ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

ピートロ

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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

3.4

雪山の廃墟でLSD入りのサングリアを飲んだダンサーたちがトチ狂うだけの話。
冒頭のダンスの長回しシーンは面白かったが、それ以降は退屈。
なんとなく過激な作品だという先入観があったため、エログロのないソ
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無双の鉄拳(2018年製作の映画)

3.8

いわゆる「ナーメテーター」もの。
反社に誘拐された妻を拳ひとつで奪還する魚屋ドンソク兄貴の超暴力は爽快。
頼りになるのかならないのかわからないユーモラスな2人の仲間もいい味出してた。
ドンソク兄貴は元
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.7

冒頭からジャケ写タイトルアバンまでの流れは最高なのに中身が残念。
「十徳ナイフ的死体」というアイデアがすばらしく突拍子もないから、そのほかは丁寧に固めたほうがよかったと思う。
でたらめな設定の上にさら
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大菩薩峠(1966年製作の映画)

4.1

妖剣「音無しの構え」でいたずらに屍の山を築くダークヒーロー・机竜之助という主人公像が面白い。
まったくまばたきをしない仲代達矢の演技がサイコパス感を出していてよい。
原作の長編小説が未完なので、本作も
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

4.0

右肩下がりで面白くなくなっていた細田作品だけど、前ニ作よりは上向いた印象。
ただ「検索ヒット数を上げるためのSEOばかりに気を取られたウェブサイト」のような「悪い意味でのてんこ盛り感」がすごい。
「今
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哀愁しんでれら(2021年製作の映画)

3.8

作風と演出が中島哲也的すぎて、いろいろ損してる気がする(既視感)。
崩壊のテンポが早すぎて不自然。
キャスティングもストーリーも悪くなかっただけにもったいない。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.2

題材はカンヌ的ではあるが、意外とホラー的手法もあり、構成や展開もカチッとしててとても見やすい。
絵画のような映像の美しさはもちろんだが、音楽の使い方もうまい(祭りのシーンとラスト)。
ここ数年で観たL
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.9

まもなくエガース監督の新作が公開されるということで、見逃していた本作を鑑賞。
主演は今では『クイーンズ・ギャンビット』の大ヒットですっかりお馴染みとなったアニャ・テイラー=ジョイ。とてもかわいい。
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クワイエット・プレイス(2018年製作の映画)

3.3

特殊設定ものはそのルールが緻密であるほど面白いが、残念ながら本作ではそれが甘かった。
どうなるとアウトなのかがよくわからない。
脅かしの仕掛けも雑でひどい。
同じ「音を立てたらオシマイ」だったら『ドン
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イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

4.1

シリーズ4作目(最終章)である本作のイップマンのお相手はシリーズ史上最大の強敵「米国における人種差別」。
躊躇なくカットされた余韻、テンポよい展開、わかりやすいキャラクターと対立構造など、シリーズ未見
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おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

4.1

伴侶に先立たれ子供らとは疎遠になった独居老人のにぎやかな孤独。
グサグサと刺さる細かいエピソードも面白いが、キャラが濃い妄想3人組、居間と地続きの異空間、CGやアニメを使った奇抜な演出もすばらしい。
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ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

4.1

面白かったけどレビューサイトなどでこれほど高得点なのが意外だった。
セリフも演出も劇伴も悪い意味でテレビ的で、変なたとえだけど「コンビニ弁当」を連想した。
保存・着色料たっぷりで味付けも濃くって、決し
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.2

劇場に行けなかったので、1100円だったがアマプラで先行レンタルしてくれたのはありがたい。
貧富の差を描いた作品は枚挙にいとまがないが、本作のような「日常生活において見過ごしがちだけど歴然と存在する格
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人魚伝説(1984年製作の映画)

3.8

夫殺しの濡れ衣を着せられた海女 a.k.a 血塗れ女ランボーの復讐劇。
突き上げがすごい濡れ場と、部屋中が赤一色に染まるほどの流血シーンがあるので苦手な方はご注意を。
あの時代の邦画特有の熱気・反骨精
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.8

キャストもテーマも好きだし、全体的にそつがないんだけど、なぜかハマりきれず…。
たぶん似たような作品がありすぎて、本作独自の視点が感じられなかったからかもしれない。
期待通りの展開が続くのも諸刃の剣だ
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青春デンデケデケデケ(1992年製作の映画)

3.9

ストーリーがシンプルで大林風味も比較的薄味のためとても見やすい。
高校生男子がわちゃわちゃするのは一歩間違うと嫌悪感をおぼえてしまうけど、いいヤツばかりだし瀬戸の自然美と方言が醸し出す素朴な雰囲気につ
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股旅(1973年製作の映画)

3.9

躍動感あふれる太鼓のリズムでテンションが上がる。
渡世人の仁義や作法が単純に面白い。
セリフは聞き取りにくいが、用語説明のナレーションがあるのは親切でよい。
雄大な自然のなかで繰り広げられる無様な殺陣
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フェアウェル(2019年製作の映画)

3.6

悪くはないんだけど、特段良いところもあまり感じずパッとしなかった。
テーマである東洋・西洋文化の差異に実体験として触れる機会がなく、そのあたりの機微に疎いというだけなのかもしれない。

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)

4.0

コンプラ棒で叩かれたマッチョコップの暴走。
小気味よいテンポ作品が好き・慣れた人には鈍重に感じると思うが、このローテンションな空気感には妙な中毒性があった。
薄暗い部屋でソファに深く埋まりながら、たま
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ボギー!俺も男だ(1972年製作の映画)

3.8

バカっぽく勢いのある邦題がよい(原題は『Play It Again,Sam』)。
徹頭徹尾、『カサブランカ』のオマージュなので、『カサブランカ』を観ているとより楽しめる…といってもだいぶ『カサブランカ
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さよなら子供たち(1987年製作の映画)

4.1

こどもの日だったので本作を観た。
寄宿舎で大人たちの目を盗み、わちゃわちゃする子供らの雰囲気がいい。
説明やセリフよりも表情で語りかけてくる。

閉店時間(1962年製作の映画)

3.7

デパートを舞台とした3組の男女の恋愛コメディ。
スケジュールが合わなかったのかといぶかしむほどに川口浩の出番が少ないので、あややとの急接近がなんとも説明不十分で不自然。
あややはあいかわらず可愛いのに
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はちどり(2018年製作の映画)

4.1

思春期の煩悶と家族の不協和音と90年代の韓国が抱える社会問題がシンクロし多面的な表情を持った作品。
理不尽な圧力に屈しない心へのエール。
かっこわるさを臆面もなくさらけだす韓国映画のかっこよさ。

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

3.9

新進気鋭の若手監督で、テーマも舞台も魅力的とくれば、いやがおうにも期待してしまうけど、正直、絶賛というほどではなかった。
「あ、これやっちゃうんだ」という衒いのなさがそこここにあり、気分を削がれてしま
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

4.0

ひとり独学で作り始め、7年もの歳月を費やし制作されたストップモーションアニメ。
岩井澤監督が同年月をかけひとりで作り上げたアニメ作品『音楽』を思い出した。その根気とモチベーションに感嘆。
想像以上のク
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ノマドランド(2020年製作の映画)

4.0

同監督の『ザ・ライダー』がよかったので観てみた。
ノンフィクションベースならではの説得力を持った、地味ながら淡々と力強い作品だった。
主演のマクドーマンドの演技がとてもよかったんだけど、なにがいいのか
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

3.8

前半はジャンルもわからないまま、不思議な演出と展開が醸し出す不穏で奇妙なムードを味わされるあたり、『コクソン』や『ミッドサマー』が好きな方にはハマると思う。
とはいえそれらに比肩しうるかといえば残念な
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.9

やっぱりのんは可愛く魅力的だった。
監督も原作者も同じでテーマも似ている『勝手にふるえてろ』とどうしても比べてしまうのだが、本作の方がコメディ要素は少なく、悪く言えばまとまりがなく、よく言えば変化に富
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ゾッキ(2021年製作の映画)

3.6

フィルマークスのオンライン試写にて鑑賞。
大橋裕之のコミック短編集『ゾッキA』『ゾッキB』を竹中直人、山田孝之、斉藤工らが共同監督し映画化。
それぞれの話がちょっとだけつながっているシームレスな構造に
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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

3.8

なんとなく不穏な空気のなか侃侃諤諤と議論を戦わしているのかと思っていたが、三島の相手を否定することなくユーモアを交えて語る寛容な態度に好感が持てた。
それにしても無精髭のボサボサ髪で乳飲み子を抱きつつ
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

3.8

GYAO!の配信終了時間の直前に気がついたが、運悪く出社と残業で帰宅してからでは間に合わず、しかたなく、疲弊した心身・スマホ・30分間にCMが4回も挿入・電車の騒音…とおよそ人類が考えうる最悪の閲覧環>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

ありがとうございました!

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

4.1

『シン』公開に備えて復習。
前作から14年が経過し状況も激変。なんだかわかったようなわからないような、狐につままされたような展開は平常運転。
個人的にはいい意味で期待を裏切られて嫌いではない。

極道恐怖大劇場 牛頭(2003年製作の映画)

3.4

ずっと前から観たいと思っていたが、すっかり忘れていた。思い立ったが吉日、TSUTAYAで店舗取り寄せした。
冒頭とラストはたいへんすばらしい(?)し、中盤のオフビートでシュールコントのような雰囲気も悪
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

4.2

『シン』公開に備えて復習。
「♪破(は)〜は破壊の破(は)〜」ということでアスカの苗字といった小さな点から、新キャラ・マリの登場や3号機パイロットの変更などの大きな点で破壊(変更)しつつ、物語を終結に
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ラストレター(2020年製作の映画)

3.7

キャスティングとストーリーが理解できないというほどではないのだが少々煩雑で、そのために没入を阻まれた感は否めない。
庵野監督の演技がアレなのは「トトロ糸井枠」として愛嬌を感じるが、トヨエツはちょっとど
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