raintreeさんの映画レビュー・感想・評価

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マリアンヌ(2016年製作の映画)

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主演したブラッド・ピットとマリオン・コティヤールと映像の美しさに惚れ惚れとしながら観ました。綺麗な男女にとっての悲劇を外側から見ると、ほとんど悲劇ではなくなるのかもしれないとそんな思いもよぎりながら。>>続きを読む

モディリアーニ 真実の愛(2004年製作の映画)

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この映画に描かれるアメデオ・モディリアーニ(Amedeo Modigliani,1884-1920年)という、後にエコール・ド・パリの代表的画家の1人としてその名を数えられるイタリア人画家を僕が知った>>続きを読む

しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス(2016年製作の映画)

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こんなにも具体的でささやかなものごとの積み重ねのうちに、窓からこぼれ落ちる光の粒子の1つ1つまでもが愛おしい。

たぶん間違いなく、男性にとっての女性の分からなさが端的に表れたこの作品は、そのようにた
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

4.0

ボブ・ディランという1人の偉大な詩人が音楽に乗せて歌った歌は、匿名的な(かつて無数にいたであろう)1人の男にその終着点を教え、凡庸な(これからも無数に存在し続けるだろう)1人の青年に奇跡の意味を告げた>>続きを読む

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(2013年製作の映画)

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才能をもつことや偉大であることの対比として、才能がないことや平凡であることが概念としては存在しているのですが、おそらくそれは概念にしか過ぎませんし、自然な発露として才能を発揮することや、偉大になってい>>続きを読む

ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム(2005年製作の映画)

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ロックとは何かといった問いは、ロック・ミュージックに自然に反応できる人たちにとっては意味がないのだろうと思います。けれど僕はロック・ミュージックとされる数十曲は好きでも、ロック・ミュージックそのものに>>続きを読む

6才のボクが、大人になるまで。(2014年製作の映画)

4.0

30代のある時期に、集中的に水彩画を描いていたことがあります。息子を描き、妻を描き、息子が最期まで世話し続けた兎を描き、蓮の葉と茎を描き、紫陽花を描き、20代の頃に折に触れて立ち寄っていた灯台を描き、>>続きを読む

私がクマにキレた理由(わけ)(2007年製作の映画)

4.0

正しさが必ずしも人を正しさへと導くわけではなく、幸せな感情もまた人を幸せへと導くわけではない。こうした思いをこのところ深めているのですが、正しさであれ誤りであれ、幸せであれ不幸であれ、そのように感じら>>続きを読む

砂漠でサーモン・フィッシング(2011年製作の映画)

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何のあてもなく週末の夜に車を走らせたくて妻をドライブに誘うことが多いのですが、お互いの仕事のこと、息子のこと、昔のことや老後のこと、翌週の献立など、車を走らせながら目にしたものや思いついたことなどを話>>続きを読む

インソムニア(2002年製作の映画)

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この映画もまた深夜のBS放送で観たからこそ、静かに心の奥の扉を開き、眠れない夜をともに過ごしながら早朝の気配を迎えることになった作品のうちの1つです。

タイトルの『insomnia』とはそのものずば
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16ブロック(2006年製作の映画)

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深夜のBS放送で観たからこそ、深く心に沈み込むように愛している映画が僕には何本かあります。もしかするとそうした作品の多くは、映画館で観てもそれほど感銘は受けなかったかもしれない。またこのことは映像とし>>続きを読む

ブロウ(2001年製作の映画)

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僕たち1人1人の心にはきっとそれぞれに廃墟のような場所があり、それは大都市が荒廃したあとの高層ビルのようであったり、もしくは僻地にひっそりと朽ちたあばら家のようだったりするかもしれない。そして繰り返し>>続きを読む

オールウェイズ(1989年製作の映画)

4.0

1990年に日本で公開された2本の映画『ゴースト/ニューヨークの幻』(ジェリー・ザッカー監督, 1990年)とこの『オールウェイズ』(スティーヴン・スピルバーグ監督, 1989年)は、たいへん似通った>>続きを読む

ダンス・ウィズ・ウルブズ(1990年製作の映画)

4.0

きっと間違いなく(現実的にこれ以上は考えられないくらいに)相性の良いパートナーである妻と出会えたことで僕のもつ女性運は使い果たしているはずですが、47年間生きてきたなかで、淡く点描するように素敵な女性>>続きを読む

ラウンダーズ(1998年製作の映画)

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ギャンブルと勝負とは似て非なるものであることがこの映画を観るとよく分かるような気がしますし、男たちが何を中心的な原理として行動しているのかも端的に表れた映画だったように思います。

テキサス・ホールデ
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フライド・グリーン・トマト(1991年製作の映画)

4.0

食べ物のほかには何事につけ執着を見せない妻から、かつて彼女のオールタイム・ベストをひと苦労しながら聞き出したことがあります。どこでいつ何を食べたのかについては淀みなく記憶しているのですが、映画について>>続きを読む

マグノリアの花たち/スティール・マグノリア(1989年製作の映画)

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10年ほど前の30代の頃に妻から聞いた、彼女のオールタイム・ベストのうちの1本がこの『マグノリアの花たち』だったのですが、今の彼女の好みはずいぶん変わってきており、たとえば『L.A.コンフィデンシャル>>続きを読む

プリティ・ウーマン(1990年製作の映画)

4.0

YouTubeを当てもなく寝転がりながら観ていたときに、VOGUEのチャンネルがお勧めに出てきてレア・セドゥがインタビューに答えていたのですが、このひとの魅力の半分以上は頭の良さから生まれていることを>>続きを読む

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

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直接的には黒人に対する白人の差別主義がどれほど理不尽であるかを描いた作品になるのでしょうけれど、タイムループというSF装置を使うことによって、Racism(レイシズム)に限らずより普遍的な意味での偏見>>続きを読む

オール・ユー・ニード・イズ・キル(2014年製作の映画)

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何かと何かの類似性に気づくことも、その反対に何かと何かの相違性に気づくことも、どちらも知性にとっては必要なことですが、人類史のほとんどは類似性を体系化していくことに費やされてきたように思います。

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ミッション:8ミニッツ(2011年製作の映画)

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一度観た映画はだいたいのことを覚えていますし、その反対に作品の大部分を忘れた場合には、自分にとって重要な意味をもつシーンが他のシーンの枝葉を払うように鮮やかに残ることになるため、いずれにせよ記憶に残る>>続きを読む

フィフス・エレメント(1997年製作の映画)

4.0

かつて取引先の営業マンに、プロテストに合格したのちにライセンスを更新していた元ボクサーがいて、ずいぶん親しくしてくれていたのですが、ある日この映画を好きだと言っていたことを思い出します。

すぐに赤面
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ニキータ(1990年製作の映画)

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女は愛されるために、そして男は愛するために生まれてくる。

リュック・ベッソンの映画を観るたびに、そうした思いが胸の内を去来することになるのですが、女と男のそうしたシンプルな機微を、どこか気の抜けたユ
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プリデスティネーション(2014年製作の映画)

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この映画の面白さは、この映画の面白くなさとメビウスの輪のように繋がっている気がします。またその面白さは作品としての完成度を示し、いっぽう面白くないという感覚こそが、SF(Science Fiction>>続きを読む

複製された男(2013年製作の映画)

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暗喩(メタファー)の意味をこれほどミスリードしてしまう作品もないように思います。記号(signal)・象徴(symbol)・暗喩(metaphor)の3つはそれぞれに性質を異にしているのですが、映画フ>>続きを読む

ワールド・ウォーZ(2013年製作の映画)

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ゾンビという古典的なモチーフを用いる際には、ゾンビそれ自身の恐怖を描くことはほとんど無効のように思うのですが、主人公が元国連職員という立場から国際政治を背景としたアプローチなのかと思いきや、あっさりと>>続きを読む

オブリビオン(2013年製作の映画)

4.0

空虚で美しい荒廃を、純粋に映像として描きたかったのかもしれない。おそらく作り手にはそれ以上の意図はない。けれどこの世界なら人類は滅ぶ価値があると一瞬でも思えたなら、映像の勝利だろうと思います。またその>>続きを読む

夜が明けるまで(2017年製作の映画)

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コミュ障という言葉を僕は嫌っているのですが(と書いて気づくのはある価値を示そうとする言葉のほとんどを僕は気に入っていない。たぶん支配的な動機を感じるからです)、いわゆるコミュ障という自覚を間違えて持っ>>続きを読む

人生の特等席(2012年製作の映画)

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人生の終盤については半分ほど考える価値はあっても、半分は考えても仕方がない領域に属しているように思います。このことについては様々な人が様々なことを言っていますが、たぶんどれ一つとして正解はない。個々人>>続きを読む

マルタのやさしい刺繍(2006年製作の映画)

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良い晩年を迎えるために今を生きるのはどこか矛盾を孕むものでしょうけれど、いっぽう人は今だけを生きることができないのも事実だろうと思います。ですから「今を生きる」という言葉もまたほとんど嘘だと言ってもい>>続きを読む

奇蹟がくれた数式(2015年製作の映画)

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数学をモチーフとした映画はそれほど多くはないはずですが、『奇蹟がくれた数式』『僕と世界の方程式』『ビューティフル・マインド』『イミテーション・ゲーム』の4作品については、それぞれがそれぞれの作品と舞台>>続きを読む

僕と世界の方程式(2014年製作の映画)

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学問には実学(即効性のある役に立つ学問)と虚学(直接的には役に立たない学問)という分け方があり、たとえば福沢諭吉が『学問のすゝめ』で説いたのは「実学」のほうだったという経緯があるようです。

ですから
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ビューティフル・マインド(2001年製作の映画)

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本作の主人公であるジョン・ナッシュ(1928-2015年)がどのような天才であったのかを、かつてNHKでBS放送された『魔性の難問 リーマン予想・天才たちの闘い』で僕は知りました。

彼はその「リーマ
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LION ライオン 25年目のただいま(2015年製作の映画)

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実話に基づくこの映画を通して、逆説的にフィクションの素晴らしさを僕は感じることになりました。実際に起きたことは事実(fact)であることに違いはないのですが、広義の意味での物語として語られたことは、必>>続きを読む

めぐりあう日(2015年製作の映画)

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女性としての好みとは別に、シャーロット・ランプリングやヘレン・ハントのような容姿を僕は美しいと感じるようで、この『めぐりあう日』に主演したセリーヌ・サレットのことも美しく思いながら見つめていました。>>続きを読む

八日目の蝉(2011年製作の映画)

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何の番組だったかは忘れてしまったのですが、かつて国際司法裁判所で裁判官を務めた経歴をもつ女性が学生に講義するなかで「日本の学生にアイデンティティという言葉を使っても通じない」と言っていたのが印象に残っ>>続きを読む

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