盆栽さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

荒野の千鳥足(1971年製作の映画)

3.7

最悪な休暇へご招待


あのマーティン・スコセッシ監督でさえ「不快な映画だ」と絶賛した奇妙なホリデームービー。休暇のためシドニーに向かう途中でブンダンヤバ、通称ヤバという町で一泊することになった主人公
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マウス・オブ・マッドネス(1994年製作の映画)

3.8

本が現実を作るのか、現実が本を作るのか


ジョン・カーペンター監督による不条理ホラー。ここまで不条理なカーペンターは初めてなのでかなりテンション上がりました。いきなり冒頭から爆音のロックが流れ、ホラ
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もう終わりにしよう。(2020年製作の映画)

4.2

考えずに観ることが唯一の術


謎すぎて怖さを感じる作品があったとは。終始、頭を抱えながら画面を見つめていました。そしてとある瞬間から頭痛は消え、感情さえ「無」に。もう終わりにしてくれ。

何が現実で
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伯爵(2023年製作の映画)

4.0

吸血鬼の血が1番美味い


多く語る必要はないパブロ・ラライン監督最新作。本年度アカデミー賞の撮影賞にノミネートされている本作は、その通り映像の撮り方が過去一美しい。特に伯爵ら吸血鬼が空中飛行するシー
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ライフ(2017年製作の映画)

3.2

人類よ、その船降りろ


宇宙船を舞台としたSFシチュエーションホラー。未知なる生命体が宇宙船員をとにかく襲いまくる本作はエイリアンの恐ろしさと人類の無能さが際立つ典型的な作品。『エイリアン』の壁はな
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

3.7

これが私。これがスペンサー。


暖房がないサンドリンガム・ハウスのように作風も冷え切っている。なんて冷たい作品なのだろう。ただ、唯一の温もりを感じるのはダイアナと息子たちとの会話。家族間の愛の優しさ
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何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

4.0

R指定版『サンセット大通り』


あまりにも恐ろしいサイコ・サスペンス。子役時代に絶大な人気を博していたジェーン。しかし今では大根役者とまで呼ばれるようになり芸能界の奈落の底へ。一方、姉のブランチは実
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エマ、愛の罠(2019年製作の映画)

3.6

静かなる狂気


パブロ・ラライン監督は何気ないちょっとしたシーンでさえも「美」に変える技を持っているようです。冒頭、燃える信号機。なによりも「火」が物語を美化する存在。この作家性、どこかジュリア・デ
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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命(2016年製作の映画)

3.4

ケネディ暗殺後、彼女は何を望んだのか


ジョン・F・ケネディ大統領暗殺から葬儀、埋葬までの4日間を彼の妻ジャクリーン・ケネディ視点で描く。

ジャクリーンの誠意と決意に感銘を受ける本作は、ナタリー・
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失われた週末(1945年製作の映画)

3.5

アル中って大変すね


売れない小説家がアルコール依存症にただただ苦しめられる作品。お酒を飲んでる時の幸せそうな表情と飲めない時の辛そうな表情の対比がどこか切なく、笑えてしまう。自分自身アルコールに弱
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アビス(1989年製作の映画)

3.7

神秘キャメロンの原点へ


『ターミネーター』『エイリアン2』で世界を魅了させた後にキャメロンが世に放ったのは海底神秘もの。間違いなく『ターミネーター2』『タイタニック』『アバター』『アバター:WoW
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ベルベット・バズソー: 血塗られたギャラリー​(2019年製作の映画)

2.2

芸術性に全振りさせたホラー


呪われた絵画に人々が次々と襲われるホラー。お金絡みの欲望を求めたりするとそりゃ不幸な目に遭いますわな。

純粋にそこまで面白くなかったので語ることはありません。ジェイク
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クリープ(2014年製作の映画)

3.5

怖くても常にカメラを回そう


POV型のホラー映画。1人の男性がとある仕事を引き受けることに。その仕事とは余命宣告を受けた男性の日常生活を生まれてくる息子に見せるために映像として残してほしいというも
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肉の蝋人形(1953年製作の映画)

3.4

なんでも固めればいいってもんじゃねぇぞ!


ただの蝋人形ではない、生身の人間を蝋人形にする蝋人形ホラー。この手のホラーにはヴィンセント・プライスが必要ですね。今回も彼の渋い声が耳の癒しになります。
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黄龍の村(2021年製作の映画)

3.2

ホラーかと思いきやジャンルが次々と変化していくマルチジャンル映画!

白鳥(2023年製作の映画)

3.5

かなり残酷な物語なのにウェスの力で芸術のオブラートに包まれてる。

相変わらず速読の台詞により情報量盛りだくさん。17分なのに頭痛くなります(褒)。

黒い罠(1958年製作の映画)

3.9

避けられない正義


オーソン・ウェルズによるフィルム・ノワール作品。本作を象徴する見事な3分ある長回しオープニングを評価するのは当たり前のこと。なにより本作は他のノワール作品の中でも圧倒的「悲劇」が
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ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ(2021年製作の映画)

2.8

"何が"見える?


ヒッチコック作品の『裏窓』を彷彿とさせるベースから1940、50年代のサスペンス映画を現代風にアップデートさせたかのような本作。観ていてどこか懐かしい感覚になりました。

ですが
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22ジャンプストリート(2014年製作の映画)

3.7

やっぱり持つべきは信頼できる相棒よ!


高校に潜入捜査した前作。今回はまさかの大学に。ストーリー構成は前作とほぼ似たようなもので、変わらず最後まで楽しめる一本。2作目ともなるとジェンコとシュミットに
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エミリー・ローズ(2005年製作の映画)

3.4

悪魔祓い×法廷


実話をベースとしたエクソシストもの。非常に重く、暗いストーリーに加え、エミリー・ローズを演じたジェニファー・カーペンターの悪魔憑依演技は圧巻。本当に取り憑かれたのでは?と思ってしま
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俺たちフィギュアスケーター(2007年製作の映画)

3.6

夢つかもうぜ!


いつまでウィル・フェレル熱が続くのでしょうか。今回もやはり面白い。しかも中年太りがフィギュアスケートしてる時点で笑える。くだらないギャグが弱い人には確実に刺さる作品です。

明らか
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生きてこそ(1993年製作の映画)

3.5

生きるために、全ては生きるために


実際に起きた飛行機墜落事故をベースに、雪山で極限のサバイバルを余儀なくされた人達の姿を描いた作品。45人中16人が生還した出来事の裏では何が起きていたのか。72日
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.3

キャッツ、アッセンブル!


『デッドプール&ウルヴァリン』の特報が公開されて、MCUに対する興味がまた少し右肩上がりになってきたので「今しかない!」と思い鑑賞。映画館MCUは『ブラックパンサー』から
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フッテージ(2012年製作の映画)

3.8

ちゃんと"怖い"ホラー映画


個人的にはブラムハウス作品の中でも屈指の怖さ。8mmフィルムを巡る、所謂「映像は嘘をつかない」型ホラー。酷い記録を無理やりでも撮るからこその恐怖。そしてそれを観なければ
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The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ(2017年製作の映画)

3.1

卓越した後味の悪さ


閉鎖された空間で1人の男性を巡って描かれる女性達の嫉妬、愛憎、欲望。女性の描き方が上手いソフィア・コッポラ監督だからこそ描写可能な女性のエゴ、理不尽な男性。これらと映像の綺麗さ
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アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(2010年製作の映画)

3.6

プリウスだって頑張れる


アダム・マッケイとウィル・フェレルの化学反応が相変わらず抜群な本作。ジャケットに大御所俳優2人の姿がありますが実際の展開は、、、うん。

ですがそんなこと気にならない程の"
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

「ウェスの箱庭」をご手軽に


ロアルド・ダールの世界観も大好きで、ウェス・アンダーソンの世界観も大好きな自分にとってはただのご褒美。原作は短編集なので仕方ないですが、40分では腹は満たせません。

俺たちステップ・ブラザース -義兄弟-(2008年製作の映画)

3.6

この義兄弟、愛せる


最近、自分の中でウィル・フェレルブームが来てるのでジョン・C・ライリーとのコンビ感が炸裂する本作を今回はチョイス。ほぼ40歳のおじさん2人が義兄弟になってしまい破天荒な日々を送
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悪魔の手毬唄(1977年製作の映画)

3.7

切なく、哀しい人情


市川崑×石坂浩二による「金田一シリーズ」第二弾。今回も前作にあたる『犬神家の一族』のようにドロッドロな人間争い。文明社会から隔離された鬼首村(おにこべむら)を舞台に村の二大勢力
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ブリングリング(2013年製作の映画)

2.2

華麗に盗む(のはよくない)


ソフィア・コッポラ監督によるティーン窃盗映画。とにかく盗んで、盗んで、また盗む物語。それ以外は中身のない薄い内容でした。オープニングは洒落てて良かったのですが…

"憧
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.5

この遺体、普通じゃない…


脅威の解剖ホラー。場所もほぼ解剖室のみなので実質、密室ホラーでもあります。
解剖するのは一人の女性の遺体。外傷は一切なく、ただただ美しい身体をしている彼女。だがいざ解剖し
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パパVS新しいパパ 2(2017年製作の映画)

3.7

パパのパパも手強い


ジョン・リスゴー、メル・ギブソンが参戦し、より白熱したパパ対決が見れる本作。相変わらず笑えるコメディのオンパレードでキャラクター全員好きになってしまいます。

いつでも観たい、
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パパvs新しいパパ(2015年製作の映画)

3.8

子育ては責任重大


継父ウィル・フェレル(ブラッド)と実父マーク・ウォールバーグ(ダスティ)の"父の座"をかけた世紀の大バトル。子供に愛されるのはどっちだ!?

全力全開コメディでとにかく笑える。ブ
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