QRPさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

わたしの見ている世界が全て(2022年製作の映画)

4.0

余計な台詞やシーンを削ぎ落とした無駄のない濃い80分。
合理的な考えの主人公が利己的な目的のためにもっとも身近な不合理な存在といえる家族の問題解決に文字通りに泥臭く取り組んでいく。
合理的に物事を推し
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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

3.5

自分だけじゃなくて、みんなにも菅田将暉の「もうパズドラしか出来ないんだよ!」は刺さってたんだな。菅田ネタをはじめその他もろもろの小ネタをウダウダ話しつつアクションシーンでメリハリ付けて最後まで飽きさせ>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.0

河合優実の初主演作らしい。どの映画でも印象に強く残っていたので意外だ。
窪塚愛流は浮世離れした雰囲気があるので今作ではハマってた。鼻歌の伏線がラストに繋がってたのは良かった。良い声してた。そんで浅野忠
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マッシブ・タレント(2022年製作の映画)

3.0

ニコケイだけじゃないよね、大スターの晩年がこんな感じになるのは。デ・ニーロやパチーノみたいなレジェンドでも低空飛行なんだから。
ニコケイを追っかけて映画を見てきてないので90年代くらいまでのヒットをポ
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.0

十数年前にタイの寝台列車の3等席に乗った思い出がよみがえる。個室にしとけば良かったと後悔したけど、この映画みたいに2等席で他人と相席は嫌すぎる。
いつの頃からか旅に出る気力も体力も失ってしまった。特に
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

けたたましいBGMから始まるいきなりクライマックスなオープニングが激アツでここは10回くらいリピートしたい。アニメ的なバトル描写は良い意味で笑っちゃっうくらいにエンタメ度MAX。旧1号をもとにしたスー>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

3.5

昔、プログレとかマスロックを好んで聴いてたときにたまたま上原ひろみに行き着いてそのことを知り合いに話したらめちゃくちゃ貶された思い出あり。
小っ恥ずかしくなるくらい直球のストーリーとくさいセリフの数々
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.0

きっしょいクリーチャーが出てくること以外全く内容知らなくて、デル・トロ解釈の不思議の国のアリスでもやるのかなと思いきや、あまりにも残酷でめちゃくちゃ切ない映画だった。彼女にとって幻想の物語こそが全てだ>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.5

コンテンツ産業を潰した責任を問われた金子さんが自分のせいにして済む問題ではないと述べるが全くその通りで、仮に事件が無かったとしても世界的な潮流としてコンテンツのフリー化は避けられず、そこに勝機を見出す>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

5.0

なんかスクリーンからまばゆい光が放たれていてずっとニッコニコな顔して眺めてた。
卒業フィルムを見て泣き出したジョックスに対してコイツ意味わからんとこで泣くなと思ったけど、最後にリンチもといジョン・フォ
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冬の旅(1985年製作の映画)

3.5

多くの人が彼女のことをただ怠惰な人間がのたれ死んだだけだと非難するだろうが、当然それを見越した上で自己投影として彼女を描いたんじゃないのかなって思った。彼女の背景として語られるのは大学を出て秘書として>>続きを読む

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.5

当時にそういう定義がなされていたかは知らないけど、おそらく発達障害だろう。今ならこういう映画は結構あるけど、破滅的なラストに向かう展開なんかは時代性ともマッチしていて当時だから作れた雰囲気が色濃く感じ>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

3.0

ちひろさんの人との接し方がかなり苦手で特にエピローグでのラーメン店主とのやりとりにゲンナリさせられた。有村架純じゃなかったら絶許。でもちひろさんを囲う周りの人たちはみんな良い。オカジどっかで見たことあ>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.5

バーホーベンらしい手段を選ばないたくましい女性像が今作でも健在。追い詰められたときに発するデスボイスに笑ってしまった。加工してんのかな。すごい。
あのまま逃げおおせただろうにわざわざ捕まりに戻るところ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.0

良かった。ジャンル映画でしっかり及第点取ってくる感じ。閉じた世界で刹那的な生き方をせざるを得ない者たちとヴァンパイアものとの改めていうまでもないの相性の良さ。彼らの生き方を感傷的に美しく描くことに主眼>>続きを読む

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.0

こういうストレートな皮肉だと、そんなお前は一体何様なんだという鼻持ちならなさは出る。特に技巧もインテリジェンスも感じられずそれが良いのかもしれないが、そんなに良いこともない。そんなこと言いつつも何が正>>続きを読む

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.5

暗闇の中で光に像を乗せて投影することが映画を映画たらしめているなと改めて思う。正直思ってたのと違って少々過激だったけれど、恐ろしいくらいのリッチな出来上がりで鑑賞後の余韻がなかなか収まらない。日本でい>>続きを読む

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

3.0

荒野を駆け抜けるアメ車を空撮で追いかける光景はスクリーンに映える。砂漠に伸びる轍が美しい。久しぶりに見返したら結構思い違いをしていて、もうちょっとシリアスかと思っていたけど、かなりゴキゲンなロードムー>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

2.5

見た目はトレンドを取り入れた『マトリックス』で目新しさも無く個人的に刺さるところも無し。エドガー・ライトの中で唯一苦手な『スコット・ピルグリム』のノリにも似ている。設定が説明されてこういう世界観なんで>>続きを読む

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

2.5

何が何だかまったくわからん。パチモンのスター・ウォーズ。マイケル・ペーニャがいなくて悲しい。アントマンの面白さの8割は彼のおかげだったんじゃないかと。
メジャーで活躍するポール・ラッドはもう満足したの
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別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

味濃い映画。古典的な香りはするけど画はしっかり現代的。荒波のラストは迫力満点。前作でもその匂いはしたけれど今回は丸っきり鈴木清順の世界。話自体は単純なんだと思うけど、独特すぎるカットと構成にかなり混乱>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

3.0

映画は狂気の産物であって欲しいと思うものの、現代では許されることもなく汚いものを描きながらも脱臭化された小綺麗な映画だったなと。とはいえ映画が見世物ルーツでもあることをきちんと描こうしてるところは好印>>続きを読む

SHE SAID/シー・セッド その名を暴け(2022年製作の映画)

3.0

かつてオスカー授賞式でセス・マクファーレンが皮肉を言うくらい公然の秘密状態だったので捕まって裁かれるとは思わなかった。権力者の悪事がジャーナリズムによって暴かれ世論が喚起されて正されるという民主主義の>>続きを読む

パーフェクト・ドライバー/成功確率100%の女(2020年製作の映画)

3.0

近年間違いないジャンルの韓国製なので。
この手の映画の定番の立体駐車場でのアクションと事務所内での外からの電灯がちらつく暗闇の格闘場面が良い。ただ全般的にどっち付かずのマイルドな作りだったのでポップに
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

妹キャラで一際目を引くキリの中の人がシガニー・ウィーバーってのがもうワケが分からなくなってくる。アニメと同じことではあるけど何か腑に落ちない。
HFRはジェミニマンでとんでもないの見せられてるからそこ
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あのこと(2021年製作の映画)

4.0

スタンダードの狭い画面内にずっとアップが続くので息が詰まってくる。週数が進むごとに切迫感が増すのはほとんどスリラー。最後の医師の判断が救い。

2023年3本目

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.0

ミニマルな作りで完成された玄人好みそうな映画。コロナ禍の東京下町が舞台だけどざらついたフィルムを通すと全く時代感が出ない。手練れなのはわかるけど、ボクシング映画にはもう少しエモーショナルさが欲しいかな>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

タイムループとかリープだとかの面白システムの上澄みを掬うような映画が多い中で、ループが終わったときのことを考えて日常を疎かにしないという着眼点がめちゃくちゃ良い。ループモノの傑作を挙げるメタ的な会話で>>続きを読む

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

3.0

『はちどり』から続くデジイチで撮ったみたいなクローズアップでボケ味のある映像の少女が主役のアジア映画。まりっか似ボーイッシュ丸顔ショートカットのチャン・ツィフォンの可愛いだけじゃない顔で物語る顔力が強>>続きを読む

理大囲城(2020年製作の映画)

4.5

武力衝突の生々しい現場を捉えた凄まじい映像の記録で簡単には言葉が見つからない。結局、大抵の人間は組織人になるしか無く、そうなるには自意識なんて持ち合わせていられないので現場レベルの人間がある意味頭が空>>続きを読む

名もなき野良犬の輪舞(2016年製作の映画)

3.0

結局『キングメーカー』は見逃してしまったけど、いまさらながら前作の方がちょうどやってたので。
前半の回想メインから現在進行形の話に切り替わる中盤の展開には引き込まれたけど、綺麗な幕引き過ぎてちょっと肩
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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.0

見た感じ50年代アメリカ郊外の家庭が舞台なんで描きたいことはさもありなんというところ。終盤にツイストがあっておおって思ったけど、結局ありきたりなところに収まるのでもうひと捻りは欲しかった。
劇伴の使い
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.5

何か言っていたようで特に何も残らない会話がひたすら続く会話劇でもタレント力の強い俳優陣によってずっと見ていられる光景となる。吾郎ちゃんは改めて見て男前だなと思った。そのまま単なる会話劇で終わることなく>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.0

脚本監督を原作者がやるんだから何をやったって本物になるヤツ。そこで限りなく正解に近いものを出してきた印象。
『バガボンド』『リアル』の今の状況は知らないけど、まだ終わってないことから察するに行き詰まっ
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バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

4.0

渋谷TOEI最終上映。本作でプロデューサーを務めた片岡公生、深作健太両氏登壇のさよなら渋谷TOEIイベントにて。失礼ながらボンクラ息子という認識だったけど、熱のこもったトークから滲み出す憎めない良いヤ>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

3.5

映画を見に行ったつもりだったのにいつのまにか祭りの見物に来ていた。
とにかく画面にケレン味を出すことへの異常なまでの執念をみた。大袈裟だけど大味じゃなくバリエーションも豊富で最後まで飽きない。スクリー
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