チッコーネさんの映画レビュー・感想・評価

チッコーネ

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ホワイト・バレット(2016年製作の映画)

4.0

銀色の照明に囲まれた手術台をガラス越しに映す冒頭からシャープな映像、監督らしい『香港ノワール』というヤツで、今回は大病院が舞台となっている。
スローモーションを多用した銃撃戦の背後には、王菀之の印象的
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.0

移民大国・アルゼンチンの中でも、在住ポーランド人を題材にした映画が目立つのは、ナチスによる迫害を逃れてきたユダヤ人が多いからなのだろうか。
本作もそうした映画のひとつだが、主人公はアルゼンチンを早々に
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権力に告ぐ(2019年製作の映画)

2.7

韓KEBと米ローンスターの売却問題という実在事件を題材にした、社会派エンタメサスペンス。
実際に殺人事件まであったのかはわからないが、作品内では韓国国民の怒りを表明するだけでなく、すでに経済システムが
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その男ゾルバ(1964年製作の映画)

1.7

美しい観光名所、というイメージがあるクレタ島が舞台。
しかし監督がギリシャ人で、村社会の隠された醜さをはっきりと暴き出す。
特に恐ろしいのは『本人の咎なく未亡人になった美女のエピソード』で、殺人が公然
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怪しい彼女(2014年製作の映画)

2.2

家族愛を切り札にする所詮エンタメファンタジックコメディだが、高齢者への限りない愛とリスペクトが基盤になっているところが、ユニークと言えばユニーク。
見た目さえ変われば、年寄りでも若者の間で十二分にやっ
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トラウマ/鮮血の叫び(1992年製作の映画)

3.5

ジャッロの出涸らしではあるが、監督のファンなら問題なく観れる。
犯人の一人称カメラをはじめ、そこそこ工夫に富んだ撮影が随所で健在。
「舞台はアメリカ?どこ?」と確認したくなる無国籍な作風で、湖畔という
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祝祭(1996年製作の映画)

3.5

形骸化していく韓国の伝統葬儀が、なんとか型を為していく様子を専門的かつ戯画的に描写。
監督は『風の丘を越えて』でヒロインを務めたオ・ジョンへに一族の外れ者役を配し、グダグダになりがちな物語のスパイスと
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暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

4.7

「ひとりの反ファシストは英雄なのか、それとも実より名を取ったのか」という脚本(原作)は興味深いのだが、同時進行で『独立した、綿密な撮影プラン』を立てているとしか思えない流麗な映像の数々が、すごすぎ。>>続きを読む

デリリウム(1972年製作の映画)

4.0

前半はよくあるユーロトラッシュで編集もやや散漫なのだが、ヒゲモジャオヤジが活躍を見せ始める中盤から謎解きの面白さや、正調ジャッロ演出が顕在化し始める。
そしてクライマックスは「狂ったメロドラマ」へ突入
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プリースト 悪魔を葬る者(2015年製作の映画)

2.5

キム・ユンソクのフィルモグラフィを見てみると「若手とのセット売り」が多いのに気づく。
出世作『チェイサー』も然りだが、「毒を食らわば皿まで」と腹を括った役者が相手なら、彼の持ち味は充分に活きてくる。
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シークレット・サンシャイン(2007年製作の映画)

3.5

夫の死を乗り越えるために訪れた釜山近隣の地方都市『密陽』で、さらなる受難に直面する韓国女性の流転を描く。

最愛の子供を失ったヒロインの周囲には「非を追求する親戚縁者」からの悪意、「弱みに付け込む他人
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パイラン/ラブレター パイランより(2001年製作の映画)

4.2

「あれイヤ、これダメ」と注文つけ放題の現代恋愛事情においては、かように特殊なシチュエーションでなければ純愛が成立しないことを物語るような一本。
タフな状況下で『恋に恋する恋』にすがらねば生きられぬ女の
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THE JOYUREI 女優霊(2009年製作の映画)

3.0

本作の存在を知った時「なぜフルーツ・チャンが、こんな企画ものを」と嘆いたものだった…、時期的にもアジアン・ホラーブームは過ぎているころだし。
しかし『美しい夜、残酷な朝』の監督パートを観て、気が変わる
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バッカス・レディ(2016年製作の映画)

3.5

一応韓国映画アカデミー製作だが、限りなくインディでインティメイトな雰囲気の作品。
エキゾチズムが必要以上に強調されることのない短いカットの連続の中に、現代ソウル気質を垣間見れるのが楽しい。
監督は50
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海にかかる霧(2014年製作の映画)

2.7

実話ベース、大量殺人+死体遺棄の描写アリで一風変わったホラーのような趣も。
「朝鮮族が密航する船上」という特殊な設定で、ロケとスタジオ撮影が混在しているが、どちらにも大量の水が使用されており、クライマ
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ファイ 悪魔に育てられた少年(2013年製作の映画)

3.0

ご都合主義的な人物相関図が、終盤で孤児院という出自に収束されるという脚本が、じんわり怖い。
少年と5人の父親の関係描写に強弱があり、サイコパス度が高いナイフ使いキャラとの交流までを想像するのは厳しかっ
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奴隷の島、消えた人々(2015年製作の映画)

3.0

『殺人の疑惑』然り、実在事件をモチーフに、エンタメサスペンス方向へ舵を切る大胆さは、韓国映画一流という感じ。
「ちょっと不謹慎でない?」と感じてしまうほどだが、このやり口はすでに定着した感がある。
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蛇皮の服を着た男(1960年製作の映画)

3.2

テネシー・ウィリアムズ戯曲の映画化。
本人も脚本に参加しており、舞台は『ベビイドール』と同じくアメリカ南部、極保守の住民×流れ者のドロドロ絵巻として映画化されている。
本作に比べれば『去年の夏、突然に
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ペパーミント・キャンディー(1999年製作の映画)

4.2

純粋な心を持つ青年の手が、韓国の歴史の中で血や社会悪、そして堕落に染まっていく哀しみが描かれており、自戒の念も色濃く滲み出ている作品。
トロットで踊るアジョシ・アジュモニの陽気なピクニックを描いた冒頭
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真犯人(2019年製作の映画)

3.5

登場人物たちが鑑賞者を攪乱する『羅生門』タイプの脚本、クライマックスでは『シャイニング』な演出まで登場する。
また事件にとらわれ、偏執的になる登場人物たちの行動を説明するカットも、きちんと撮られていた
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殺人鬼を飼う女(2019年製作の映画)

1.5

最近の監督作品てどうなんだろうと思って観てみたが、ひどい出来。
低予算でリアリティのない美術(たかだかビストロ勤めの女が、なんであんないいマンションに住んでいるんだか)、役者たちのマニュアル演技(特に
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悪魔の墓場(1974年製作の映画)

3.0

総勢5名程度のゾンビがあまり怖くない代わりに、警察権力がメインキャラの敵として配置されている…、また諸悪の根源はケミカルな環境破壊。
「男のくせに長髪で、オカマみたいな恰好」のレイ・ラブロックに充てら
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将軍様、あなたのために映画を撮ります(2016年製作の映画)

5.0

見応えありのBBC制作ドキュメンタリー。
金正日が映画好きだったとは、知らなんだ…、金日成存命中から、国の金を使って映画作りにいそしんでいたとは。
しかしその歪んだ性格ゆえか、体制にとって両刃の剣とな
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ザ・メイヤー 特別市民(2016年製作の映画)

3.0

冒頭からいきなりチェ・ミンシクのラップが聞けるのは面白いのだが、アメリカンナイズが進む韓国政治の広報スタイルには、ややぐったり。
討論番組で立候補者同士がけなし合いとか、SNSで埃を叩くとか、ヒステリ
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女の秘めごと(1969年製作の映画)

4.0

監督の初期作品で、後年のホラーよりずっと良い。
中盤まで60年代伊映画ならではの、洒脱な雰囲気がいっぱい(音楽はリズ・オラトラーニ)。
舞台美術はちょっと安っぽいが、美しい女優たちに映えるキッチュなス
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.0

『いにしえから災いの元と恐れられてきた悪』、韓国人口の3割を占めるキリスト教徒にとっての『悪魔』、過去に蛮行を繰り広げた仇敵『日本人』、そしてコンプライアンス完全無視の『高度資本主義企業による悪行』と>>続きを読む

哀しき獣(2010年製作の映画)

3.0

韓国で蔑視される『朝鮮族』の青年をメインキャラに据えた、アクションサスペンス。
社会的マイノリティとして中国からソウルへ密航し『存在しない者』として息を潜めながら行動する彼には常に受難が付きまとうが、
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1987、ある闘いの真実(2017年製作の映画)

3.0

『タクシー運転手』同様、韓国の民主化30周年の節目に製作された作品。
史実が登場人物内で都合よく完結してしまうのはいかにも映画、という感じだが、軍事政権下における民主主義の受難が、迫真のタッチで描かれ
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ゼロ・ペイシェンス(1993年製作の映画)

3.0

カクテル療法がまだ確立していない時期のHIV映画で、ミュージカル体裁。
本作をニュー・クイア・フィルムの1本と捉える向きもあるようだが、舞台的なコミカルさやチャートミュージック風の楽曲アレンジは、先鋭
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賭博師ボブ(1955年製作の映画)

4.2

パリ高台のモンマルトルを舞台に繰り広げられる、犯罪サスペンス。
真夜中、早朝とアウトローたちが蠢く時間帯を中心にロケ場面がテンポよく編集されており、繁華街に独自の雰囲気が紡がれているのを示すほか、賭博
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太白山脈(1994年製作の映画)

3.5

大戦後すでに分断されていた韓国と北朝鮮の間で、戦争が開始されるまでの2年間を追う重厚な作品(ランニングタイムは151分でなく、164分)。
原作があるようだが、映像作品としてさらに広範囲へ史実を伝える
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女校怪談(1998年製作の映画)

3.0

続編も作られたKホラーの元祖(※民主化以降という意味で)。
女子高が舞台で、学歴が物を言う実社会よりよっぽど怖い学園生活がディフォルメ気味に描かれているが…、日本にも見られるテスト重視の詰め込み教育、
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悪いやつら(2012年製作の映画)

4.0

本作の主人公である「一般人でも、ヤクザでもない男」は、いわゆる正統派イケメンを演じないままオールラウンド・プレーヤーとして大成したチェ・ミンシクにぴったり…、彼の代表作のひとつと呼んで差し支えない出来>>続きを読む

死んでもいい経験(1995年製作の映画)

3.0

2022年5月現在、『下女』以外で最も観やすいキム・ギヨン作品(IVCはとりあえず、高価なBOXを捌いているところ)。
制作陣が公開を見送っただけのことはあるゲテ物で、70年代後半~80年代前半の土曜
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