kouさんの映画レビュー・感想・評価 - 12ページ目

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ウィッチ(2015年製作の映画)

4.5

何かわからないものを恐れる、自分の理解の範疇でないものにであうことで正常な思考から離れて行く人間の弱さと愚かさ。肉親ですら憎み合い、嘘をつきあい、疑って行く人間の心理を描く。

また、おどろおどろしい
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武士の家計簿(2010年製作の映画)

3.0

武士の刀を使った戦いでも、馬に乗り颯爽と登場する姿でもなく、算盤を弾き加賀藩の御算用者として働く姿を描く。もちろん絵面の派手さはないが、人間味溢れる描写が森田芳光らしい部分だった。

社会的なイメージ
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戦場のメリークリスマス 4K 修復版(1983年製作の映画)

4.5

大島渚監督。デビッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし等顔ぶれの豪華さ、そして絵面の特殊さがあり、他の映画には出すことのできない独特な雰囲気がある。戦争映画であるが戦闘シーンはなく、しかしながらとても豊>>続きを読む

窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

3.5

原作は水城せとなの同名コミック。行定勲監督。受け身の恋愛を繰り返してきた大伴(大倉忠義)。ある出来事から、大学時代の後輩の今ヶ瀬(成田凌)と再会、想いを告げられる。次第に2人の関係は縮まって行く。>>続きを読む

青春の殺人者(1976年製作の映画)

4.0

強烈な映画で、ある青年が苛立ち、暴走して、破滅へと向かって行く様を、美化無くしてどろどろと描いて行く。

親殺しという強烈な行動を起こす主人公は、大きな憎悪を抱えるでもなく、その時の苛立ちから手を染め
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憂鬱な楽園(1996年製作の映画)

4.5

ホウ・シャオシェンの作品ではある種のノスタルジックが常に描かれている事が特徴的であると思うのだが、今作はまた違うテイストを持つ。ヤクザの男とその舎弟、そしてその女。それぞれがうだつの上がらない現状を生>>続きを読む

童年往事 時の流れ(1985年製作の映画)

4.5

ホウ・シャオシェンの少年期を基に、淡々とある少年が青年になるまでを描く。ノスタルジックではあるのだが極力表現を抑え、ある家族を描きながらその背後には台湾の情勢が映し出される。

直接的ではないが、戦車
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ゴジラVSメカゴジラ(1993年製作の映画)

3.0

ゴジラシリーズ第20作。メカゴジラの登場、ラドンとベビーゴジラというそれぞれの人気怪獣達が登場するだけでも上がる。ゴジラに対向するGフォースの存在など、展開としても面白かった。

また、かなり特撮の迫
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街の上で(2019年製作の映画)

4.5

今作を見終えて一か月ほど経った今でも、この映画のことを思い返しては微笑み、そして切なくもあり、愛おしい気持ちになる。愛すべき人たち、そして愛すべき土地。そこにはまるで、まだ彼らが住んでいて、息づいてい>>続きを読む

ロード・オブ・カオス(2018年製作の映画)

4.0

ブラックメタルの黎明期、「メイヘム」というバンドのたどった恐ろしい顛末を描く。かなりバイオレンス描写がきつく、見る人を選ぶ作品であるのには間違いないが、個人的にはとても面白い作品だった。ある一点まで追>>続きを読む

タイム(2020年製作の映画)

3.5

TIMEという題名が示すように、とても長い年月を父親の不在のまま暮らした家族の物語。現在のアメリカの持つ問題を浮き彫りにし、母親が自分を奮い立たせ戦う姿を描く。また、時間という順行で進んでいく現実の重>>続きを読む

マンディンゴ デジタルリマスター版(1975年製作の映画)

4.0

これほどまでに黒人奴隷問題を衝撃的に、そして人間の醜さを描いた作品は思い出せない。1975年という時代に、ここまで衝撃的な作品を作り上げたリチャード・フライシャー監督の並々ならぬ思いを感じる一作であっ>>続きを読む

惡の華(2019年製作の映画)

2.5

原作がとても好きなこともあり、これを映像化というのはなかなか難しいなと思っていた。というのも、仲村さんという存在は、ある意味漫画だからこそ存在しうるキャラクターであって、映画にしてしまうと陳腐になりか>>続きを読む

ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

3.5

とても王道的な、プロレスの舞台でトップを目指す女性レスラーの姿を描きながら、特筆すべきは、「選ばれなかった者」の姿だろう。本作で言うならば、主人公の兄の存在だ。その二人の描き方をしっかりと描き、そして>>続きを読む

アップグレード(2018年製作の映画)

3.0

とても評判の良いことは聞いていて、同監督作品である「透明人間」が面白かったこともあり鑑賞。評判通り、SFアクションの最新版、多くの過去作にインスパイアされたものでありつつも、フレッシュな描写が数多くか>>続きを読む

フィールズ・グッド・マン(2020年製作の映画)

3.0

SNSや掲示板のやり取りの中で、いつしかあるキャラクターが意味をもたらされることは多くある事だ。2chを思い返してみても、数多くのネットミームを思い出すことができる。それらを使っている人たちは、源流を>>続きを読む

BLUE/ブルー(2021年製作の映画)

4.0

ひたすら夢を追い続けることの呪縛。自分の人生にはこれしかないとまで言えるものに対し努力し続けるも、それでも成功には届かない。ある種のしがらみのような状態で、それでも心の灯をともし続け、突き進んでいく男>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.5

なりたい自分となれる自分の間にはどうしても違いがあり、その狭間の埋まらなさがもどかしく、そして苛立つ。そんな苦悩はいつしか、歳をとるにつれて和らいでいった。それでもまだ、自分のありのままを受け入れるこ>>続きを読む

ゴジラVSモスラ(1992年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第19作。かつてのゴジラシリーズ的な、ファンタジー、エンターテイメント要素の多い作品となっている。やはりそこにはモスラという怪獣の持つ愛嬌のようなものと、神聖さがあると思う。

コスモス
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ゴジラVSキングギドラ(1991年製作の映画)

3.0

ゴジラシリーズ第18作。現在と過去を行き来してゴジラが登場する珍しい作品。前2作よりはテイストが明るくなり、エンターテイメント要素の多い作品となっている。

タイムパラドクスについてはどうしても矛盾が
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ゴジラVSビオランテ(1989年製作の映画)

3.5

前作平成版ゴジラの雰囲気にも似ていて、昭和シリーズよりもかなり大人向けの内容となっている。勿論怪獣映画としての面白さはあるのだが、それよりも人間模様、自衛隊とゴジラの戦いにも重きが置かれ、ダークな雰囲>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.0

独学で7年の歳月をかけて制作したSFストップモーションアニメ。原案、脚本、編集、撮影…等々のすべてを堀監督が1人で担当し、作り上げた執念の一作といえる。まずはその途方もない、無謀ともいえる試みの熱量の>>続きを読む

色即ぜねれいしょん(2008年製作の映画)

3.0

みうらじゅん原作、田口トモロヲ監督。渡辺大知、峯田和伸、岸田繁出演という当時のサブカル勢揃い踏みという感じの作品。みうらじゅん自身の自伝的作品であり、音楽の好きな高校生の青春を描く。

描かれるのは音
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ゴジラ(1984年製作の映画)

3.0

前作から9年ぶり、平成ゴジラシリーズと呼ばれる作品群の始まりの作品となる。本作では30年前に現れたゴジラが再び出現したということになっている。ゴジラの一作目を踏襲するように、自然の脅威、恐るべき存在、>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

4.5

圧倒されるアメリカの壮大な風景。そこで放浪する人々の姿。ある社会的な変化から生活を変えざるを得なくなった女性、ファーンの姿から映される現実はとてもハードである。しかしながらこれまで見えてこなかった部分>>続きを読む

ディア・ドクター(2009年製作の映画)

3.5

嘘、偽物、そこにある真実。僻地にいる無免許の医師から紡ぎ出される物語は、とても多くのことを問いかける。医師を慕い尊敬する人々。彼らは医師という存在を信じることでそれが安心となり、健康でいられるのだ。>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

4.0

アメリカで農業を営もうとする父親とその家族。父親はなんとか今の生活をよくしようと奮闘するが、数々の苦難が待ち受ける。慣れない生活から母方の祖母が韓国からやってくるが…。

まずは監督のとても個人的な物
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メカゴジラの逆襲(1975年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第15作。前作から引き続きメカゴジラが登場。またチタノザウウスという恐竜も登場する。内容としては少し暗めで人間ドラマに重きを置いている印象だった。

特に一度死んでサイボーグとなった桂と
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ゴジラ対メカゴジラ(1974年製作の映画)

3.0

ゴジラシリーズ第14作。今作のメカゴジラの圧倒的な力、そしてガジェットの魅力、見た目の素晴らしさ。メカゴジラがここまで人気であることの理由は、今作を見れば一目瞭然であった。

また、今作は沖縄を舞台と
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旅のおわり世界のはじまり(2019年製作の映画)

3.5

海外というある種の異世界に迷い込み、自分の殻から出られない、居場所を失った女性が、次第に自分の向かう方向を見つけていく話。

海外ロケをするテレビクルーがウズベキスタンでロケをして、言葉の違い、生活の
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ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.5

多くの作品に影響を与えたという事に納得の、インパクトの強い衝撃的な作品であった。言うまでもなく、ルトガー・ハウアーの狂気は凄まじく、実在すら危うい幽霊のような存在を見事に演じている。

今作は1950
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ラーヤと龍の王国(2020年製作の映画)

4.0

ディズニーの最新作であるのに、公開館数が少なく、映画館の盛り上がりに繋がらないのがとても残念でならない。ソウルフル・ワールド然り、やはり大きなスクリーンで見たいし、そういうために細かい演出をしてるんじ>>続きを読む

あの頃をもう一度(2021年製作の映画)

3.0

短篇ながらもしっかりと感動させるのはやはりディズニーの力か。雨とダンス、映像の美しさと、楽しさは勿論のこと、そこに老いという要素を足しているのが面白い。

雨に打たれて若さを取り戻し、かつてのように踊
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ゴジラ対メガロ(1973年製作の映画)

2.5

ゴジラシリーズ第13作。ジェットジャガーという人間の作ったヒーローが出てきて、ゴジラとタッグマッチを繰り広げる。相手はメガロとガイガン。そのアイデア自体は前作と変わらないのだが、ゴジラの人間化がより進>>続きを読む

地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン(1972年製作の映画)

3.0

ゴジラシリーズ第12作。前作のゴジラ対ヘドラの雰囲気とはまた変わり、明るい作風に戻っている。ゴジラ自体も正義の味方のように描かれ、アンギラスを従えたり、セリフが吹き出しで出たりとゴジラという存在がより>>続きを読む

ソング・オブ・ザ・シー 海のうた(2014年製作の映画)

3.5

一作目であるブレンダンとケルズの秘密も素晴らしい映画であったが、今作を見て、その技術の確かさにまた驚かされた。愛くるしいキャラクター達はもちろん、海の描き方、水の描き方の豊かさ。絵画からの引用も多く、>>続きを読む