暴力の連鎖は暴力を産むという話。ニトラムは作中では明言されないけれど、自閉傾向があるような気もした。彼はずっと傷ついていて、母親は厳しいし、父親は無干渉ではないけれど、母親を止めない。事故の際に着いた>>続きを読む
ストーリーはもちろん良かったのだけれど、絶望を感じさせる演出が見事だった。ユダヤ人を強制連行する。そこで列車に乗る前にトランクを兵隊が預かる。それをどこかに投げる。誰のものか分からなくなる。雑に扱う。>>続きを読む
設定だけ見るとC級なのに、演出の力でBくらいにしたベッソンすごいなあと思った。犬ばかりの現場はさぞかし良かっただろうなと俳優たちが羨ましくなった。スーパードッグたち、おつかれさま。
『ちはやふる』感におどろいたけど、同じ監督なのね。どこまでも美男美女、親へのコンプレックス、影を潜めたスターたちの競演だった。
ギャグがはまらなかったけれどいい話だった。物語の肝としてトランス女性が出てくるのだけれど、彼女は自分の悩みを吐露するだけで、観客をエンパワメントもしないし白人男性の主人公に過剰に寄り添いもしない。監督>>続きを読む
ボロボロないてしまった。こういう「子供の頃からアスリートを目指して」という作品には必ずと言っていいほどチャイルドマレスターが登場して、グルーミングの描写があるのがつらい。ドキュメンタリー風の話ではある>>続きを読む
エリセ作品はおじさんで好きな人が多いよなと思っていたのだけれど、やっぱりそうだった。叔母も母親も、恋人も謎めいた父親への主人公が執着を示す謎ときのピースに過ぎずとても残念。びっくりするほど男が父しか登>>続きを読む
恋人ととの別れの物語だけれど、少し暴力的にでも自分の中で終わりにしていてよかった。
色んな意味でシュールすぎて爆笑だったんだけれと、劇場で笑ってるのがわたしだけで孤独だった。父親がただのなんもしない(できない)役で、母親が全部やらせれて全方位にかわいそうすぎる。ボーがユダヤ教徒という>>続きを読む
思ったよりはるかに面白かった。みんなそれぞれ事情を抱えていて、それを打ち明ける相手が居たりいなかったり。それにしてもなんだかんだ大人って子供に対してトキシックなものを押し付けてるよなと思いながら観た。
ところどころ入る北朝鮮の映像が悲しいくらい自国に似ているのは言うまでもないけれど、牧師はなぜそんなに献身的になるのだろうという疑問がぬぐえず。自分たち観客はどこか蚊帳の外で突き放されているということな>>続きを読む
「命のかかった低血糖の発作」、「血糖値の計測」「インシュリンの注射」
など、一種のフェチズムの要素を全部嫉妬とか色んなものがどろどろと混じった様子で見せていく。綿矢りさって本当に意地悪なんだよなと思う>>続きを読む
物語に共感とかそういうものはできないけれど、なんかだらだらとすごすモラトリアムの行間がいいなと思った。目に見える分かりやすい暴力と、隠された支配と暴力。
いい場面がたくさんあった。音楽と画で見せていくのは監督の得意技では。イーストウッドのお弟子さんだっただけあって絵づくりが似てたな。
素晴らしいショットを沢山見せてくれた。冷蔵庫の掃除としてスープを作ったり、なんとなくルーツや複雑な事情を感じさせるが名言はしない。素晴らしく美しかった。
すばらしかった!原作の瀬尾まいこは映像化に恵まれない印象があるけれど、これはよかった。
多く語られない。2人のバックグラウンドも、自死した人たちの色んなことも。当然だけれど、誰かの全てを一本の映画で知>>続きを読む
最低最悪の自慰のシーンがあるんですけど、こんなに亡くなった元夫を愛さなきゃダメ?主人公はいのちの電話にかけるほど切羽詰まってるのに、すげー呑気。
素晴らしかった。デヴィッド・バーンのステージはユーモアが聞いて面白いし、ベースのティナ・ウェイマスはカッコよくて素敵だった。もう1回観たいな。日本の映画館では踊れないのがすごく残念!
世の中の前提と全く違う感情を夫に抱いてるのに、もうめちゃくちゃな場所で前提どおりのこと言われたらうけるよね、そりゃ。荻上監督は結構社会派の作品撮りたいのではないかと思って観てた。
アクティビストが「you have the power」と裁判所で叫ぶ場面が良かった
思ったよりずっと面白かった。アクティビストへの目線とか、何かを代替することの残酷さとか、それにより見えなくなるものとか。とにかく交わらない赤いランプとか、変にカリスマ化する周りとか、コミカルなあの車も>>続きを読む
思っていたより遥かによかった。ヒロインの「承認欲求」とか書かれていたけれど、まあ周りから容姿をちやほやされたら、そこでしか生きていけないよね。空間で魅せる感じがよかったな。
とてもよかった。簡単に言うとウーマンリプの話なのだけれど、女性の快楽に全振りしたセックスシーンも、はちゃめちゃなダンスも、言葉を獲得していく様子にも励まされた。支配してくる男のことなんて全部無視して、>>続きを読む
2016年とのことなので、ガザの風景は今はもう変わってしまっているだろう。とにかく悲しい。彼らは無事だろうか。
よかったな。絶望と希望の感情の乱降下を観客にも強制的に体験させるような作品だった。『生きてこそ』もすごかったけれど、とにかくこちらは感情を揺さぶる。撮影も良かった。彼らのPTSDがとにかく心配で、生還>>続きを読む
個人的には多くの人に見られてほしい作品。母親を祖父と運ぶ娘の話なのだけれど、間に挟まれるセリフや夢やいろんなものが寓話と現実の間を見せてくれた。セリフがとても少ないのもよかった。2人とも移民という設定>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
アメリカの格差社会をお金持ちの家庭に育ち「正解」を知っている監督が描くことが最高の皮肉のような気がする。ハイスミス『太陽がいっぱい』をモチーフにするのは、フェミニズム的視点からなのか。
「障害者差別はいけません」というのはわかるが、この主人公がそれに嫉妬しているところとかもっとグローズアップして欲しかった。
多分階層の違いを出そうとしてだと思うけれど、ところどころに入るミソジニー的セリフ表現が観ていてつらかった。
このレビューはネタバレを含みます
すばらしかった。PTSDを抱えた父と、それを支える娘の物語なのだけれど、近年自分が考えている「管理されていることが許容できない」とか、ハウジングファーストとかそういうこととも結びついた。病を抱えると失>>続きを読む
「不良」の表現がタトゥーとサングラスというのはそろそろどうにかならないのだろうか…。