miyoyoさんの映画レビュー・感想・評価

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

言葉の量の多さと腹にくる轟音でかなり体力消耗した。
実験成功後のオッペンハイマーが蚊帳の外になるあたりからは心穏やかに観ることができない。どんなに研究者が優秀でも、いったん政治家の手に渡ってしまえばも
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ZOO(1985年製作の映画)

3.6

美とグロテスクのギリギリのとこをいくグリーナウェイのセンス、唯一無二
画は美しいんだけど、シンメトリーが必ずしも美しいとは私は思わない。美的感覚は人それぞれだが、隙が無さすぎる息苦しさを感じる。
動物
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プロスペローの本(1991年製作の映画)

3.4

20代に観た時は全くわからなくて、30年たって50代で観てもやっぱりわからんかった。
オペラやコンテンポラリーダンスの舞台をみてるような芸術性だけど、裸が過ぎる。
芸術的センスはパラジャーノフの方が好
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ウィッチ(2015年製作の映画)

3.2

ウィリアムが一番罪深い。子供に口止めなどしてはならない。
キャサリンが一番気味悪い。娘を魔女だと思うあんたが魔女だ。
トマシンが一番まとも
過度な信仰心は人間を歪める

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

4.0

岡田将生VS羽村仁成のサイコパス対決
従順な入り婿の顔から一転サイコパスに変わる眼の据わり具合が絶妙の岡田将生の圧勝かと思いきや、羽村仁成も負けず劣らずの冷静沈着っぷり
んーどちらに軍配を上げようか、
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市子(2023年製作の映画)

3.9

ヤングケアラーを強いられ、この世には存在しないものとして生きなければならない市子の人生は過酷そのもの。
お祭りの焼きそば売り場からプロポーズまでの幸せな時期があったのがせめてもの救い。
長谷川くん、プ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.6

解剖学というタイトル
裁判で自分の知られたくない内面まで裁判官、弁護士のみならず傍聴人にまで曝け出さねばならない。解剖されて内臓を医学生に見られてるようなものだな、と思った。
そういう意味じゃないかも
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.5

人間の三大欲求だけで生きていければどんなに良いか、、しかしベラの成長を見ると人間が好奇心を持って成長することの素晴らしさを再確認する。
問題は成長しても性欲と食欲をコントロールできない人、成長の間に差
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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

じわじわ沁みてくる人間のいとおしさ。
時々ぶち込んでくるシニカルな可笑しさ。

私は囚人、永遠に、、
バラバラ死体は冷蔵庫に、
って😅

カウリスマキ節、健在でした!

レザボア・ドッグス(1992年製作の映画)

4.3

ブロンド、不気味
ホワイト、冷静沈着
ピンク、なんか笑える
オレンジ、なんかかわいい

登場人物のキャラたち過ぎてこの面白さ!
好き!

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

ただただ平山さんの日々を見てるだけなのに、見入ってしまう。
どんな仕事であれほとんどの人が自分なりのルーティンがあり黙々と働いてる。そんな中にある小さな喜びや悲しみ、悔しさ、楽しみを表情でみせる役所広
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

3.8

自分の親の介護経験を思い出して苦しい。
あまりにもリアルで、、
まさに「坂道を転がり落ちるように」でした。

画面分割は観てるうちに気にならなくなるけど、しょせん人間は個である、ということなのか?家族
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ほかげ(2023年製作の映画)

4.0

莫大な国費を使って他国民を殺戮し、自国民も殺戮の危機に晒される。焦土で家族も家も失う戦争は誰一人幸せにしないのに、今もなお戦争をしたがる愚かな国家がある。

戦中だけでなく戦後も人々の体と心を蝕む、そ
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(2023年製作の映画)

3.8

何度も何度も突きつけられる現実

きれい事ばかり
臭いものに蓋
見て見ぬふり
偽善者

さとくんの言葉が、陽子の言葉が洋子を突き刺すように私の心も突き刺す。
図星だから、、何も言い返せない。
じゃあど
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

強くてかっこいいディカプリオより、弱くてオロオロするダメ男を演じるディカプリオは天下一品、まさにアーネストの愚かなまでの弱さは彼が演じてこそ!
本当のことを話す、と言いながら妻にはまた嘘ついたな。
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アアルト(2020年製作の映画)

3.5

アルヴァとアイノ、そしてエリッサの物語。

アイノは才能もあり、縁の下の力持ち的な役割もあり、アルヴァにとっては鬼に金棒。
アイノ亡き後もエリッサがその役割を担う。もちろんアルヴァの才能もすばらしいの
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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

4.0

長尺でもテンポよく、ぐいぐい引き込まれていく。
ネリ役、安藤サクラには痺れた!
曼荼羅役、宇崎竜童には唸った!
生瀬勝久の特殊詐欺グループトップとは思えぬ昭和感に思わず笑😆

ゴヤの女だった頃の回想シ
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ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)

3.5

ちょっと設定に無理があるような、、とか言ったらファンの方からお叱りを受けるかな?
犬神家の一族の現代版みたいなノリで楽しめばいいのね。
イケメンを大画面で、King Gnuを大音響で、
見て聴けたから
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キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.8

観ているこちらにまで緊迫感が伝わり、
扉を叩き壊す金属音に心拍数が上がる。
ましてや心臓が悪く精神疾患のあるケネスにはどれほどの恐ろしさだったことか、、
83分という映画としては短い尺だけど、この時間
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.6

どいつもこいつもプライドばかりで愛情のかけらも無い嫌なヤツばかりだった。
大好きなアダム・ドライバーでさえ憎々しい。(褒めてます!)
そして女の敵は女、、親友とも呼べないあの女のチクリは妬みか。

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SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.8

日本にもこれくらい気骨のあるジャーナリストがいれば、本人が存命中に23年の実刑を与えられたのに、、
30年以上前から顔出し、名前出して告発している人がいるにも関わらず、メディアは無視し続けた。
未だ日
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

前半はちょっと長いなぁ、と感じたが人物像を知る上ではやはり大事な部分かも。
あの虐殺シーンで、極限状態になった時に人間の資質が際立つので。
同調圧力や群衆心理は100年たった今でも脈々と存続している。
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.5

全てがアナ目線で現実か作り話か曖昧だけど、純粋無垢な目にはこのように見えるのか、、詩のように美しい!
怖いものは美しくもあり、美しいものは怖くもある。月明かりの夜

イサベルはもう知恵がつきすぎて、言
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破壊の自然史(2022年製作の映画)

3.6

描写が残酷過ぎるという理由で「はだしのゲン」が教材からはずされるが、残酷場面を見ずして戦争の本当の恐ろしさがわかるだろうか?
このアーカイブはさすがに10代の子供にはトラウマになってしまうかもしれない
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.8

繊細なレミに時間薬(何年かかったとしても)と、少しずつ悲しみを癒してくれるレオ以外の誰かが必ずいる、ということが分かるには13歳は幼かった。
でもレミにはレオ以外の誰かじゃダメだったんだよね。

レオ
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ヘイトフル・エイト(2015年製作の映画)

4.0

前半の会話劇ではちょっと睡魔に襲われたが、チャプター4くらいから流血スイッチが入りタランティーノ劇場が炸裂!
なんでこんなに血みどろシーンになると目が冴えてくるんだろう?
人間って心の中に残虐性を秘め
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

母親目線、先生目線、子供目線でひとつの出来事がこんなにも見え方が変わってくる。
「男らしく」とか「普通に結婚してくれたら」とか、日常何気なく言う言葉も誰かを傷つけてるかもしれない。
自分もいつ誰かの怪
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大いなる自由(2021年製作の映画)

4.5

「蜘蛛女のキス」を思い出した。
好きなシーン
①愛する男性を失い、気も狂わんばかりのハンスを強く抱きしめるヴィクトール
②薬物に手を出そうとするヴィクトールに気づき、それを阻止するハンス
③ハンスが出
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.2

好きな人との共通点を必死に探したり、相手好みの自分になろうとしたり、、
そもそも愛とは滑稽なもの。
私は森生活を選ぶわ。
弱肉強食の強のほうが長く生きられそうなので、オオカミがいい🐺

それにしてもラ
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波紋(2023年製作の映画)

3.8

深田監督の「淵に立つ」「よこがお」以来、私が勝手にカメレオン女優と呼んでいる筒井真理子、今回は荻上監督作品でその表情七変化を見せてくれた。
新興宗教信者、キムラ緑子のつねに口角の上がった気味悪い微笑み
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

悪の上にまた悪が、またその上に悪が。
悪の頂点は血を流すことなく悠々と大金を手にし、悪の底辺はドロドロになるまで血を流す。
その底辺の2人、工藤と矢崎。
岡田准一と綾野剛の熱演ですっごい面白い2人に仕
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私、オルガ・ヘプナロヴァー(2016年製作の映画)

3.6

モノクロはオルガが見ていた世界の色。
身体的な暴力だけでなく、言葉の暴力、ネグレクトも積もり積もれば心を壊す。
家庭にも学校にも職場にも居場所がないオルガはいったい何歳の時からそんな環境で生きてきたの
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.2

聖なる場所であるはずの修道院の中が最も俗っぽい場所だった。
権力を持ちたがるやつほど下品で卑しい、宗教界の本質をついてるのかも、、あ、これ政治家もね。

嘘をつき続けるうちに本人もそれが本当かと錯覚し
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ヒトラーのための虐殺会議(2022年製作の映画)

3.5

机の上に一寸の乱れもなく置かれた筆記具や書類、綺麗に整えた髪、きちんと着こなす軍服、これら全てが規格外を一切認めぬ彼らの精神を物語っている。
言葉も「処理」「解決」「人道的」とかぼやかしてるが話し合っ
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生きる LIVING(2022年製作の映画)

3.6

オリジナルの黒澤版「生きる」は戦後日本のまだ成長途上の泥臭さが感じられたが、こちら英国版は紳士、淑女がエレガントな雰囲気を醸し出していた。
余命宣告されてからのウィリアム、息子に言いだせず、部下のマー
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サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~(2019年製作の映画)

3.8

徐々に音が失われていく困惑、恐怖。
それを悟られまいとする強がり。
周りの仲間が何言ってるのかわからない疎外感。
施設に入所する屈辱。
受け入れ難い現実をさまざまな感情で見事に演じていた。

CODA
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