ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ピートロ

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雨にぬれた舗道(1969年製作の映画)

3.8

DVDはおろかVHSでも発売していないアルトマン初期のサイコスリラー。
中盤まで画変わりと展開に乏しいが、後半動き出してからは面白かった。
主人公の世間知らずさ、無自覚、混乱、葛藤を淡々と描くところが
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劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 冥(くら)き夕闇のスケルツォ(2022年製作の映画)

3.6

原作未読だがアニメはTVも劇場版もすべて観ているので完全に惰性で観てる。
いつでも離脱してもおかしくない程度のファンなのに、していないのだから強いコンテンツだとは思う。

ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り(2023年製作の映画)

3.5

4.0(2023.07.02現在)という高得点にひかれて観てみたが、良くも悪くもなく中途半端だった。
はぐれ者たちの凸凹パーティーが正義を成す同フォーマットの『GotG』と比べてしまうのは酷であるが、
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

4.0

前作同様、斬新でノリのいいアニメ表現はそれだけでもう観る価値あり。
マルチバースの解釈も頭では『ザ・フラッシュ』の結論に同意しているが、だからこそ本作のエモーションには心打たれた。
140分という長尺
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ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット(2021年製作の映画)

3.9

『ザ・フラッシュ』が面白かったので、見逃していた『ジャスティス・リーグ』を観ようと思いたち、どうせなら評価が高くコメントが熱かった本作(ディレクターズ・カット)をチョイス。しかし無印の約2倍のボリュー>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

京都・貴船の旅館を舞台に繰り返される2分間の強制タイムループ(ワンカット)。
時間的・空間的な制約のなかで多くのパターン(具体的な数字はわかるけどネタバレになるので伏せる)を創出しているのがすごい。
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ある男(2022年製作の映画)

4.1

仲野太賀や河合優実をチョイ役に使うくらいの豪華キャスト。
柄本明(a.k.a. ハンニバル・レクター)のシーンもトンマナを壊さないぎりぎりのライン。
息子くんの演技もよかった。
サスペンス形式のおかげ
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逃げきれた夢(2023年製作の映画)

3.8

上映後、二ノ宮隆太郎監督と矢田部吉彦氏によるトークショーあり。
4年前の『枝葉のこと』『お嬢ちゃん』のトークショーでも監督は自作にたいする解説を徹底して避けていたが、それは今回も同様でタイトルの意図す
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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

4.2

ほとんどDCシリーズを追っていないぼくでもわかるくらいやさしく説明してくれた。
「BTTF」オマージュを散りばめながら、マルチバース(マーベル)への皮肉を、単純に楽しいモーションやエフェクト(IMAX
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ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

たまたま原作を読んでいたので、ひとつ気になった点があった。映画ではなにげなくカイヤが自分の足跡を消すシーンがあったように思う。たしか原作にはなかったはず。これは蛇足。
※よく確認していないので勘違いだ
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怪物(2023年製作の映画)

4.2

母親、先生、子というそれぞれの視点移動は『藪の中』だけど、本作はそれに『カメ止め』を彷彿とさせるような怒涛の伏線回収ラッシュが出色。
脚本がテクニカル過ぎてテーマが入って来にくいとか、演出が過剰になっ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.8

好みの「オシャレホラー」だったが、ちょっと「意味」が強過ぎた。
シュールではあるが必要以上に制作者の主張がわかりやすいと冷めてしまう…。
美麗な映像や音楽、几帳面な構成などはさすが。

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.9

現在、日本版リメイクが公開されているが、オリジナルの評価が良かったので鑑賞。
深刻なサスペンスでありながらも、これでもかと連続する不運はもはやコメディ。
ちょっとだけ安っぽさはあるけれど、ネトフリで気
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

数々の受賞タイトルやシネフィルのかたがたの高評価で気になっていた作品。
抑え気味の前半(ひたすらペダントリックな対話が続く)はちょっと意地悪。
「孤高の天才の苦悩」という雰囲気で進みながらも、徐々に明
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.9

上映時間も短く劇伴や過剰な演出もなく台詞も少ないが、街の息吹やジムの熱気、ケイコの心の葛藤が感じられる実直な作品だった。
車や生活音などのノイズを目立たせることでケイコの障害と孤独が浮かび上がっていた
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あのこと(2021年製作の映画)

3.8

妊娠中絶の凄絶なる体験映画としてのインパクトはあるが、『17歳の瞳に映る世界』のほうが映画としては好み。
本作ではなぜか理不尽で無慈悲な社会への悲憤という方向に気持ちが集中しづらかった。主人公のタフさ
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.7

アニャ目当てで鑑賞。
不条理系サスペンス風ブラックコメディ。
シンプルなB級テイストのストーリーなので強引さは愛嬌。
あのレストランの代金1250ドルだから約168,000円。あれ?思ったよりもそんな
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.1

ストーリーが良く言えばシンプル、悪く言えば単調。
ボスキャラの魅力もイマイチ。
ロケットにフィーチャーしすぎたため、こじんまりしてしまった感は否めない。
しかし本シリーズの魅力である「活き活きとしたキ
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フットルース(1984年製作の映画)

3.6

明日観る『GoG3』のために未見だったスピンオフ『ホリデー・スペシャル』を観ていまここ。
有名な作品でタイトルや音楽は知ってたのに見逃していた。
『スローターハウス5』が悪書扱い。
主人公はもっとやん
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マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.8

新宿駅メトロプロムナードで大々的に展開されていたVol.3の広告を見て、本作を観ていなかったことに気づき慌ててチェック。
44分という短尺の気楽なスピンオフ。
とはいえさらっと重要なことを言っていた気
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Seventh Code(2013年製作の映画)

3.3

前田敦子の同名曲のMVとして作られたという経緯からも推察できるように、ハードルを下げてのぞむべき作品。
とはいえ風にゆれるカーテンや、意味不明の爆発などみどころはあった。
監督は『旅のおわり世界のはじ
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

3.9

キャラデザ・作画が非常に好み。
物語のハイライトシーンは、本作も例外にもれず新海誠作品的なド派手な演出と劇伴方式であるが、さすがに飽き飽きしてきた。アニメ映画はそろそろこの呪縛から解き放たれて欲しい。
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

4.0

161分という長丁場でアクションシーンにはそれほど時間を割いていないにもかかわらず、世界観の面白さで飽きさせない。
敵の造形が完全に『アバ●ー』だったので、そこだけちょっともうひとアレンジできなかった
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.9

メンヘラおばさんと黒人青年の交流。
一見地味な雰囲気ながら不思議と飽きさせないしっかりとした作りで、しかも単純な感動ポルノでもない奇妙な味わい。
海辺の街や映画館の美麗な映像やキャストらの名演技に酔え
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アフター・アース(2013年製作の映画)

3.4

ホウレンソウもろくにできない息子氏を遠隔操作しヤキモキするパパ。つまりは「はじめてのおつかい」。
10年前にしてはVFXはちゃちくない。
ラズベリー賞を受賞しているが、それはおそらく「実親子でなにやっ
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ラストエンペラー(1987年製作の映画)

3.9

坂本龍一の訃報よりも先に小川哲の『地図と拳』を読んだことがきっかけで本作を観ようと思っていた。
溥儀を主軸に戦犯扱いされている現在と紫禁城時代の過去を交互に繰り返す構成が集中力を切らさせない。
坂本龍
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就職戦線異状なし(1991年製作の映画)

3.9

バブル期の極端な売り手市場の就活模様。
企業が内定者に媚びへつらい、豪勢な食事で接待したり、伊豆への拘束旅行(コンパニオン付き)などもはやSF。
そんな状況下でもマスコミだけは狭き門であり、早稲田の学
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イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.1

シンプルで不条理で寓話的。
筒井康隆の中期短編にありそうな展開。
いい意味でのイライラが心地よい。
アレをドアに投げつけたときの「質感」。
主演ふたりはさることながら、やっぱりバリー・コーガンの存在感
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【推しの子】Mother and Children(2023年製作の映画)

4.0

30分かと思って観始めたら約80分もあって驚いた。そういえばこの初回を映画として上映していたんだっけか。
原作を読んでいるのでストーリーや設定の面白さは承知していたけど、作画や歌も良かった。
ちなみに
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ノック 終末の訪問者(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

共通点のない謎の4人組に急襲され、「究極の選択」を迫られる家族の話。
『オールド』に続いて原作あり。
ラスト直前で「あれ?これってひょっとして『ミスト』?」と思ったが、そんなこともなくさらりと終幕。
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さくらももこワールド ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌(1992年製作の映画)

3.3

ネットでの高評価が気になり観てみたものの…。
挿入歌にもストーリーにも何も共感できず、残念ながらハマらなかった。
あのお兄さんはヤバいでしょ(プロポーズのTPOとか自分と彼女の夢を天秤にかける思考とか
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.0

監督が「キャラとキャラのぶつかりあい。変に背景を持たせたくなかった」と言っていたとおり、非常にシンプルな構成。主演2人のゆるいやりとりとド派手なアクション(総合格闘技ファンにはたまらないカーフキックや>>続きを読む

三姉妹(2020年製作の映画)

4.3

終盤までずっとイライラしっぱなしのストレス状態が続く。
しかしこの「イライラ」は悪い意味でのそれではなく、本作が非常に効果的に作用している証左としての「イライラ」である。
個性的な三姉妹役のキャストら
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.7

期待していた「シン」ならではの真新しさもなく、鳥目には厳しい画面の暗さと陰鬱なムード、どこまでが意図したものかわかりかねるチープさなど、 庵野監督や仮面ライダーの熱烈なファンでないとちょっと厳しいかも>>続きを読む

ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

4.0

タイトルとジャケットだけしか知らず、「純愛ものなのかな?」と勝手に思い込みスルーしてしまっていた(よけいなお世話だが機会損失が多そう。あ、でもあらすじを読めばわかるのでそんな勘違いはぼくだけか…)。>>続きを読む

ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

3.9

「ワンピース初期離脱勢」なので、「あれ?なんでゾロ隻眼なの?」という知識レベルだったが、特段支障はなかった。
徹頭徹尾「Ado推し」だが、ウタのキャラ造形も挿入歌も魅力的なので十分楽しめた。
正直、冒
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