数十分ごとにヒロインがバトンタッチしていく形式。
ロケオンリーでテヘラン生活の息吹を感じられる撮影がグッド。
また眼前で繰り広げられる出来事を定点観測するかのような、固定カメラ撮影の場面も印象に残る。>>続きを読む
「フランスのエルヴィス」ことイエイエの帝王、ジョニー・アリディを起用した、ジョニー・トー作品。
ラム・シュとアリディが並ぶ図が観れるとは、なんとも面白い(しかしアリディはなかなかの整形顔で、蝋人形のよ>>続きを読む
元が舞台劇かつ、ファスビンダーのリメイクということもあり、直球メロドラマの仕上がり。
と言っても、物語の中心はあくまでドラマクイーンの中年ゲイ。
出ずっぱりなのは彼だけで、相手役の俳優もアジャーニも、>>続きを読む
どこか『ローズマリーの赤ちゃん』に似た脚本で、『シャイニング』をまんまパクった演出も登場。
また「石蓋が、禍々しい世界への入口」という演出は監督の前作『La Chiesa』を彷彿とさせるほか、ログハウ>>続きを読む
UAEがトビー・フーパーを指名してホラーを作らせたとは考えにくいので、フーパーが同国内の金持ちの中から資金提供者を見つけたのであろう。
国土の大半を占める砂漠の風景や、ドバイの近代的な街並みを楽しめる>>続きを読む
内戦が泥沼化していた頃のシリアを描いた作品で、マンションの一室が舞台。
戦線に参加中で夫不在の一室に妻と義父と子供3名、そして空爆で上階の一室を破壊され身を寄せる一組の夫婦と乳飲み子、さらにハウスメイ>>続きを読む
中東各国にまたがる山岳地帯に拠点を持ちながら、どの国でも迫害の憂き目に遭うクルド人。
中東で繰り広げられるさまざまな紛争へ、否応なく参加して重要な役割を担ってもいる、クルド人。
彼らのトルコでの受難が>>続きを読む
女流監督の作品で、脚本づくりのため何度もアフガニスタン入りしたというのだから、すごい。
撮影は2013年ごろのはず、当時はタリバン政権が復活していなかったとは言え、本作で描かれる一触即発の雰囲気は濃厚>>続きを読む
カナダ育ちのインド人である監督が、インドで撮影した映画だが、舞台はアフガニスタン。
ジハド戦士を養成するイスラムテロ組織の日常を描く物語が、興味深い。
制作は2014年ということで、テロリストの世界で>>続きを読む
パニック大作とあらかじめ承知で観たところ、結構楽しめた。
韓国映画の勢いは大作にこそ発揮されていることが多いので、家族愛描写にうんざりするとわかっていても、やはりたまには観ておくべきと改めて。
舞台は>>続きを読む
そもそも一致しない地球と人間の利害、というか人間の傲岸調整が叫ばれる今日から遡って数十年前の映画であるにも関わらず、すでに山林を舞台とし、植物をマクガフィンとして機能させている。
「強靭な指導者の下に>>続きを読む
武侠映画の名作として知られる、台湾・香港の合作。
180分の長編内にある4~5のアクション場面を山場に、物語が綴られる。
さほど重要でない場面に費やす時間が長く、展開はかなりスロー。
夜間アクションの>>続きを読む
公開時に映画館で観て以来、久々に鑑賞したのだが、なぜ当時本作の魅力を把握できていなかったのかと我ながら、呆れるばかり。
韓国映画全体の中で最も好きな作品のひとつと改めて…、また監督の三部作の中でも復讐>>続きを読む
冒頭はヒッチコックのスリラーのような雰囲気、終盤まで韓国映画一流のサスペンスフルな展開が楽しめる。
「韓国映画はイケメンよりアジョシ!」という向きにおすすめしたい、イ・ソンミン、キム・サンホの雄姿がみ>>続きを読む
「裕次郎に赤木圭一郎、宍戸錠と揃う豪華版だな、お正月用かしら」と思いきや、タイトルロールで赤木の名の横に(新人)とあり、「え?」と驚き。
本作は1960年1月の公開で、彼の死は翌年の2月…、何かの間違>>続きを読む
いま観ても不思議とモダンなカッコ良さ…、赤木圭一郎主演版の『拳銃無頼帖』シリーズをコンプ。
個人的に最後に観た本作が第1弾で『コルトのジョー』とは「あらかじめ因縁あり」という設定だった。
暴虐場面に思>>続きを読む
広大な中国の地方都市で開発計画が進むと、利権獲得に向かう醜い争奪戦が繰り広げられる…、そんな内容で一部実話というサスペンス。
土地を買い上げられる代わりに金銭を受け取れるはずが、代々住む者と新参者では>>続きを読む
「引っ張った挙句、こんな落とし方」と拍子抜け。
冒頭の羊舎+水道ホース場面はもしや、獣姦のメタファーかしらとまで勘繰ったのに…。
嫌がらせ大魔王・トリアーを生んだアイスランドからの作品と、穿ち過ぎたよ>>続きを読む
全然期待していなかったのだが、松本清張の原作が面白いのか、没入できる佳作。
冒頭から作家の屈折したナルシシズムが発揮され、やがて両成敗へと雪崩れ込む展開の、露悪的なほろ苦さ。
作家を慕う女編集者や悪役>>続きを読む
アメリカ制作の作品で韓国系アジア人が主役という物見高さから鑑賞、といっても劇場公開ではなく、配信前提の作品だが。
てっきり最近話題だったSF映画の主演女優と同一人物かと思ったが、そうではなくサンドラ・>>続きを読む
久し振りに観た非ジャンル映画、みずみずしかった。
前半は中国南西部貴州省に位置する凱里市の緑豊かな風景、停滞した人間関係が切り取られていく。
後半には心のロードムービーといった趣が加わり…、もしかする>>続きを読む
プロデューサーのエドワード・スモールがUA向けに制作したノワール。
ロングショットがほぼない撮影からも低予算が伝わるが、脚本は面白い。
「犯行時はマスク必須。共犯内でさえ顔を見せ合わない」というルール>>続きを読む
香港スター競演だが「アメリカや韓国制作の、70年代を舞台にした犯罪映画」を踏襲する作風。
好爺キャラが目立つくらいで、香港映画に受け継がれてきた独特の演出法は希薄…、観進めやすいのは確かなのだが、やや>>続きを読む
商業映画とは一線を画すイ・チャンドン作品主演での印象が強いソル・ギョングだが、こういう役もこなす俳優なんだと改めて。
どうしても彼でなければという必然性こそ感じないが、イセッキャ、シバロマを連発する姿>>続きを読む
偶然ながら、赤木圭一郎の没日翌日に公開された作品。
人気スターの事故死、その追悼(劇中)映画がエンドマークを迎える冒頭の演出に遊び心あり…、アプレなグルーピーが戯画化されているのも興味深い。
短いラン>>続きを読む
ハードでアグレッシブな韓国映画を久々に観た…、キャラクター全員に後ろ暗さありなところは、ノワール。
家族愛描写もほぼなしで助かる。
すぐキレる役柄のイ・ソンギュンにはいまひとつ魅力を感じられず…、チョ>>続きを読む
韓国映画に本格的にハマってからまだ1年ぐらいしか経っていないのだが、個人的に最も好きな俳優となったのは、チェ・ミンシク。
その昔『親切なクムジャさん』の公開時に映画館で鑑賞したことはあるのだが、韓国映>>続きを読む
春日八郎主演のミュージカルサスペンス企画だったのでは、と勘繰るが、監督の監督たる映画術により、製作意図が完全に形骸化しているようで面白い。
ナイト・フォー・ナイトショットに雨がプラスされたことでさらに>>続きを読む
ジャジーな音楽と夜間ロケ映像の冒頭からノワールな雰囲気。
フリーランスなトップ屋稼業の生態が興味深いほか、生々しい色仕掛けや湖畔に舞い降りるヘリコプターなど、思い切った演出多数。
ランニングタイムが短>>続きを読む
ダンディかつ男臭いのに、タレ目でかわゆい二谷英明目当てだったが、本作ではスピーディかつやや迷走気味な演出についていけず、野暮に見えたり、台詞回しの不味さが露呈する箇所が多い…、当時の量産体制の過酷さが>>続きを読む