ぷりんさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

正に濱口映画の集大成。
常に意識されていた「他者との対話の中で自己を見出す」というテーマが見事な形で描かれる。演劇空間と化した車内の対話も、食卓を囲む会話も素晴らしい。
『ワーニャ伯父さん』の舞台が一
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子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.2

高二の少女の夏休みの全て。幸せな家族と大好きなアニメと部活と気になる男子と、会った記憶のない父親と海。何映画にでもなれるのに、何映画でもない。
終盤タイトルの意味が腑に落ちる。あぁ、子供はわかってあげ
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いとみち(2020年製作の映画)

3.9

「言葉で伝えろ」と言う父に反する「言葉以外で伝える」物語。それは理解できるが珈琲を淹れるにせよ、髪をとかすにせよ、三味線のセッションにせよ唐突すぎて説得力を感じない。
主演の駒井蓮は初めて見たが三味線
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

東京の下層から上層へ、上層から下層へと自由に縦断していく物語。
登場人物たちは紆余曲折の上、結果同じ階級の者どうしで固まってしまう。2車線の道路やホールの高低差といった形で表象される抗えない断絶。しか
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映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園(2021年製作の映画)

3.3

ミステリーに青春、友情、家族愛に管理社会ディストピア要素まで盛り込みすぎてもう何が何だか。それでも何となく作品としてまとまってしまうのはクレしんというコンテンツの強さ。

脳天パラダイス(2019年製作の映画)

2.9

生者も死者も飲み込む小宇宙と化した圧巻の祝祭ムービー。
とりあえずドトールに謝った方がいい。

ジャッリカットゥ 牛の怒り(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

前半は水牛を殆どフレームに映さないためそういう趣向の映画かと思ったら、中盤以降は普通にガッツリ映ってて勝手に興醒め。
牛は昼間に捕まえた方が良いと思う。
最後はワールドウォーZオチ

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

3.1

やたら多用される顔のクロースアップ。車窓を眺める少女が見つめる世界。丁寧だが、テーマで持ち上げられているだけで平凡な映画に感じる。映画では余り見かけないNYのラウンドワン的施設のつまらなそうなこと。>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

3.9

昨年話題になった『はちどり』もそうだったが、加熱した受験戦争の歪みが根底に横たわっている。加えて貧困や格差、無関心など語るべき問題は沢山あるのに、「いじめ駄目!絶対!」と安易な結論をテロップで宣うあた>>続きを読む

東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

4.1

英勉じゃなくて三池崇史だったらもっとケレン味のある演出で魅せてくれるのになぁと思いながらも、これはこれでヤンキー映画のツボを押さえたスマートな作りで良い。SF要素は雑に流してしまったが結果正解に思える>>続きを読む

ガールフッド(2014年製作の映画)

3.8

中盤以降物語が失速してしまったのは残念だが、この映画のリアーナは『スプリングブレーカーズ』のブリトニー、『マミー』のオアシスに匹敵すると思う。ラストの表情には射抜かれた。

走り来る男(1989年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

美しい農村を舞台に感情が目まぐるしく渦を巻く。あれだけ不気味で不穏だった禿頭が愛おしく撫でたくなってくる不思議。
ラストショットとエンドロールで映画が子供の目線から描き直されるのは見事としか言いようが
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.1

「おっさん森映画にハズレ無し」という持論の正当性がまた証明されてしまった。
美しいキャンプの翌日の汚ったない朝。分かる。

リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.7

何か起こりそうで起こらない。アメリカンニューシネマのような劇的なラストからもそっぽを向かれ、街から出ることすら叶わない。
ねっとりとした閉塞感だが、それを気持ち良く笑い飛ばしてくれる不思議な映画。

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

2.7

「歌う」という限りなく原初的で肉体的な行為を如何に電脳空間に持ち込むかが肝だと思うのだが、その辺りを適当に描くから、美女と野獣モドキと時かけモドキを交互に見せられているようにしか感じない。安易な意味づ>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

相変わらず反復するホン・サンスだが、「同じ話の中に本心はない」の旨の台詞にアッパーカットを喰らう。逃げた先に映画館を用意してくれるホン・サンスやっぱ好きだ。

かも(1965年製作の映画)

3.2

緑魔子の代替不可能性を証明する映画。彼女でなければどこまでも平凡で、ただ不愉快な映画に成り下がっていたに違いない。