「外ではいいけど、ここではダメ」という台詞が印象に残る。
もはや映画の中でも、特殊な舞台装置なしには現代ゲイの純愛を描けなくなってきているということだろうか(先進国では)。
聞き分けなく刹那に生きる若>>続きを読む
「魔警」と呼ばれ香港を震撼させた徐歩高の事件が元になっているものの、大幅に脚色されており、事実はデティールのみに落とし込まれたかたち。
とは言えサイコ/ニューロティック要素が、よくあるエンタメアクショ>>続きを読む
元内偵 VS 爆弾テロギャングという構図のエンタメサスペンス。
濃密な脚本をまとめる編集はサクサクスピーディでわかりやすく、見せ場の連続。
九龍と香港を結ぶ海底トンネル内の立て籠り事件で、山場を迎える>>続きを読む
オリジナル脚本の細部まで覚えていなかったのだが、前半の「毒を喰わらば皿まで」を地で行く描写は同じ、しかも強烈。
おかげで最初の1時間ぐらいはあっという間だった。
「黒幕の正体は組織の身内でさえわからな>>続きを読む
心に傷を抱えたオルタナヒーローの暗躍を描く。
作品内でも詳しく説明されないフラッシュバックに悩まされるだけでなく、不穏な状況に巻き込まれる彼の行方が反映された脚本は一体どこへ向かうのか、予測不能。
ま>>続きを読む
前半は不可解なSFタッチが面白い、後半は段々と「よくあるアクション」に堕ちていく。
パク・ヨンウ演じるジャンキー・キャラクターはユニーク。
ヤクの取引相手は日本人という設定で、当該役者に充てられた「ヴ>>続きを読む
法廷ドラマを観ながら「実際に犯罪を犯したかどうかより、法廷ルール上で有罪か無罪かが争点?」というモヤモヤを感じることはよくあるが、本作のメインテーマは、その諸行無常。
「行動する一般人」のヒロインは、>>続きを読む
クローネンバーグ作品と『フランケンシュタイン』の融合のような映画。
「女らしさ」に真っ向否を突き付ける監督の怒りが充満しており、ヒロインは他人も傷つけるが、自らへの攻撃も手加減なしという演出。
醜女メ>>続きを読む
60年代ヨーロッパのアクションコメディを翻案したような作品。
タイトルロールがコマ送りなのは凝っている、また前半の編集は畳みかけるようにスピーディ。
相手が男でも女でもお構いなしに鞭を奮うSオヤジキャ>>続きを読む
『王の運命』でユ・アインが演じた思悼世子の息子で、朝鮮王になった正祖の時代の物語だが、撮影や画面加工は終始、近年のアクション映画流。
そんな取り合わせの珍味が受けたのか、続編も作られたヒット作だが…、>>続きを読む
自然災害(?)を基にしたドラマで、都会に乱立する建物が倒壊した景色を描く画面は作り込まれているものの、SFタッチではない。
しかしコメディ演出も、皆無。
大手ロッテ配給ながらジャンルや家族愛に逃げず、>>続きを読む
童話ベースの韓国ホラーで同時期の『赤い靴』、『シンデレラ』と並び称される作品。
『シンデレラ』はさておき『赤い靴』は悪くなかったが、本作も『トガニ』に先立つ意外な社会派タッチが後半に控えており、単なる>>続きを読む
監督印のストップモーションが控え目な代わりに、人や料理などのクローズアップ撮影が頻出、場面転換にも多用されている。
役者が相手役でなく、カメラを眼前に演技している場面はかなり多め。
舞台となる古いアパ>>続きを読む
Jホラーが人気を博していた2000年代前半のプロジェクトなのか、日米のコラボで日本人プロデューサーが名を連ね、音楽は『リング』の川合憲次が担当。
『グレムリン』や『13日の金曜日』といった、日本でも大>>続きを読む
イケメン×不細工なアジョシという組み合わせのバディ映画で、南北朝鮮の交流を活用した脚本。
アクションの山場は後半に2回ほどあり、カーチェイスと銃撃戦で見せる。
ある程度予定調和な展開であるが、期待も裏>>続きを読む
朝鮮戦争を題材に取った作品、もっとコメディ寄りかと思いきや、シリアスな演出が優勢…、南北間の歩み寄りを焦点に揺さぶりをかける。
地上5人で戦闘機10数台に挑むアクション場面は、高低差が充分に感じられる>>続きを読む
アメージングな菌類の生態については英BBC制作のドキュメンタリーで確認済み、本作の冒頭映像はBBCに倣うところが多く、幼稚な擬人化ナレーションにも辟易とさせられた。
しかし中盤から「幻覚きのこ」につい>>続きを読む
朝鮮王朝が第5~7代の王を迎える間に生じた動乱を、狂言回しの観相師を交えながら描いた歴史エンタメ大作…、冒頭からオーケストラ編成の劇伴が唸る。
最も優れているのは脚本。
文宗(キム・テウ)、端宗、世祖>>続きを読む
『ダーティハリー』監督ドン・シーゲルの初期作で、メキシコを舞台にしたサスペンス。
激しいカーチェイスと、元恋人にいきなり平手打ちを食らわすヒロインの直裁な挙動が見物。
水面に花を散らしたメキシコ高級ホ>>続きを読む
2000年代には「家族」をテーマに据えたゲイ映画が多く作られた。
ゲイが作ろうとする新たな家族のかたちと、その受容についての物語は、観衆を先導する力を持ち得ていたと思う。
しかし家族制度から拒絶された>>続きを読む
2000年代前半の韓国映画で、ドタバタコメディ。
同時代のKホラーと違い、よそゆき顔なところは一切なくて、等身大のコリアンライフが戯画化されている。
加えてペ・ドゥナは夫に媚びず隷属もしないヒロイン像>>続きを読む
『犯罪都市』のカン・ユンソン監督作。
選挙を犯罪劇に仕立てる不謹慎なエンタメだが、サービス精神もたっぷりに練り上げられた脚本なので、憎めない。
主人公は暴力を自らに禁じた元ヤクザ、ゆえにアクション場面>>続きを読む
真面目な役を演じていたらかなりダンディな主演のジャン・デュジャルダンのお陰で、意外に楽しく観進められる。
脚本はシュールで荒唐無稽、暴走する主人公の数日間を追う。
深読みする気も起きないが、無能なクセ>>続きを読む