ピートロさんの映画レビュー・感想・評価 - 30ページ目

ピートロ

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スネーキーモンキー/蛇拳(1976年製作の映画)

3.9

決闘から始まるOPの背景が風光明媚で素敵。味わい深い師匠が最高。ピキューンピキューンと鳴るサイケデリックな劇伴もすごいけど、特訓シーンの火サスみたいなそれもぶっとんでる。隣の道場の大会チャンピオンが乗>>続きを読む

天使のはらわた 赤い教室(1979年製作の映画)

3.6

日活ロマンポルノ。水原ゆう紀と水島美奈子は顔立ちもプロポーションも現代的で魅力的。現代から見ると濡れ場はソフトに感じる。レイプから色地獄に堕ちた名美を救うため奮闘する村木に、その覚悟を問う彼女の最後の>>続きを読む

バンコクナイツ(2016年製作の映画)

3.8

バンコクやイサーンの「空気」を感じるためには182分という時間がたしかに必要だった。「沈没」の追体験に満足。監督曰く『地獄の黙示録』に多大な影響を受けてるそう。stillichimiya のメンバーも>>続きを読む

ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.5

ニートの頃、昼過ぎにペヤングをほおばりながら、たまたまテレ東で流れていたからなんとなく観る…というシチュエーションで出会いたかった。何も考えずに観られる愛すべきB級作品。

台風クラブ(1985年製作の映画)

3.8

中学生男子と女子が台風で閉じ込められた深夜の校舎で乱痴気騒ぎ。喫煙、ニワトリと卵、ただいま、おかえりなさい、家出、レズ、レイプ、犬神家…。意味不明だが名状しがたいパワーは伝わってくる。

クリーピー 偽りの隣人(2016年製作の映画)

3.4

物語の展開や登場人物、警察の行動がむちゃくちゃで、完全に破綻しており、どうしてもそこで引っかかってしまう。
ホラーなんだから、ダーク・ファンタジー(?)なんだから、そういうリアリティとか整合性とかいう
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ルーム(2015年製作の映画)

3.3

長年、監禁されていた母子が意外と早めに部屋から脱出する。「悪夢から覚めたあとが本当の悪夢」。そんなことははじめからわかってるので、脱出後は正直、牽引力に乏しいし、いつ終わっても構わない。レオはナイス。

孤高の遠吠(2015年製作の映画)

3.4

「実際の不良たちをキャスティングした低予算映画」というキャッチーさに惹かれて観てみたが、素人なので当然、台詞は棒読みだし、にやにやしてるし、アクションもうまくないものの、本物だけあって雰囲気はある。採>>続きを読む

リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

3.9

田舎の山村で半自給自足生活を送る橋本愛。これといった内容はないが、妙に惹きつけられる中毒性がある。これは何かに似ていると思って気がついた。本作は「橋本愛版ザ!鉄腕!DASH!!」だったのだ。田舎にファ>>続きを読む

リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

4.0

岩手の山村でひとり半自給自足の生活を送る美少女。収穫した山の幸や野菜で作る手のこんだ美味しそうな料理、シャレオツな雰囲気は「無印良品」のPVみたいだし、現実の田舎暮らしはそんなに甘いもんじゃねえぞとい>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

4.9

「午前十時の映画祭」にて4Kで鑑賞。昔、擦り切れたVHSで観てた記憶が強いので、あまりの映像美に驚愕。最初はちょっぴりコントラストが強いかなと思ったけどすぐに慣れた。音声は左卜全以外はだいたい聞き取れ>>続きを読む

厳重に監視された列車(1966年製作の映画)

4.0

チェコ・ヌーヴェルヴァーグ代表作のひとつ。駅員になった童貞が早漏に悩み自殺未遂を図る話。前半は鈍重だが中盤からはいい感じ。「すっとぼけた」感じの笑いが多く、時代や国を考慮するとすごいと思う。美しいシー>>続きを読む

あの頃、君を追いかけた(2011年製作の映画)

4.0

ベタな展開と演出と予想通りの展開。だが、それがいい!まっすぐで下ネタ多めの青春群像恋愛劇。それにしても台湾はこの手の作品うまいなあ。ラストの回想シーンはちょっと長すぎ。

サウルの息子(2015年製作の映画)

4.1

死体は視野に入る程度でピントもずらされているものの、今まで観たアウシュビッツ題材の映画で一番つらい。塚本版「野火」と同様、観客も主人公と一緒にもみくちゃにされる体験型の作品。無意味な大量死に囲まれたサ>>続きを読む

イグジット・スルー・ザ・ギフトショップ(2010年製作の映画)

3.9

ビデオ撮影魔のオッサン・ティエリーが、いつしかストリートアーティストらに興味を覚え取材をしていくうちに、ひょんなことから自らもアーティストになってしまうドキュメンタリー。技術も実績もない、あるのはただ>>続きを読む

ヘイル、シーザー!(2016年製作の映画)

3.9

非常にコーエンらしい作品。画面から溢れくる映画愛。知らなくてもよし、知ってたらもっと楽しめるという仕掛けも豊富。ストーリー自体はシンプルでわかりやすい。力の入った脱線、絶妙な割愛、きれいな構成など、ほ>>続きを読む

東京ゴッドファーザーズ(2003年製作の映画)

3.8

登場人物たちはホームレス、おかま、家出娘、やくざ、外国人など、いわゆるアウトサイダーばかりで、こんな商業的に煙たがれそうな企画を実現できたことがすばらしいです。背景の作画のクオリティがすごくて最新作と>>続きを読む

生きる(1952年製作の映画)

4.1

午前十時の映画祭、4K & プレミアムシート。映像はさすがに美麗でノイズなど皆無、音声も聞き取りやすいです(※左卜全を除く)。作家の伊藤雄之助と、退職OLの小田切みきと街に繰り出すシーンは最高ですが、>>続きを読む

清須会議(2013年製作の映画)

3.5

世間一般の評価は厳しいようですが、ぼくは三谷作品の中では一、二番目に好きかも。秀吉役の大泉洋と、勝家役の役所広司がとてもよかった。だらだらと冗長な点と、ださい効果音、つまらないギャグ(織田信雄の旗ゲッ>>続きを読む

ひなぎく(1966年製作の映画)

4.0

女の子二人の奔放な生活を、インスタグラムのようなシャレオツ映像で描く。ものすごく頭の悪いたとえで言うと「パルコのCM」みたいな感じ。数秒後にはどんな場面・展開になっているかわからず非常にスリリング。言>>続きを読む

婚約者たち(1963年製作の映画)

4.0

新文芸坐シネマテークにて。大寺眞輔氏の講義拝聴。他の作品とはかなり雰囲気が異なり「わかりやすいゴダール」という感じ。77分と短く、シャレオツなのでとても観やすいです。初めて上映後の打ち上げに参加しまし>>続きを読む

雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

3.3

監督初の劇場長編作品。「空(雲)」「離ればなれになる男女」「SF(風味)」「ポエムモノローグ」と以降の新海作品でも繰り返し取り上げられるモチーフや特徴が出揃ってる感があります。特に「君の名は。」との類>>続きを読む

定職/就職(1961年製作の映画)

4.2

新文芸坐シネマテークにて。上映後、大寺眞輔氏の講演拝聴。主人公が惚れる女の子役のロレダナ・デットが非常にキュート。だが彼女の映画出演作は本作1本のみらしい。なぜならオルミの奥さんになったから…。無機質>>続きを読む

スポットライト 世紀のスクープ(2015年製作の映画)

3.9

早すぎず遅すぎずテンポが絶妙。転属してきた上司のバックボーンや、ペラペラ吐露するおじいちゃん神父など、普通ならもう一歩つっこんだ説明がありそうなところを割愛しており、それが「実話が元になっている感」を>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

4.2

田畑智子無双。両親の別居をきっかけとした小6少女の成長物語。家の調度品や所持品などから人物の背景が浮かび上がるのはさすが。繰り返されていた水と火のイメージで幻想的に描き上げる終盤のシーンは最高。このタ>>続きを読む

太陽(2016年製作の映画)

3.5

SFは設定のディテールが大切だと思うのですが、そこがチープなのでまずちょっと乗り遅れてしまいました。テーマは面白く、とくにキュリオの「言語化できない思い」にはグッときます。長回しシーンがいくつかあるの>>続きを読む

アイアムアヒーロー(2015年製作の映画)

4.0

いい間隔でしっかりと見せ場が用意され、しかもちゃんとグロいのが偉いです。ゾンビに個性を持たせたのは大成功。それが伏線になっている部分もありますし、何よりダッシュするとか怖すぎでしょw 主演の3人も魅力>>続きを読む

ズートピア(2016年製作の映画)

4.2

かわいい動物たちがたくさん登場して、ちょっとしたミステリ要素もあって、伏線が豊富で、展開が早くて、時間も短めで、メッセージ性もあるとか、もうどんだけ魅力を詰め込めば気が済むんだよこのよくばりさん作品。>>続きを読む

彼女と彼女の猫 -Their standing points-(1999年製作の映画)

3.2

5分弱のモノクロアニメーション。会社勤めをしながら「完全に個人で制作」されたとのこと、その情熱はさすが。厨二病全開の台詞まわしは好みがわかれるところですが、僕は嫌いじゃないです。

ほしのこえ(2002年製作の映画)

3.3

本作については「25分のフルデジタルアニメーションの監督・脚本・演出・作画・美術・編集を新海誠ほぼ一人で行なった」、これに尽きます。これを念頭におかないと「なんだこりゃ?」となります。この頃からすでに>>続きを読む

君の名は。(2016年製作の映画)

4.2

OPがダサかったので「大丈夫か?」と思ったのですが、そんな心配はまったくの杞憂でした。従来の新海作品の魅力を活かしつつも、ジブリ・細田的エンタメ風味の効いた「万人受け」が意識された楽しい作品です。とは>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

4.0

「家族に関する嫌なことあるある」がこれでもかと詰めこまれ、終始イライラそわそわムカムカしっぱなし。主要な役者陣、みな良かったですが、特に主演の三浦友和の無能恫喝団塊感、最高でした。役としては田中麗奈の>>続きを読む

恐怖分子(1986年製作の映画)

3.7

台詞や説明を極力排したミニマル演出の群像サスペンス。展開は音楽もなくもの静か。バチッと決まった映像も多くかっこいい。幻想が混濁したラストも秀逸。ただ惜しむらくはあんまり面白くなかったということですかね>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

3.9

派手さや意外な展開も皆無なのに、横綱相撲のような面白さはさすがスピルバーグ(とコーエン兄弟)。100メートル走のような華はなくても、実は結構なスピードを出している中距離走のような印象。

シンプル・シモン(2010年製作の映画)

3.8

アスペの弟が兄のために恋人を探すお話。北欧らしくポップでシャレオツな演出や色使い、小道具などで満ち溢れており、それだけでも楽しいです。雰囲気は乱暴に例えると『アメリ』っぽい感じ。ちょっとばかりあざとさ>>続きを読む

スクリーンで観る高座・シネマ落語&ドキュメンタリー「映画 立川談志」(2012年製作の映画)

3.5

「薬缶」と「芝浜」をたっぷり鑑賞できます。基本的に本人しか出演せず、「人間の業」「イリュージョン」を連発するインタヴューが間に挿入されています。ドキュメンタリーなので淡々としてて問題ないのですが、ちょ>>続きを読む