西本不律さんの映画レビュー・感想・評価

西本不律

西本不律

映画大好きなゲイ。
作品への好奇心は古今東西、関係なく。
アートとエンタメのバランスが秀逸な作品が好きです。
http://eiga.no-mania.com/

映画(1735)
ドラマ(0)

黒水仙(1946年製作の映画)

3.7

中盤まで「ゆれる尼僧物語」程度と見せかけておいて、クライマックスはほとんどホラー…、こんなに変な映画なら、もっと早く観ておくべきだった!さすが『血を吸うカメラ』のマイケル・パウエル作品。

キャスリー
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海の花火(1951年製作の映画)

3.7

木暮実千代×木下惠介はこれ1本だけだと思うのだが、脇を固める俳優陣も豪華で佐田啓二、笠智衆、杉村春子、三國連太郎と枚挙に暇なし。
加えて木下組の桂木洋子や小林トシ子らにも、しっかり出番がある。
このた
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if もしも・・・(1968年製作の映画)

3.0

イギリスの寄宿学校を舞台にした映画。抑圧を強いる支配者側の圧政を描写した場面は多いのだが、しつこさのない編集でテンポよく進むから、見やすい。

とは言え「校長だけ成敗して終わり」ではカタルシスに欠ける
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魔界世紀ハリウッド(1994年製作の映画)

2.7

(今回は)監督が担当していないからなのか、脚本が良くないTV映画。人物の相関関係がわかりにくい。また「呪いを利用する者がしくじった時、その呪いはすべて自分に還る」ということぐらい「自明の理じゃん、対策>>続きを読む

ローラ(1961年製作の映画)

4.0

スチールだけ見ていると、アヌーク・エーメ扮する子連れダンサーの一代記が連想されるのだが、実質的には群像劇。

サブキャラひとり一人をかなりしっかりと描いてみせるだけでなく、それぞれに大なり小なり関連を
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郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942年製作の映画)

3.0

鑑賞したのはVHS版で、ランニングタイムは118分程度。恐らく終盤にハサミが入っているのではないかと…、特に主人公ふたりが、再び心を通い合わせる過程の描写は、脆弱に感じられた。
また当時のイタリアの世
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サムライ(1967年製作の映画)

4.0

一匹狼な殺し屋の知られざる生活を追った映画と言えば、ウォン・カーウァイの『天使の涙』が思い浮かぶのだけど、その30年前に作られた本作にも、同様な見応えが充分。「冷たく寒々しいからこそ、よく眠れそうな居>>続きを読む

黒い十人の女(1961年製作の映画)

3.7

十人の女と銘打ってはいるが、実際には山本富士子と岸恵子の対決に宮城まり子が絡む程度。大映作品なのに、京マチ子も若尾文子も出演していない。

終盤まで監督夫妻の「どうだ、こういうのカッコいいだろ」という
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ファール・プレイ(1978年製作の映画)

3.2

所詮娯楽コメディだが、サスペンス要素が全編に並走されている。
毎シーン何かが起こる前半は飽きさせずに見せるが、暴走カーに長尺を割いたクライマックスは、今観ると退屈。
アジア人やイタリア系、そして低身長
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ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

3.5

富裕層として生活を営む白人男性の受難がテーマ。彼らが意識的に呈する傲慢さではなく「根は善良。しかし時に羽目を外す」程度の態度まで制裁する厳しさがあり、対峙するキャラもかなりタフ。「そろそろ根本を改めろ>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

4.0

成瀬が東宝で撮っていたような、絆ではなく崩壊を追う不穏なホームドラマ。
3世代の中でも、従順さを求められる祖父/子供世代は、予定調和を徹なに拒否。親世代は我が道を行くこと以外、眼中にない。
自死や性に
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オフサイド・ガールズ(2006年製作の映画)

4.5

閉塞したイスラム社会に生きながらも、ユーモアと温情を忘れない人々の姿を活写している。
本作の中では、知恵と行動力こそが正義。常にディスカッションがあり、何気ない場面の中にも小さな闘争が立ち上がっていく
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ひとりぼっちの狩人たち(1995年製作の映画)

3.0

アンチヒーローと呼ぶほどの魅力も、覚悟もないミスフィッツたちを描いているが、場面から場面へと、たたみかけるように突き進んでいくさまが小気味よく、俳優陣もスピーディな演出によく対応しているので、何とか最>>続きを読む

イット・フォローズ(2014年製作の映画)

3.2

感染したら必ず死ぬが「その前に誰かに伝染せば、ちょっと一息つける性病」という、ゲーム要素が加味されたパニックホラー。

だが作風には、耽美派の傾向あり。
演出は控え目で、登場人物たちも至ってナイーヴ。
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最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション(2012年製作の映画)

2.0

「男根に限りない愛情を注ぐチンポ吸いとして、観ておくべきかな💛」と思っていたのだが、いざ鑑賞し始めたら、予想以上に「モノ」から逸脱していく内容だった。
何だこれは、ペニスを題材に、北欧とアメリカのイデ
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恐怖の逢びき(1955年製作の映画)

3.5

フランコ政権下の1950年代に気を吐いていた監督(ハビエル・バルデムの伯父)の、貴重なスパニッシュ・クラシック。

サスペンスの中にも「権力やブルジョア階級への痛烈な批判」や「戦争によりもたらされた喪
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夜の牙(1958年製作の映画)

3.7

凝った脚本にスピーディな展開で、「顔のない男」や狂女など、エキセントリックなキャラクターも登場するサスペンス。
役柄では裕次郎と同い年だが、実際にはひと回り年上の月岡夢路は、正しくファム・ファタールし
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Gメン(1935年製作の映画)

3.5

ギャングものだが、本作でのキャグニーはひとクセあるFBI。まだ若く、休む間もなく動き回る姿には、アイドル的な魅力も漂う。
80分強の短い映画だが、前半で登場したキャラを、後半で無駄なく役立てるしたたか
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美輪明宏ドキュメンタリー 〜黒蜥蜴を探して〜(2010年製作の映画)

3.0

もともとはテレビ用のドキュメンタリーだそうで、日本人からしてみれば、美輪明宏について既知の情報をなぞっているだけの内容に、見えなくもない。
しかし対象が存命人物であり、フランス製作だからこそ引き出せた
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メットガラ ドレスをまとった美術館(2016年製作の映画)

4.2

金の亡者やヴィクティムによる愚行のせいで、アカデミズム層から軽視されがちなファッション。
しかし業界自体はアンビバレンツを抱えながら、休む間もなく前へ進もうとしている。
その現場を捉えた作品が、つまら
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ある戦慄(1967年製作の映画)

3.0

電車という密室に暴力、差別、そして不快感が充満する作品。
中産階級のヘテロ白人に巣食う悪意の権化のようなサイコパス2人組が、内心に不満を抱えるそこそこ善良で、生活にがんじがらめとなった人々を拷問にかけ
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夏の秘密(1982年製作の映画)

3.2

北原佐和子、真鍋ちえみ、三井比佐子の「女たのきん」・パンジーを主演に据えたアイドル映画…なのだが、角川を意識したのか作品はサスペンス調(でも松竹で、仕上がりは所詮土曜ワイド調)。
しかも実質的な主演は
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北朝鮮をロックした日 ライバッハ・デイ(2016年製作の映画)

3.5

日本で言えば『フールズメイト』の時代から、一度の解散も経ず活動しているライバッハ。
ノイズ/インダストリアル系には、時々恐ろしく息の長いバンドがいるが、とかくキワモノっぽいイメージで、誰がフロントマン
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蔵の中(1981年製作の映画)

4.0

本物の蔵の中で撮影されたという本作は、その薄暗さを活かした光の濃淡が見事に美しい。また美術は完全に「和」で統一されており、艶やかな着物に色とりどりの折り鶴、日本人形、そして青いギヤマンの水挿しにさえ、>>続きを読む

バッド・エデュケーション(2004年製作の映画)

4.0

スペイン人と南米人は、侵略の歴史がもたらした「共通言語」という遺産を共有している。
「南米映画のニューリーダー」としての地位を確固たるものにしつつあったガエル・ガルシア・ベルナルにしてみれば、世界的な
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