たまたまの上京時にちょうど上映していたので新文芸坐へ。
いつの間にかチケットがQRになっていた。機械で読み取る時のスマホの向きがわからず、スタッフの人に冷たい口調で「逆でーす」と言われた。
上映が始ま>>続きを読む
古い古い映画が“未発達”だとは思わないが、90年ほど前のこの作品の“発達”ぶりといったら。そしてそれを感じさせぬケロッとした面構えで映画はどんどん進んでいく。スムースすぎて居心地の悪さも感じなくはない>>続きを読む
なにも言うことのない89分。
4Kレストア版を観る予定はないが、従来の画質でもなんら不満なし。
『アメリカン・ユートピア』もそうだったが、見せ方って大事だなぁと月並みながら痛感させられる。見せ方を見>>続きを読む
わずか31文字の原作から、同じくらい“言葉数”は少なく同じくらい“行間”が多い作品が紡がれる。優しい手触りだけど硬い拳のような映画。
ドアがずっと開いているのと、人が被っていても気にしないカメラアング>>続きを読む
松竹唯一の怪獣映画。
セリフ足らずのドラマパート、迫力不足の特撮パート、宇宙怪獣という設定を活かせぬギララのパフォーマンス・・等々、なかなかに厳しい1本。“ギララの素”が床を溶かして逃げるくだりはま>>続きを読む
退屈と焦燥がどうしようもない。
こじゃれた展開やフックを入れず、終始ほぼザラっとしたまま通すところが潔いというか“らしい”というか。
「ロードの無いロード・ムービー、愛の無いラブ・ストーリー、犯罪の>>続きを読む
アイコニックな映画としてだけ扱うには、少しビターというかヘビーかつやるせない1本。
意外?に「間」のユーモアが効いている。
全体の色味やテンポ感など、存外に堅牢な作品である。
エンドロール後の“NG>>続きを読む
「奇跡の女優 芦川いづみ映画祭」にて観賞。
桃子(いづみ)と恵美子(白木マリ)の“エス”な関係の話になるのかと思いきやさにあらず。なんならこの2人(+中盤で辛い退場をする中原早苗)は、1枚の写真に納>>続きを読む
「奇跡の女優 芦川いづみ映画祭」にて観賞。
陰影巧みなロケパートが光るフィルムノワール。後半の東京パートも悪くないが、前半の神戸パートがいい。60余年の時を経ても、今とそれほど変わらぬ神戸の街並みを>>続きを読む
メロドラマな、あまりにメロドラマな。
殿山泰司runnin'に続いて北林谷栄runnin'に続いて下手から車!の突然さは笑っちゃいけないし笑わなかったけれど思わず笑ってしまいそうなシーン。
先にも書>>続きを読む
「奇跡の女優 芦川いづみ映画祭」で観賞。
乱歩の原作は未読。乱歩原作だが他者も関わっているらしく、なるほど平素の乱歩ほどおどろおどろしくないのはそのせいなのかも。
ノワールでどこか新東宝タッチの序>>続きを読む
ファーストカットが素敵だと、もうそれでOKと思ってしまう。
終始強い絵造りで最後まで飽きることなどないのだが、殊更最初の「爆発」が優れていた。
ファスビンダーの女性観/男性観の向こうの哲学的要素を覗>>続きを読む
「台湾巨匠傑作選2023」の1本として観賞。
公開時に観に行けなかった、ちょっとした“忘れ物”を26年後に拾得した気分。
当時の恋人に誘われたが都合がつかず(原因は忘却の彼方へ)、後日こんな映画だ>>続きを読む
小津のオマージュ・・いやパロディ風味だが本家がやらぬようなショットも垣間見え。例えば終盤の家の屋根のあたりはとてもいい。しかしあくまでパロディ風。それ以上の効果やマジックは存在せず。
結婚観はとにか>>続きを読む
後期アケルマン初体験。
中盤は諸々しんどかったが、入口と出口はまことに素晴らしい。
横移動好きにはたまらない時間が流れる。でも突然の大きな音にはご注意を・・。
スタイリッシュとエロとグロが階乗された得も言われぬ世界。皆もっともらしい面構えで立ち回るが結局デタラメじゃねぇか。でも丹波哲郎だからそれでいいのか、いいのだろうな。しかし明日死能という役名が素晴らしい>>続きを読む
現金強奪を目論むもなんともまとまりのない連中の可笑しさ。
丹波哲郎はところどころキメている、いやキメようとはしているが、終始損な“引率(できていない引率)役”で彼自身の魅力が存分に発揮されているかとい>>続きを読む
今さらだが、監督の「手癖」の繰り返し。それも悪いほうの手癖の連続でそのたびにテンションが下がる2時間だった。
特に監督の女性観、ひいては人間観に鼻白む思い。
男性である監督から見た女性を、憧れるあま>>続きを読む
全話ではないが『電光超人グリッドマン』は観ていた。
2018年の秋はしょっちゅう『SSSS.GRIDMAN』のことを考えていた。
2021年の春も同じように『SSSS.DYNAZENON』を思っていた>>続きを読む
大映×川島雄三×若尾文子の3作の劈頭を飾る一本。
好きな映画会社で好きな監督が撮って好きな女優が出ているのに、ずっと観る機会を逸していたがようやく。
色とりどりの衣装を纏う小えん/友子の周りを幾人も>>続きを読む
やれ幻だの観たら死ぬだの言われてきた作品だが、実際の中身は比較的真っ当なミステリー(とはいえ“幽霊”はちゃんと出てきます)。
建築家兼心霊探偵という主人公の設定も物語に説得力を持たせたりそうでなかっ>>続きを読む
筋といい劇伴といいカメラワークといい、どこかフィルムノワール調。
悲劇の原因はヴァンプ京マチ子ではなく、石部金吉だがオロオロし通しですぐに首を絞めたがる志村喬とそして加東大介。
エミを惑わす楽士は誰だ>>続きを読む
難解でもましてや高尚でもなく、親切でそして可愛い。
確かに構造はいわゆる「メタ」なのだが、そのメタを親切な説明つきでひょいひょいと飛び越える軽やかさがこの映画の魅力。
運び屋×美女という設定も作品>>続きを読む
すべては「B級映画だから・・」で片付けられるとはいえ。
作り手はアフリカをどんな未開の地だと思っているんだ。
怪獣(Monster)映画なのに低予算のせいか“怪獣”があまり出ないのはある程度覚悟は>>続きを読む
活弁つきで観たが、なしでも十分楽しめたはず。約100年前の映画なれど既に物語の“出し入れ”や“緩急”、その他細かい部分までの設計ができている。
前後半のテンポチェンジが鮮やか、そして横移動が心地良い。>>続きを読む
『野良犬』『張込み』の系譜にある張り込み映画であり、一級の「団地映画」でもある。
若くて血気盛ん、自らのミスを取り返さんと焦る小高雄二と、経験豊富、諦念と余裕とペーソスを漂わせる織田政雄のバディのコ>>続きを読む
ラインシリーズ第3作。シリーズ中今作のみカラー。
締まった前半に比べ後半がどうにもチグハグ。
黄線地帯、ヒロインの誘拐とそれを探す恋人の記者、騙された殺し屋・・という各要素がほとんど絡み合わないのが、>>続きを読む
いわゆる「ラインシリーズ」初体験。
モードなジャズが流れるスタイリッシュなフィルム・ノワール。終始軽快に進むが、終盤勿体ぶるというかテンポが悪くなるのは少し残念。そこが見せどころという作り手側の思いは>>続きを読む
さよならテアトル梅田。(特に90年代)たくさんの作品に出会った劇場で最後に観たのはこれ。
過ぎ去った年月を思い起こすにはぴったりの1本だったかも。
導入部のテンポ感と、そして~初見の時はイマイチ咀嚼>>続きを読む
35mm上映で余計に、劇中の音の“饒舌さ”を堪能(それに比べてAlbert AylerとJim O'Rourkeの曲は音量控え目。なので余計に効果的に聴こえたり)。
どんな映画でも辿っていけば「ユー>>続きを読む
やれ今の時代だのフェミニズムなどと比べたり論じるつもりはなく(このタイミングで作品にまた陽が当たるなど、当時は想像できる由もない。故に偶然や必然かは結果論でもある)。
人によれば「で?」という映画とも>>続きを読む
シリーズ第1作。
アキラはまだ線が細く(それがかえっていい)、ジョーのキャラもまだ確立されておらず。
ヒロインのルリ子より脇の中原早苗や渡辺美佐子のほうが魅力的。
しかしこういう“旅もの”は昔の街並み>>続きを読む