高倉健の代表作、日本侠客伝シリーズ第一弾。
舞台は明治後期から大正初期なので、着物女性とスーツ男性がいたり、警察の制服や人力車、磁石式電話機など時代の空気感だけでも楽しい。
やくざの存在意義を否定する>>続きを読む
陰惨で救いのないホラーなのに、観たあとになぜか元気がもらえる怪作。
破天荒な原作漫画と白石監督との相性が良すぎる。
「元気ハツラツ〜(以下割愛)」の台詞や、サユリの造形とお馴染みの「ミミズ」など、白石>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
登場人物や動物たちの作画もかわいく、アニメーションも楽しいので、心あたたまるお話かと思って観ていたら、はたしてシビアでホラーな物語であった。
主人公が成長していくお仕事シーンでも、「ん?」とひっかかる>>続きを読む
冒頭からご都合主義と細部の粗さのせいで入り込めなかったが、終盤、状況が明らかになって「ああ、これは『初恋』の真空パックだったのか」と納得。
清原伽耶は好きだけど本作では役との相性がよくなかった気がした>>続きを読む
第4弾の公開も9月に決定している絶好調シリーズの第3弾。
安定の面白さながらも、非常にストレートな作りでスルスルと進むため、あまりひっかかりがなく、ものたりなさを感じてしまうのは贅沢というものか。
ま>>続きを読む
原作漫画も三池監督も好きなのに、なぜか見逃していた本作。
両者の相性が悪いはずはなく、グロ描写もよかった。
悲壮感よりも変態性が爆発したラストバトルも正解だと思った。
今まで見た浅野忠信のなかで一番カ>>続きを読む
OPから一瞬で「あ、これいい映画だ」とわかった。
土壁や奥さんが纏う青い衣装のせいもあるが、フェルメールの絵画のような美しさ。
公開年に観ていたら間違いなくその年のマイ・ベスト10にランクインしていた>>続きを読む
ソヒョン世子変死事件という史実を基にしたサスペンス(主人公の盲目の鍼師はオリジナル)。
夜が舞台なので鳥目(老眼)のぼくにはちと辛かったが、それはまた別の話。
中盤以降でグッと物語が加速して盛り上がる>>続きを読む
不謹慎な『おくりびと』。
筒井康隆のブラックユーモアのような荒唐無稽さ。
登場人物たちも個性的で、「若干〜」の口癖は中毒性があった。
主人公がデスマスク造形師なのだが、当時、そんな慣習があったんだろう>>続きを読む
ツチヤタカユキの自伝小説が原作。
笑いに取り憑かれた修羅の不器用な生き様。
『着信御礼!ケータイ大喜利』は懐かしかった。ぼくも送ったことはあったが採用されたことはなかった(弟は一度読まれたんだよなあ)>>続きを読む
日常が徐々に不穏さを増し変容していく過程を陰影と音響が煽る。
原因と結果、理屈と感情、論理と非論理が混濁したような張り詰めた空気のなかの息苦しさ。
…などといろいろ考えずとも感覚的に楽しめて面白いのが>>続きを読む
PMSの女性とパニック障害の男性の出会いと変化。
16mmフィルムのざらついた陽光や陰影が懐かしく優しい。
家族よりはゆるく他人よりはかたい「ちょうどいい互助関係」について考えさせられる。
夜はやがて>>続きを読む
設定やキャラ造形からどうしても『ジョーカー』を思い出してしまうのは、あきらかにマイナスに働いてしまった。
なんとも救いのない嫌な話だけれども、ワンちゃんはかわいい。
エディット・ピアフの歌をうたうシー>>続きを読む
絵本みたいなかわいらしいタッチながらも、どことなく漂う不穏な空気と落ち着いたトーンが幻想的でよかった。
原作も読んでるはずだけど遠い昔のことなのでこれを機会に読み返してみたいなと思った。
クレジットに>>続きを読む
衣装に糊が効いていてきれいすぎるだろと思わないでもなかったが、おおむね原作愛が感じられる実写化だった。
キャストも違和感なかったし、顔芸もすばらしかった(鶴見中尉の歯カチカチ、アシリパのオソマ対面)。>>続きを読む
約80分という短い時間でストーリーも演出もどシンプル。
でもそんな潔さが新鮮で洒落ていて面白い。
ラジオから常に流れるウクライナ情勢。
2人で観に行く映画がジャームッシュの『デッド・ドント・ダイ』とい>>続きを読む
たぶん小学生の頃、観たはずなんだけどまったく覚えていなかった。
有名な「指先と指先をくっつける」シーンって本編にはなかったのね(ポスターだけ)。
効果を高めるためにあえてする理不尽な演出が多かったのが>>続きを読む
戦争が題材ではあるが、テーマは「熱い漢の友情」。いやこれが友情なのか呪いなのか強迫観念なのかはどうでもいい、事実アツいんだからそれでいい(実話がもとになっているそうだし)。
ガイ・リッチー作品にしては>>続きを読む
ユーロライブの日本最速試写会にて鑑賞。
上映後、山中監督のトークショーあり。
質疑応答も非常に活気があった。
観ている最中は長いトンネルの中にいるような閉塞感といたたまれなさと奇妙なシンパシーでしんど>>続きを読む
「秘められた激しい愛情」について描かれることが多かったグァダニーノ作品だが、本作もそのテーマを踏襲しつつポップでホットでクレイジーな仕上がりに。
テニスのラリーの迫力ある映像はすごかったけど、正直、途>>続きを読む
上映後に公開記念舞台挨拶1発目がある回にて鑑賞。
河合優実、吉田美月喜、押山清高監督が登壇。
入場特典はコミック(オリジナルストーリーボード)。
いい意味で不安定な原作作画の魅力を壊すことなく美麗に仕>>続きを読む
「住民説明会」や「高速道路運転中の会話」など、特に大袈裟な演出やセリフがなくても素材が面白ければ面白いはずだという姿勢がえらい。
ラストばかりに目がいきがちだけど、各所に散りばめられた意味深長で丁寧な>>続きを読む
フォントやEDなどを筆頭に全体から「往年の特撮感」が漂い、さらにちゃんと白石テイストも感じられる(大林宣彦チックな色彩・演出も)。
表・裏主演の二人(玉城ティナ、森七菜)がかわいいのでそれだけでも観て>>続きを読む
最近、GUとユニバーサル・ピクチャーズの映画コラボTシャツが発売され、本作もその対象であったが、そういえば観たことなかったなと気づき今さらながら鑑賞。
CGのない時代特有の奥ゆかしさと映像のざらつきが>>続きを読む
ちょっと不穏な『THE3名様』。
3人のキャラクターや会話・間などが面白くひきこまれた。
一番興味深かったのは監督のキャリアで今、本作が作られたということ。
舵取りが絶妙ともいえるし、肩透かしだったと>>続きを読む
母娘関係の描き方がエグくてイライラグサグサきた(母が娘のことを「ママ」と呼ぶところなんて吐き気がする)。
単純に「善人/悪人」と割り切れない佐藤二朗のキャラクター造形がいい。たしかに人ってこういうもの>>続きを読む
SNSで話題になったらしい本作、『コワすぎ!』ファンなので観るしかない。
作品自体は面白くないが、このハチャメチャなストーリーで市の許可がおりて税金が投入され公式PR動画として制作されたことが面白い。
マッドマックスエピソード0。IMAXにて鑑賞。
FRは劇場に複数回通いDVDを購入した程度には好きであるが、FR以上の映像的衝撃はなく悪い言い方してしまうと「こぢんまりとした焼き直し」という印象。
と>>続きを読む
絵のタッチも時代背景も『この世界の片隅に』子供版といった趣。
家電(トースターかっこいい)や家具、建築、街並みなどの作画を観ているだけで楽しい。
キャラの表情がみなアイシャドウと口紅を塗ったようなデザ>>続きを読む
体感型映画なのでストーリー展開による面白さはない。
「音」が重要なため劇場鑑賞が向いている(収容所の稼働音と悲鳴のような劇伴が耳に残る)。
受賞歴の華やかさとは異なり、静かで地味で尖った作品なので、開>>続きを読む
風呂敷を広げドキドキさせられた前章と比べると、後章は終幕に向けせっせと畳んでいる感が強いことは否めないものの、作画や演出のクオリティは高く満足。
ただちょっと説明過多で展開が鈍重に感じた。
原作(全1>>続きを読む
スペイン製POVパニックホラー。
77分と短尺だし次から次へとトラブルが連発するのでまさにあっという間。
ちゃんと怖いところもえらい。
主役のレポーターがどこかしらむかつく感じなのも過度の同情を防止し>>続きを読む
吉田作品恒例の「悪意の可視化」にひりつく。
底意地の悪い演出(虎舞竜、カーラジオなど)も最高。
6年前から監督に出演を直談判していたというだけあって、石原さとみの熱演がすごい。ゾンビのような表情や、獣>>続きを読む
会話も劇伴も抑えめで、たっぷりと料理と食事のシーンが贅沢に描かれているのがいい。「料理」は「対話」。
時代的にあのキッチンがすごい(ぱっと見IHかと思った)。
神舌の少女かわいい。
くだらないだろうなと予想して、たしかにくだらないと思いながら観る贅沢(褒めてます)。
カップルの会話がめちゃくちゃリアルでうまい。
あらすじにある牛の乳を盗んでドーナツを作るくだりが始まるのが、ちょうど中盤に差しかかってから。
ぼくは最初あらすじすらチェックせずに観始めたので、中盤まで結構混乱した。
西部開拓時代の泥濘まみれの混沌>>続きを読む