ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 29ページ目

ピートロ

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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

3.8

昔、劇場で観たけどほとんど忘れてた…。
メリーランド悪魔憑依事件がモデル。
悪魔に憑依された少女リーガンのヴィジュアル、うめき声、奇矯な行動、過激な発言は本当すばらしい演技。
悪魔祓いの助手をつとめる
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マルクス兄弟 オペラは踊る/マルクス兄弟オペラの夜(1935年製作の映画)

4.0

やってはいけないことを的確にやってくれるので信用できる。
狭い船室にすし詰めのギャグは何回観ても爆笑。
ベッドを持って部屋を行き来する刑事との鬼ごっこもいいし、劇場でのターザンもすばらしい。
チコのピ
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悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)

3.8

がんばって逃げ回る女性の叫び声の、まあうるさいことうるさいこと(※褒め言葉)。
必要以上にいきおいよくバーンと扉を閉めるところは完全にギャグっぽくて笑った。
窓ガラスをパリーンと割って逃げる天丼にも思
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キートンの探偵学入門/忍術キートン(1924年製作の映画)

3.8

映写技師の主人公が探偵の真似事をする。
やがて夢の中で上映中の映画のなかに入り込む。
ウディ・アレンの『カイロの紫のバラ』は本作のオマージュ。
冒頭で「二兎追うものは…」なんてテロップがでるけれども、
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キートンのセブン・チャンス/キートンの栃麺棒(1925年製作の映画)

4.0

サイレント映画。
マリオみたいに谷を飛び岩を避ける横スクロールすごい。
アクションがすごいだけじゃなく、ストーリーも面白くて、主人公が今日の19時までに結婚できれば大金を遺産相続できることが周知され、
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ヒップスター(2012年製作の映画)

3.9

『ショート・ターム』のデスティン・クレットン監督のデヴュー作。
ナイーヴで天才肌のコミュ障ミュージシャンが主役。
美しい3人の妹が結構年なのにキャッキャウフフしてるのがほほえましい。
今のままの自分で
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13日の金曜日(1980年製作の映画)

3.4

今までホラーが苦手でほとんど観てこなかったので、今日が13日の金曜日というきっかけで観てみた。
あれ?!ホッケーマスクかぶったあの方って出てこないの?!(※いわゆるあのルックスで)
とりあえず若きケヴ
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イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.4

何かわからないものが、なぜかわからずついてきて、わけもわからず殺される…。
ゆっくりじわじわと迫り来る「何か」の描写とアイディアはよい。
「ロジック」のない『リング』。
惜しいんだけど、じゃあどこが不
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.3

文化祭の準備やあたるの家での共同生活での「わちゃわちゃ感」が、あの「80年代独自の熱気」に満ちあふれていてとても楽しいが、今観るとその時代へのノスタルジーと相まってじわじわ切なくなる。

死霊館 エンフィールド事件(2016年製作の映画)

4.0

1は未見だが特に問題なかった(と思う)。
世界でもっとも最長で有名なエンフィールドのポルターガイスト事件が元になっている。
事件のウィキペディアを読んでみたが、結構、事実に即しながらも、うまくストーリ
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団地(2015年製作の映画)

3.8

団地に越してきた元漢方薬局店の夫婦と、先住人たちとのおかしくて不思議なやりとり。
会話の軽妙さ、間やズレがおもしろい。
だが本作はただの日常系オフビートコメディに終わらず、徐々に迷走を加速していく…。
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日本で一番悪い奴ら(2016年製作の映画)

3.8

実話を元にした警察コメディ。綾野剛は顔立ちや声質などガハハ系の役、向いてないと思う。YOUNG DAISの舎弟感よかった。

A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒー(2014年製作の映画)

3.6

大量生産ではなく、高品質を求め、生産者と蜜に協力しあって作られたコーヒーを「スペシャルティコーヒー」と呼ぶらしい。「ブルーボトルコーヒー」などいろんなコーヒーチェーン店の創始者やバリスタが登場するが、>>続きを読む

激動の昭和史 沖縄決戦(1971年製作の映画)

3.8

早いテンポと膨大な情報量、そして熱気と爆発と悲鳴がもたらす魔風のいきおいで、多少長めの尺でも飽きはしないが、いかんせん単調なので(そりゃそうだ)、本作は評価が高いようだけど他の岡本作品のほうが好きかな>>続きを読む

海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

3.4

年金暮らしの母親に甘え、妻に愛想を尽かされたギャンブル好きのダメ中年の淡々とした日常。
特に何も起こらないのに飽きさせない人物造形や会話の妙はさすがだが、個人的にオチなし日常系の投げっぱなしジャーマン
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熱砂の秘密(1943年製作の映画)

4.1

1942年北アフリカ戦線。
ひょんなことからシディ・ハルフェイアのホテルの給仕に化けて、ロンメルの部隊に潜入することになった英軍のブランブル伍長。
プロット自体がネタバレになるので詳細は割愛するが、ス
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ミリキタニの猫(2006年製作の映画)

3.5

N.Y.のホームレス画家ミリキタニ(三力谷)老のドキュメンタリー。
日系人の彼は第二次世界大戦中、ツールレイクの強制収容所に送られていた経験があり、米国を敵視している。
そのため国からの援助を一切拒み
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セトウツミ(2016年製作の映画)

3.7

コミュ障インテリメガネと、人懐っこい元サッカー部おバカの二人が、河原でダベるだけの会話劇。
漫画やTV番組に比べると鑑賞コストや環境面でハードルが高い映画というメディアで、あえてこれをやるというところ
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マイマイ新子と千年の魔法(2009年製作の映画)

3.8

パッケージデザインやタイトルから、お子様向け作品かと思っていたら、完全に大人向けだった。
丁寧なつくりに好感が持てたが、肝である千年前との連携が弱く残念。
身勝手な大人たちに振り回される子供たちが、過
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シング・ストリート 未来へのうた(2016年製作の映画)

4.6

監督からのてらいのない若者たちへの全力の応援歌。BTTF風の初ギグシーンはほんと泣きそうになった。久しぶりに観終わった瞬間に、このまま続けてもう1回観たいと思った。

裸足の季節(2015年製作の映画)

4.2

まばゆいばかりの生気に満ちた美しき五姉妹の奔放なエロスを、必死に封印しようとやっきになる大人たち。お国柄なのかドン引きレベルでカッチカチな古い因習の不条理さ(初夜でシーツについた破瓜の痕跡を見せるとか>>続きを読む

すれ違いのダイアリーズ(2014年製作の映画)

3.9

タイのド田舎の水上小学校をまかされた面識のない前任の女性教師と後任の男性教師が、日記をきっかけに心の距離を縮めていくプラトニックラブストーリー。ひとことで言えば「<田舎教師版>君の名は。」。山々に囲ま>>続きを読む

不思議惑星キン・ザ・ザ(1986年製作の映画)

3.7

いきなり異星に飛ばされる急展開がいい。レトロなデザインの釣鐘型宇宙船が、「クー!」なるキッチュな挨拶が、主人公2人の間に徐々に育まれていく友情がいい。そして、男女だったらさぞや美しかったであろう再会の>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

4.0

盲目の退役(体液!?)老軍人と、3人組の若者強盗の死闘。家の中という狭小空間で目のないモンスターと恐怖の鬼ごっこというシチュエーションの勝利。
ちなみに全然怖くはなかったです。
映画の開始前に流れる制
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ヒトラーの忘れもの(2015年製作の映画)

4.3

終戦直後のデンマークの海浜で、捕虜であるドイツ少年兵たちが命がけの地雷撤去作業を強制される。観ているこちらもいつ爆発が起きるかわからない恐怖でずっと緊張しっぱなし。軍曹役のローラン・ムラが最高だった。>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

4.3

静謐で美麗で知的で「こういうのが観たかった!」という「どストライク」なSFだった。誰(自分すら)も信用できない不信感があおるサスペンス要素も物語の牽引力となり飽きさせない。目新しい要素はなかったが、丁>>続きを読む

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ(2015年製作の映画)

3.7

ハイテンションと多めのギャグで約2時間、ダレることなく完走。皆川猿時率いるガールズバンドのクオリティが高くて笑った。

COP CAR コップ・カー(2015年製作の映画)

3.7

プロットも登場人物も演出も何もかもがミニマル。完全なB級作品のはずなのにどこか「品がある」のが不思議。独特の間がいい。

ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

3.6

子供のいない40代夫婦と、元気いっぱいな20代夫婦の交流…で間違ってはいないのだが、そんな単純なハートウォーミング・ストーリーではない。もがき苦しむ中年の悲哀とみじめさでいっぱいの悪い意味で「子供のま>>続きを読む

異国の出来事(1948年製作の映画)

4.5

ワイルダーの作品はほぼ観ていて消化試合の感覚で手に取った本作だったが、いやあ、びっくりした、個人的ワイルダーベスト3に入るとは!終戦直後のドイツに駐留する米軍の女ったらしの大尉と、妖しい魅力をまとうド>>続きを読む

生きてはみたけれど 小津安二郎伝(1983年製作の映画)

3.8

過去作品からの引用やインタヴューも豊富で、とても見やすかった。『麦秋』の杉村春子と原節子のあのやりとりは大好きでよく覚えていたけれど、やっぱり何回見ても良い。個人的には新藤兼人監督のコメントが好き。あ>>続きを読む

ディストラクション・ベイビーズ(2016年製作の映画)

4.1

説明もセリフもなく、ひたすらに喧嘩の血に狂う柳楽の表情がすばらしい。殴り合いのアクションや鈍い打撃音がすごいリアルで見とれてしまった。短髪でサングラスをかけ、どっしりとベンツのシートに身をまかせる彼の>>続きを読む

この世界の片隅に(2016年製作の映画)

4.3

予告で観た時は正直、のんの声が浮いてるなあと思ってしまったのだが、実際に観終わってみると、その中毒的魅力に完全にやられてしまったことを自覚。原作を読んでいたのでわからないが、未読な人はあの暴風雨的超ス>>続きを読む

火事だよ!カワイ子ちゃん(1967年製作の映画)

3.5

老害消防士たち主催のパーティーでのドタバタ喜劇。彼らのあまりの無能ぶりとセクハラに失笑とイライラ。志村けんのバカ殿を思い出した。工事現場のコーンのような消化器とぬるそうなビールジョッキが印象的。

ラブホテル(1985年製作の映画)

3.9

日活ロマンポルノ。相米作品は見終わったあと(ああ、よかったなあ…)と思い返す印象的なシーンが必ずある。防波堤(?)でイヤリングを探すシーン、通過電車からの夜灯を浴び明滅するアパート、窓ガラスをつたう雨>>続きを読む

スイート・スイート・ビレッジ(1985年製作の映画)

3.3

イジー・メンツェルは長編処女作の『厳重に監視された列車』が面白かったので、本作を観てみた。『厳重に〜』からは約20年後に発表された作品であるが、同じ監督と思えないくらい作風が違った。ドキッとさせられる>>続きを読む