は『幻惑されて』で良かったんじゃないか。'76年設定でベタな選曲なものの、何故だかフロイドとツェッペリンは流れない軽めな青春群像劇。若かりしマシュー•マコノヒーのイケメン>>続きを読む

灼熱の肌(2011年製作の映画)

4.2

選択の余地がある時代とない時代、選択の余地がある奴とない奴となかなか複雑な人間模様。そして不器用さにも色々と種類とタイミングがある。フィリップ•ガレル作品に割とお馴染みジョン•ケイルのサントラと何やら>>続きを読む

カスパー・ハウザーの謎(1974年製作の映画)

4.6

なぜ息をする様にピアノが弾けないんだと感じてしまう事自体が途轍もない悲劇。自然、不自然は人と環境による。しかし凄い題材。キッチリこなすブルーノ•Sも凄い。良作。

マンソン・ファミリーの休暇(2015年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

義理の兄の父親がチャールズ•マンソンと云う超展開。認める認めないってのがテーマではあると思われる。名前を伏せて、あの出来過ぎな名曲たちを聴かせるのは反則だろう。なかなか。

キャロル(2015年製作の映画)

3.9

ケイトおばさんの醸し出すただならぬオーラは流石としか言えん。世界最高クラスの造形。耐え難きを耐えの辺りの尺がもうちょっとあると重厚さが増したのかも。限りなくマイケル•ナイマンっぽい曲もなかなか雰囲気は>>続きを読む

シン・シティ(2005年製作の映画)

4.5

ようやく観られた。派手だなぁ。やってる事はデスペラードなんかと大差ないのだけれども、見応えのある世にも見事な映像演出で骨太な事この上なし。男の哀愁のバランスも絶妙。傑作。

大いなる沈黙へ ーグランド・シャルトルーズ修道院(2005年製作の映画)

4.4

決して苦行じゃないのだけれども、ひたすら静かなので睡魔と格闘する。で、油断していると鐘の音で起こされる。厳格な修道院で繰り広げられる生活。"災いが起きた時、そこに主はいなかった"と何度も挿入されるも頑>>続きを読む

バリー・リンドン(1975年製作の映画)

5.0

何年か経つと観たくなる。のっけのサラバンドで悲壮な全てを物語る。高感度レンズで撮影された蝋燭の灯りや全てのシーンの絵画的な美しさは言うまでもない。キューブリックのどの作品にも共通して技術レベルから底上>>続きを読む

手遅れの過去(2015年製作の映画)

5.0

2019年9月4日
劇中は手遅れまくりでも、鑑賞者は何が起きてるか分かる入れ子構造。不器用な中の人達、崩された時系列とは裏腹に流れるように滑らかに撮影された長回しが実にお見事。最後のリールの下りがシビ
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グッド・タイム(2017年製作の映画)

3.9

どこまでも駄目な感じでその場をしのぎまくる。良作。

トリシュナ(2011年製作の映画)

4.0

あまりにインドでカレーが食いたくなる。イギリスの古典文学をインド舞台に置き換えたとの事。マイケル•ウィンターボトムによくあるアンニュイエロスな雰囲気でなかなか。散々オモチャにされつつも無念の苦悩。ポー>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

5.0

相変わらず振り切れているホドロフスキー爺。徹底した映像美は健在。あられもないアダン等々、余裕の映倫突破は流石。前作に続いて、ホドロフスキー爺の老いた上での視点ゆえに言葉の重みがあり、力強い。エル•トポ>>続きを読む

シーズ・ガッタ・ハヴ・イット(1985年製作の映画)

4.0

ハイハイは後ずさりだったって台詞はなかなか書けないと思う。今とは様子の違う80年代のブルックリンと気の利いたユーモアで結構好き。良作。

雁の寺(1962年製作の映画)

4.3

お色気ムンムンな若尾文子が近くにいてもなお、耐えるという一番の苦行。多彩なアングルとある意味、力技な完全犯罪と見応え十分。良作。

少年は残酷な弓を射る(2011年製作の映画)

4.2

ダミアンみたいな恐ろしいガキに悩まされるティルダ•スウィントン。至る所の赤の見せ方となかなかな演出。斬鉄剣っぽいのやらエクスペリメンタルなジョニー•グリーンウッドのスコアも良かった。食育の大事さも考え>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

5.0

ようやく観られた。問答無用で心が締め付けられる。傑作。

イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.3

久々の鑑賞。あんな親ならピンク•フロイドを盗作したくもなる。ex-ギャラクシー500のディーンを始め、選曲もなかなか。壮絶な記憶違いが微笑ましく、実に人間的。以前は気付かなかったけれども、ノア•バーム>>続きを読む

惑星ソラリス(1972年製作の映画)

5.0

2018年の一本目。タルコフスキーお得意の流れる水。上から下へと流れる自然に抗うかの様なソラリスによって具現化された存在。ダッチワイフに入れ込む男=摂理に反する罪を狂おしいまでに問う。ソビエトの時代に>>続きを読む

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)

4.3

バタイユを読んだ直後でタイムリーなテーマだった。ロード•オーシュとトイレの女王とな。実話だそうで、なかなかお耽美かつ壮絶な人生を送っていらっしゃる。幼女に負けじと現役で可愛いユペールおばさんに恐ろしさ>>続きを読む

天使の涙(1995年製作の映画)

4.0

久々に。どこまでもアンニュイ。昔も今も嫌いじゃない。良作。

EDEN/エデン(2014年製作の映画)

4.0

そうやって人は死んで行くと。ラフ•トレードの鞄が時代を感じる。ありがちな挫折ではあるものの、チクチクと痛い一本。

ジェラシー(2013年製作の映画)

3.9

ジェラシーのある生活とない生活。ジェラシーされる方とされる方とな。人の心の移ろいやすさってやつは厄介だねぇ。親父と兄妹でなかなか雰囲気のある作品だった。

暴動島根刑務所(1975年製作の映画)

3.9

舞台はシネマ県なものの、同時期の広島のやつとテイストは似たような感じ。監督が一緒だから当たり前だけど。松方の奇怪な一挙一動が観られるだけで満足。早々に撲殺で出番が終わりの金子信雄だけが残念。良作。

ドリアン・グレイ(2009年製作の映画)

2.5

ヘルムート•バーガーの方が観たかったけれども、ないのでこちらを鑑賞。これでもかってくらいに原作を改悪し尽くしていて、大分話が変わっている。オスカー•ワイルドの美意識とピリっとしたところが皆無で残念。

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)

3.9

心は死んじゃいないつもりだけれども、大人になってしまった事が哀しい。若い頃に観たかった。不思議ちゃん無双。なかなか良作。

マイ・ファニー・レディ(2014年製作の映画)

4.7

隙がないと云うか濃縮されていると云うか。さりげなくペーパーなムーンも出ている。いささかウディ•アレンぽくもあるものの、やっぱり巨匠ボグダノヴィッチならびに製作陣もかなりの面子。隙がないのも納得の傑作。

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

4.3

トリュフォー観始めちゃったかと思う程。厳し目な現実の洗礼を浴びる微妙なお年頃。痛々しいまでの不器用さに妙に共感できるだけに、きっちりと締められるラストの少しの前進がホッとする。選曲も含めて良作。

エビータは眠らない(2015年製作の映画)

4.0

他所の国の者としては最早マドンナの印象しかないエバ•ペロン。死後に至るまでの影響力をなんとも暗い感じで描く。実際のフィルムを混じえてとなかなか演出も良い。良作。

マジック・イン・ムーンライト(2014年製作の映画)

4.0

『絶景でもいずれ滅ぶ』やら『罪を犯さずとも人は死ぬ』等々、さらっとキツめなアイロニーを挿入しつつ、きっちりロマンスと絶妙かつ安定の匙加減。ウディ•アレンこそがマジシャンみたいな。良作。

ジンジャーの朝 〜さよなら、わたしが愛した世界(2012年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

世界の終わりの前に家族が崩壊してしまったでござる。最小単位の人でも複数いるとタダじゃすまない。人それぞれに多種多様の性格で成り立つ世界に気付いてしまったエル•ファニング少女。ズッ友だよとキャッキャウフ>>続きを読む

驚異の大日本帝国/汝の敵日本を知れ(1945年製作の映画)

3.6

プロパガンダだから仕方ないにしてもリサーチ不足だろ。しかしながら当たっている箇所も少なくないのはなかなか悔しいところ。フランク•キャプラだけになかなか面白かったのもまた悔しい。

神様なんかくそくらえ(2014年製作の映画)

4.6

ちょっとズタボロが過ぎる。富田勲のスペーシーな音楽とで、なんだか別の次元の話のよう。NYのルンペンどもは『真夜中のカーボーイ』よろしく、願わぬフロリダを求めるのか。一瞬登場のアリエル•ピンクとサントラ>>続きを読む

遥かなる勝利へ(2011年製作の映画)

4.1

一応、続いてはいるものの細かい説明がないので、観ている側には色々と不親切な感じではある。ものの、コトフの漢っぷりで極太な芯が通ってるので、細かいとこはどうでも良くなってくる。良作。

カティンの森(2007年製作の映画)

4.2

争いが終わっても自由にはなれないのだと、過去作共々に繰り返し訴える。冷血さってのはこうだと見せつけられる感じ。凄まじい。良作。