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銃弾が乱れ飛ばないゴッドファーザー。つまりファミリーアフェイアである。登場人物は誰も彼もピタッと収まり文句のつけようがない。叙情性が溢れかえっているのに、どうしてこんなにも湿度が低いのだろうか。ほとん>>続きを読む
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尺が長くなり、このような演出も可能ですよという感じが前面に出ている。喜劇としても非常によくできています。淡島千景の佇まいの凛々しさに並ぶ者はいない。
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天下の原節子に台所で立ちながら茶漬けをすすらせる演出を観るだけでいい。傑作です。無駄のない構成は見事という他ない。最後の紙風船の打ち合いの滑稽感は誰にも出せないんだろうな。冒頭の香川京子と原節子のやり>>続きを読む
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どこまでも利己的な男の救いのない話。成瀬にしてはトーンが違うというのが一般的な評価です。女性のアップを撮らしたらやはり、超一流です。
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思春期の根拠なき自己正当化が嫌味なく描かれている良作。耽美派の文学に耽溺した中高年には割合にとっつきやすい題材です。主人公が結果としモテすぎるのが玉に瑕ですが、文学青年の需要は現代においてもまだ少なか>>続きを読む
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散々かき回し、挙げ句の果てにどこへ行ってしまう久我美子の映画。川島らしい軽さはほとんど見られないが、シリアスさも同じくらいない。原節子も淡々と演技をこなしているが、香川京子の可憐さはグッド!
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広島の原爆被害を主題化した映画。驚くなかれ、主人公の若尾文子は開始後24分が経つまで一切スクリーンに登場しない。ほとんど田宮二郎のための映画のようだ。水商売の女の役の安定感はほとんど本職を超えている。
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原節子の尋常ではない表現力を見るための映画。その類稀なる資質を表現する主体とそれを引き出す演出の主体のバトルフィールドが「晩春」に他ならない。自転車をこぐ原節子の表情に心を打たれないものはどこにもいな>>続きを読む
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いわゆる職人美の世界です。文句を言うとこちらに火の粉がかかる、もはや判断は趣味の領域に留めるべき作品。おそらく、「赤線地帯」の登場人物たちの10年後の後日談といったところでしょうか。若尾文子は杉村春子>>続きを読む
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それまでの小津調から少しばかり外れたためか、当時から評判の良くなかった作品。時代が大きく変わろうとしている中で、自らの信条との齟齬を必要最低限に抑え込もうとした小津の苛立ちが時折、フィルムに走ります。
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後半、すごいショットが現れた。やっぱり成瀬は尋常ではない。勘違いした若い女性を道化として、物語は良識をそこかしこに蔓延させる。原節子の隠しきれない艶やかさと上原謙の貴族的風貌がベストマッチの良作。
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大映オールスターキャスト。長谷川一夫300本記念作品。歌舞伎と映画の融合であるが、長谷川一夫の所作の美しさはため息しかでない。山本富士子と若尾文子の大輪の華々しさは眼福以外の何物でもない。
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200名を無傷でぶった斬ります。無双雷蔵。理不尽に始まり理不尽に終わる時代劇です。市川雷蔵という役者の存在感だけで説得力を持たせる演出はある意味天晴れです。
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文学を解体し、映画に昇華させる川島の真骨頂が発揮されています。ラストは賛否両論ですが、これぞ川島の絶妙なずらし加減です。若尾文子の無双ぶりを思う存分楽しむべきでしょう。
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屈折したピュアネスが前面に出た作品。前半の若尾文子の素晴らしさは特筆もの。これほどまでにスクリーンを圧倒する美しい表情はちょっとお目にかかれない。
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日本映画史上に残る魅惑のボイスの持ち主である若尾文子と岸田今日子の共演作。本作は、視覚的快楽というよりも声を聴く映画となる。おそらく谷崎をモデルとしている先生と呼ばれる人物に岸田が語ることで物語が進行>>続きを読む
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画面の強度が桁違い。「流れる」と言うタイトルとは裏腹にひとつのシーンとしてショットとして、流れていないのは流石。プライド高き女優陣が喧嘩せずにブレンドされている圧倒的な演出力をご堪能あれ。
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救いのない物語。嘘を貫き通すという難事が人間には所詮不可能事であることがこれでもかと描かれている。偽善的な小市民を演じれば、第一級の船越英二を観るための映画。
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刺激的なタイトルとは裏腹な単なる宗教映画。若尾文子は主役のようで主役のポジションにはありませんが、一番目立っていたことも事実です。時代的な制約の中で、登場人物たちは悩み苦しみ、人生を歩み始めようとしま>>続きを読む
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二部作の後編。通俗メロドラマをこれでもかのレベルで提示する川島の職人芸が光ります。何もかもが中途半端なまま、宙吊りにされる魂。全員被害者。
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タイトルでネタバレしてしまうミステリー。若尾文子が出ると画面が見事に引き締まります。テンポを優先しすぎて、人間模様が若干弱まったところが惜しいです。
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高峰秀子は喋っていない時がとにかく凄い。その凄みをまざまざと見せつけられた。人間の表情とは、かくも雄弁であるのかを知るためにぜひご覧ください。成瀬にハズレはない。
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雷蔵の映画。彼の品のさ、剽軽さ軽妙さが遺憾なく発揮されています。若尾文子はラストに10分も出演していません。中村玉緒のキュートさは相変わらずです。中村鴈治郎の演技も少し流れていて、落ち着きが欲しかった>>続きを読む
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ザ ・ホームドラマ。物語の終盤は橋田寿賀子脚本並のマシンガントークのバトルとなります。船越英二が非常にいい味を出しています。若尾文子はどんな憎まれ役をやっても、可愛く収まってしまいます。
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何を求めるのかで全く評価が違ってくる作品です。三島が主役を演じたから、ダメなのかダメでないのか。ただ一つ言えるのは、若尾文子という女優が何を背負わされてきたのかが明瞭にわかる作品として、本作は後世に記>>続きを読む
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野暮ったい女優であれば、全く成立しない物語が唯一無二の女優の力により成立している作品。若尾文子の妖艶さはもはやただことではない。宮川のカメラがその妖艶さを倍増させる。中村鴈治郎が最後に少しだけ登場しま>>続きを読む
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いわゆるクロサギの物語です。軽快なテンポの中、騙し騙されの二転三転、四転、五転が繰り広げられます。観終わった後に爽快感はありませんが、苦味もなく、2時間を潰すにはよくできた映画です。
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ただのメロドラマ。丁寧に作られています。満たされない魂の渇きが小津とは異なる形で極めて一般風俗的に描かれています。川島流の諧謔や風刺は完全に禁じられ、物語は展開していきます。