カナダの不仲な息子宅へ身を寄せるため、誇りにしてきたベンツの売却を決めるが。
80年代から活躍し、エリック・クー長編第1作ミーポック・マン↓にも出演するLim Kay Tong/林祺堂を主演に迎え、>>続きを読む
血の繋がらない父娘の出逢いと蜜月、そして。
女性監督だろうと今ならNGな瑞々しいカットの続くメーサーロシュ私小説作。
アンナ・カリーナが父娘を揺さぶる恋人アンナ役で登場、異質な存在感が妙に利く。>>続きを読む
養鶏場生まれの雌鶏が、檻から逃れて始まる大冒険。
鶏なりのロマンス多角関係から、EU移民問題まで予想外の要素を次々巻き込む展開は意外性あり面白い。一方で、実写による動物目線の映画は作りにくく受けにく>>続きを読む
1936年のパレスチナでユダヤ人の大量入植を受け、互いに宥和的であった人々の心情から民族的アイデンティティが芽生えだす。
TIFFグランプリも納得の、緻密にして明解な秀逸構成。秀作“No Other>>続きを読む
野生の馬と少年の運命的な出逢いと道行き。
登場するのは仏南部のカマルグ馬で、成長に従い毛が白くなる小柄な野生種、力強い。時代的に動物愛護の観念は劇薄ながら、馬好きにも見処の多いアルベール・ラモリス監>>続きを読む
修学旅行前日にみた夢。ひそかに想いを寄せる同級生との距離。彼女の怪我、揺れる心。
対照的な高校生を瑞々しく好演するパク・ヘスとキム・シウンに見入る。
2014年セウォル号沈没事故という韓国の国民的>>続きを読む
🎈と少年の出逢う一瞬の煌めき。
見つめあう。自由になる。日常に息づく心の冒険、闇の象徴、大衆と覚醒。CGやAIと無縁ゆえにこそ神懸かる鮮烈描写が刻まれる。
48歳で夭折したアルベール・ラモリス、な>>続きを読む
インドの寝台列車を強盗団が襲う。🚞
恋人を奪われた特殊部隊員が、反撃の中で覚醒に覚醒を重ねゆく。内蔵を裂き頭カチ割り正義も悪も彼岸へ遠のく、列車内完結の肉弾バトル傑作。
アクション絞りのスノーピア>>続きを読む
インドで孤児支援に没頭するヤコブ(マッツ・ミケルセン)を、寄付交渉のため訪れた母国デンマークで待ち受ける過去との対面。
主人公の性別を入れ換えたリメイク版『秘密への招待状』(2019↓)に比べ、イン>>続きを読む
織物工場の女工が、大学生と恋に落ちるも学生のフリを貫く。
同世代の学生らや円満な中流家庭に引け目を感じる主人公の目線を通した、社会主義国となっても変わらない階級格差。
能天気に歌って意気投合する父>>続きを読む
肉屋の奇行をマッツ・ミケルセンが怪演する。
マッツ版レクター博士の原形ここに。
冷凍庫へ電気屋を置き去り始まる狂気の軌跡。スリラー/コメディのあわいに不思議な温もり添えるアナス・トマス・イェンセン&>>続きを読む
障碍をもつ少年がいじめに遭うのをみた元極道男が、あしながおじさんとなり奮闘する藤井道人監督作。
舘ひろしが高倉健そっくりで驚くも、八甲田山~鉄道員の木村大作撮影で納得。ピエール瀧や市村正親、MEGU>>続きを読む
名士の夫に先立たれ相続を拒み新たな人生を望む主人公が、世間体重視の息子に軟禁される。
息子の婚約者が、口では唾棄しながら主人公へ感応しゆく描写も鋭いメーサーロシュ・マールタ長編第2作。
DV必至な>>続きを読む
🎈と少年の出逢う一瞬の煌めき。
見つめあう。自由になる。日常に息づく心の冒険、闇の象徴、大衆と覚醒。CGやAIと無縁ゆえにこそ神懸かる鮮烈描写が刻まれる。
48歳で夭折したアルベール・ラモリス、な>>続きを読む
米軍派兵先の環境を再現した架空都市で、住民を演じる移民歴ある役者と訓練する新兵、訪れるハリウッド俳優ら。
各々の真剣さが総体として醸す滑稽ぶりと、Warfareなど映画撮影もされるその実在こそ批評的>>続きを読む
写真を学ぶ美大生りりかと、同居人エナや友人らに流れる時間の密度を描く青石太郎監督作。
笑わせや泣かせを狙いはせず、霊感に度々言及するもホラー演出が来たりはしない。日本の美大生版ホン・サンス映画のよう>>続きを読む
組織に追われる4人組が、色々あって隠れ家でレストランを開くことに。
マッツ・ミケルセン+アナス・トマス・イェンセン監督の座組(Adams Apple~Riders of Justice)ここに始まる>>続きを読む
1965年、男性ゆえ売春摘発を免れる街娼達に手を焼く警察は、性転換手術を行う医師の逮捕に乗り出す。
実話ベース渾身作。性不同一に悩む人々から30年に渡り同手術を遠ざけた判決の根拠が、優生保護法という>>続きを読む
1930年代、ガラパゴスの無人島へ移り住んだ3組の理想崩壊への軌跡描く実話元ロン・ハワード監督作。
真顔でズレてくジュード・ロウ最高。
動物が色々大活躍するのも面白い。🫏🐖🐂
火山を擁する広大な島>>続きを読む
児童養護施設の日々に嫌気がさし、実母を訪れるも姪と偽られて始まる女の変転暮らし。
男を渡り歩いて遂げる数奇な出逢いの逐一が突き抜けており見飽きない。が、特に深まりもしないのは第1作ゆえか。紡績工場+>>続きを読む
母を亡くしたニェン/韓寧と、恋人のタイ人女性ザイの暮らしへ、旧態満載の祖母が転がり込む。
さり気ない同性愛描写の瑞々しさ、遠い娘への想い。釣り堀管理人+古式マッサージの主人公設定が利く。
原題“樹>>続きを読む
夢中になると、他が一切見えなくなる少年ジュゼッペの恋。⛸️
いしいしんじ同題小説の、高橋渉監督(クレヨンしんちゃん)+三浦直之脚本(劇団ロロ)映画化作。
北東欧風の四季描写に、荒川眞嗣のキャラデザ>>続きを読む
セクシャルマイノリティの立場から、子供達へ語りかけ続ける田中一歩の、大人へ向けた語りの時間。
崟利子監督作。ippo.としてのモノづくり、小田香撮影と知った上でみる面白さ、ふちがみとふなとのフワリと>>続きを読む
イザベル・ユペール扮するフラ語家庭教師が、生マッコリを巡りアツく語ったり、生徒が始めた演奏をスルーしたり。
その天然不思議ちゃん行動が、名優オーラにより不自然さを超え怪異化し、ホン・サンス常連俳優ら>>続きを読む
タイ料理場面の旨さ度MAX、食を通じ男へ復讐するペンエーグ・ラッタナルアーン監督作たのしい。
浅野忠信&撮影クリストファー・ドイルら常連化や、ハンガー脚本家参加嬉しす。タイ食文化の鍵である温寒分類の>>続きを読む
ベトナム戦争下クチのトンネル戦闘を描く大傑作。
虫との共生、そこにある物で闘うゲリラ戦術、全長250kmの重層構造、ベトコン内部の権力勾配など描写の解像度が逐一極上。
さらにブイ・タック・チュエン>>続きを読む
マザー・テレサをノオミ・ラパスが烈演する。
“神の愛の宣教者会”の教皇庁認可を受け、コルカタでの活動を軌道に乗せるまでの葛藤と超克の歩み。
指先まで張り詰めた仕草、信仰と懐疑と狂気の縁でギリギリ己>>続きを読む
若年ワーキングプアー描く、韓流宅配青年残酷物語。
Amazon式に収奪される時間感覚、剥ぎ取られる生活実感。不意に抱かれる夢さえ直ちに社会へ絡め取られ、搾取の新たな糧となる。“あしたの少女”の怒りに>>続きを読む
ナチスへ抗った稀代の神学者がたどる凄絶。
米国から全てを覚悟し帰国、不殺の十戒を侵しても総統暗殺を決断する道行きに慄える。
キリスト教者の視点を通しナチスを描く本気度で『名もなき生涯』以来の傑作。>>続きを読む
妊娠は病じゃないよ、病院から取り戻そう🤰
海中出産を想う沖縄の妊婦が、ハワイ/タヒチ/クック諸島/NZと太平洋を回遊する🐬
胞衣さえ法的に処分される現状を疑い、各地での助産師/産婆の格闘を史的に遡>>続きを読む
1995年の大邱/テグで、いじめられっ子がある友達に救われ惹かれるも、引っ越しで離ればなれになる。
からの並行世界描写へ、家父長制の濃い大邱の保守性を隠し味として同地出身の監督も重なる構図が面白い。>>続きを読む
1975年に女性初のエベレスト登頂を記録した田部井淳子をモデルとする、阪本順治監督新作。
吉永小百合+佐藤浩市のガンと闘う夫婦演技を、天海祐希/和田光沙/木村文乃らが支える。
のん/若葉竜也/円井>>続きを読む
豪華客船に乗り合わせた歌姫/実業家/犯罪者/情婦らのくり広げるドタバタ描くミュージカル名作。
戦間期P.G.ウッドハウスらの初稿での、難破→無人島漂着→人身売買の構想が、公開前の客船事故で今のネアカ>>続きを読む
―何が非戦闘地域だよ。どこも戦場だろ!
南スーダンへPKO派遣された自衛隊員(山本一賢)が銃撃戦で少年兵を射殺するが、政府により隠蔽される。
伊武雅刀やダンカンら脇役陣や、自衛隊日報問題+パト2的>>続きを読む
稀代のアジア映画紹介者にして、日本映画大学初代学長の評論家と、その妻/佐藤久子の遥かな旅路。
アジアフォーカス福岡国際映画祭の伝説的な影響力の広がりにも見入る。ハリウッド映画とかとは全く違う、他で観>>続きを読む
結婚を前に戸惑う姉、大学生活を謳歌する奔放な妹。
ありふれた日常へ寄せるさざ波の逐一が、在日韓国/朝鮮人家庭に固有の色彩を描きだす。
妹役/山﨑悠稀、屈託を呑み込み明るく振る舞う演技が鮮烈。初見で>>続きを読む