Ryoさんの映画レビュー・感想・評価

Ryo

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怪物(2023年製作の映画)

4.5

これはおそらく「視点」の物語。一軒家が高層マンションからの視点にもなるのはそれを示唆している?うなり笛、サイレン、管楽器の音、嵐、、どこかで発せられた音は誰かには美しい音楽に、別の誰かには不協和音もし>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.4

線を描く音に重なる音楽、ボールが弾む音、バッシュの床と擦れる音、会場の響き、それが全く聞こえなくなる時間。最終盤の汗の滴りからの描写が特に秀逸だと感じた。
スピード感、個々の動きの描写、言葉のアクセン
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ナショナル・シアター・ライブ 2022 「レオポルトシュタット」(2022年製作の映画)

4.3

装置の減り方、照明のさりげないチェンジによる転換の少ない展開、家族の出ハケの美しさ、親族一人一人の名前と死因の間。
人は多くなるほどモノに見えてくる、とは聞きますが、こんなふうに内部ではパーソナルに親
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.5

最初の音でモリコーネだと分かるのは何故だろう。
恍惚な時間の訪れを感じる。

飛び込む音や缶の音やハシゴの音を用いて、編曲を発明し、劣等感や罪悪感すら感じながら作曲した映画音楽を師匠ペトラッシに褒めら
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ワン・セカンド 永遠の24フレーム(2020年製作の映画)

3.8

広大な砂漠の道なき丘陵、点々とした農村、水を求めること、麺を食べること、目の輝き、人の振るまい、フィルムの扱い、光と影、熱い思い、少しズレてしまった思いやり、、ワンセカンド=1秒は娘の映るフィルムだけ>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.5

李相日監督作品「流浪の月」。
「怒り」では沖縄を本作でも地方の都市を舞台にしている。海や川の風景、人の集まる場所での反応が変わらず印象的。「怒り」が動なら本作は静。
誘拐犯とその被害者がどうしてそんな
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四月は君の嘘(2016年製作の映画)

3.8

原作との違和感も「きっと私わすれない」って台詞の響きだけで、良しと思えた。

99.9-刑事専門弁護士‐ THE MOVIE(2021年製作の映画)

3.4

ドラマをほぼ観ずに鑑賞。
面白かったですが、スペシャルドラマでも良かったかも。。

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

4.4

曲や背景や色温度の低い光の雰囲気は変わらないのに、オリジナルとは全く違う印象を受けた。
マリアとトニーの恋への落ち方や今日明日というスパンで生きている感じなどにオリジナルではあまり感じなかった「若々し
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パリ・オペラ座バレエ シネマ「プレイ」(2017年製作の映画)

4.5

舞台上部で回転するホワイトキューブ。ほぼ裸体のように見えるダンサーたち。3体のキューブを動かして、女性バレエダンサーの動きに付く音は目の前で男性ダンサーがマイクを打ちつける音。
オレンジ色のニットの男
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十二人の死にたい子どもたち(2019年製作の映画)

2.8

この違和感はなんだろう。
すぐに愛称で呼び合ったり、生い立ちや自分の現在をさくさく話し始めたり、あっさり仕掛けを明かしたり。
要するに終始「死にたい」と矛盾を僕は感じてしまった。

シカゴ(2002年製作の映画)

4.5

午前10時で初鑑賞🎶
ロキシーもヴェルマもママもビリーもみんな自己中でどーしようもなく魅力的✨旦那さんはそんな女だと分かっていても好きなんだろうな。
楽曲とストーリーの切り替わりの無理のない演出や女性
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ディア・エヴァン・ハンセン(2021年製作の映画)

4.5

自己肯定って本当にささいなことで揺らぐものだし、今はSNSなどで晒される機会も多いからなおさら。寄り添おうとすればするほどに突き放したり離れてしまうこともある。
あの状況で少しの下心が有るにしても、こ
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ダンシング・ベートーヴェン(2016年製作の映画)

4.3

作曲時に聴力がなかったベートーベンも、視覚的にイメージした通りではないかというような件にも納得の解釈。
300年間で最悪のこんな酷い世界にも、人の身体の美しさやその創造は捨てたもんじゃないし、末端の我
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ナショナル・シアター・ライヴ 2016「夜中に犬に起こった奇妙な事件」(2012年製作の映画)

4.5

"自閉症"ではなく"違い"の物語。当事者が見ている世界を、立体の電飾に囲われたアクティングエリアに3箇所の出入り口がある舞台で再現している。
映像的に面白い地図や電車内のシーンは、当然上部からの撮影を
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水曜日が消えた(2020年製作の映画)

3.5

クラシックの名曲が街の放送から挿入されたり、図書館が素敵だったり、7人それぞれの持ち物やデスクに個性が有って、仕事も1週間開けてこなせる得意なことをして生活している描写がとても良かった。明日も自分でい>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

2.9

映画館で予告を観た時から気になっていた。
人の弱さ故になのか、弱さのエッセンスをまとめたらこうなってしまうのか。
18×4の区切りは納得。
その後がどう有るべきかの答えは日本の国会あたりでこそ見られる
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サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

4.5

タリバン政権は音楽を禁止し、中国はファンの活動を規制しているというニュースを聞いた矢先だった。それだけ音楽の力は、権利に取って不都合にもなり得ることを、この映像作品からは痛いほどに感じる。
そこには直
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.5

「女のいない男たち」というタイトルの秀逸さ。みさきのぎりぎりの素っ気なさは三浦透子さんならでは。大人を演じている演出家家福に、音が語る脚本の続きと自分に正直であることを役者高槻が語る展開には、私なら冷>>続きを読む

血と骨(2004年製作の映画)

3.0

血も涙も無い男だが、血を流し骨を叩きつけながら生きた様はまさに唯一無二。焼けた炭を顔に押し付けることも厭わず、子どもを階段から突き落とすバイオレンスは、見ていて辛かった。
清子さんに優しかったこと、子
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イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)

4.7

自分の居場所を確認できて、進む道を決めた時、ベランダは未来まで縦横無尽に続くダンスフロアにもなる。

よく知るニューヨークを裏側から見た景色、ここはアメリカでもカリブでもないその狭間にある隠れ里。濃厚
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ラ・ボエーム(2008年製作の映画)

4.0

歌に集中できる良さは映画ならではなのかな。舞台でライブだからこそのオペラだとは改めて思う。
自分の表現活動ができることと愛する人の命を救えないこと、貧しくても仲間がいてくれることとお金が有っても愛され
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.8

素晴らしいクリエイティビティ!
素晴らしいクオリティ!
このユートピアを維持するためなら選挙に参加しようというなら説得力も充分!

映画というよりコンサートのドキュメンタリーであることやトーキングヘッ
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ナショナル・シアター・ライヴ 2016「戦火の馬」(2014年製作の映画)

4.2

パペットを主役に据えた演劇作品。アヒルは喜劇役者そのものだし、3人遣いの馬は文楽にも通じるものを感じた。パペットだからこそ、の生き生きとした表現というものがあるのだ!脱皮するように大人になるシーンは鳥>>続きを読む

名探偵コナン 緋色の弾丸(2021年製作の映画)

3.8

リニアやMRIの弱点や、車体の強度にまつわること、オリンピックの場当たり的な運営など、実際に起こりそうなことを盛り込んでいて面白かった。
棋士のカーチェイスは土地勘が有るとより楽しめそう✨
勧めてもら
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キタキタ(2017年製作の映画)

3.2

札幌フィルムコミッションで3/27まで視聴無料!
http://www.screensapporo.jp/kitakita/movie/kita_kita.html
少しベタでもあるけれど、一途な思い
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.7

3人の女性たちそれぞれの色彩を余すところなく、映画のビジュアルでも表現したのはさすがの蜷川実花。特に二階堂ふみさんの深い緑には狂気のような執着が感じられて美しかった。
自宅に女性を上げて「いいんだ」と
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キンキーブーツ(2018年製作の映画)

4.8

音楽、ダンス、美術による息も付かせぬ展開。何より歌のレベルが高くてライブ感も凄い✨トランクスで踊ってるのもだんだん小粋に見えたり。笑
子どもの頃の2人が現れるシーンでは右のご婦人が「はぁ🥰」と、左の女
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聖なる犯罪者(2019年製作の映画)

4.0

病的なほどに痩せ窪んだ顔に青く澄んだ瞳は、確かに聖なる犯罪者にも、俗なる(罪有る)聖職者にも見えた。原題はどちらのニュアンスなのでしょう。
村の事件も真相は'藪の中'だが、何かを動かすのは権力者だけで
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