さわだにわかさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

さわだにわか

さわだにわか

映画(367)
ドラマ(1)
アニメ(0)

KOKKURI こっくりさん(1997年製作の映画)

3.4

俺も最近レンタルビデオで見て知ったことなのだが瀬々敬久はホラー演出が上手かった。これとか『冷血の罠』のホラー演出は黒沢清と方向性が被りつつ黒沢清よりも洗練されていて、そのためかゼロ年代に入ると瀬々敬久>>続きを読む

ママと娼婦(1973年製作の映画)

3.8

あらすじなんか調べないで映画館に突撃するスタイルでやってるのでこのタイトルから子供の映画かと思ったら親の遺産だかヒモなんだか知らんがとにかく金には困ってなくて毎日遊び回っているといってもやることは障害>>続きを読む

タブロイド紙が映したドリアン・グレイ(1984年製作の映画)

3.9

夕刊フジの背後には世界中のタブロイド紙を統べる悪の秘密組織が存在した!という驚愕の出だしにドリアン・グレイっていうかマブゼ博士っぽいなと思ったらこの悪の秘密組織の頭目の役名がマブゼってまんまじゃねぇか>>続きを読む

20世紀ノスタルジア(1997年製作の映画)

4.0

広末涼子が無敵なのでニューロンバチバチであまり内容が頭に入ってこないが20世紀に別れを告げて新鮮なもの清廉なもの21世紀の未来をものをという意気込みはなんとなくわかる。清洲橋と豊洲勝どきにできたばかり>>続きを読む

ウェドロック(1991年製作の映画)

3.5

二つで一組の爆弾首輪付けて片方が逃走すると即爆発、しかし自分の「相棒」が誰なのかわからない…という妙にカイジ味のある設定で始まる刑務所映画なので囚人たちの間で心理戦が繰り広げられるのかと思いきやそんな>>続きを読む

アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.6

冒頭の空港のシークエンスを見ればジャック・タチ『プレイタイム』から多大なる影響を受けていることは明白に思われるが事実この酔っぱらい主人公はユロ氏のごとく一言も発さずパントマイムを駆使して西ベルリン(だ>>続きを読む

A WALK THROUGH "H(1978年製作の映画)

4.0

地図とかアレンジメントとか渡り鳥とかの要素からいっておそらくはドゥルーズ=ガタリから強い影響を受けたシュールでユーモラスな冒険譚。紙とかに書いてあればだいたいなんでも地図に見えてしまう男が地図から地図>>続きを読む

アリゲーター2(1990年製作の映画)

3.0

テレビ映画のパニック映画はわりとどれもそんな傾向があるがやはり予算が限られているので派手な破壊シーンなどは少なくこの映画もショットガン等を撃っている画と効果音はあるがワニに着弾するショットはなく弾着な>>続きを読む

仮面の米国(1932年製作の映画)

4.0

1932年という製作年を考慮すればこのニューシネマを遥か先取りしたような鬼気迫るリアリズム、情緒を挟む余地なく叩き込まれる不況の描写、そしてなりよりラストの(文字通り)爆発的なカーチェイスには俺のよう>>続きを読む

ブラディ・ムーン/血ぬられた女子寮(1981年製作の映画)

3.3

スラッシャー映画としては殺し方も面白いしゴア描写もしっかりしていて良く出来ているのだがジェス・フランコ作品を期待して観たのでいつものあの倦怠も美景もズーミングもなくテキパキ進むアメリカン・スラッシャー>>続きを読む

サマーキャンプ・インフェルノ(1983年製作の映画)

3.4

インフェルノと書いてあるのに『バーニング』みたいな大虐殺もなくどこがやねんと思って観ていたが父親の事故死により塞ぎ込みがちになった主人公二人を他のサマーキャンプの連中がネチネチといじめるのでサマーキャ>>続きを読む

ギロチノイド(1979年製作の映画)

3.7

おそらくはイタホラというか『サスペリア』の影響特大であろうと思われる原色照明や魔女の復活テーマの一本だが呪われた登場人物たちを襲う怪奇現象がいちいち特撮満載ファンタスティックで楽しく大量の紙を撒き散ら>>続きを読む

SF・SEX/異星人のえじき(1975年製作の映画)

3.0

ジェス・フランコはリナ・ロメイが好きすぎるので冒頭30分ひたすらリナ・ロメイの裸体ばかりを乳首と膣を中心に撮りまくり大丈夫なのかいつになったら異星人が出るんだとこれを100分間も観ることになるのか?と>>続きを読む

しん次元!クレヨンしんちゃんTHE MOVIE 超能力大決戦 〜とべとべ手巻き寿司〜(2023年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ひろしのあんな台詞で非理谷は救われないと憤慨なさってる方が一定数いらっしゃるようですが、あれはバカな観客に物語の意味や意図を理解してもらうための補足的な説明台詞に過ぎず、非理谷は怪物のお腹の中で「しん>>続きを読む

天使の影(1976年製作の映画)

3.3

デルヴォーの夢の中を彷徨うような映画だがシュミットの夢幻性とファスビンダーのストリート感覚の取り合わせはあまり良いとは思えずファスビンダー脚本のアイロニーも中途半端に肉付けされた芝居によって空転してい>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.7

絶望の中にしか真の愛は存在しないというファスビンダー映画だがそれは裏を返せば真の愛は必ず存在するのだという確信であって、だからあのラストは『ハネムーン・キラーズ』と同じようにハッピーエンドなのだろう。>>続きを読む

イノセンツ(2021年製作の映画)

4.3

怖い怖い(そして童夢童夢)とそればかり言われている気がするので書いておきたいのだが、これはとても怖い映画だけれども、主人公の自閉症者の姉の存在が示すように、どんな子供でも一人一人が無限の可能性を秘めて>>続きを読む

天使のはらわた 赤い閃光(1994年製作の映画)

3.7

なかなか鑑賞機会のない石井隆映画なので十何年か前に観たはずなのだが見直すこともできず内容をほとんど忘れていた。ビデオに関する映画に相応しく今回ようやくレンタルビデオで再見したら前に見た時よりも遥かに面>>続きを読む

ほしをつぐもの(1990年製作の映画)

3.6

疎開先の田舎での窮乏に耐えかねて東京へ向かう(焼け野原だとは知らない)子どもたちが東京まであと一歩というところで機銃掃射を食らって一人を残して死ぬというお話なのだが、疎開先でどうせ死ぬなら東京で死のう>>続きを読む

ザ・ショック(1976年製作の映画)

3.6

ダリア・ニコロディこんな華奢でスタイル良い人だったんだと気付かされるバーヴァのスタイルかなぐり捨てとにかくびっくりするシーンたくさん入れれば客は喜ぶだろ映画(バーヴァというよりサケッティのせいだと思う>>続きを読む

メーヌ・オセアン 4Kレストア(1985年製作の映画)

3.7

最初の車掌とのやり取りから笑いっぱなし、己の正しさを信じて疑わずお互いに一歩も引かない人たちの言い争いというのはどうしてこうも面白いものか。日本だとみんな納得しなくても一歩引くか逆に5歩ぐらい踏み込ん>>続きを読む

スネーク 猛毒の大群(1999年製作の映画)

3.3

脚本と製作総指揮がカーペンターで邦題が『スネーク』!中身は普通の動物パニックTV映画!

オールドマン(2022年製作の映画)

3.0

2021年製作で2022年公開ということはコロナ禍直撃系映画だと思うのだがその刻印はラッキー・マッキーの署名よりも遥かに強くさすがパンデミックを引き起こしたウイルスだと改めて新型コロナの恐ろしさを認識>>続きを読む

冷血の罠(1998年製作の映画)

3.7

セリフに関して言えば90年代映画なんかわりとどこの国でもこんなもんというところはあってそりゃ今のセンスから見たらダサいな〜となるのもわからないでもないが1998年の映画ということは2023年現在実に2>>続きを読む

江南ゾンビ(2022年製作の映画)

3.4

新世紀ゾンビ映画の傑作『新感染』のせいでゾンビ映画のレベルが今や原産地米国を抜く勢いになってしまったゾンビ大国韓国だがレベルが高いのはやはりごく一部のビッグバジェット・ゾンビに限られるらしくこれぐらい>>続きを読む

グアイウ 地下鉄の怪物(2023年製作の映画)

3.4

どこかで聞いたことのあるような邦題になっているのは展開が『グエムル-漢江の怪物-』と似ているからと思われ、地下鉄ホラー大好き人間としてはそのヒューマンドラマ寄せ、および終盤の尻すぼみと伏線放り投げにち>>続きを読む

金持を喰いちぎれ デジタルリマスター版(1987年製作の映画)

3.5

金玉を食いちぎれと誤読を誘っているようにしか思えないファッキン金持ちなタイトルだが和田アキ子とインドの神様を合体させたような風貌の主人公はウェイターのくせに注文が遅い客を「さっさと注文しろデブ!」と殴>>続きを読む

タワー(1992年製作の映画)

3.5

高速ファンで人間千切り!エレベータードア不意打ち挟みで人間圧殺!サウナに入ればサウナごと人間爆殺!時代的に『ダイ・ハード』の影響をモロに受けて制作されたハイテクビル映画と思われるのだが『エイリアン』ま>>続きを読む

南部の唄(1946年製作の映画)

3.5

ディズニーの行儀の良いアニメは昔からあまり興味がなくルーニー・テューンズみたいなハチャメチャなやつが好きだったのでこれもすべての面でまぁまぁ良く出来てるんじゃないの程度の感想しかないのだが、過去作のリ>>続きを読む

白い船(1941年製作の映画)

3.5

ほとんどドキュメンタリーというか国防省的なのが作ってるとテロップに出るのでプロパガンダ映画に分類して差し支えないと思うのだが海戦シーンは特撮などではなく実際の戦艦使って撮影してる(敵機とかは合成)ので>>続きを読む

愛しのクノール(2022年製作の映画)

4.0

だいぶ抽象的な言い方になるが、どんなどうぶつも例外なくほとんど毎日ウンコを垂れ流している、という単なる事実を受け入れることのできる子供と大人には文句なしに楽しめる映画。

ちぎれた愛の殺人(1993年製作の映画)

3.5

なんとも歪な映画なのだが『死霊の罠』と人魚伝説』を繫ぐ池田敏春ユニバースのミッシングリンクとして捉えるとわりと合点はいく。脚本の石井隆的には池田敏春とのタッグ作『死霊の罠』が石井隆版『スキャナーズ』×>>続きを読む

ノストラダムス 戦慄の啓示(1994年製作の映画)

2.0

本当に面白くない。金は今の幸福映画よりも遥かにかかっているように見え(美術監修に木村威夫とあるが…)、スケールの大きなシーンも多いのだが、GLAの影響色濃い大川隆法の宗教世界観に映像を付けて説明してい>>続きを読む

アイズ(1978年製作の映画)

3.5

VHSデッキが復活したので二十年ぶりぐらいに観た。そうそうこのオープニング、これ印象的で覚えてた。その他細かい点は忘れていたが大人になって見直すとファッション写真の風俗描写は面白いし、その猥雑さを切り>>続きを読む

スーツ(2003年製作の映画)

3.7

崖の上、崖の中腹、崖の下でそれぞれ起こる種類の異なる人間の移動を同一カットに収める冒頭のパノラマ的な撮影に驚かされたがその後すったもんだがあって悪ガキ三人組が別の不良グループに対して「手榴弾を投げろ!>>続きを読む