Yuさんの映画レビュー・感想・評価

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ブルーアワーにぶっ飛ばす(2019年製作の映画)

2.8

ブルーアワー:1日の始まりと終わりに一瞬だけ訪れる静寂の時間

タイトルが好き。実家×田舎の居心地の悪さが何だかリアル。テンポが良くて観やすい反面、ラストまで観て「なるほど、“秘密の”友だちってそうい
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0

Past lives:前世

残酷で美しい運命。数々の分岐点を経験してきた大人のラブストーリー。個人的に前世/来世という考え方はピンとこない+過去はどんどん切り捨てていきたいタイプの人間ですが、本作の
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

3.8

久しぶりにキューブリック作品観たけど流石すぎる。戦闘での仲間/地元住民の生死、極限状態での心理的不安定など戦争のベースとなる残酷さを映す一方で、何とも言えないコメディ要素を若干混ぜてるのがいやらしい。>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.3

“どれほどの速さで生きれば、きみにまた会えるのか”

数年前に1度観たけど記憶が曖昧で、今回は劇場でのリバイバル上映として再鑑賞。手が届きそうで、でも届かなくて。過ぎ去った過去から抜け出すと自然と記憶
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The Strange Thing About the Johnsons(原題)(2011年製作の映画)

3.3

アリ・アスター監督が卒業制作で作った作品。この後味の悪さと陰鬱な感じ...やっぱアリ・アスター監督だ。当時から素晴らしい才能と狂気を遺憾無く発揮してたのか。息子の「自分は加害者ではない!共犯でしょ?い>>続きを読む

恋は光(2022年製作の映画)

4.0

“恋とは、誰しもが語れるが、誰しもが正しく語れないものである”

原作未読。恋を文学的?哲学的?に解いていく内容で、観た人と話したくなるような素敵な作品。個人的に恋は、ときめき/直感みたいな本能的な気
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劇場版 花咲くいろは HOME SWEET HOME(2013年製作の映画)

4.0

“私、輝きたいんです!”

2週間かけてアニメ全26話+劇場版を視聴。1人1人に個性豊かな設定があって面白いし、なおかつ日常生活に紐付くようなストーリーが心に刺さる。『SHIROBAKO』と似てるなと
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彼方のうた(2023年製作の映画)

3.5

とある人物たちの日常生活の切り取りみたいで、とても素晴らしい芸術映画。劇中では全てを語らないし余白が多すぎてストーリーの繋がりを全てを理解できなかったけど、それでも映像と音で魅せられたこの世界観が愛お>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

3.0

大きな出来事が起こった後の綿子の心情は悲しみなのか、焦りなのか、自責の念なのか...色々と考えてた。2人の行動は結局、心の拠り所が欲しかったのだろうな。どれだけ伝えても相手の痛みは理解できないし、一方>>続きを読む

WILL(2024年製作の映画)

4.0

東出昌大の生き様を映し出す140分間。凄まじい熱量と彼の覚悟に感服した。食べ物や情報の点で飽食の時代を生きる我々は何もかもが当たり前になっているけど、その当たり前への感謝が薄れていることを痛感。また、>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

“何も言わなくてもいい、沈黙は悪いことじゃない”
このフレーズが大好きです。

ストーリーの起伏はもちろんあるけど、それ以上にコット/アイリン/ショーン、この3人の静かで温かな暮らしが心に沁みる。家族
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.3

ランティモス監督作品だし、エマ・ストーン出演するし、奇妙で独創的な世界観丸出しの予告編から楽しみにしてた本作。結果、映画館で味わえて最高でした(18R+なのは知らなかった)。ベラと共に旅をしながら、彼>>続きを読む

ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.5

アメリカンドリームを夢見る2人を応援したくなる反面、道義に反するような行動は許されないよな〜と思いながら鑑賞。欲にまみれた2人をコントロールするのが互いの友情。オープニングに賛否両論ありそうな気がしま>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

3.8

アキ・カウリスマキ監督作品は『街のあかり』しか観たことなかったけど、監督の系統が読めてくる。名前も教え合わないような不器用な2人だけど、そのすれ違いも微笑ましいような不思議な世界観だった。淡々と進むス>>続きを読む

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)

4.3

2024年、映画初め
“Be kind for everyone is fighting a hard battle. If you really want to see what people re
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市子(2023年製作の映画)

3.8

“すべては、生き抜くために”

想像以上にミステリー/サスペンスドラマ要素が強い。変えることのできない事実に対して、これでもかと生への執着を露わにする市子。125分を通して彼女の言動を批判することもあ
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ちょっと吐くね(2023年製作の映画)

3.0

名前だけ見て勝手に女性の監督かと思っていたらまさかの男性だった。内容的に女性が大きく関わりそうなだけに、その着眼点と表現力を持っている監督が羨ましい。

何事にも優劣をつけてしまう人間の心理に怖さを感
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リテイク(2023年製作の映画)

3.5

リテイクの意味合いを全身で体感する最高の脚本と演出でした。普通の青春映画から1歩だけ踏み込んだような不思議な雰囲気。今の世の中は迅速な答えやそれが理解できる事を良しとする風潮にあるけど、答えが導かれる>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.8

“こんどはこんど、今は今”

胸の奥底にずっとしまい込んでおきたい映画。無口だけど思いやりに溢れた平山が愛おしい。平凡でゆっくりな時間の流れをじみじみと感じる。ルーティン化された1日のスケジュールが決
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朝がくるとむなしくなる(2022年製作の映画)

3.8

朝がくるとむなしくなる、分かります。1日のスタートに気が重くなることあります。しかも予期せぬ失敗が積み重なってどんどん自己肯定感が低くなる感じも。だけど、朝起きて働いて...なんなら生きてるだけで偉い>>続きを読む

VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.8

“心臓より先に脳が壊れるすべての人へ”

尺の長さ以上に観ていて疲れた。内容が非常に重い。ハネケ監督の『愛、アムール』っぽさを感じたけど、それよりも教育的要素と若干のホラー味を感じる。2人が同じ部屋(
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成れの果て(2021年製作の映画)

3.0

このドロドロした陰鬱な感じが堪らない。忘れたくても忘れられない過去に縛られ続ける生活は苦しい。「それは加害者/部外者が言っていい言葉じゃないだろ」と思う部分もあったけど、人間のエゴイズム的な要素を強く>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.5

“あってはならない感情なんて、この世にない”

(原作未読)凄まじい。134分なんてあっという間で、もっと彼らの生活を追い続けたかった。普通とは何なのか?多様性とは何を指すのか?生きづらさ抱える世の中
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明ける夜に(2023年製作の映画)

4.0

“あの瞬間は、あの夜は、あの夏は、ちょっとだけ特別だった”

モラトリアム的要素が強いと思ったら、堀内監督の伝えたいテーマ性がちゃんと反映されていて面白かった。正直8月31日も9月1日も日常生活の中で
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私がやりました(2023年製作の映画)

3.5

良きテンポ感と飽きないエンターテイメント性が噛み合って、これぞフランス映画!って感じが色濃かった(フランス映画あんまり観たことないけど...)。女優として売れてほしいなと思いつつ、知名度を上げるための>>続きを読む

リゾートバイト(2023年製作の映画)

2.8

ホラーなんだけどホラーじゃないというか、受け手によって好き嫌いが分かれそう。伏線やミスリードの使い方は好きだけど、終盤で登場する肝心なキャラの仕様に興ざめしてしまった。好きだから、救いたいからという精>>続きを読む

まなみ100%(2023年製作の映画)

4.0

“君は本当にバカだね”

出会いと別れ、それを引きずった感情をごちゃ混ぜにしたような10年間。ボクの楽観的すぎる態度は観ていて腹立つ部分もあったけど、男子の青春時代ってあんなものか。王道(?)の完璧な
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

強烈すぎる。終盤は冗談抜きで鳥肌が止まらなかった。本作をもって初めて「福田村事件」を知り、その痛ましさに胸が苦しくなる。この事件の根底にあるものは“差別”以外他ならず、加えてデマや集団心理が村民たちの>>続きを読む

スモーク(1995年製作の映画)

3.8

奥行き深めでちょっぴり哲学ライクな映画(だと思ってる)。この世は虚構で固められていて、ほんの少しだけ真実が入り混じっているのかと錯覚してしまう。どこかのレビューでも書いたけど、生きていく上では自分を守>>続きを読む

PARALLEL(2021年製作の映画)

4.0

ずーっと前から観たかった作品をようやく鑑賞できた。ホラー?スプラッター?ラブストーリー?不思議なジャンルで、84分間頭の中がグルグルしてた。2人をメンヘラと括ってしまえばそれまでだが、お互いの傷を理解>>続きを読む

バーナデット ママは行方不明(2019年製作の映画)

3.8

一見クレイジーな展開に思えるけど、心の機微を上手く汲み取った繊細さが印象的。観ている私もバーナデットと同じように心の奥底から沸々と湧き上がるようなやる気に満ち溢れる。簡単に夢を諦めることなんてできない>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.3

やっぱりウェス・アンダーソン監督の作品は情報過多で置いてきぼりになるし、今まで観てきた作品の中で1番その度合いが大きかった気がする。というより、むしろストーリーを意識して追っかけない方がより楽しめそう>>続きを読む

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