はむさんの映画レビュー・感想・評価

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市子(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

300日問題によってもたらせれる悲劇を扱っているけど、その制度の是非というよりもそれによって無戸籍のまま生きていかなければならなかった市子個人の物語によりフォーカスしているように思った(それが良いとか>>続きを読む

沈黙の自叙伝/自叙伝(2022年製作の映画)

4.4

支配する男と支配される男、二人の間に流れる空気に息が詰まる。
支配される側の若者の純粋さ、傲慢と焦燥からの絶望、怒り…その感情のグラデーション、それと共鳴するかのような映像のざらついた質感、どれをとっ
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ペルリンプスと秘密の森(2022年製作の映画)

3.8

太陽の王国のクラエと月の王国のブルーオ。異なる文化を持つ二人が巨人から魔法の森を守るため、共にペルリンプスを探す。
湿気を帯びた深みのある色とそれに負けないほどカラフルな音が反発し合う二人を結びつけて
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.2

八方塞がりになったイーニドの「(どうしてこうなったのか)自分でもよくわからない」という言葉にガツンとやられた。
ずっとなんにもわからないまま何かを選んで生きるしかないのかなぁ、と。人も場所も。
胸がジ
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.9

航空パニック!無法地帯でのサバイバル!傭兵出動!立場の異なる2人の共闘…大好き要素てんこ盛りでめちゃくちゃ面白かった~!ジェラルド・バトラーからしか得られない安心感と信頼感(でもちゃんと口も悪かった)>>続きを読む

シチリア・サマー(2022年製作の映画)

3.7

その出会いが一変させる二人の世界は眩くて、でも今にも壊れそうに儚げで、そしてやはり悲劇は訪れる
二人を揶揄する人、見つめるだけの人、引き離す人、存在してならないと手を下す人…もし自分なら、と考えずには
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理想郷(2022年製作の映画)

4.2

移住した夫婦と彼らをよく思わない村人たち。森の中で動く人影や夫婦をじっと見つめる視線がただそれだけで心をざわつかせる。
エゴや正論をぶつけ合うだけで歩み寄ろうとしない両者の無理解がとんでもない憎悪を引
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PHANTOM/ユリョンと呼ばれたスパイ(2022年製作の映画)

4.1

1933年、日本統治下の韓国を舞台とした総督府警備隊と抗日組織とのヒリヒリMAXの心理戦と攻防。
どれだけ傷付けられようと屈することのない逞しく美しい闘いに魅せられる。映像、衣装、美術、どれをとっても
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毒戦 BELIEVER 2(2023年製作の映画)

3.7

登場人物それぞれが謎の人物“イ先生”への様々な想いを抱えながら、前作のあの悲しくて美しいラストに向かって転がり堕ちていくストーリー。前作の泥臭さがなくなり、よりスタイリッシュな印象。
それでも今回のラ
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正欲(2023年製作の映画)

3.9

ここに出てきた人たちの気持ちを理解しようと思わないし、理解できるとも思わないけど、理解し合える人と出会えた安心感やその人が大事すぎていなくならないでほしいと泣きたくなるほど願う気持ち、それだけはわかる>>続きを読む

私がやりました(2023年製作の映画)

3.4

犯人の座の奪い合いとか女優が女優を演じることとか面白いと感じる部分もたくさんあったけど、この作品の軽妙洒脱さやお洒落でセンスのある表現と全体に流れているテーマとのバランスが私には少し合いませんでした。>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.7

自分語りが多めなところとか、シェアスクーターを使ったり必要な物をAmazonで買ったりするところとか、とにかく物を使っては捨て使っては捨てするところとか、お金の管理がしっかりしてるところとか…これが今>>続きを読む

デシベル(2022年製作の映画)

3.8

音に反応する爆弾テロに1人で立ち向かう元海軍副長。真っ白な海軍服で走り回るキム・レウォンがかっこいい!
常に「どちらを爆発させるか」の選択を迫るテロ犯の動機にすすり泣く“音”が劇場内に響き渡る瞬間も…
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人生は、美しい(2022年製作の映画)

4.0

余命宣告をされた妻とその夫が辿る二人の軌跡、、とともすれば悲しくつらいだけになりそうな物語をとびきり楽しくキラキラに描くミュージカル映画。若い頃の二人もリュ・スンリョンとヨム・ジョンアが演じることで誰>>続きを読む

ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.3

議論は脱線に脱線を重ね、鬱積した個々の不満が爆発する17分1カットの集会シーンは物語の当事者のみならず、この世界、この社会、私たちの目の前に等しく迫り来る苛烈な現実を明示する。
観る者の薄っぺらい正義
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.2

タイトル通り全くもって想像以上に死なない伝説の老兵アアタミ・コルピが奪われたものを取り返すために1本のツルハシと不屈のSISU魂を武器に敵を殺して殺して殺しまくる!
アアタミおじいちゃんの殺戮方法がと
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

4.3

「人類は何のために存在するのか?」
その問に対する美しい解がこの作品にあるような気がします。
タンさんが見つけたこの答えは代わり映えのしない日常をまるで遠くから届く星の明かりのように輝かせてくれるもの
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.0

す教育や社会との繋がりを奪われてきた女性記者たちがスマホの電源を入れアルファベットを綴るところから学ぶ姿が何とももどかしい。
だけと彼女たちは考えている。自分の頭で。
ジャーナリストとして、人として女
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

鑑賞後もずっと登場人物たちの会話、ちょっとした視線や行動が頭から離れない。
石油利権をめぐる白人たちによる先住民の搾取、という大きな物語に緻密に潜んでいる細やかで多面的な人間ドラマに唸る206分。
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.8

シスター ヴァラク待望の復活~!
寄宿学校を舞台にあっちやこっち、手を替え品を替え出没する大サービスに歓喜♡宿敵シスター・アイリーンをはじめ、怯えながらも戦うその他の女性陣も良き。ヴァラクをやっつける
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.7

こんな奴イヤだわ~嫌いだわ~…と心の中で繰り返す毒づきが次々と自分に返ってくる。でもその毒を飲み込んで気持ち悪くなって吐き出して全てめちゃくちゃになったところでとんでもなく癒された。自分自身の病いを自>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

序盤からつきまとう違和感
マッコールさんがいつもと違う…

思わぬ相手から負った傷で動けなくなり、杖をつくマッコールさん
温かい人たちとの交流を深めるマッコールさん
そんな人たちの目の前で悪者を懲らし
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.6

親友を死に追いやったヤツらに復讐していくオクジェ。元警護員のスキルを活かし独り立ち向かうオクジェの迷いのない感じが良い。
敵役のキム・ジフンの変態っぷりとリーダーの“あの人”のムキムキオールバックポロ
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ハント(2022年製作の映画)

3.9

1980年代という韓国にとっての激動の時代。何度も繰り返し描かれてきたこの時代に翻弄され、もがき苦しむ男たちの生き様にまたしてもやられてしまった。
絶妙な泥臭さと息のつまるアクションと心理戦、陰影を効
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.8

カー・フー?ドッグ・フー??なんのこっちゃ!途切れることなく攻め立ててくる怒涛のバトルに途中からほぼトランス状態に。お気に入りはラウンドアバウトのカオスと屋内で俯瞰で見せるとんでもアクションの数々。>>続きを読む

コンフィデンシャル:国際共助捜査(2021年製作の映画)

3.8

上映中ずーっと「ヒョンビン、カッコイイィィィィ!!!」と心の中で叫びまくり。銃弾を避けながら転がる姿も柱の影で銃を構える姿も、なんならグイグイ迫るユナちゃんに戸惑う姿ももれなく脳内でスロー再生されてウ>>続きを読む

グランツーリスモ(2023年製作の映画)

3.9

実話をもとにした、ど直球なスポ根サクセスストーリー。
リアルとゲームの世界を行き来するような時速320kmのカーレースの臨場感をIMAXで浴びる興奮!
主人公の青年ヤンと彼を取り巻く大人たちとの衝突や
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ほつれる(2023年製作の映画)

4.2

門脇麦さんは絶妙なバランスで人間の狡さや弱さを表現できる役者だと思う。そんな彼女が演じた綿子の他人と向き合わない感じからずっと目が離せなかった。
このピリつく空気感味わったことがある、この不快な肌触り
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MEG ザ・モンスターズ2(2023年製作の映画)

3.8

何でもかんでも手当り次第にガブガブ食べちゃうメグちゃん大好き。最近サメ映画を観ると、サメさん!愚かな人間たち全員食べちゃってー!とか思っちゃいます(お腹壊しちゃうかもだけど)
欲を言うならステイサムを
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復讐の記憶(2022年製作の映画)

3.6

記憶がなくなる前に復讐を果たそうとする認知症の老人の黒く燃えたぎる執念の炎。
仲の良い若者を巻き込んだり、派手な赤いポルシェを使ったりと、多少違和感を感じたものの80代の老人を演じきる俳優イ・ソンミン
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エリザベート 1878(2022年製作の映画)

3.6

その美貌が皇妃として妻として母としての存在意義だったエリザベートが“平民なら平均寿命”の40歳になる。毎日不機嫌で疲れていて、ともすれば自分勝手にも見える彼女が最後に出した答えに、誰かに決められた自分>>続きを読む

わたしたちの国立西洋美術館~奇跡のコレクションの舞台裏~(2023年製作の映画)

3.4

整備のため休館となった西美の1年半の記録。所蔵品の修復など職員たちの多岐にわたる活動はもちろん、美術品を取扱う運搬・工事業者のプロの仕事も興味深かった。そしてその活動の全てが芸術を守り伝える世界中の美>>続きを読む

あしたの少女(2022年製作の映画)

4.5

前半は卒業前の高校生ソヒが実習生として働きながら少しずつ、でも確実に心をすり減らしていく様子に衝撃を受け、後半は起こった悲劇を解明しようとするペ・ドゥナ演じる刑事と共に心が怒りで一杯になる。そしてラス>>続きを読む

マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.9

火の女の子エンバーと水の青年ウェイドの恋を見て、自分と違うところを理解しようとすること、その違いを好きになること、それが人との繋がりの喜びであり幸せなのかなぁと思った。
夏休みの子供たちで一杯の劇場で
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