ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ピートロ

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ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

ヒッチコックオマージュ(『裏窓』、『めまい』)の冒頭から、巻き込まれ系サスペンスの展開を予想させるが、はたしてクールなのにちょっと間抜けな殺し屋の奇妙な味わいの作品だった。
ぎりぎりコメディにならずに
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正欲(2023年製作の映画)

4.1

浅井リョウ原作の映画ってどうしてハズレがないんだろう。
原作小説を読んでかなり感銘を受けてたし、監督も『あゝ、荒野』の岸監督ということで期待値を上げてのぞんだものの…それでも大満足。
キャストの演技も
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

ロシアでの劣悪な寝台列車旅を疑似体験しているかのような感覚を味わえたことがまず楽しかった。
主人公が徐々に心を開いていく過程が完全にシンクロできたので感情移入もひとしお。
最初あんなにがさつで憎たらし
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

大絶賛の声をちらほら見かけたので少し期待してしまったが、いわゆる山崎監督のパブリックイメージどおりの作品でそれ以上でも以下でもなかった。
ドラマパートがただただしんどい。
みんな「え?どうしちゃったの
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

3.8

設定もキャストも悪くないのに、なぜか台詞にあざとさばかりが感じられ上滑りし全然胸に届いてこなかった…。いろいろ受賞もしてるみたいだしぼくのコンディションのせい?
娘役は 『ストレンジャー・シングス』
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

原作未読だが120分にみっちりときれいにまとまっていた印象。演奏シーンの演出がダサいが、田舎出身の若者らの泥臭く怖いもの知らずな勢いとジャズのアドリブをうまく表現していて、あれはどこまで意図的なダサさ>>続きを読む

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.7

ことごとくロケーションがよかった。
ストーリー展開はあまり集中力が持続されるような構成ではなかった。
テレビドラマのときは腹に力のこもった低音で発する「…ヘブンズドアッ!」が印象的だったが、今回は肩の
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キリエのうた(2023年製作の映画)

3.9

ストーリーはそれほど強くないが時系列をいじり情報を小出しにしていくので、思っていたよりは3時間が長くは感じなかった。
ただ、キリエ(姉)のキャラ設定がちょっと気持ち悪く、キリエ(主役)との差別化を図る
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.2

ラブ・ホラー・ロードムービー。
普通ならダサくなる露骨なメタファーだが、画がカッコよくルック良し。
サリーのキャラ造形がキモ素晴らしかった。

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.6

スタイルやカラーはもうじゅうぶんわかっているのだが、最近どうも「で?」と思ってしまう。モノローグはずっとお経のような密度で垂れ流されるし、だんだん意識が朦朧としてきて何度も寝落ちしてしまった。別に悪く>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

4.3

たいていのシリーズ4作目なんてマンネリ感があるものなのに、まさかシリーズ中一番面白いだなんて!
約3時間という長尺でほぼアクションだけの構成なのに、アクションのアイデアがてんこもりなのでまったく飽きな
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.0

ドキュメンタリーを多く手掛けてきた監督が、どんな劇映画を作るのか興味があったが、クライマックスまでに登場人物たちに感情移入させるにはある程度長尺が必要だろうし、題材が強いので演出も抑えがちにするだろう>>続きを読む

夏へのトンネル、さよならの出口(2022年製作の映画)

3.7

初期新海作品の焼き直しといった趣で、既視感たっぷりだし、いかにもなシチュの詰め合わせだけだと正直ものたりない。
まあでもエモいことはエモいのでエモさチャージはできた。
それにしてもなんでヒロインはウラ
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五等分の花嫁∽(2023年製作の映画)

3.8

修学旅行(TVアニメ)から学園祭(劇場版)の間の日常回。前後編に分割され2週にかけて地上波で放映された。
一花と三玖はフィーチャーされないのでファンのかたは残念。
もうすでにみんな風太郎に惹かれている
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

絵も可愛く原作ゲームへの愛も感じられ、「こまけえことはいいんだよ」精神のストーリー展開もスピーディーでよかった。
ただ完全に子供向け作品なので、大人視点のままでのぞむとものたりない。
アニャは好きだけ
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自分革命映画闘争(2023年製作の映画)

3.5

神戸芸工大映画コース教授・石井岳龍が生徒らとともに作品を作り上げるドキュメンタリータッチなカオス劇。
パッチワークのような自由闊達な構成は面白いが、ひとつひとつのシーンが冗長なのがちょっとつらかった。
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少女は卒業しない エピソード0(2022年製作の映画)

3.5

タイトルから前日談を想像していたが、はたして制作ドキュメンタリー。
完全ネタバレはないものの、できるなら本編鑑賞後に観たほうがよい。
中川監督がファルハディの『別離』が好きだと言っていて、ぼくも大好き
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.0

『カランコエの花』の中川監督、本作が初長編とは思えぬクオリティ。
瑞々しいキャストらもみな演技がうまく、特に河合優美はオーラがあった。
4人の少女のオムニバスだがそれぞれのストーリー同士の関係性の希薄
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金田一耕助の冒険(1979年製作の映画)

3.7

大林作品の免疫がある人なら笑って(笑えないけど)ゆるせる可能性があるが、そうじゃない人にはもう地獄だろう。
横溝正史、高木彬光、笹沢左保が出演しているのもミステリファンにはうれしい。
角川春樹から札束
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Luis(原題)(2008年製作の映画)

3.5

『オオカミの家』を観た関連で本作を鑑賞。
ダークでワイルドでダイナミックなアニメーションはくせになりそう。

Lucía(原題)(2007年製作の映画)

3.5

『オオカミの家』を観た関連で本作を鑑賞。
ダークでワイルドでダイナミックなアニメーションはくせになりそう。

オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

悪夢的にヌメヌメ動き続けるストップモーションアニメ。
2D、3Dが混然一体となりキャラクターも常に生成と崩壊を繰り返す演出は妙な迫力がありなかなかすごい。
しかし予備知識ゼロで臨んだため内容はまったく
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(2021年製作の映画)

3.6

1901年に作られたストップモーションアニメを修復しましたという「てい」の作品(モノクロ)。
チリの歴史や政治がたぶんに関係していそうというくらいしかわからない。

戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

3.7

『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』舞台挨拶付き完成披露上映会にて鑑賞。
メインキャスト3人が登壇(司会はジャガモンド斉藤)。お三方の「コワすぎベスト3」の発表が面白かった(ちなみに監督のベストは花子さん
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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

4.0

「匂わせ」とか「行間」とか「空気」がメイン。
婉曲的な表現が好きな人にはハマるだろうが、「何これ?」となる可能性もかなりあると思う。だからこの4.0という高得点(投稿時点)はちょっと意外だった。
父娘
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.1

美麗な映像とわかりやすい演出と展開。
難解だったり斜に構えていたりする作品ばかりだと疲れてしまうのでこういう作品はホッとする。
とはいえ内容は苦しく切ない。
タイトルは「close friendshi
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バービー(2023年製作の映画)

4.3

思いのほかケンがフィーチャーされるが、「バービー世界」ではジェンダーが逆転しているので、ケンへの揶揄は現実世界の女性に向けられたものであり、かつその揶揄内容は現実世界の男性に向けられたものというナパー>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.8

ただひたすらに痛切な映画だった。
一応、メインターゲットが子どもたちであろう作品において、これほど明瞭に「この国の未来は暗い」ということを言語化していいものだろうかと少し心配してしまった。
オトナたち
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

4.0

20年くらい前に観ていたけど再鑑賞。
しんちゃんの階段ダッシュもよかったが、ヒロシの半生の回想シーンが一番グッときた。
しんちゃんの台詞「大人になりたい」「ずるいぞ!」は発言後すぐに茶化すのであるが、
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一分間タイムマシン(2014年製作の映画)

3.4

6分のショートフィルム。
2014年といえばタイムリープものの傑作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』公開年。
タイムリープによる歴史改変で未来(現在)が変化するというのはよくある設定だが、本作では(
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ヴィナス戦記(1989年製作の映画)

3.6

作画も絵もメカも雰囲気も悪くないのにあまり面白くないのがもったいない。
昔はあの1輪バイクを荒唐無稽だと笑っていたが、今はもう実現してるのだからなんとも不思議な気分。
主人公の声が昔のジャニーズアイド
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バブルへGO!! タイムマシンはドラム式(2006年製作の映画)

3.7

2007年(公開年)からバブル崩壊のきっかけとなった1990年の不動産融資総量規制の施行を止めるためタイムマシンに乗って17年前へ。
現在は2023年なので公開年から16年経ち、ほぼタイムスリップのジ
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劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編(2022年製作の映画)

3.8

オリジナルストーリー。
このシリーズはパワーバランスが完全にぶっこわれてるけど、そのおかげで安定の大団円が実現できるのだなあとあらためて思うなど。

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.2

163分間ずっと「ただ鍵を奪い合うだけ」のお話なのに、中だるみすることなくハイテンションが続く。
ひたすらにアクションだけを詰め込む潔さがいい。
集客の影響でナンバリングタイトルを忌避する風潮のなか、
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

公開時まで徹底的な箝口令が敷かれどんな作品なのかまったくわからなかったが、こんな状態で胸躍らせて劇場に行く体験ができたことが貴重で面白かった。
中盤から過去のジブリ作のパッチワークのようなカオスになる
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君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

3.6

なんといっても主演の加藤小夏がかわいくて魅力的。
デフレなんだから消費税を撤廃してお金をバラ撒け。財務省は政府の財政健全化しか興味がない。政府がマスコミを通じて国民一人あたりの借金額を提示して脅してい
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