ミッキーが持つ信条は結局幼少期の原体験から来る衝動の正当化でしかなく、そこを突いたのがインディアンの老人であった。事実彼の存在によりミッキーは殺人の認識に変化が顕れる。しかし彼自身がその信条と決別する>>続きを読む
発想と時機が噛み合い生まれる爆発力はウォール街を呑み込む狼と化す。
恐慌により大幅に経済がリセットされたからこそ食い込む余地が生まれた20世紀末。違法行為を恐れない都市部郊外の気性。ブルーオーシャン>>続きを読む
どこまでが脚色なのかは分からないが今まで見た裏のお話の中でも三指に入るくらい生々しかった。前口上のない世界、金と暴力が何よりの意思表明になる環境で自分を客観視するにはあまりに狂気が蔓延し尽くしている。>>続きを読む
やっぱ対巨大生物はこういうのであってほしい。
ゴジラはね 人命なんて気にしないし 人と協力なんてしないし やること全部がめちゃくちゃでなきゃいけないの
ラストちょっとご都合主義かぁ〜とか思いかけた>>続きを読む
レオ様の儚げな笑顔が終始美しい。
思春期のピークを急落する家族関係で迎えるフランクjrにとって何よりの優先事項は別々の道へと進んだ家族3人が昔のように再び食卓を囲むこと。そのためならと全米を巻き込む>>続きを読む
映画のはじまりと、はじまりのおわり
豪勢で華やかでそして何より狂っていたハリウッドの姿がこれでもかと接写されており、何もかも曝け出した剥き出しの熱にあてられる3時間だった。
前半のラディカルな展開に>>続きを読む
映画とそれ以外の映像作品の違いってなんだろうかとやんわり考えていたことの答えを1つ教えてもらったような。
今まで「1番好きな作品は?」という質問の答えに窮していたけれど、多分この作品になるだろうなとい>>続きを読む
戦争は劇ではなくただただ現実の結果なんだなと強く認識した。
悲劇を感じる間も与えられず語り合った戦友たちが無作為に淡々と死んでいく様は時間も運命も感じられず、悲痛が追いつく頃には耐え難い過程しか残って>>続きを読む
強おじは場所も武器も選ばない。
前作よりバトルシーンは簡潔でありつつもそのカッコ良さはより洗練されていた。口数の少ないロバートが口調荒立てた説教シーンは心打たれるね。
他の殺し屋や工作員ものと違う点>>続きを読む
完璧主義の殺し屋はやはり男のロマン。
漫画小説映画どんな創作でもやはりめちゃ強のイケおじの色香にはあてられてしまうもの。
デンゼル・ワシントンから醸し出される初老独特の包容力と淡々とした冷徹さのギャ>>続きを読む
カタルシスを求めて彷徨う社会的弱者の姿があまりに生々しく描かれているので、時代も場所も違うけれどこれを見てなにか自分の未熟で醜い部分に触れられたような感覚になる人は多いのではないだろうか。
名誉除隊>>続きを読む
Mr.FOXに続き2作品目のストップモーションアニメ。監督自身の日本への愛がひしひしと感じられる作品。作中に出てくるメガ崎の人々はほぼ日本語のセリフを話しており、ネイティブスピーカーとしてイントネーシ>>続きを読む
時系列順にウェス・アンダーソン作品を追ってきているが、作品を重ねる毎に彼の表現が軸を持ちつつもさらにその幅を拡げていることを今作で確信させられた。
ブダペスト以前の作品は現実を平面的に切り取るような>>続きを読む
1秒間に24コマ撮りとかいう脅威のこだわり。ストップモーションの質が高すぎてCGかパペットなのか時たまわからないほどだった。
ウェス自身が幼少期に読んで虜となったロアルド・ダール著の「すばらしき父さ>>続きを読む
どこか歪で分かり合えない、けれどやっぱり大事な家族。みたいな定番ほっこりムービーではあるものの、その奇想天外な演出と独特のカットとカメラワークで他とは違う世界観を今作も描き出している。
オーウェン・>>続きを読む
作り手の熱意がすごい、しかし眠い。
2年半前にJUNK HEADを見た時もなかなかの衝撃だったが、その精巧さや動作感には劣るものの、この作品は一つのカットを撮るための作業量が半端ではないことは開始数>>続きを読む
心境を素直に伝え合う登場人物達のコミュニケーションがなんとも愉快で愛おしかった。CGは安っぽいのに撮影のセットはとてつもなく金をかけていて、そのこだわりのギャップからくる違和感によって織り成される世界>>続きを読む
今敏はやはり夢想と現実の境目の演出がとてつもなく巧いなと改めて。今作が彼の長編アニメ処女作と聞いた。確かに後の作品と比べると諸処の部分でクオリティの差が見えはするが、それでもやはり傑作のひとつであるこ>>続きを読む
映画の世界は表現によって埋め尽くされているという非現実もしくは超現実的な価値観なのか、それとも当時と今の価値観がただ大きく違うだけなのか。あまり釈然としない脚本や構成という印象を受けた。支離滅裂に感じ>>続きを読む
20世紀最大のセックスシンボルとして世界中から愛されたマリリン・モンロー、その陰に隠された1人の女性の物語。
ここ数年に渡って半世紀前の大スターの"本当の物語"を謳う作品が増えてきた。個人的な話だが>>続きを読む
夜一さんで思春期を迎えた過去を持つ自分にとってキーダはあまりに刺さってしまう
シンプルな構成ではあるが、"みー坊"という「少し世間とズレのある」無垢な主人公を取り巻く環境が優しさに溢れており、彼を否定せずその不思議な人柄に惹かれていく様がなんとも微笑ましかった。
決して自己否定>>続きを読む
伏線だったり感情描写だったりといった要素を一旦排除して観てみるとコメディとして純粋に楽しめる作品だった。ユーモアある台詞回しやテンポの良さなどから良質なコントを見ているように感じた(皮肉ではなく)。>>続きを読む
少年と言うにはものを知りすぎているし、大人と言うには大切なことの多くをまだ知らない、そんなあどけなさの残る主人公と、色気ムンムンお兄さんのひと夏の淡い成長物語。
友達みんな「美しい愛」と形容していた>>続きを読む
個人評価ではあるがこれがジブリ最高傑作だろう。
宮崎駿が常々描いてきた死生観が、ここにきてようやく分かりやすい教科書を渡された。今この感覚を基に過去の作品を見返すとまた違った印象を受けるに違いない。>>続きを読む
無垢な少年の成長の糧としてはあまりに危険な愛とあまりに深すぎる傷。大切なものが1つ、また1つと失われていく中で、残ったものに何を見出せるのか。
ジョジョの価値観もエルサの生活空間も互いが互いを狭い世界>>続きを読む
セピアな色味は当時の統制され狭窄した価値観を表していたのだろうか。最後の夕陽が鮮やかに揺れていたのは、自身の現況の正当性に常に懐疑的であった西郷がようやく檻から抜け出せた瞬間だったのかもしれない。>>続きを読む