盆栽さんの映画レビュー・感想・評価 - 22ページ目

劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.7

呪いのルーツを探る"愛"の物語


原作未読の完全初見で気持ちよくノックアウトされ、五条先生の瞳に心奪われ、憂太とシンジくんのシンクロに心を犯された105分間でした。

中だるみせず、テンポよく物語が
>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.6

まさに「偶然」と「想像」


『ドライブ・マイ・カー』で次々と映画賞で受賞、ノミネートを果たしている濱口竜介監督の短編集。全3話構成の本作は、監督の巧みな脚本が物語の質と面白さを向上させる"魔法"のよ
>>続きを読む

マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

3.6

「原点回帰」「復活」「再会」のデジャブ


あの『マトリックス』が帰ってきた!ということで実に18年振りの新作。これがまた続編という位置づけでいいのか怪しいほどノスタルジックを感じる同窓会作品。既視感
>>続きを読む

MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.2

美しいロケーションと子供の恐ろしい"暴力"


今年、最も観ていて胸が苦しくなる映画体験。それなのに全編に美しさが映り込む。「猿」と呼ばれし子供たちの不条理さと常識、若さのメタファー。戦争映画では『地
>>続きを読む

アニマトリックス(2003年製作の映画)

3.3

"マトリックス"を知りたいならば、(本作に)飛び込め!


全9話のオムニバス形式アニメーション作品。『マトリックス』と『マトリックス リローデッド』を繋ぐ作品でもあり、『マトリックス』を語るには必須
>>続きを読む

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.7

瞳=鏡
Look closer!!!!


過去にも「酔う」映画を撮ったエドガー・ライト監督の新作は魅惑的すぎて「酔う」ホラー。都会の恐怖、男性のまなざし、過去への執着心を"見る" "観る" そして
>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

4.3

恐ろしく、儚い


西部劇からスリラー、そして有害な男の姿まで。現代映画としても魅力ある作品でした。

壮大で美しい自然に圧倒されるものの、どこか漂う不吉な空気。「静」が包み込むダークな世界観と役者陣
>>続きを読む

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

3.3

もうヴェノムをヴィランと捉えることは出来ない


米国公開から約2ヶ月。海外ニキ・ネキからの盛大なネタバレを喰らった上での鑑賞でしたので少々凹みながら劇場へ。

結論から言うと、本作は本編97分という
>>続きを読む

his(2020年製作の映画)

3.6

コミュニティでの生きづらさ


同性愛を主軸とし、親と子の関係、人と人との繋がりを社会からの偏見をも交えながら描いた野心作。

「普通」に生きたい。だけど「普通」に生きるには代償がいる。「普通」を「異
>>続きを読む

ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

3.4

"嘘"が意味するものとは


同名ブロードウェイ・ミュージカルを映画化。エヴァン役にはミュージカルでも同役を演じたベン・プラット。かなりガチです。
監督には『ウォールフラワー』『ワンダー』のS・チョボ
>>続きを読む

ロビン・フッド(1973年製作の映画)

3.6

目覚めよ、狐


ディズニー初のヒーロー映画と言っても過言ではない本作。ミュージカル要素を抑え、ストーリー構成がしっかりと組み立てられている本作は非常に観やすいヒーロー映画です。

ダンスシーンでは既
>>続きを読む

グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

4.5

新たな「クリスマス映画」の誕生!?


『ミッドサマー』『ライトハウス』のA24が今年仕掛けたのは真っ当なファンタジー。原作はJ・R・R・トールキンの『サー・ガウェインと緑の騎士』。はい、あのトールキ
>>続きを読む

永遠の門 ゴッホの見た未来(2018年製作の映画)

3.8

ウィレム・デフォー=フィンセント・ファン・ゴッホ


全くといっていいほど感情が読み取れない。これが天才ってやつか…

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!(2021年製作の映画)

4.4

ようこそ、天才の世界へ


『レント』で有名なジョナサン・ラーソンの半生を描いた伝記ミュージカル。

まだデビューしていないのに残り数日で30歳になってしまう彼の焦り、不安、葛藤に塗れた人生を掘り下げ
>>続きを読む

ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

3.9

人生を生きろ


HIVに感染しながらも、HIVと戦い続けながら生きる目的を見つけた男の物語。

マシュー・マコノヒーのカリスマ性。ジャレッド・レトの美しさ。役者陣のパワーが何よりも凄まじい本作は、自
>>続きを読む

ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!(2013年製作の映画)

3.5

アルコール度数90%の映像体験


『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』に続くスリー・フレーバー・コルネット3部作の最終作。
酒!酒!酒!なイメージのある本作は酒以上に大切な人間の貪欲さを
>>続きを読む

ウォールフラワー(2012年製作の映画)

3.4

内なる心の「美醜」についての映画


孤独な高校生が"はみ出し者2人"と出会って数々の変化に適応していく姿が描かれる。

よくある心温まる青春物語かと思えば、蓋を開けてみると浮き彫りになってくるのは、
>>続きを読む

(1954年製作の映画)

4.4

フェデリコ・フェリーニ監督の代表作の一つである本作。
道化師ザンパノと純粋無垢な女性ジェルソミーナの旅は「夫と妻」の関係ではなく「男と女」。フェリーニの人生も反映されている作品であり、ジェルソミーナを
>>続きを読む

トゥルーノース(2020年製作の映画)

4.1

紛れもない真実


北朝鮮強制収容所の姿を辛くなるほど観せられる90分間の地獄。しかし地獄だけではなく、希望の光、後者に対し「生きる目的」を強く強く伝える衝撃作。

強制収容所での残酷な実態をアニメー
>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.7

MCUの新境地


『ノマドランド』のクロエ・ジャオ監督 × MARVELのドンことケヴィン・ファイギ。このコラボ、狂うに決まってる。
フェーズ4のメイン作品の1作でもある本作は、MCU史上最も野心的
>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.8

青春の終末


 圧倒的にスタイリッシュ、若者の五感を擽った前作『トレインスポッティング』が20年振りに帰ってきた。
20年前はギラギラしてた彼らも今ではもう大人。残酷な現実に直面し、行く末を思う暇も
>>続きを読む

ミスター・ガラス(2019年製作の映画)

3.1

3人のスーパー・ヒーロー
2つの作品
結び付く1つの物語


 シャマラン監督が独自で創り上げたM・ナイト・シャマラン・シネマティック・ユニバース(略せばMCU)。
 この世に「悪(ヴィラン)」はいて
>>続きを読む

アンブレイカブル(2000年製作の映画)

3.8

現代ヒーローのオリジン


 「どんでん返し」「衝撃の結末」が売りではあるものの、映像表現としても天才っぷりを放つM・ナイト・シャマラン監督のヒーロー映画。これがまたヒーロー誕生譚として優れた1本でし
>>続きを読む

エスター(2009年製作の映画)

3.4

うちの子(養子)変なんですけどホラー
まさに現代版『マイキー』『オーメン』


 周囲から孤立した舞台、そして季節は冬。惨劇に見舞われる家族。しかし襲ってくるのは狂ったジャックではなく、幼い少女?!
>>続きを読む

(500)日のサマー(2009年製作の映画)

3.6

異質でセンシティブな恋愛映画

おっと、失礼。恋愛映画ではありませんね。


マーク・ウェブ監督による「愛」への右ストレートな演出に加え、ジョセフ・ゴードン=レヴィットのいかにも童貞チックな演技が目の
>>続きを読む

ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.4

銃口を向ける先にあるのは善か悪か


 ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が仕掛ける「麻薬戦争」を描いた極上サスペンス・スリラー。神に召される時、ベニチオ・デル・トロが現れる。

 本作ではタイトルの『ボーダー
>>続きを読む

雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2015年製作の映画)

3.4

破壊と再生


 妻を亡くし、"破壊"の道へと進んでしまった男の"本当の自分"を探す脳内ロード・ムービー。
手紙を通して、映像として描く愛の物語。

 後半になるにつれ、少しづつ惹かれていく映画です。
>>続きを読む

ドライヴ(2011年製作の映画)

4.7

スタイリッシュなアンチヒーロー


 夜のロスを俊敏かつお洒落に駆け抜ける名もなきドライバー。この異常なまでにクールなアウトローを演じたライアン・ゴズリングに心を奪われるのは必然。
 オープニングから
>>続きを読む

ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

2.5

ロメロ先生による映画講座 生物学編


 相変わらず事の発端を描かず、急展開から始まるロメロ作品。本作で狂うのはゾンビではなく人間。はい、今回も人間です。人間のエゴを憂鬱なほど魅せられる104分。鑑
>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.3

雨降るニューヨークに響き渡るジャズ
甘酸っぱい恋と哀愁
雨が印象的な『ブレードランナー』『セブン』に続く「雨三部作」の一作です(個人の意見)


 評価するのが東大入試レベルのウディ・アレン最新作。今
>>続きを読む

CUBE(1997年製作の映画)

3.0

ツッコミどころ満載だけど、発想が神がかってるから気にしない!映画


 正真正銘『CUBE』の原点。ソリッド・シチュエーション・スリラーの始まりといっても過言ではない本作。そのもはや美徳ともいえる発想
>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.6

時代がDUNEに追い付いた


 映像化すれば失敗する!で有名なフランク・ハーバートの伝説的SF小説『DUNE』を遂にドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が映画化。
 『メッセージ』『ブレードランナー 2049』
>>続きを読む

ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.5

この世界には2つの『DUNE』がある。
フランク・ハーバートが創造した『DUNE』と、アレハンドロ・ホドロフスキーが創造した『DUNE』だ。


 鬼才にして変人、アレハンドロ・ホドロフスキーが壮大な
>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

2.4

デヴィッド・リンチは悪くない。
制作会社も悪くない。
映画化するには時代が早すぎたのだ。


もはやSFの聖書ともいえるフランク・ハーバートの『デューン 砂の惑星』を初映像化した本作。原作を読んだこと
>>続きを読む