Uzurakohさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Uzurakoh

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女神の継承(2021年製作の映画)

3.0

信仰と信じる行為は似て非なるものと、叩きつけられて気付く。人の呪いなのか、神々の怒りなのか迷わずにはいられない。

少年の君(2019年製作の映画)

2.0

大人になれない少年の、単純なクサイセリフで少女を連れ出す(つもりの)ピーターパン話。いや、この高評価でそんな筈はないと信じて見続けた。
純愛や孤独はいつからこんなにシンプルな言葉に置き換わって表現可能
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異端の鳥(2019年製作の映画)

2.8

戦禍には当たり前にあった価値観が、その白と黒が、ひっくり返る。手をひいてくれる死だけが友達で、誰もが帰る場所を失い、ゾロゾロと闇を背負ったまま時を遡り子宮に帰る。

マルティニークからの祈り(2014年製作の映画)

2.5

苦しんでる、苦しんで、苦しんだその先に、まだ苦しみの闇があるなんて。グラグラを感じた時にはもう、出られない場所に行き着いている。

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)

2.7

人間ってのは、こうして何百回も何万回も生き直してやっと、そこまでしてやっと、人生の一瞬について、ほんの少しを学ぶことが出来る。

声もなく(2020年製作の映画)

3.4

ずっと「外者」で「異物」だった彼が、手にしかけたウチとの繋がり。保護してあげて、守ってあげてた(つもりの)「女の子」は、あっさりとその繋がりと彼の夢想を振り解いて帰っていく。素晴らしいエンディングに1>>続きを読む

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

3.1

置き去りにした”母性”は、酸いも甘いも、苦楽も共にし、分け合える人がこれだけいて初めて、取り戻せるもの。
存在するだけの愛を抱きしめ、抱きしめられて初めて、慈しくおもうもの。

泥の河(1981年製作の映画)

3.5

貧しさの定義を必要としない子ども達に、大人達は違いと段差を、気付かぬうちに手渡して。
シャカイの小さな窓を覗いたら、そこから逃げられない、よっぽど苦しげな大人達に絶望する。

星の子(2020年製作の映画)

3.2

巨大な違和感を入り口に迷い込んだら、あとはスルスルと普通を乗りこなす。人に優しく、思いやりをもって、迷惑かけずに生きていく選択をしましょう。

唱えて、祈ればこそ、
皆んなの顔がのっぺりと、真っ白に色
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キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

2.7

オリンピック精神で、政治的衝突や争いはスポーツでは拭いさる理想を描いた光の物語。

いつ罪を赦し、誰に施すのか。悲しみを背負わされた人達が選べる権利も、与えられていて欲しい。

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

2.9

広大な土地の、ココですれ違った、意外の接点なく。残虐さより、よっぽど執拗さに恐怖感を覚える。

我らの罪を赦したまえ(2022年製作の映画)

1.6

長め予告編。製作会社へのプロモーション映像。テーマはよさげ、とだけ。

こちらあみ子(2022年製作の映画)

3.1

どこにも属せない。居場所は常にない。優しそうな誰からも説明はしてもらえない。分からないまま、寂しさを語る術はない。「大丈夫」の意味は知らない。

何者かになるには、波紋のように頼りない。

これからの人生(2020年製作の映画)

3.0

ソフィア・ローレンの生身っぷりが、聖人やマリアたらしめられなくて、好き。
人が他人に頼る時、安心を得る時の解答はありませんので。それで、生きていく力を得られるならば、好いといえる共同体でありたい。

ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0

歴史はいつだって映画を越えて行くのだけれど。大人の言う白と黒でしか見えなかった景色が、彩りを要していく様が、解放感。

グッバイ、リチャード!(2018年製作の映画)

2.3

死への足先の向け方は人それぞれですが。破天荒なジョニデが、型通りの破天荒を見せて下さって、どうも。

ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

3.3

やり直せる過去と戻れない過去。同じようで同じでない母娘達。愛と簡単に呼べてしまうものの基底。
身を投じてしまうと過去に堕ちていきそうなそれを、バケーション(非現実)から、顧みよう。現実へ戻り生き直す帰
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オーディブル: 鼓動を響かせて(2021年製作の映画)

3.1

聴こえない音の豊かな音の体験。感じようとすればする程、意図していなかった誰かの痛みにまで、手が届いてしまいそう。
立ち現れた彼等独特の叫びだってそのまま、間に受けたいのに。

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

2.8

誰でもない、ことないじゃないですか。一見冴えないおじ様が…のやつ。最初の喧嘩でちゃんとヤられてる感じが、愛おしかったのに、FBI時代からのブランクだったかぁ…
最後まで冴えないし、成長も、感覚を取り戻
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おしえて!ドクター・ルース(2019年製作の映画)

3.2

消費され、解消の対象の側面ばかり強調されてきたセクシャルなものの、関係性を取り戻す活動。それはフェミニズムとも共通するかもしれないし、政治的な意味合いを灯すこともあるかもしれない。
でも、きっと、Dr
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.2

失ったことに気づかない記憶と失ったことを思い出す記憶、忘れたいのに離さない記憶と忘れたいまま薄らいでいく記憶。記憶のレイヤーとその線上を揺蕩う私たち。
創り出す作業さえ、私たちは忘れて惰性で生きている
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.0

私たちは過剰に普通だ。体裁とか、役割とか、年追うごとに着重ねたそれらを、剥ぎ取る0.05%程度の異常さを。押し付けた慮りだとか、思いやりだとか、朝方のトイレに流す時を。必要としてるのかもね。

I Am Easy To Find(原題)(2019年製作の映画)

2.9

人として産まれてしまった哀しみと、愛おしさが、演劇を臨むように。ゆりかごから墓場までを1人で演じる違和感が、過剰な加工がないから受け入れられる。
ジャカジャカした音楽が、気に食わないのだけれど。

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

2.2

常識、善悪のどちらも知らないが、愛は知っていたと曰うなら、神のそばに使える天使の外見からも逸脱してみせる気概をみせてくれ。デフォルトな美男子使ってもらたって、始終この世の美醜の常識に囲われたまんま、都>>続きを読む

彼女来来(2021年製作の映画)

2.8

「あなた」こそ愛していたはずなのに、簡単にソコは代替可能です。「わたし」も同様です。「あなた」と「わたし」が成り立つ点は、記憶と記憶の重なり、すれ違った瞬間の2人の間に起こる風の渦、程度の儚さの上に立>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

2.2

主観×主観×主観で導かれる真実は「カミ ノミゾ シル!」のずっこけエンディング。結局、カミ(観るもの)の主観でお好みの真実が選ばれる事態が、もはや手垢付きの主観ですから。新しい意識の転覆を期待したんだ>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

2.5

異口同音に「こちらブラック・コメディです。」と紹介出来るほど、現実社会を、自分を信用してない。現実、今を、ブラックと認識も出来てないし、かといってコメディだと笑える程に、客観視も変革も出来てない。

ノスタルジア(1983年製作の映画)

3.4

故郷を想う時、
記憶上の空間をとりまくモヤは、喉をチクチクと燻す煙にもなり、鼻腔を通って脳を潤す霧にもなる。

ジョーンの秘密(2018年製作の映画)

2.4

歴史上の何かを背負った人だったことは間違いない。のだけれど、映画にしてしまうと物語にする以上、肉付けされちゃって情動的で「これだから女は…」と片づけられちゃいそうで、少し心苦しい。
本当のところは誰も
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

2.4

何を持って復讐が達成されたと呼びましょう。当たり前の幸せを駆逐して、完膚なきまでに、木っ端微塵に叩きのめすのを見届けて欲しいよキャリーさん。

オールド(2021年製作の映画)

2.8

奇跡的に(自称)専門家が集まって状況分析してみても…時間には逆らえない。
それより、シャマラン氏。シックスセンスの亡霊が除霊されたみたいで良かったね。素直に観られる映画になって良かったね。

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

3.0

事の始まり。主人公の厨二感も、戸惑いや不安感も観客にちゃんと分け与えられて、物語に無事乗り込めた。Part2が楽しみ。
個人的嗜好としては、ヨハン・ヨハンソンの音楽でのDUNEも観たい気がしたが…それ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

2.5

グゥッチィィと連呼するガガパイセン。御曹司の割に堪らなく脆そうなフレームメガネのアダム・ドライバー坊ちゃん。ゴッドファーザーアルパチーノ老翁。
冒頭からのフィナーレ感。疲れちゃって最後、正直、頭回らな
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

1人で製作された云々は差し引いても、余りある興奮。人類が住処を失いガサガサ異次元へ入り居る不確かさが、ストップモーションのノイズとたかめあって、SFと化ける。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

3.1

雑誌のページを繰るあの興奮と、舞台を観賞するあの没入と、窓から事件を見下ろすあの冷徹さを、全部丸めて映画にしてみよう。私たちは四角いフレームからの景色を臨み、異邦者と自ずからを名乗り、人生を騙る。

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.2

主人公2人の経験は、2人の間では詳らかにはならない。露骨な脅威に面しても共感を露わにしたりしない。のに、どこまでも、いつまで続くか分からないこの日々の中で、ずっとずっと影みたいに、そこに居てくれる。>>続きを読む