パン食べ隊さんの映画レビュー・感想・評価

パン食べ隊

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ハーブ&ドロシー ふたりからの贈りもの(2012年製作の映画)

4.1

大好きなドキュメンタリーの続編。前作でも触れられていた、美術館にコレクションを寄付していくプロジェクトの経過とその後という感じ。老いていくことでハーブは次第に喋らなくなっていき、前作とは様子が違う。亡>>続きを読む

CURED キュアード(2017年製作の映画)

3.7

今もアイルランドと北アイルランド、そして宗教的な分断が続くアイルランドのゾンビホラー。ゾンビを「治療」して、元ゾンビの人の社会復帰を目指すが、脅威とみなされそれはなかなか上手くいかない。感染者は虐待も>>続きを読む

ガール・イン・ザ・ピクチャー:写真はその闇を語る(2022年製作の映画)

4.0

こういう女性がクローズアップされる事件はたいてい性暴力が深く絡んでるけれど、これもそうで、身分を偽り「名前のない」まま、世の中から存在を消すのは苦しかったろうと想像する。

あんのこと(2023年製作の映画)

3.5

毒親被害者の話。なんていうか、立場の弱い人は声も小さく、出すこともできないという話だった。当然だけど、稲垣吾郎歌うまいね。

ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

岩井俊二を思い出させる光の中の映画。(この言い方自体が奥山監督に申し訳ないかもしれないけど)
マッチョなアイスホッケーから、アイスダンスへというフェミ的な話かと思いきや、ただ、3人が好きなことをしてい
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そして、ひと粒のひかり(2004年製作の映画)

3.8

やっぱり好きだなこれ。公開当時見たものがまた配信に来てて嬉しかった。
コロンビアという内戦が続く不安定な国の田舎で花を売って暮らす17際の主人公が麻薬の運び屋になる。けれど妊娠している、というもの。き
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

こういう自分勝手な人は現実では珍しくない。知り合いが死んだ、その前日に話した、とても辛い。という深刻な相談を聞きながらカナは周りの話が気になる。どこか行く?とホストに友達を押し付け、男とデート。そして>>続きを読む

ブラックベリー(2023年製作の映画)

3.9

当時本当に革命的だったブラックベリー。パワハラCEOのおかげでやる気になるし、納期も守るオタクたちがおもしろかった。みんなAppleに転職できたらいいな。

ポライト・ソサエティ(2023年製作の映画)

4.0

よかった。『侍女の物語』を少しアレンジしたような設定で、「自分が報われなかった恨みがわすれられない」という想いとマザコンが魔合体するとこうなってしまうという話。スタントウーマンになりたい妹が、姉の結婚>>続きを読む

ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

4.8

ワイズマンは政治信条を明らかにしていないが、この作品は「その時誰が大統領だったか」をこちらに問いかける作り。市長はこの役所にいろんな人が働いていること(人種、性的嗜好)を誇りに思っているような言葉が端>>続きを読む

君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.8

おもしろかった。童貞喪失というコンプレックスは処女も同じで、そのこと自体がそもそも荒廃した価値観だなという話だった。誰にでも言えない話、を抱えて生きるのはしんどい。そのまま人は死んでいく。

ラストマイル(2024年製作の映画)

4.1

本が素晴らしい。ミステリーになっていて、爆弾犯を見つけるというものだけれど、とにかく現場の「末端の」人間はもうできることはなく食いつぶされて行くという残酷さをよく描いていた。末端の人間は何も語れず死ん>>続きを読む

GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

3.7

最高にかっこいいOP、光学迷彩はそのまあま。(シースルーでなんか分からんネオン模様は今の服のトレンドとも言える)ここまで基本知識が必要な作品も珍しいし、乳首を強調するが、別にフェティッシュじゃないとこ>>続きを読む

エイリアン4 完全版(1997年製作の映画)

3.5

不穏さに満ちてて結構好き。結局人間はロボットに労働力で負ける。現在もAIで負けそう。

エイリアン3(1992年製作の映画)

3.6

こんなフォーマットだけきまってる作品を撮らされるフィンチャーが気の毒になる。なんで2の時の子供を殺したのかマジ許せん。

エイリアン2(1986年製作の映画)

4.1

過去の自分のような女の子を救いに行くことで、己をケアする、PTSD、ベトナム帰還兵への話だった。

ミケランジェロ・プロジェクト(2013年製作の映画)

-

「ナチスの手から美術品を取り戻せ!」という話なんだけど、途中「ヒトラーは人命より美術を大事にする(俺らはそんなことないよ!)」という旨のセリフと描写が満載だが、イスラエルに多大な資金援助をしているアメ>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

2.9

小津が大好きだというヴィム・ヴェンダース監督が日常の話をやろうとしたのだろうけれど、この「日常」は「現実感のない非日常」で、主人公が使っているのも100均のほうきとちりとりとかではないし、家具も木のも>>続きを読む

マミー(2024年製作の映画)

4.0

これって調査報道だからスッキリしなくて当たり前だけど、本当にやるせなく、同調圧力で事実は変わるという見本でもある。そう思うと関東大震災のときの朝鮮人虐殺とかありましたよね、と思ったりする。再審請求がこ>>続きを読む

フォールガイ(2024年製作の映画)

4.4

『フォール・ガイ』、ハリウッドスタント俳優という、今まで映画の中で「名前があるけど“使い捨て”の人たち」の物語だし、個人的には『オール・ニード・イズ・キル』で、セクシーなことをさせられていたエミリー・>>続きを読む

風が吹くとき(1986年製作の映画)

4.1

良かった。tixic positivityに満ちた作品で、主人公の男は「色々分かって入る」のに、どこか楽観的に見える。戦争と言うものが凄惨なので、楽観的にしなければ精神を保てなかったのだろう。こうやっ>>続きを読む

助産師たちの夜が明ける/助産師たち(2023年製作の映画)

4.5

めちゃよかった。日本でも『透明なゆりかご』『コウノトリ』があるけど(『コウノトリ』は未見)、「助産師から患者を見る心温まる話」でも「助産師での成長物語り」でもなく、ただそこには「淡々と」仕事をこなさな>>続きを読む

ノーマル・ハート(2014年製作の映画)

3.8

80年代のエイズパニックの時、ゲイの人は生きるのが大変だった。と言う話が『美と殺戮のすべて』でも出てきたので鑑賞。感染症なのに、「ゲイへの罰」と言う風潮が強かったこととか、対策のための予算がつかず、手>>続きを読む

東京裁判(1983年製作の映画)

3.7

戦争と言うのが、建前上は「正義のために悪を倒す」もので、その帳尻合わせに行われたのが「東京裁判」だったという印象を受けた。崖から飛び降りる女性とか、マンハッタン計画でのキノコ雲の様子、絞首刑のショッキ>>続きを読む

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

3.7

よかった。マッチョなスポーツ、レスリングに憧れ、選手を拘束、支配、依存することをしようとしたけれど、失敗。音、間、空間のぼやけ、いろんなものを使って、とにかく空疎さが描かれていた。

時々、私は考える(2023年製作の映画)

3.9

内向的な主人公が恋により変わっていくという王道のラブロマンスなんだけれど、ポップに死に取り憑かれていたり、ところどころシュールでおもしろかった。変わるのは簡単ではないという表現も良かった。

インサイド・ヘッド2(2024年製作の映画)

4.0

よかった。不安なあまりがんじがらめになる様子とか、大人の社会に迎合することは自己が喪失していくこととかも描かれており、皮肉もあって楽しめた。

クレイジークルーズ(2023年製作の映画)

-

社会問題に何も切り込まない、間違いない駄作。安田顕が塗っていたリップクリームがどこのものだったのか気になったのと、「手ぶらで」案件。 

ハンガー・ゲーム2(2013年製作の映画)

3.4

資本主義へのアンチテーゼ多めの前作から、アナーキストへの道と副題がつきそうな今作。言ったことを二転三転し、約束を守らない大統領はまさに独裁国家の象徴。自国とめちゃかぶるのでしんみりした。

ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

3.5

Dick inside herのギャグを「ディキンズサイダー」と言わせるギャグとか、日本の下ネタに辟易してたけど、ほんとどこでもあるなと。反乱を起こす前にお前らなんとかせいよという映画で楽しめた。

ハンガー・ゲーム(2012年製作の映画)

3.8

こんなバトロワみたいな話だと知らなかった。ところどころハイテクで近未来感があるのに、人はずっと他罰的なんだな。

コロニアの子供たち(2021年製作の映画)

3.4

『オオカミの家』モチーフになった、コロニア・ディグニダで暮らす人々の物語。どこも同じなのだけれど、性犯罪者は必要な情報を与えず性犯罪に及ぶということが分かる作品だった。直接的な描写は無いけれど、子ども>>続きを読む

クレオの夏休み(2023年製作の映画)

3.6

大好きな乳母が国に帰ってしまい、寂しいクレオが会いにいく物語。アニメを交えてクレオのまだやわらかな心情を表現していってよかった。子供がえりとか、乳母にも子供がいて、その子の複雑な心境とか、出稼ぎとか、>>続きを読む

フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン(2024年製作の映画)

4.0

楽しめた!有名な「アポロ11号の月面着立映像は捏造」という陰謀論を「勝った」アメリカが「ソ連はアホ」とフィクション映画にしていく。女性の登用がここまで積極的だった現実を望むけれど、どうだったんだろう。

デスパレート・ラン(2021年製作の映画)

3.4

『コール』『サーチ』のような「ここだけで繋がっている」スリラー。主人公の体力すげーなというトンチンカンな感想を持ったけれど、ほどほどに楽しめた。