おやすみさんの映画レビュー・感想・評価

おやすみ

おやすみ

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

予備知識を入れて見たので、原爆そのものをテーマにしているわけではない、ということは重々承知の上だったけれど、やはり日本人として原爆というのは重いものがあるな、とつくづく思い知った。
ノーラン監督が作っ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.0

夫、妻、息子、それぞれ3人の主観と思惑、そして感情が入り乱れてくる後半からが、めちゃくちゃおもしろかった。
真実は人の数だけある、ということ。
夫と妻の決定打になるような喧嘩のシーンがすごかった。
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.0

「ミッドサマー」が大好きなので、公開される前から本当に楽しみにしていた。 
でも正直言って3時間中、2時間ぐらいは自分は何を見に来たんだ?という自問自答の嵐と眠気との戦いだった。
そのくせじわじわと嫌
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.8

キリスト教や世界史に詳しいわけではないけど、面白く見ることができた。
悪魔祓いをするアモルト神父と悪魔との戦いなんだけど、悪魔は人の罪悪感につけこんでくる、というところで、アモルトとトマース神父は互い
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

5.0

なんというものを見てしまったんだろう。 
自殺した女性が自身が身籠っていた胎児の脳を移植され生き返る。
この設定だけでもうやばい!って感じなのに、そこから始まる大冒険に目が離せなかった。
R18なのは
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.2

余命わずかなシングルファーザーのジョンが一人息子のマイケルの養子先を探す、というところからはじまる。
もうしょっぱなから泣き通しだった。
自分自身も里親のところや施設で育ったジョンは、マイケルがこれか
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Saltburn(2023年製作の映画)

3.5

「聖なる鹿殺し」を見たあとも思ったけど、バリー・コーガンはもうなんていうか、存在してるだけで人を不安にさせるなにかがある。
たぶんあの瞳のせい?
邪悪ななにかが宿っているようで、実はなにもないからっぽ
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エゴイスト(2023年製作の映画)

4.0

「エゴイスト」
このタイトルがこんなにも重く、じわじわと効いてくるなんて。
浩輔は自分が差し出せるものを愛してる人たちに差し出した。
それがたとえばお金だった時。
途端に純粋な愛ではなくなるような感じ
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.8

正直前作の方が好きではある。  
でもあとから知った小ネタ満載なところを見ようと見返した2回目が予想外に楽しめた。
次に繋がるであろう、ヒュー・グラントの登場はうれしい。
助手的なポジションなのかな?
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キャロル(2015年製作の映画)

3.8

「TAR」を見て「燃ゆる女の肖像」を見て「ゴッズ・オウン・カントリー」見て、最後にこの映画を見たこの週末。
1人LGBTQ映画祭のようだった。

どうしようもなく弱い部分もあるけど、それを乗り越えて自
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ゴッズ・オウン・カントリー(2017年製作の映画)

3.7

英国版「ブローバック・マウンテン」と言われてるだけあって、重なる部分が多い。
ジョニーとゲオルゲがはじめて関係を持つ時の、お互い気になっているのに素直になれず気持ちより先に欲望と身体をぶつけあう感じと
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.8

華々しい経歴が披露されるオープニングからほどなくして、ターに対してほんの少しずつ違和感を覚え始める。
自分と意見が違う生徒をみんなの目の前でこてんぱんに論破する姿は、違う側面からすると音楽に対して深く
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正欲(2023年製作の映画)

3.8

LGBTQとか多様性とか。
「みんな違ってみんないい」とか。
そういう中でもさらに少数派なものや、理解されがたい側にいる人たちの存在は絶対にあって、結局本当の意味で多様性を認めるっていうのは、そう簡単
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(2023年製作の映画)

3.8

相模原障害者施設殺傷事件がモチーフになっていたので見に行った。
この事件の事はいまだにずっと考え続けている。
なんの罪もない人たちの命を奪った事については、許されるべき事ではない、それは重々承知してい
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ヤングガン(1988年製作の映画)

4.0

子供の頃に見て大好きだった映画。
私の中の元祖青春映画。
ひさしぶりに見返してみても充分おもしろくて、いい映画だなぁとあらためて思った。
エミリオ・エステベス、チャーリー・シーン、キーファー・サザーラ
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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.5

キアヌかっこいい。
犬かわいい。
人死に過ぎ。
ホテルのサービス最高。

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.2

アリ・アスター監督絶賛というので「ミッドサマー」が大好きな私は期待に胸をふくらませて見に行ったけど、ちょっと期待が大き過ぎたかも知れない。
ただこの映画に関してだけはきっちり前知識を入れて見たので、全
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少年の君(2019年製作の映画)

4.0

大げさではなく、映画を見て過去一泣いた。
本当に声をあげて泣いた。
映画館で見なくてよかった。
たぶん「うるさい!」と映画館からつまみ出されるぐらい、声をあげて泣いてただろうから。
いじめや暴力のシー
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

生きてきてよかったことも、ずっと後悔している
ことも、いろんなことがあって、人生って清濁合わせ飲む的だな、と思うような映画だった。

とにかく宮崎駿さんの集大成であるとは思う。
セルフオマージュと思わ
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異動辞令は音楽隊!(2022年製作の映画)

3.5

昔気質のコンプラフル無視のパワハラ全開の刑事があらゆるところから告発されて、音楽隊に部署異動を命じられる。
ベタな展開なゆえに安心して見ていられるというか。
脇をかためる磯村勇斗と清野菜名がいい感じ。
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グラン・ブルー完全版 -デジタル・レストア・バージョン-(1988年製作の映画)

3.5

ジャックが愛したものは海にいるから、ジャックの生きる場所は海なんだと思う。
普通なら息ができないのは海の中なんだけど、ジャックにとって地上(現実と言いかえてもいいけど)の方が息ができない感じなのかも知
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バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

3.8

若い時に見た時にはさっぱり良さがわからなかった。 
あらためて見返してみると、派手さは一切ないけど、なんとも味わい深い。

ドイツからやってきたジャスミンがいい意味で空気を読まないというか、私だったら
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アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)

4.5

Netflixの「ウェンズデー」を見てからの「アダムス・ファミリー」
めちゃくちゃよかった。
アダムス一家ってパパはママを愛し、ママはパパを愛し、両親は子供たちを愛し、姉弟も仲良く、親戚との絆も深い、
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.2

はじめは少し退屈だな、と思ってしまうぐらい、のどかな親子のバカンスの描写が続く。
でも時折出てくる不穏さが、喉に刺さった小骨のようにちくりちくりと刺激してくる。
後半にさしかかるぐらいから、私はもう見
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落下の王国(2006年製作の映画)

4.5

同じ病院に入院している、骨折した5歳の少女と映画の撮影中大怪我をしたスタントマン。
スタントマンはベッドサイドで少女に自ら創作した物語を聞かせる。
物語に夢中になり続きをせがむ少女にスタントマンは話を
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ダ・ヴィンチ・コード(2006年製作の映画)

4.5

11回目を見終わった。
11回目も同じところで驚き叫び、同じところで鳥肌が立って、同じところで思いを馳せた。
ラングドン教授シリーズは全て好きだけど、1番はやっぱりこれ。
これを見ると猛烈にルーブル美
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

ミルフィーユのように何層も何層も登場人物たちの目線と気持ちが重なっていく様を見せられる。その層だけ食べるとその層の味しかしないんだけど、縦にさくっとフォークを差し込み、何層にも重なったものをラストで一>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

4.5

原作ではシロさんは結構クールなんだけど、ドラマやこの映画で西島秀俊さんが演じるシロさんは感情豊かで、それもまたいいなぁと思う。
シロさんとケンジ、それぞれに老いや親兄弟との関わりなど現実的な問題を抱え
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英国王のスピーチ(2010年製作の映画)

3.8

機能的な障害がない限り、生まれながらの吃音の人はいないらしい。
少しずつ吃音になった原因を探り、自分の中に抑え込んでいたものに向き合っていく様に、こちらも力が入って思わず「がんばれ!」と言いそうになっ
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SHAME シェイム(2011年製作の映画)

3.5

静かだけど、必死でもがき苦しむ様をまざまざと見せつけてくる映画。
性依存で隙あらばセックスと自慰を繰り返す兄・ブランドンと、恋愛依存で男にすがりついては捨てられてまた次の男を探す妹・シシー。

過去に
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鑑定士と顔のない依頼人(2013年製作の映画)

4.3

前知識を全く入れなかったのと、もともと全力で見抜けないタイプなので、この映画もしっかりと堪能できた。
薄っすら感じる違和感はあちらこちらにあるんだけど、それよりも「ハッピーエンドで終わって欲しい」とい
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ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

3.8

すごく若い時に一度見たけど、その時は「退屈な映画だな」と思った。
ひさしぶりに見返してみて、荒れ狂う海辺に置かれたピアノの美しさ、それがエイダそのものだったんだ、と気がついた。
物語の最後エイダのピア
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.5

学生の頃初めて見て、ものすごく感銘を受けた。
滅びゆくものの栄華と陰翳を表現した坂本龍一さんの音楽が本当に素晴らしかった。
陰と陽、光と影。
そういうものを映画の音楽でこんなにもあらわしたものってなか
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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2(2011年製作の映画)

4.8

「令和の時代にまだハリーポッターを見たことがない人がいるとは」と言われたことをきっかけに見始めたんだけど、全作品を見終わった今、その言葉で私を煽ってくれてありがとう、と言いたい。

私の推しはスネイプ
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ジョーイ(2020年製作の映画)

4.6

15分という短さの中にぎゅっと詰め込まれた、とても良質な映画だった。
アニーが男前すぎて、ジョーイも私たちも救われる。

ブロークバック・マウンテン(2005年製作の映画)

4.3

イニスのシャツの行方をずっと気にしながら映画を見ていて、なくなったはずのシャツが出てきた場面で涙腺が崩壊した。
ブロークバックマウンテンの広大な自然の中で愛を確かめ合った2人だけど、実際にはまわりの目
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